『「給与・役員報酬の計上取引」の「仕訳」』を、以下の項目に従い、ご紹介させて頂きます。

 

 

 

Ⅰ:「給与・役員報酬の計上取引」の「仕訳」と「取引の概要」

1、「給与・役員報酬の計上取引」の「仕訳」

『「給与・役員報酬の計上取引」の「仕訳」』については、以下のような仕訳となります。

 

 見出4 「給与手当」「役員報酬」を「全社ベースの金額」で計上する場合の「仕訳」    

「給与手当」「役員報酬」を、
「全社ベースの金額」で計上する場合の「仕訳」は以下のものとなります。

【借方】勘定 補助科目 金額 【貸方】勘定 補助科目 金額
役員報酬   xxxxx円 法定福利費 社会保険料徴収額 xxxxx円
給与手当   xxxxx円 法定福利費 雇用保険料徴収額 xxxxx円
      預り金 所得税徴収額 xxxxx円
      預り金 住民税徴収額 xxxxx円
      未払費用 役員報酬・給与 xxxxx円

 

 見出4 「給与手当」「役員報酬」を「個人ベースの金額」で計上する場合の「仕訳」    

「給与手当」「役員報酬」を、会計帳簿残高試算表等、「各従業員・役員ごとの金額で表示させる場合には、
・「給与手当」「役員報酬」に、以下のような個人別の内訳を示す「補助科目」を付け、
・「給与手当」「役員報酬」に「各従業員・役員ごとの金額」を計上することが必要となります。

【借方】勘定 補助科目 金額 【貸方】勘定 補助科目 金額
役員報酬 個人名 xxxxx円 法定福利費 社会保険料徴収額 xxxxx円
役員報酬 個人名 xxxxx円 法定福利費 雇用保険料徴収額 xxxxx円
預り金 所得税徴収額 xxxxx円
給与手当 個人名 xxxxx円 預り金 住民税徴収額 xxxxx円
給与手当 個人名 xxxxx円 未払費用 役員報酬・給与 xxxxx円
     

 

以下では、上記「仕訳の意味・内容」を順を追ってご紹介させて頂きます。

 

2、「給与・役員報酬の計上取引」の概要

「給与・役員報酬の計上取引」は、「以下の5種類別々の取引複合された取引」となります。

  • 1、「給与・役員報酬の費用計上取引
  • 2、「社会保険料の徴収取引
  • 3、「雇用保険料の徴収取引
  • 4、「源泉所得税の徴収取引
  • 5、「特別徴収住民税の徴収取引

 

このため『「給与・役員報酬の計上取引」に係る「仕訳」』を理解するためには、

  • この複合取引に含まれる「それぞれの取引」が「どのような取引であるか
  • この複合取引に含まれる「それぞれの取引」に対する「仕訳

を1つ1つ理解・把握することが必要となります。

このため以下では、この『「給与・役員報酬の計上取引」に含まれる「各取引の内容」及び「各取引の仕訳」』を、ご紹介させて頂きます。

 

 

Ⅱ:「各取引」の「会計的な取引内容」及び「仕訳」

1、「給与・役員報酬の費用計上取引」の「会計的な取引内容」及び「仕訳」

「給与・役員報酬の費用計上取引」は、

「給与・役員報酬の計算対象期間」において「従業員から労働サービスの提供を受けたこと」「役員から会社経営サービスの提供を受けたこと」に対して、会社が「費用」を計上する取引をいいます。

この「給与・役員報酬の費用計上取引」の「会計的な取引内容」及び「この取引に係る仕訳」は、以下のようなものとなります。

なお、当該取引につきましては、『「給与・役員報酬の費用計上取引」の「取引内容」と「仕訳」』でより詳細をご説明しておりますので、必要に応じて当該リンクページもご覧頂きますようお願い致します。

 

「給与・役員報酬の費用計上取引」の「会計的な取引内容」

「給与・役員報酬の費用計上取引」とは、会社にとって、

① 「給与・役員報酬の計算対象期間」における「給与手当」「役員報酬」という「会社費用」が計上される取引であるとともに、

② 従業員・役員に対する「未払費用」という「負債」が計上される取引となります。

 

給与・役員報酬の費用計上取引の「会計的な取引内容」

 

「給与・役員報酬の費用計上取引」の「仕訳」

『「給与・役員報酬の費用計上取引」の「仕訳」』は、以下のようになります。

 

見出三角(大) 「給与手当」「役員報酬」を「全社ベースの金額」で計上する場合の「仕訳」

【借方】勘定 補助科目 金額 【貸方】勘定 補助科目 金額
役員報酬   xxxxx円 未払費用 役員報酬・給与 xxxxx円
給与手当   xxxxx円      

 

見出三角(大) 「給与手当」「役員報酬」を「個人ベースの金額」で計上する場合の「仕訳」

【借方】勘定 補助科目 金額 【貸方】勘定 補助科目 金額
役員報酬 個人名 xxxxx円 未払費用 役員報酬・給与 xxxxx円
役員報酬 個人名 xxxxx円      
     
給与手当 個人名 xxxxx円      
給与手当 個人名 xxxxx円      
     

 

 

2、「社会保険料の徴収取引」の「会計的な取引内容」及び「仕訳」

「社会保険料の徴収取引」とは、

従業員・役員が負担しなければならない社会保険料健康・介護保険料及び厚生年金保険料)」を、会社の「給与・役員報酬の計算」において徴収する取引をいいます。

この「社会保険料の徴収取引」の「会計的な取引内容」及び「この取引に係る仕訳」は、以下のようなものとなります。

なお、当該取引につきましては、『「社会保険料の徴収取引」の「取引内容」と「仕訳」』でより詳細をご説明しておりますので、必要に応じて当該リンクページもご覧頂きますようお願い致します。

 

「社会保険料の徴収取引」の「会計的な取引内容」

「社会保険料の徴収取引」とは、会社にとって、

① 「従業員・役員負担分の社会保険料」を徴収するため
『「給与・役員報酬の費用計上取引」において計上した「未払費用」』という「負債」を減少させる取引であるとともに、

② 「法定福利費」という「会社費用」が減少する取引となります。

 

給与・役員報酬の社会保険料徴収取引の「会計的な取引内容」

 

「社会保険料の徴収取引」の「仕訳」

『「社会保険料の徴収取引」の「仕訳」』は、以下のようになります。

【借方】勘定 補助科目 金額 【貸方】勘定 補助科目 金額
未払費用 役員報酬・給与 xxxxx円 法定福利費 社会保険料徴収額 xxxxx円

 

 

3、「雇用保険料の徴収取引」の「会計的な取引内容」及び「仕訳」

「雇用保険料の徴収取引」とは、

従業員が負担しなければならない雇用保険料」を、会社の「給与・役員報酬計算」において徴収する取引をいいます。

この「雇用保険料の徴収取引」の「取引の内容」及び「この取引に係る仕訳」は、以下のようなものとなります。

なお、当該取引につきましては、『「雇用保険料の徴収取引」の「取引内容」と「仕訳」』でより詳細をご説明しておりますので、必要に応じて当該リンクページもご覧頂きますようお願い致します。

 

「雇用保険料の徴収取引」の「会計的な取引内容」

「雇用保険料の徴収取引」とは、会社にとって、

① 「従業員負担分の雇用保険料」を徴収するため
『「給与・役員報酬の費用計上取引」において計上した「未払費用」』という「負債」を減少させる取引であるとともに、

② 「法定福利費」という「会社費用」が減少する取引となります。

 

給与・役員報酬の労働保険料徴収取引の「会計的な取引内容」

 

「雇用保険料の徴収取引」の「仕訳」

『「雇用保険料の徴収取引」の「仕訳」』は、以下のようになります。

【借方】勘定 補助科目 金額 【貸方】勘定 補助科目 金額
未払費用 役員報酬・給与 xxxxx円 法定福利費 雇用保険料徴収額 xxxxx円

 

 

4、「源泉所得税の徴収取引」の「会計的な取引内容」及び「仕訳」

「源泉所得税の徴収取引」とは、

「従業員・役員の個人所得税」を、会社の「給与・役員報酬の計算」において徴収する取引をいいます。

この「源泉所得税の徴収取引」の「会計的な取引内容」及び「この取引に係る仕訳」は、以下のようなものとなります。

なお、当該取引につきましては、 『「源泉所得税の徴収取引」の「取引内容」と「仕訳」』でより詳細をご説明しておりますので、必要に応じて当該リンクページもご覧頂きますようお願い致します。

 

「源泉所得税の徴収取引」の「会計的な取引内容」

「源泉所得税の徴収取引」とは、会社にとって、

① 「従業員・役員の個人所得税」を徴収するため
『「給与・役員報酬の費用計上取引」において計上した「未払費用」』という「負債」を減少させる取引であるとともに、

② 税務署に対する「預り金」という「負債」が計上される取引となります。

 

給与・役員報酬の源泉所得税徴収取引の「会計的な取引内容」

 

「源泉所得税の徴収取引」の「仕訳」

『「源泉所得税の徴収取引」の「仕訳」』は、以下のようになります。

【借方】勘定 補助科目 金額 【貸方】勘定 補助科目 金額
未払費用 役員報酬・給与 xxxxx円 預り金 所得税徴収額 xxxxx円

 

 

5、「特別徴収住民税の徴収取引」の「会計的な取引内容」及び「仕訳」

「特別徴収住民税の徴収取引」とは、

「従業員・役員の個人住民税」を、会社の「給与・役員報酬の計算」において徴収する取引をいいます。

この「特別徴収住民税の徴収取引」の「会計的な取引内容」及び「この取引に係る仕訳」は、以下のようなものとなります。

なお、当該取引につきましては、『「特別徴収住民税の徴収取引」の「取引内容」と「仕訳」』でより詳細をご説明しておりますので、必要に応じて当該リンクページもご覧頂きますようお願い致します。

 

「特別徴収住民税の徴収取引」の「会計的な取引内容」

「特別徴収住民税の徴収取引」とは、会社にとって、

① 「従業員・役員の個人住民税」を徴収するため
『「給与・役員報酬の費用計上取引」において計上した「未払費用」』という「負債」を減少させる取引であるとともに、

② 各市町村に対する「預り金」という「負債」が計上される取引となります。

 

給与・役員報酬の特別徴収住民税徴収取引の「会計的な取引内容」

 

「特別徴収住民税の徴収取引」の「仕訳」

『「特別徴収住民税の徴収取引」の「仕訳」』は、以下のようになります。

【借方】勘定 補助科目 金額 【貸方】勘定 補助科目 金額
未払費用 役員報酬・給与 xxxxx円 預り金 住民税徴収額 xxxxx円

 

 

Ⅲ:「各取引」に係る「仕訳」の結合

「給与・役員報酬の計上取引」は、
上記Ⅱでご紹介させて頂きました「異なる5種類の取引が複合されたものであるため、

『「給与・役員報酬の計上取引」に係る「仕訳」』も、
上記Ⅱでご紹介させて頂きました『「異なる5種類の取引」の「仕訳」』を結合したものとなります。

ここでは、

  • まず、上記Ⅱでご紹介させて頂きました『「各取引」に係る「仕訳」』を「単純に結合した仕訳」をご紹介させて頂き、
  • 次に、仕訳の「左側(借方)」と「右側(貸方)」に計上されている「未払費用を相殺した
    最終的な『「給与・役員報酬の計上取引に係る仕訳」』をご紹介させて頂きます。

 

1、単純結合した「仕訳」

上記Ⅱでご紹介させて頂きました『「5種類の取引」に係る「仕訳」』を『単純に結合した場合の「仕訳」』は、以下のものとなります。

【借方】勘定 補助科目 金額 【貸方】勘定 補助科目 金額
役員報酬   xxxxx円 未払費用 役員報酬・給与 xxxxx円
給与手当   xxxxx円
未払費用 役員報酬・給与 xxxxx円 法定福利費 社会保険料徴収額 xxxxx円
未払費用 役員報酬・給与 xxxxx円 法定福利費 雇用保険料徴収額 xxxxx円
未払費用 役員報酬・給与 xxxxx円 預り金 所得税徴収額 xxxxx円
未払費用 役員報酬・給与 xxxxx円 預り金 住民税徴収額 xxxxx円

 

2、最終的な「仕訳」

上記1の『単純に結合した「仕訳」』では、「未払費用役員報酬・給与)」が仕訳の左右両方借方・貸方両方)に表示されているため、これらを相殺して右側貸方のみに表示します

この仕訳が最終的な『「給与・役員報酬の計上取引」に係る「仕訳」』となります。

【借方】勘定 補助科目 金額 【貸方】勘定 補助科目 金額
役員報酬   xxxxx円 法定福利費 社会保険料徴収額 xxxxx円
給与手当   xxxxx円 法定福利費 雇用保険料徴収額 xxxxx円
      預り金 所得税徴収額 xxxxx円
      預り金 住民税徴収額 xxxxx円
      未払費用 役員報酬・給与 xxxxx円

 「未払費用」を相殺することにより、上記の『「結合仕訳」における「未払費用の金額」』は、
従業員・役員に支払う『「給与支給(予定)額」及び「役員報酬支給(予定)額」』が表示されることになります。

 

 

Ⅳ:『「仕訳」における各勘定科目金額』と『「賃金台帳」の金額』

『「給与・役員報酬の計上取引」の「仕訳」』は、「賃金台帳」に基づいて行われることになるため、
『「賃金台帳」に記載される項目・金額』と『「給与・役員報酬の計上取引の仕訳」における「勘定科目・金額」』の関係を把握しておくことが必要となります。

このため、ここでは、

  1. 「給与手当」「役員報酬」を「全社ベースの金額」で計上する場合
  2. 「給与手当」「役員報酬」を「個人別の金額」で計上する場合に分けて

『「賃金台帳」に記載される項目・金額』と『「給与・役員報酬の計上取引の仕訳」における「勘定科目・金額」』の関係をご紹介させて頂きます。

 

1、「給与手当」「役員報酬」を「全社ベースの金額」で計上する場合

勘定科目(補助科目) 「賃金台帳」における該当項目・金額
役員報酬 役員報酬支給合計」の「月次合計金額
給与手当 従業員給与支給合計」の「月次合計金額
法定福利費(社会保険料徴収額) ・「健康・介護保険」の「月次合計金額」と
・「厚生年金保険」の「月次合計金額」との「合計金額
法定福利費(雇用保険料徴収額) 雇用保険」の「月次合計金額
預り金(所得税徴収額) 源泉徴収所得税」の「月次合計金額
預り金(住民税徴収額) 特別徴収住民税」の「月次合計金額
未払費用(役員報酬・給与) 支払金額」の「月次合計金額

 

「賃金台帳」と「給与・役員報酬の計上取引仕訳」との関係

 

2、「給与手当」「役員報酬」を「個人別の金額」で計上する場合

勘定科目(補助科目) 「賃金台帳」における入力箇所
役員報酬(個人名) 支給合計」の「役員個人別金額
給与手当(個人名) 支給合計」の「従業員個人別金額
法定福利費(社会保険料徴収額) ・「健康・介護保険」の「月次合計金額」と
・「厚生年金保険」の「月次合計金額」との「合計金額
法定福利費(雇用保険料徴収額) 雇用保険」の「月次合計金額
預り金(所得税徴収額) 源泉徴収所得税」の「月次合計金額
預り金(住民税徴収額) 特別徴収住民税」の「月次合計金額
未払費用(役員報酬・給与) 支払金額」の「月次合計金額

 

「賃金台帳」と「給与・役員報酬の計上取引仕訳」との関係~個人別計上~

 

 

税理士事務所・会計事務所からのPOINT

「給与・役員報酬の計上取引」は、上記でもご紹介させて頂きましたが、「異なる5種類の取引」が複合された取引」となります。

このため、『「給与・役員報酬の計上取引」に係る「会計的な取引内容」及び「仕訳」』を理解するためには、
「5種類の異なる取引」の「会計的な取引内容」及び「仕訳」を理解することがどうしても必要なものとなります。
(『「給与・役員報酬の計上取引」に係る「会計的な取引内容」及び「仕訳」』は、様々な会社の取引の中で最も難しいものの1つであると考えます。)

このため、会計処理に慣れていない方にとっては、厄介なものとなりますが、各取引の「会計的な取引内容」及び「仕訳」をご紹介させて頂いているリンクページを一読頂く等により、できる限りご理解頂ますようお願い致します。