1つのドメインに複数のWPを作成する場合の「ドメイン設定」についてご説明致します。
「複数のWordPress」をインストールして、「複数サイトを運営する場合」や「将来的に複数サイトの運営を予定する場合」には、インストールする前に「どこにWordPressを作成するか?」について、インストール段階で予め考えておくことが必要であると考えます。
上記のWordPressの設置場所を考えることは、「ドメインをどのように設定するか?」の問題となります。
以下では、下記の事項をご説明することにより、「複数WordPressを運営する場合の設置場所」をご紹介するとともに、「その設置場所について一般的に考えられているメリット・デメリット」をご紹介いたします。
また、それぞれのメリット、デメリットをご紹介するにあたり、『一般的にいわれているSEO効果を考える「前提」・「仮定の評価材料」』をご紹介いたします。
Ⅰ:複数WordPressの設置場所
複数のWordPressを設置する場合には、その設置場所として基本的に以下の場所が考えられると思います。
- サブディレクトリを設定して、それぞれにWordPressを設置して運営する。
- サブドメインを設定して、それぞれにWordPressを設置し運営する。
- マルチドメインを設定して、それぞれにWordPressを設置し運営する。
Ⅱ:SEO効果の前提となる事項の整理
上記の「ドメイン設置」についてのメリット、デメリットを考えるにあたっては、どうしてもSEO効果を考える必要がでてきます。
SEO効果について、個別に検討してもあまり結論はでないと思いますので(それぞれの効果には相反する効果もありますので)、ここでは、まず、SEO効果議論の前提となっている『検索エンジンについて一般的に言われている「前提」や「評価材料」』を整理しておこうと思います。
Ⅱ-1:検索エンジンの評価前提
- 検索エンジンは、ドメイン内のサイトの相互関連度合を認識している。
- 相互関連度合の認識は、「サブディレクトリ型>サブドメイン型」のような優劣を認識している。
- ドメインの評価結果をサブディレクトリ等の下層コンテンツに引き渡している。
「検索エンジンの評価前提」として、私が一般的に言われていると考えているものは、上記のような事項です。
Ⅱ-2:検索エンジンの評価材料
- コンテンツの情報量・新鮮さ・品質
- 被リンク数やアクセス数
- ドメイン内のコンテンツの一貫性・統一性
「検索エンジンの評価材料」として、私が一般的に言われていると考えているものは、上記のような事項です。
Ⅱ-3:メリット、デメリットの考え方
各ドメイン設置のメリット、デメリットの考え方は、上記の「評価前提」「評価材料」を組み合わせた時に生まれる効果であると思います。
Ⅲ:サブディレクトリを設定する場合
Ⅲ-1:設定場所・インストール方法・URL表示
「ドメイン直下(「/ドメイン/ public_html 」)」にサブディレクトリを設定し、そこにWordPressをインストールします。
詳細はこちらで記載しております。 ⇒
Ⅲ-2:メリット、デメリット
Character1:経済的メリット
経済的メリットについては、マルチドメイン運営に対するメリットです。
マルチドメインで運営していくには、新たにドメインを取得する必要があります。
そのため、ドメインの取得やその管理費用が少なからず発生します。
この点、サブディレクトリでの運営では、上記のような費用は発生しません。
Character2:SEO的なメリット、デメリット
評価前提における「前提1」「前提2」「前提3」が有効である場合には以下の効果が期待できます。
C2-1:SEO的なメリット
- サブディレクトリが有用な品質のコンテンツであると判断されると、ドメイン全体のSEO効果は上昇する。
- サブディレクトリで、情報量が増加する、新鮮な情報を提供すると、ドメイン全体のSEO効果は上昇する。
- サブディレクトリでの被リンク数やアクセス数が増加すると、ドメイン全体のSEO効果は上昇する。
- ドメイン自体の評価結果が、サブディレクトリのコンテンツに引き渡されているならば、サブディレクトリのコンテンツがドメインの評価を受けて、検索上位の評価を受けやすくなる。サブディレクトリへのアクセス数が増え、被リンク数も増加すると考えられる。これにより、ドメイン全体へのフィードバック効果が生じ、ドメイン全体の評価も上昇する。(相乗効果が生まれる。)
C2-2:SEO的なデメリット
- サブディレクトリのコンテンツが、「低品質である」「新鮮さがない」等でマイナス評価された場合には、上記のメリットがデメリットとなり、ドメイン全体の評価を下げる結果となります。
- 検索エンジンが「評価材料3」を採用している場合には、何でもかんでも「サブディレクトリ設置」して作っていくと、ドメインの一貫性がなくなり、評価を下げる結果となります。
Ⅳ:サブドメインを設定する場合
Ⅳ-1:設定場所・インストール方法・URL表示
「ドメイン直下(「/ドメイン/ public_html 」)」にサブドメインを設定し、そこにWordPressをインストールします。
詳細はこちらで記載しております。 ⇒
Ⅳ-2:メリット、デメリット
Character1 :経済的メリット
経済的メリットについては、「サブディレクトリでの運営」と同様です。
ただ、サーバー提供会社においては、「サブドメイン」の設定が制限されている会社もあるみたいですので、確認が必要だと思います。
Character2:SEO的なメリット、デメリット
評価前提における「前提1」「前提3」が有効である場合には、「サブディレクトリ設置」と同様のメリットとデメリット効果があると思います。
「サブディレクトリ設置」か「サブドメイン設置」かの違いは、『「前提2」がどれほど有効なのか?』によると考えます。
この点で、Googleのジョン・ミューラー氏の発言を受けて、「ほとんど優劣はない」との意見もあります。
また、他方で、「前提2」が有効であり、「評価材料3」との組み合わせを重視して、「テーマが違う場合には、サブドメインでの設置」を勧めている方も多くいます。
Ⅴ:マルチドメインを設定する場合
Ⅴ-1:設定場所・インストール方法・URL表示
新規にドメインを取得して、「ドメイン直下(「/ドメイン/ public_html 」)」に、WordPressをインストールします。
詳細はこちらで記載しております。 ⇒
Ⅴ-2:メリット、デメリット
Character1:経済的デメリット
ドメインの新規取得が必要なために、当然に「ドメイン取得・管理費用」が発生します。
また、サーバー提供会社には、1サーバーに設定できるドメインの数を制限しているところもあるとのことですので、確認が必要だと思います。
Character2:SEO的なメリット、デメリット
ドメインが別々の場合には、検索エンジンは、それぞれのドメイン内のコンテンツは別物として認識すると言われています。
このため、以下のようなメリット、デメリットのSEO効果があると考えられています。
C2-1:SEO的なメリット
- 1つのドメイン内のコンテンツが検索エンジンから低評価を受けても、他のドメインへのマイナス影響を遮断できる。
- 「評価材料3」が有効であると仮定した場合には、既存ドメイン内のコンテンツテーマの一貫性が保持できる。
- 新規取得したドメインから既存ドメインへの外部リンク発信できるために、既存ドメインでの被リンク効果がある。「評価材料2」が有効であるならば、既存ドメインの評価が上昇する。
⇒ただし、この点、外部被リンク数は、評価材料としての重要性はなく、「リンク先との関連性」や「リンク先の評価」こそ重要であるという意見があります。
C2-2:SEO的なデメリット
- 既存ドメインの影響が遮断されるために、新たに新規取得したドメイン独自で検索エンジンの評価を上げなければならない。
- 個人等が発信できる情報には限界があることから、いくつものドメインの評価を上げ、それぞれのドメイン同士の相乗効果を自作することには、限界がある。
- 発信する情報が一定の場合には、当然に「情報発信量」「情報品質」「被リンク等」の「評価材料1、2」が分散される。
後書
個人的な意見です。
一旦ドメインを設定して、サイトを運営していった場合に、後でドメインを変更することには、少なからず労力やリスク・不利益が発生すると考えます。
ですので、もし複数サイトを運営する場合には、後々「作成時には全く考えていなかった!」と後悔することがないように、サイト開設時に、ある程度理解して決断することが必要ではないかと考えます。
ただ、ネットビジネス等で利用するために戦略的にサイト構築を行うような特別の場合を除いて、SEO効果を積極的にねらって当初から運営していくのは難しいのではないかと思います。(また、この領域にはSEOの専門家の人達がビジネスにしている領域なので、なかなか難しいと思います。)
私的には、キーワード設定に絡めて「評価材料3」の考慮も重要だと思いますが、情報発信能力から考えて、「サブディレクトリかな?」と思ってサイトを始めました。