ここでは、以下の事項に従い、『「公的な社会保険料」に係る「保険料控除申告書」の記載方法 』をご紹介させて頂きます。
▶ 「公的な社会保険料」の「保険料控除申告書」への記載概要
『(年末調整において)控除することができる「公的な社会保険料控除金額」』は、
『その暦年度に本人が支払った「公的な社会保険料の全額」』となります。 |
このため『「公的な社会保険料」の「保険料控除申告書」への記載 』につきましては、
①「社会保険料の種類」「社会保険料の支払先の名称」「社会保険料の負担者の氏名」「負担者と本人との続柄」などの「必要事項」を記載し、 ②「その暦年度に支払った社会保険料の金額」※を記載することで完了します。 |
※:『「生命保険料」や「地震保険料」に係る「保険料控除申告書」への記載 』との比較
Ⅰ:「保険料控除申告書」への具体的な記載内容
「公的な社会保険料」の「保険料控除申告書」への具体的な記載項目
「公的な社会保険料」の「保険料控除申告書」への具体的な記載項目は、以下のものとなります。
① 社会保険料の種類 ② 社会保険料の支払先の名称 ③ 社会保険料の「負担者の氏名」(社会保険料が課せられる方の氏名) ④「社会保険料の負担者」と「保険料控除申告書を提出される方(本人)」との続柄 ⑤「本人」がその暦年度中に「支払った社会保険料の金額(社会保険料控除金額)」 ⑥ 所得から控除する「社会保険料の合計金額」(社会保険料控除の合計金額) |
各項目の記載上の留意点
◆ 「公的な社会保険料の種類」の記載につきまして ( ①の記載 ) ◆
「公的な社会保険料」につきましては、
「国民年金保険料・国民年金基金掛金」「国民健康保険料」「後期高齢者医療保険料・介護保険料」などが「保険料控除申告書」に記載される可能性があります。 |
このため『「公的な社会保険料」に係る「保険料控除」』を「保険料控除申告書」に記載する場合には、
「上記の公的な社会保険料」のうち、『「(ご自身が保険料控除を受ける)公的な社会保険料」はどのような種類の公的な社会保険料であるのか』を「保険料控除申告書」に明示することが必要となります。
この点から、①欄の記載は重要な記載となりますので、当該箇所への記載につきましては忘れず適切におこなって頂ますようお願い致します。
⇒なお、『「保険料控除」の対象となる「公的な社会保険料等の種類」』につきましては『「保険料控除申告書」の事前確認事項 』の『「Ⅲ:「公的な社会保険料等」を記載する場合の事前注意事項」の「事前確認事項①」』にその内容をご紹介させて頂いておりますので、必要がある場合には、当該リンクページを御覧ください。
◆ 社会保険料の「負担者の氏名 & 続柄」の記載につきまして ( ③ ④の記載 ) ◆
「公的な社会保険料」につきましては、
「保険料控除申告書」に記載される可能性があります。 |
このため『「公的な社会保険料」に係る「保険料控除」』を「保険料控除申告書」に記載する場合には、
『「(ご自身が保険料控除を受ける)公的な社会保険料」はどなたに課せられる公的な社会保険料であるか』を「保険料控除申告書」に明示することが必要となります。
この点から、③④欄の記載は重要な記載となりますので、当該箇所への記載につきましては忘れず適切におこなって頂ますようお願い致します。
⇒なお、『「 公的な社会保険料等の負担者 」に関する要件 』につきましては『「保険料控除申告書」の事前確認事項 』の『「Ⅲ:「公的な社会保険料等」を記載する場合の事前注意事項」の「事前確認事項②」』にその内容をご紹介させて頂いておりますので、必要がある場合には、当該リンクページを御覧ください。
◆ その暦年度に支払った「公的な社会保険料の金額」の記載につきまして ( ⑤の記載 ) ◆
冒頭でもご紹介させて頂きましたが、
「公的な社会保険料」につきましては、 その暦年度に支払った「公的な社会保険料の全額」を「保険料控除額」として申告することができます。 |
従いまして、⑤欄には『その暦年度に支払った「公的な社会保険料」』をそのまま「保険料控除申告書」にご記入頂ますようお願い致します。
なお、『 「公的な社会保険料」の集計方法 』につきましては、
- 「国民年金の保険料」や「国民年金基金の掛金」では、
「保険料控除証明書」に基づいて「その暦年度に支払った保険料額、掛金額」を把握することとなり、 - 他方、『「国民年金の保険料」や「国民年金基金の掛金」以外の公的な社会保険料 』では、
「保険料決定通知書」「年金振込通知書」「納付書」「通帳からの引落金額」などの書類に基づいて「その暦年度に支払った保険料額、掛金額」を把握することが必要となり、
「国民年金保険料や国民年金基金掛金」と「それ以外の公的な社会保険料」とでは、その具体的な把握方法が異なることとなります。
このため、「公的な社会保険料の具体的な把握方法」につきましては、下記Ⅱにおいてご紹介させて頂いておりますので、
この点につきましては、「下記Ⅱでご紹介させて頂いております具体的な把握方法」を御覧頂ますようお願い致します。
「公的な社会保険料」の「保険料控除申告書」への記載例示
◆ 「国民年金保険料」の記載例示 ◆
例示1 : 「(申告書を提出する)本人」の「国民年金保険料」199,320円を支払っている場合
例示2 : 「生計を一にする子」の「国民年金保険料」182,710円を支払っている場合
◆ 「国民年金基金掛金」の記載例示 ◆
例示1 : 「(申告書を提出する)本人」の「国民年金基金掛金」410,000円を支払っている場合
例示2 : 「生計を一にする妻」の「国民年金基金掛金」270,000円を支払っている場合
◆ 「国民健康保険料」の記載例示 ◆
例示1 : 「(申告書を提出する)本人」の「国民健康保険料」580,000円を支払っている場合
例示2 : 「生計を一にする妻」の「国民健康保険料」210,000円を支払っている場合
◆ 「後期高齢者医療保険料」の記載例示 ◆
例示1 : 「(申告書を提出する)本人」の「後期高齢者医療保険料」168,000円を支払っている場合
例示2 : 「生計を一にする実父」の「後期高齢者医療保険料」120,000円を支払っている場合
◆ 「介護保険料」の記載例示 ◆
例示1 : 「(申告書を提出する)本人」の「介護保険料」153,000円を支払っている場合
例示2 : 「生計を一にする義母」の「介護保険料」123,000円を支払っている場合
Ⅱ:「保険料・掛金等の支払金額」の具体的な把握方法
上記でもご紹介させて頂きましたが、「公的な社会保険料の当暦年度の支払金額」を把握するためには、
- 「国民年金の保険料」や「国民年金基金の掛金」では、
「保険料控除証明書」に基づいて「その暦年度に支払った保険料額、掛金額」を把握することとなり、 - 『「国民年金の保険料」や「国民年金基金の掛金」以外の社会保険料 』では、
「保険料決定通知書」「年金振込通知書」「納付書」「通帳からの引落金額」などの書類に基づいて把握することが必要となります。
このため、ここでは、
それぞれの「基本的な(当暦年度の)支払金額の把握方法」及び「未払がある場合等の例外的な場合における(当暦年度の)支払金額の把握方法」をご紹介させて頂きます。
1、「 国民年金保険料の支払金額 」の具体的な把握方法
「国民年金保険料」につきましては、
日本年金機構から「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」が発行されます。 |
このため、「国民年金保険料の支払金額」を把握するためには、
「国民年金保険料控除証明書」に基づいて行うこととなります。 |
「国民年金保険料の支払金額」の基本的な把握方法
「国民年金保険料控除証明書」には、
① 日本年金機構が「控除証明書」を作成した時点で「納付済である金額」 ② 「控除証明書」を作成した時点から年末までに「納付が見込まれる金額」 ③ 上記「①と②の合計金額」 の「3種類の金額」が記載されてきますが、 |
(年末調整において)その暦年度の所得から控除することができる「国民年金保険料の金額」は、
『その暦年度中に支払われた「国民年金保険料の金額」』となるため、 |
基本的に、「保険料控除申告書」を記載される時点におきまして、「②欄の納付見込額」が12月末日までに納付される見込みである場合には、
「上記③の金額」を「保険料控除申告書」に記載することとなります。 |
ただし、「国民年金保険料」に「未払がある場合」「過年度分の支払がある場合」「前払がある場合」には、
『「保険料控除申告書」に記載すべき「国民年金保険料の支払金額」』は「上記③の金額」とはなりませんので、
このような場合には「以下でご紹介させて頂きますような把握方法」で把握して頂くことが必要となります。
「国民年金保険料」に「未払」「過年度分の支払」「前払」がある場合の把握方法
◆ 「国民年金保険料」に「未払の金額」がある場合の把握方法 ◆
(年末調整において)その暦年度の所得から控除することができる「国民年金保険料の金額」は、
『その暦年度中に支払われた「国民年金保険料の金額」』のみとなります。 |
このため、「保険料控除申告書」を記載される時点におきまして、「上記②欄の納付見込額」のうち、その年度の12月末日までに支払われないと見込まれるものがある場合には、
『「上記③の金額」から「未払分」を「控除した金額」』を「保険料控除申告書」に記載することが必要となります。 |
◆ 当暦年度に「過年度分の国民年金保険料の支払金額」がある場合の把握方法 ◆
(年末調整において)その暦年度の所得から控除することができる「国民年金保険料の金額」は、
『その暦年度中に支払われた「国民年金保険料の金額」』となります。 |
このため、
「その国民年金保険料」を当暦年度の所得から控除することができます。 |
従いまして、
『「上記③の金額」に「過年度分の国民年金保険料の支払金額」を「加えた金額」』を「保険料控除申告書」に記載することとなります。 |
◆ 「国民年金保険料」に「前払の金額」がある場合の把握方法 ◆
「国民年金保険料」につきましては、「2年以内分の保険料について前納制度」が設けられていますが、
当該「前納制度を利用されている」ような場合につきましては、
を「給与所得者自身」で選択することが認められています。 |
この点、「前納制度」を利用している場合には、『 通常と異なる「国民年金保険料控除証明書」』が送付されて来ますので、
「前納された国民年金保険料」を「支払年度に一括して申告する」場合には、
「国民年金保険料控除証明書」の『 下記①又は③に記載されている「証明金額」』を「保険料控除申告書」に記載することとなり、 |
他方、「前納された国民年金保険料」を「各単年度に分けて申告する」場合※には、
「国民年金保険料控除証明書」の『 下記④~⑤に記載されている「証明金額」』を各年度の「保険料控除申告書」に記載することになります。 |
※なお、『「前納された国民年金保険料」を「各単年度に分けて申告する方法」』を一旦採用した場合には、
- 翌年度以降においても継続して「各単年度に分けて申告する方法」を採用し続けることが必要となり、
- 『「翌年度の控除証明金額(下記⑤の金額)」と「翌々年度の証明金額(下記⑥の金額)」との合計金額 』を、
「翌年度において一括して控除する」ことなどはできなくなりますので、この点につきましてはご注意頂ますようお願い致します。
▶ 参考: 『「保険料控除申告書」に添付する「国民年金保険料証明書」』につきまして
2、「 国民年金基金掛金の支払金額 」の具体的な把握方法
「国民年金基金掛金」につきましては、
各国民年金基金から「社会保険料(国民年金基金掛金)控除証明書」が発行されます。 |
このため、「国民年金基金掛金の支払金額」を把握するためには、
「国民年金基金掛金控除証明書」に基づいて行うこととなります。 |
「国民年金基金掛金の支払金額」の基本的な把握方法
「国民年金基金掛金控除証明書」には、
① 各国民年金基金が「控除証明書」を作成した時点で「納付済である金額」 ② 「控除証明書」を作成した時点から年末までに「納付が見込まれる金額」 ③ 上記「①と②の合計金額」 の「3種類の金額」が記載されてきますが、 |
(年末調整において)その暦年度の所得から控除することができる「国民年金基金掛金の金額」は、
『その暦年度中に支払われた「国民年金基金掛金の金額」』となるため、 |
基本的に、「保険料控除申告書」を記載される時点におきまして、「②欄の納付見込額」が12月末日までに納付される見込みである場合には、
「上記③の金額」を「保険料控除申告書」に記載することとなります。 |
ただし、「国民年金基金掛金」に「未払がある場合」「過年度分の支払がある場合」には、
『「保険料控除申告書」に記載すべき「国民年金基金掛金の支払金額」』は「上記③の金額」とはなりませんので、
このような場合には「以下でご紹介させて頂きますような把握方法」で把握して頂くことが必要となります。
「国民年金基金掛金」に「未払」「過年度分の支払」がある場合の把握方法
◆ 「国民年金基金掛金」に「未払の金額」がある場合の把握方法 ◆
(年末調整において)その暦年度の所得から控除することができる「国民年金基金掛金の金額」は、
『その暦年度中に支払われた「国民年金基金掛金の金額」』のみとなります。 |
このため、「保険料控除申告書」を記載される時点におきまして、「上記②欄の納付見込額」につきその年度の12月末日までに支払われないものがある場合には、
『「上記③の金額」から「未払分」を「控除した金額」』を「保険料控除申告書」に記載することが必要となります。 |
◆ 当暦年度に「過年度分の国民年金基金掛金の支払金額」がある場合の把握方法 ◆
(年末調整において)その暦年度の所得から控除することができる「国民年金基金掛金の金額」は、
『その暦年度中に支払われた「国民年金基金掛金の金額」』となります。 |
このため、
「その国民年金基金掛金」を当暦年度の所得から控除することができます。 |
従いまして、
『「上記③の金額」に「過年度分の国民年金基金掛金の支払金額」を「加えた金額」』を「保険料控除申告書」に記載することとなります。 |
3、「 国民健康保険料の支払金額 」の具体的な把握方法
「国民健康保険料」につきましては、
「社会保険料控除証明書」は発行されません。 |
このため、「国民健康保険料の支払金額」を把握するためには、
・「国民健康保険料納入通知書」に基づいて把握して頂くか、 ・「納付書」や「通帳からの引落金額」に基づいて把握して頂くことが必要となります。 |
「国民健康保険料納入(決定)通知書」に基づいて把握する場合
「国民健康保険料」につきましては、毎年6月~7月頃に、お住いの市町村から「国民健康保険料納入(決定)通知書」が送付され、
当該「国民健康保険料納入(決定)通知書」には、
『 その年度の6月(又は7月)~翌年度の3月(又は2月)までに支払うべき「月間の保険料」 』が記載されています。 |
このため、「国民健康保険料納入(決定)通知書」に基づいて「当暦年度に支払った国民健康保険料」を把握する場合には、
① 前年度分の「国民健康保険料納入(決定)通知書」から、 ② 当年度分の「国民健康保険料納入(決定)通知書」から、 『 上記「①の金額」と上記「②の金額」を合計する 』ことにより、「当暦年に支払った国民健康保険料」を把握することが必要となります。 |
「納付書(控え)」や「預金通帳」に基づいて把握する場合
「国民健康保険料」を現金振込等により納付しているような場合には、
現金振込した際に受領した「納付書(控え)」が手許に保管され、 |
「国民健康保険料」を口座引落等により納付しているような場合には、
口座引落された金額が「預金通帳」に記帳されます。 |
このため、「現金振込」等により「国民健康保険料」が支払われているような場合には、
当暦年度に支払われた「納付書(控え)の金額」を集計することにより、「当暦年に支払った国民健康保険料」を把握することができ、 |
「口座引落」等により「国民健康保険料」が支払われているような場合には、
「預金通帳」に記帳されている「当年度の引き落とし金額」を集計することにより、「当暦年に支払った国民健康保険料」を把握することができます。 |
「国民健康保険料」に「未払」「過年度分の支払」「前納」がある場合の把握方法
◆ 「国民健康保険料」に「未払の金額」がある場合の把握方法 ◆
(年末調整において)その暦年度の所得から控除することができる「国民健康保険料の金額」は、
『その暦年度中に支払われた「国民健康保険料の金額」』のみとなります。 |
このため、「当暦年度分の国民健康保険料」であってもその年度の12月末日までに支払いがなされないと見込まれる場合につきましては、
「その国民健康保険料」につきましては「保険料控除申告書」に記載することができませんので、この点ご留意下さい。 |
◆ 当暦年度に「過年度分の国民健康保険料の支払金額」がある場合の把握方法 ◆
(年末調整において)その暦年度の所得から控除することができる「国民健康保険料の金額」は、
『その暦年度中に支払われた「国民健康保険料の金額」』となります。 |
このため、
「その国民健康保険料」を当暦年度の所得から控除することができます。 |
従いまして、
『「当暦年度分の国民健康保険料の支払金額」に「過年度分の国民健康保険料の支払金額」を「加えた金額」』を「保険料控除申告書」に記載することとなります。 |
◆ 「翌年度の1月、2月、3月分の国民健康保険料」を前納している場合 ◆
「国民健康保険料」につきましては、「1年分の保険料や半年分の保険料についての前納制度」が設けられていますが、
当該「1年分の保険料を前納されているような場合」や「下半期分の保険料を前納されているような場合」には、
「翌暦年度の1月分~3月分の国民健康保険料」が「当暦年度に既に支払われている」ことになります。 |
このように、「翌暦年度の1月分~3月分の国民健康保険料」が「当暦年度に既に支払われている」ような場合には、
『 当暦年度に支払われた「翌暦年度の1月分~3月分の国民健康保険料」』を当暦年度の所得から控除することが認められています。 |
従いまして、
「1年分の国民健康保険料を前払している」又は「下半期分の国民健康保険料を前払している」などにより、 当該「翌年度の1月~3月分の国民健康保険料」を「当暦年度の保険料控除申告書」に記載することができます。 |
4、「 後期高齢者医療保険料の支払金額 」の具体的な把握方法
「後期高齢者医療保険料」につきましては、
その暦年度末時点におきましては「後期高齢者医療保険料納付額確認書」は発行されませんので※、 |
「後期高齢者医療保険料の支払金額」を集計するためには、
「後期高齢者医療保険料」が年金から天引きされているような場合(特別徴収されているような場合)には、
「後期高齢者医療保険料」が現金振込や口座引落により支払われているような場合(普通徴収されているような場合)には、
|
※ 「後期高齢者医療保険料納付額確認書」の発行につきまして
「特別徴収」されている場合の「後期高齢者医療保険料」の具体的な把握方法
「後期高齢者医療保険料」が「特別徴収(年金から天引き)」されている場合には、
「後期高齢者医療保険料」の具体的な把握方法としては、
「後期高齢者医療保険料納入(決定)通知書」に基づいて把握して頂くか、 「年金振込通知書」に基づいて把握して頂くことが必要となります。 |
◆ 「後期高齢者医療保険料納入(決定)通知書」に基づいて把握する場合 ◆
「後期高齢者医療保険料」につきましては、毎年7月(又は8月)中旬~下旬頃に、お住いの市町村から「後期高齢者医療保険料納入(決定)通知書」が送付され、
当該「(特別徴収の)後期高齢者医療保険料納入(決定)通知書」には、
一般的には、『 その年度の4月、6月、8月、10月、12月及び翌年度の2月に年金から天引きされる「月間の保険料」 』が記載されています。 |
このため、「後期高齢者医療保険料納入(決定)通知書」に基づいて「当暦年度に支払った後期高齢者医療保険料」を把握する場合には、
① 前年度分の「後期高齢者医療保険料納入(決定)通知書」から、 ② 当年度分の「後期高齢者医療保険料納入(決定)通知書」から、 『 上記「①の金額」と上記「②の金額」を合計する 』ことにより、「当暦年に年金から天引きされた後期高齢者医療保険料」(=「当暦年に支払われた後期高齢者医療保険料」)を把握することが必要となります。 |
◆ 「年金振込通知書」に基づいて把握する場合 ◆
「年金振込金額」につきましては、
- 一般的に毎年6月や10月に厚生労働省(年金事務所)から「年金振込通知書」が送付され、
- 当該「年金振込通知書」には、『年金から天引きされる「後期高齢者医療保険料」』が記載されています。
このため、「後期高齢者医療保険料」が「特別徴収(年金から天引き)されている」場合に、「当暦年度に年金から天引きされた後期高齢者医療保険料」を把握するためには、
① 前年度の10月に発行される「年金振込通知書」から、 ② 当年度の6月に発行される「年金振込通知書」から、 ② 当年度の10月に発行される「年金振込通知書」から、 『 上記「①の金額」~「③の金額」を合計する 』ことにより、「当暦年に年金から天引きされた後期高齢者医療保険料」(=「当暦年に支払われた後期高齢者医療保険料」)を把握することが必要となります。 |
※ 「後期高齢者医療保険料の改訂」と「年金振込通知書の発行」につきまして
「普通徴収」されている場合の「後期高齢者医療保険料」の具体的な把握方法
「後期高齢者医療保険料」が「普通徴収(現金振込、口座引落)」されている場合には、
「後期高齢者医療保険料」の具体的な把握方法としては、
「後期高齢者医療保険料納入(決定)通知書」に基づいて把握して頂くか、 「納付書」や「通帳からの引落金額」に基づいて把握して頂くことが必要となります。 |
◆ 「後期高齢者医療保険料納入(決定)通知書」に基づいて把握する場合 ◆
「後期高齢者医療保険料」につきましては、毎年7又は8月中旬~下旬頃に、お住いの市町村から「後期高齢者医療保険料納入(決定)通知書」が送付され、
当該「後期高齢者医療保険料納入(決定)通知書」には、
『 その年度の7月(又は8月)~翌年度の3月(又は2月)までに支払うべき「月間の保険料」 』が記載されています。 |
このため、「後期高齢者医療保険料納入(決定)通知書」に基づいて「当暦年度に支払った後期高齢者医療保険料」を把握する場合には、
① 前年度分の「後期高齢者医療保険料納入(決定)通知書」から、 ② 当年度分の「後期高齢者医療保険料納入(決定)通知書」から、 『 上記「①の金額」と上記「②の金額」を合計する 』ことにより、「当暦年に支払った後期高齢者医療保険料」を把握することが必要となります。 |
「納付書(控え)」や「預金通帳」に基づいて把握する場合
「後期高齢者医療保険料」を現金振込等により納付しているような場合には、
現金振込した際に受領した「納付書(控え)」が手許に保管され、 |
「後期高齢者医療保険料」を口座引落等により納付しているような場合には、
口座引落された金額が「預金通帳」に記帳されます。 |
このため、「現金振込」等により「後期高齢者医療保険料」が支払われているような場合には、
当暦年度に支払われた「納付書(控え)の金額」を集計することにより、「当暦年に支払った後期高齢者医療保険料」を把握することができ、 |
「口座引落」等により「後期高齢者医療保険料」が支払われているような場合には、
「預金通帳」に記帳されている「当年度の引き落とし金額」を集計することにより、「当暦年に支払った後期高齢者医療保険料」を把握することができます。 |
「後期高齢者医療保険料」に「未払」「過年度分の支払」「前納」がある場合の把握方法
◆ 「後期高齢者医療保険料」に「未払の金額」がある場合の把握方法 ◆
(年末調整において)その暦年度の所得から控除することができる「後期高齢者医療保険料の金額」は、
『その暦年度中に支払われた「後期高齢者医療保険料の金額」』のみとなります。 |
このため、「当暦年度分の後期高齢者医療保険料」であってもその年度の12月末日までに支払いがなされないと見込まれる場合につきましては、
「その後期高齢者医療保険料」につきましては「保険料控除申告書」に記載することができませんので、この点ご留意下さい。 |
◆ 当暦年度に「過年度分の後期高齢者医療保険料の支払金額」がある場合の把握方法 ◆
(年末調整において)その暦年度の所得から控除することができる「後期高齢者医療保険料の金額」は、
『その暦年度中に支払われた「後期高齢者医療保険料の金額」』となります。 |
このため、
「その後期高齢者医療保険料」を当暦年度の所得から控除することができます。 |
従いまして、
『「当暦年度分の後期高齢者医療保険料の支払金額」に「過年度分の後期高齢者医療保険料の支払金額」を「加えた金額」』を「保険料控除申告書」に記載することとなります。 |
◆ 「翌年度の1月、2月、3月分の後期高齢者医療保険料」を前納している場合 ◆
「後期高齢者医療保険料」が普通徴収されている場合には、「1年分の保険料」や「複数月の保険料」をまとめて納付するこもできるため、
当該「後期高齢者医療保険料をまとめて納付されているような場合」には、
「翌暦年度の1月分~3月分の後期高齢者医療保険料」が「当暦年度に既に支払われている」場合があります。 |
このように、「翌暦年度の1月分~3月分の後期高齢者医療保険料」が「当暦年度に既に支払われている」ような場合には、
『 当暦年度に支払われた「翌暦年度の1月分~3月分の後期高齢者医療保険料」』を当暦年度の所得から控除することが認められています。 |
従いまして、
「1年分の後期高齢者医療保険料」や「複数月の後期高齢者医療保険料」をまとめて納付していることにより、 当該「翌年度の1月~3月分の後期高齢者医療保険料」を「当暦年度の保険料控除申告書」に記載することができます。 |
5、「 介護保険料の支払金額 」の具体的な把握方法
「介護保険料」につきましては、
その暦年度末時点におきましては「介護保険料納付額確認書」は発行されませんので※、 |
「介護保険料の支払金額」を集計するためには、
「介護保険料」が年金から天引きされているような場合(特別徴収されているような場合)には、
「介護保険料」が現金振込や口座引落により支払われているような場合(普通徴収されているような場合)には、
|
※ 「介護保険料納付額確認書」の発行につきまして
「特別徴収」されている場合の「介護保険料」の具体的な把握方法
「介護保険料」が「特別徴収(年金から天引き)」されている場合には、
「介護保険料」の具体的な把握方法としては、
「介護保険料納入(決定)通知書」に基づいて把握して頂くか、 「年金振込通知書」に基づいて把握して頂くことが必要となります。 |
◆ 「介護保険料納入(決定)通知書」に基づいて把握する場合 ◆
「介護保険料」につきましては、毎年7月(又は8月)中旬~下旬頃に、お住いの市町村から「介護保険料納入(決定)通知書」が送付され、
当該「(特別徴収の)介護保険料納入(決定)通知書」には、
一般的には、『 その年度の4月、6月、8月、10月、12月及び翌年度の2月に年金から天引きされる「月間の保険料」 』が記載されています。 |
このため、「介護保険料納入(決定)通知書」に基づいて「当暦年度に支払った介護保険料」を把握する場合には、
① 前年度分の「介護保険料(決定)通知書」から、 ② 当年度分の「介護保険料(決定)通知書」から、 『 上記「①の金額」と上記「②の金額」を合計する 』ことにより、「当暦年に年金から天引きされた介護保険料」(=「当暦年に支払われた介護保険料」)を把握することが必要となります。 |
◆ 「年金振込通知書」に基づいて把握する場合 ◆
「年金振込金額」につきましては、
- 一般的に毎年6月や10月に厚生労働省(年金事務所)から「年金振込通知書」が送付され、
- 当該「年金振込通知書」には、『年金から天引きされる「介護保険料」』が記載されています。
このため、「介護保険料」が「特別徴収(年金から天引き)されている」場合に、「当暦年度に年金から天引きされた介護保険料」を把握するためには、
① 前年度の10月に発行される「年金振込通知書」から、 ② 当年度の6月に発行される「年金振込通知書」から、 ③ 当年度の10月に発行される「年金振込通知書」から、 『 上記「①の金額」~「③の金額」を合計する 』ことにより、「当暦年に年金から天引きされた介護保険料」(=「当暦年に支払われた介護保険料」)を把握することが必要となります。 |
なお、「介護保険料」につきましては、「8月(又は6月・8月)に年金から天引きされる介護保険料」に対しても、介護保険料の平準化目的のために改訂されることがあり、
介護保険料の平準化がなされた場合には、『平準化により改訂された介護保険料が記載された「年金振込通知書」』が発行されることがあります。
このような場合には、
① 前年度の10月に発行される「年金振込通知書」から、 ② ・『 当年度の6月に発行される「年金振込通知書」』又は ③ 当年度の10月に発行される「年金振込通知書」から、 『 上記「①の金額」~「③の金額」を合計する 』ことにより、「当暦年に年金から天引きされた介護保険料」(=「当暦年に支払われた介護保険料」)を把握することが必要となります。 |
【8月に平準化がなされた場合の「1暦年度の介護保険料の天引き支払額の把握」】
※ 「介護保険料の改訂」と「年金振込通知書の発行」につきまして
「普通徴収」されている場合の「介護保険料」の具体的な把握方法
「介護保険料」が「普通徴収(現金振込、口座引落)」されている場合には、
「介護保険料」の具体的な把握方法としては、
「介護保険料納入(決定)通知書」に基づいて把握して頂くか、 「納付書」や「通帳からの引落金額」に基づいて把握して頂くことが必要となります。 |
◆ 「介護保険料納入(決定)通知書」に基づいて把握する場合 ◆
「介護保険料」につきましては、毎年7又は8月中旬~下旬頃に、お住いの市町村から「介護保険料納入(決定)通知書」が送付され、
当該「介護保険料納入(決定)通知書」には、
『 その年度の4月~翌年度の3月(又は2月)までに支払うべき「月間の保険料」 』が記載されています。 (なお、市町村によっては6月(又は7月)から徴収が開始される場合もあります。) |
このため、「介護保険料納入(決定)通知書」に基づいて「当暦年度に支払った介護保険料」を把握する場合には、
① 前年度分の「介護保険料納入(決定)通知書」から、 ② 当年度分の「介護保険料納入(決定)通知書」から、 『 上記「①の金額」と上記「②の金額」を合計する 』ことにより、「当暦年に支払った介護保険料」を把握することが必要となります。 |
「納付書(控え)」や「預金通帳」に基づいて把握する場合
「介護保険料」を現金振込等により納付しているような場合には、
現金振込した際に受領した「納付書(控え)」が手許に保管され、 |
「介護保険料」を口座引落等により納付しているような場合には、
口座引落された金額が「預金通帳」に記帳されます。 |
このため、「現金振込」等により「介護保険料」が支払われているような場合には、
当暦年度に支払われた「納付書(控え)の金額」を集計することにより、「当暦年に支払った介護保険料」を把握することができ、 |
「口座引落」等により「介護保険料」が支払われているような場合には、
「預金通帳」に記帳されている「当年度の引き落とし金額」を集計することにより、「当暦年に支払った介護保険料」を把握することができます。 |
「介護保険料」に「未払」「過年度分の支払」「前納」がある場合の把握方法
◆ 「介護保険料」に「未払の金額」がある場合の把握方法 ◆
(年末調整において)その暦年度の所得から控除することができる「介護保険料の金額」は、
『その暦年度中に支払われた「介護保険料の金額」』のみとなります。 |
このため、「当暦年度分の介護保険料」であってもその年度の12月末日までに支払いがなされないと見込まれる場合につきましては、
「その介護保険料」につきましては「保険料控除申告書」に記載することができませんので、この点ご留意下さい。 |
◆ 当暦年度に「過年度分の介護保険料の支払金額」がある場合の把握方法 ◆
(年末調整において)その暦年度の所得から控除することができる「介護保険料の金額」は、
『その暦年度中に支払われた「介護保険料の金額」』となります。 |
このため、
「その介護保険料」を当暦年度の所得から控除することができます。 |
従いまして、
『「当暦年度分の介護保険料の支払金額」に「過年度分の介護保険料の支払金額」を「加えた金額」』を「保険料控除申告書」に記載することとなります。 |
◆ 「翌年度の1月、2月、3月分の介護保険料」を前納している場合 ◆
「介護保険料」が普通徴収されている場合には、「1年分の保険料」や「複数月の保険料」をまとめて納付するこもできるため、
「翌暦年度の1月分~3月分の介護保険料」が「当暦年度に既に支払われている」場合がありますが、 |
このように、「翌暦年度の1月分~3月分の介護保険料」が「当暦年度に既に支払われている」ような場合には、
『 当暦年度に支払われた「翌暦年度の1月分~3月分の介護保険料」』を当暦年度の所得から控除することが認められています。 |
従いまして、
「1年分の介護保険料」や「複数月の介護保険料」をまとめて納付していることにより、 当該「翌年度の1月~3月分の介護保険料」を「当暦年度の保険料控除申告書」に記載することができます。 |
税理士事務所・会計事務所からのPOINT
ここでは、『「公的な社会保険料」に係る「保険料控除申告書」の記載方法 』をご紹介させて頂いております。
「社会保険料の種類」や「社会保険料の負担者の氏名」「本人と負担者との続柄」の記載につきまして
『 保険料控除申告書に記載される「公的な社会保険料」』につきましては、
- 「国民年金保険料・国民年金基金掛金」「国民健康保険料」「後期高齢者医療保険料・介護保険料」などが「保険料控除申告書」に記載される可能性があることから、
- また、『「本人」に課せられる「公的な社会保険料」』のみならず、『「本人と生計を一にする 配偶者 又は 親族」に課せられる「公的な社会保険料」』につきましても、「保険料控除申告書」に記載される可能性があることから、
「保険料控除申告書に記載する項目」のうち、「社会保険料の種類」や「社会保険料の負担者の氏名」「本人と負担者との続柄」の記載につきましては、非常に重要な記載となりますので、
これらの記載につきましては、忘れずに(また省略せずに)「保険料控除申告書」に記載して頂ますようお願い致します。
暦年度中に「支払った公的な社会保険料の金額」の記載につきまして
「公的な社会保険料」につきましては、
- 一般的に「保険料控除申告書」に記載される金額が多額になり(所得控除金額が大きくなり)、
- かつ、『「保険料控除申告書」に記載される当暦年度支払金額 』が「全て保険料控除金額」となることから、
「保険料控除申告書」に「誤った公的な社会保険料額」を記載してしまいますと、「(年末調整で行われる)ご自身の所得税額計算」に大きな影響が生じてしまいます。
従いまして「公的な社会保険料の支払金額」につきましては、間違えることなく適切に「保険料控除申告書」に記載して頂ますようお願い致します。
なお、「公的な社会保険料」のうち、「国民健康保険料」「後期高齢者医療保険料」「介護保険料」につきましては、「それらの支払金額に係る証明書類」が会社へは提出されませんので、「これらの保険料に係る申告書記載金額」につきましては、会社で確認されません。
従いまして、「これらの保険料」を「保険料控除申告書」に記載される場合には、
記載漏れ・過大記載などの記載誤りがないよう十分ご確認の上記載して頂ますようお願い致します。
他方、「公的な社会保険料」のうち、「国民年金保険料」「国民年金基金掛金」につきましては、「社会保険料控除証明書」が会社へ提出されるため、「これらの保険料に係る申告書記載金額」につきましては、会社の年末調整作業過程で確認作業が行われることとなりますが、
「国民年金保険料」「国民年金基金掛金」に「未払金額」「過年度分の支払金額」等があり、
『「社会保険料控除証明書」に記載されている証明金額 』と『「保険料控除申告書」に記載される支払金額 』とが一致しない場合には、
『「社会保険料控除証明書に記載されている証明金額 」と「保険料控除申告書に記載される支払金額 」との「差異内容」』を、
予め『「社会保険料控除証明書」の「余白」』に記載されておくと、会社での確認作業で「(会社から)不一致理由の問い合わせ」を受けなくても済むのではないかと考えますので、この点につきましては御一考頂ますようお願い致します。
「公的な社会保険料・掛金等の支払金額」の具体的な把握方法につきまして
弊会計事務所のお客様から「公的な社会保険料(特に「国民健康保険料」「後期高齢者医療保険料」「介護保険料」)」につきまして、
- どのような書類から当暦年度の支払金額を把握すれば良いのか?
- 「未払金額」「過年度分の支払金額」「前納金額」があるような場合にはどのように取り扱えば良いのか?
などのご質問を受けることがよくございますので、
本文Ⅱに『「公的な社会保険料・掛金等の支払金額」の具体的な把握方法 』を記載させて頂きました。
従いまして、「公的な社会保険料の支払金額」を把握・集計する場合には、
上記「本文Ⅱでご紹介させて頂いております内容」を参考にして頂きますようお願い致します。
なお、本文Ⅱでご紹介させて頂いております「国民健康保険料決定通知書」「後期高齢者医療保険料決定通知書」「介護保険料決定通知書」につきましては、
各市町村ごとに「記載内容や記載フォームなどが異なる」又は「徴収月や徴収回数などが異なる」こともありますので、この点につきましてはご了承頂ますようお願い致します。