ここでは、給与所得者にとっての「扶養控除等申告書」の意義・提出上の注意点・提出時期等の全般的事項につき、以下の事項に従い、ご紹介させて頂きます。
Ⅰ:給与計算における「扶養控除等申告書」の提出意義
ここでは
- 「扶養控除等申告書」が持つ「給与計算時における意義」をご紹介させて頂くとともに、
- 「扶養控除等申告書」の提出上の注意点
- 「扶養控除等申告書」の提出時期
- 暦年度中において「扶養控除等申告書」に記載された内容に異動が生じた場合の対処方法につきご紹介させて頂きます。
1、「扶養控除等申告書」を提出する意義
給与所得者が会社から給与・役員報酬を受ける場合には、給与・役員報酬から「源泉所得税」が控除されますが、
この「源泉所得税」が計算される場合、
給与所得者から会社に「扶養控除等申告書」が提出されている場合には、 毎月の給与・役員報酬から『控除される「源泉所得税額」』は、「通常の所得税率(甲欄)」により計算されることとなります。 |
また、
給与所得者に、「源泉控除対象配偶者」「控除対象扶養親族」「障害者控除対象者」がいらっしゃる場合や 「扶養控除等申告書」にこれらの「人的控除対象者」を記載することによって、 給与計算で『控除される「源泉所得税」』の減額控除を受けることができます。 |
すなわち、給与計算におきましては、
「扶養控除等申告書」を会社に提出することにより、 給与・役員報酬の支払時に「控除される源泉所得税」が「通常の所得税率(甲欄)」によって計算されるとともに、 「扶養控除等申告書」に「人的控除対象者」を記載することにより、 給与・役員報酬の支払時に「控除される源泉所得税」が減額して計算される というメリットを受けることができます。 |
他方、「扶養控除等申告書」を会社に提出しない場合には、
給与・役員報酬の支払時に「控除される源泉所得税」が「通常よりも高いの所得税率(乙欄)」によって計算され、 また、給与・役員報酬の支払時に「控除される源泉所得税」の減額計算はなされない というデメリットを受けることになります。 |
2、「扶養控除等申告書」の提出に係る注意点
給与所得者から会社に対して「扶養控除等申告書」を提出した場合には、
上記1でご紹介させて頂きましたような『「源泉所得税計算」におけるメリット』を受けることができますが、
給与所得者が会社に対して「扶養控除等申告書」を提出する場合には、以下の1)、2)でご紹介させて頂きます注意点が存在します。
1)「扶養控除等申告書」の提出に係る注意点①
まず、「扶養控除等申告書」の提出に係る注意点としましては、
給与所得者が「扶養控除等申告書」を提出することができるのは、 原則、「1つの会社」のみとなります。 |
この点、「給与・役員報酬を受ける会社」が「1社」しかない場合には、
何の問題もなく、「その会社」に「扶養控除等申告書」を提出することができますが、
他方、
・パート従業員、アルバイト従業員又は正社員として「複数の会社」から給与を受けている場合や、
・非常勤の会社役員又は常勤役員として「複数の会社」から役員報酬を受けている場合や、
・ある会社では会社役員として「役員報酬」を受け、ある会社からは従業員として「給与」を受けている場合などでは、
給与又は役員報酬を受けている「複数の会社」それぞれに対して、「扶養控除等申告書」をそれぞれ提出することはできませんので、 |
この点につきましては、十分ご注意頂ますようお願い致します。
なお、このような場合におきましては、
給与又は役員報酬を受ける「複数の会社」から、
と望まれる会社を、ご自身でお選び頂き、 その「選択した1つの会社」※に対してのみ、「扶養控除等申告書」を提出することとなります。 |
※「扶養控除等申告書」をどの会社に提出するかの選択は、従業員・役員ご自身の自由となります。
ただし、このような場合には、通常、「支払を受ける給与・役員報酬が一番多い会社」に「扶養控除等申告書」が提出されると想定されるため、この「選択された会社」のことを「主たる給与を受ける会社」といいます。
他方、『「扶養控除等申告書」が提出されなかった会社』は、(「主たる給与を受ける会社」に対して)「従たる給与を受ける会社」と言われますが、
この「従たる給与を受ける会社」では、
・「通常のよりも高い所得税率(乙欄)」によって『給与・役員報酬から控除される「源泉所得税」』が計算され、 ・「源泉所得税」が計算される場合にも『「人的控除対象者数」による減額計算』はなされません。 |
2)「扶養控除等申告書」の提出に係る注意点②
「扶養控除等申告書」は、
それが会社に提出されるか否かにより、会社で行われる給与計算で、
- 「通常の所得税率(甲欄)」によって「源泉所得税」が計算されるのか
- 「通常よりも高いの所得税率(乙欄)」によって「源泉所得税」が計算されるのか
を決定する書類となります。
このため、
「扶養控除等申告書」に記載すべき「人的控除対象者」がいらっしゃらない場合であっても、 その会社で「通常の所得税率(甲欄)」によって「源泉所得税額」を計算してほしいと望まれる場合には、 その会社に「扶養控除等申告書」を提出することが必要となります。 |
この点、
自分には、「扶養控除等申告書」に記載すべき「人的控除対象者」がいないため、「扶養控除等申告書」は提出しなくてもよいと誤解されている方や、
自分は、その会社から支払を受けている給与・役員報酬などが少ない(扶養の範囲内で働いている等)ため、「扶養控除等申告書」は提出しなくてもよいと誤解されている方がいらっしゃいますが、
「扶養控除等申告書」は、
『ご自身に「人的控除対象者」が居るか否か』により「提出するか否か」を判断するものではなく、 その会社で、「通常の所得税率(甲欄)」によって「源泉所得税」を計算してもらうか否かの観点から、 |
この点につきましては、十分ご注意頂ますようお願い致します。
3、「扶養控除等申告書」の提出時期
「扶養控除等申告書」は、上記1、2でご紹介させて頂きましたように、給与・役員報酬の支払計算で必要となる書類であるため、
「扶養控除等申告書」は、
その「(暦年度において)最初に行われる給与計算まで」に、会社に提出することが必要となります。 |
このため、一般的には、
「年末調整書類」を会社に提出する場合に、 「翌年度分の扶養控除等申告書」も一緒に会社に提出することが必要となります。 |
例 示 ‘
・「令和2年度の年末調整書類」を提出する場合には、「令和3年度分の扶養控除等申告書」を会社に提出することが必要となります。
・「令和3年度の年末調整書類」を提出する場合には、「令和4年度分の扶養控除等申告書」を会社に提出することが必要となります。
また、「暦年度の途中」で会社に入社した場合、会社の役員に就任した場合には、
入社・就任後直ちに、「扶養控除等申告書」を会社に提出しておくことが必要となります。 |
なお、この場合におきましては、
その暦年度中に勤務していた会社があるならば(「前職」がある場合には)、 「扶養控除等申告書」とともに、前職の会社から発行された「源泉徴収票」も一緒に会社に提出することが必要となります。 |
4、「扶養控除等申告書」の暦年度中における異動
「扶養控除等申告書」は、上記3でご紹介させて頂きましたように、
「前年の年末調整時」又は「入社時等」に会社に提出されるものとなりますが、
『その「扶養控除等申告書」に係る「暦年度中」』に、『「扶養控除等申告書」に記載した内容』に異動がある等の場合には、 その異動内容を反映して「会社」に「源泉所得税の計算」をしてもらうことが必要となります。 |
このため、
- 「当初提出している扶養控除等申告書」の記載内容に異動等がある場合や、
- 暦年度の途中で「複数の会社」に勤めることとなった結果、その会社を「主たる給与を受ける会社」から「従たる給与を受ける会社」に変更するような場合や、
- 暦年度の途中でその会社を「従たる給与を受ける会社」から「主たる給与を受ける会社」に変更するような場合には、
・その変更内容を会社に報告し、 ・「既提出の扶養控除等申告書」を修正する ことが必要となります。 |
Ⅱ:年末調整における「扶養控除等申告書」の提出意義
ここでは、
- 「扶養控除等申告書」が持つ「年末調整時における意義」をご紹介させて頂くとともに、
- 「扶養控除等申告書」の提出上の注意点
- 暦年度末における「扶養控除等申告書」の確認の必要性につきご紹介させて頂きます。
1、「扶養控除等申告書」を提出する意義
給与所得者は、原則、その暦年度末時点で「年末調整」を受けることとなりますが、
この「年末調整」は、
『「扶養控除等申告書」が提出されている会社(主たる給与を受ける会社)』で受けることとなります。 |
また、「年末調整」では、「(給与所得者の)年間確定所得税額」が計算されますが、
「扶養控除等申告書」に この「年間確定所得税額」が計算される過程において、 |
すなわち、「年末調整」におきましては、
「扶養控除等申告書」が会社に提出されていることにより、 その会社(主たる給与を受ける会社)で「年末調整」を受けることができ、 「扶養控除等申告書」に「人的控除対象者」が記載されていることにより、 当該年末調整時に「人的な所得控除」を受けることができることとなります。 |
他方、「扶養控除等申告書」が会社に提出されていない場合には、
『「扶養控除等申告書」が提出されていない会社』では、 ・自社はその給与所得者にとっては「従たる給与を受ける会社」であると判断されるため、 ・その会社で「年末調整」が行われることはありません。 |
2、「扶養控除等申告書」の提出に係る注意点
1)「扶養控除等申告書」の提出に係る注意点①
「扶養控除等申告書」は、
それが会社に提出されるか否かにより、
- その会社で「年末調整」が行われるのか否か
を決定する書類となります。
このため、
「扶養控除等申告書」に記載すべき「人的控除対象者」がいらっしゃらない場合であっても、 その会社で「年末調整」を受けたいと望まれる場合には、 その会社に「扶養控除等申告書」を提出することが必要となります。 |
2)「扶養控除等申告書」の提出に係る注意点②
「扶養控除等申告書」は、上記Ⅰ-2-①でもご紹介させて頂きましたように、
原則、「1つの会社」に対してのみ提出することができるものとなりますが、 |
このことは、「年末調整」の観点からも必要な注意点となります。
仮に『「複数の会社」から給与・役員報酬を受けている方』が、
「複数の会社」に対して「扶養控除等申告書」をそれぞれ提出している場合には、
「複数の会社」でそれぞれ「年末調整」が行われ、「複数の会社」でそれぞれ「人的所得控除額」が算定され、
その方の「年間確定所得税額」を計算するにあたり、「人的所得控除額」が重複して算定・控除されてしまうこととなります。
(結果的に、その方の「年間確定所得税額」が過少に計算されることとなってしまいます。)
従いまして「複数の会社」から給与・役員報酬を受けている方は、
年末調整の観点からも、
「扶養控除等申告書」は、原則、「1つの会社」に対してのみしか提出することができないものである |
という点には、十分ご留意頂ますようお願い致します。
3、「扶養控除等申告書」の年末時点での確認
「扶養控除等申告書」につきましては、上記Ⅰ-3でご紹介させて頂きましたように、
「前年度の年末調整時」又は「暦年度途中の入社時・就任時」に提出されていますが、
「年末調整」において、 あくまで、「年度末時点」において、 |
このため、
「年末時点」では、 『既に会社に提出している「扶養控除等申告書」の記載内容』に異動が生じていないかをご確認頂くことが必要となります。 |
Point ! 「年間所得見積額」の確認 につきまして 『既に会社に提出している「扶養控除等申告書」』におきましては、 ・これらの「年間所得金額」につきましては、暦年度中において変動することが多分に考えられますので、 |
なお、多くの会社では、この年末時点での「扶養控除等申告書」の確認をして頂くために、
『「前年度の年末調整時」又は「暦年度途中での入社時・就任時」に提出されている「扶養控除等申告書」』が、一旦返却されますので、
会社から「扶養控除等申告書」の返却がおこなわれている場合には、
是非『「扶養控除等申告書」の記載内容に異動がないか』をご確認の上、会社に再提出して頂きますようお願い致します。
Ⅲ:『「扶養控除等申告書」に記載される「各種人的控除」』の概要
・給与所得者に「源泉控除対象配偶者」「控除対象扶養親族」「障害者控除対象者」がいらっしゃる場合や、 「毎月の給与計算」において「源泉所得税の減額」を受けること、 「年末調整(年間の所得税計算)」において「各種の人的な所得控除」を受けることができますが、 |
「それぞれの人的所得控除」につきましては、「控除を受けるための条件」が存在するため、
給与所得者が「これらの人的所得控除」を受けるためには、
給与所得者本人が「扶養控除等申告書」に記載することが必要となります。 |
以下におきましては、「扶養控除等申告書」に記載することができる「各種人的控除の概要」をご紹介させて頂きますので、
ご自身に該当する項目がある場合には、「その条件・記載内容」等をご確認下さい。
1、「源泉控除対象配偶者」
1)「源泉控除対象配偶者」を「扶養控除等申告書」に記載する場合の効果
「源泉控除対象配偶者」を「扶養控除等申告書」に記載することにより、
「当該扶養控除等申告書」を提出した後の「毎月の給与計算」では、 『「源泉控除対象配偶者」に係る「源泉所得税の減額」』を受けることができます。 |
Point ! 「年末調整」における「配偶者控除」「配偶者特別控除」につきまして ・「扶養控除等申告書」に「源泉徴収対象配偶者」を記載する目的は、 「年末調整」において、『配偶者に係る「配偶者控除」「配偶者特別控除」』を受けるためには、 この点につきましては、十分にご留意頂ますようお願い致します。 |
2)「扶養控除等申告書」に「源泉控除対象配偶者」を記載するための要件
「扶養控除等申告書」に「源泉控除対象配偶者」を記載するためには、「本人」及び「配偶者」が以下の要件すべてを満たしていることが必要となります。
(なお、以下「本人」とは『「扶養控除等申告書」の提出者』をいいます。)
1、「本人」の要件 |
本人の合計所得(見積)金額が900万円以下である |
2、「 配偶者 」の要件 |
① 本人と生計を一にしている民法上の配偶者である |
② 配偶者の合計所得(見積)金額が95万円以下である |
③ ・「本人」又は「本人と生計を一にする者」の青色専従者として給与の支払を受けていない ・「本人」又は「本人と生計を一にする者」の白色専従者でない |
◆ 『「源泉控除対象配偶者」に係る条件』の詳細記載ページ ◆
「源泉控除対象配偶者」の定義・条件につきましては、別途『源泉控除対象配偶者』というページにて詳細にご紹介させて頂いておりますので、必要がある場合には、当該リンクページをご覧頂きますようお願い致します。
3)「源泉控除対象配偶者」の「扶養控除等申告書」への記載概要
「源泉控除対象配偶者」を会社に申告する場合には、「扶養控除等申告書」に以下の事項を記載することが必要となります。
配偶者に係る「各種の情報」 配偶者が『その暦年度に受けると見込まれる「合計所得(見積)金額」 配偶者が「非居住者」である場合には「その旨の記載」 |
◆ 「源泉控除対象配偶者」の「扶養控除等申告書」への記載内容のご紹介ページ ◆
『「源泉控除対象配偶者」の「令和3年分 扶養控除等申告書」への記載方法』につきましては、別途『「令和3年分の扶養控除等申告書」の書き方 』というページの『 Ⅱ:「源泉控除対象配偶者の情報」の記載 』という箇所で、より詳細にご紹介させて頂いておりますので、
「扶養控除等申告書」に「源泉控除対象配偶者」の記載をされる場合には、当該リンクページをご覧頂きますようお願い致します。
2、「控除対象扶養親族」
1)「控除対象扶養親族」を「扶養控除等申告書」に記載する場合の効果等
◆ 「控除対象扶養親族」を「扶養控除等申告書」に記載する場合の効果 ◆
「控除対象扶養親族」を「扶養控除等申告書」に記載することにより、
「当該扶養控除等申告書」を提出した後の「毎月の給与計算」では、 『「控除対象扶養親族」に係る「源泉所得税の減額」』を受けることができます。 |
また、「その暦年度末日」時点で『「扶養控除等申告書」に記載された「控除対象扶養親族」』に変更がなければ、
「当該扶養控除等申告書」に係る「暦年度の年末調整(年間の所得税計算)」では、 「扶養親族控除」を受けることができます。 |
◆ 「扶養親族控除」とは ◆
「扶養親族控除」とは、
「給与所得者が扶養する親族のその暦年度における所得金額がない又は極めて低い場合」には、 その給与所得者の「所得税が課税される金額(課税対象金額)」を計算する場合に、 「総所得(≒合計所得)」から控除することができる「扶養親族に係る人的控除項目」をいいます。 |
2)「扶養控除等申告書」に「控除対象扶養親族」を記載するための要件
「扶養控除等申告書」に「控除対象扶養親族」を記載するためには、「親族」が以下の要件すべてを満たしていることが必要となります。
(なお、以下「本人」とは『「扶養控除等申告書」の提出者』をいいます。)
1、「 親族 」が「 扶養親族 」である要件 |
① ・本人の「配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)」である ・都道府県知事から養育を委託された児童である ・市町村長から養護を委託された老人である |
② 本人と生計を一にしている |
③ その親族の合計所得(見積)金額が48万円以下である |
④ ・「本人」又は「本人と生計を一にする者」の青色専従者として給与の支払を受けていない ・「本人」又は「本人と生計を一にする者」の白色専従者でない |
2、「 扶養親族 」の「 年齢 」要件 |
当該暦年度末日(12月31日)時点で16歳以上である |
★ なお、「親族」が『 他の所得者の「扶養親族」』又は『他の所得者の「同一生計配偶者」』として、他の所得者が「その親族に係る所得税の人的控除」を受ける場合には、当該「親族」を「ご本人の控除対象扶養親族」として申告することはできません。(所得税法85条4、5項)
◆ 『「控除対象扶養親族」に係る条件』の詳細記載ページ ◆
「控除対象扶養親族」の定義・条件につきましては、別途『 控除対象扶養親族 』というページにて詳細にご紹介させて頂いておりますので、必要がある場合には、当該リンクページをご覧頂きますようお願い致します。
3)「控除対象扶養親族」の「扶養控除等申告書」への記載概要
「控除対象扶養親族」を会社に申告する場合には、「扶養控除等申告書」に以下の事項を記載することが必要となります。
扶養親族に係る「各種の情報」 扶養親族が『その暦年度に受けると見込まれる「合計所得(見積)金額」 扶養親族が「非居住者」である場合には「その旨の記載」 |
◆ 「控除対象扶養親族」の「扶養控除等申告書」への記載内容のご紹介ページ ◆
『「控除対象扶養親族」の「令和3年分 扶養控除等申告書」への記載方法』につきましては、別途『「令和3年分の扶養控除等申告書」の書き方 』というページの『 Ⅲ:「控除対象扶養親族の情報」の記載 』という箇所で、より詳細にご紹介させて頂いておりますので、
「扶養控除等申告書」に「控除対象扶養親族」の記載をされる場合には、当該リンクページをご覧頂きますようお願い致します。
3、「障害者控除の対象者」
1)「障害者控除の対象者」を「扶養控除等申告書」に記載する場合の効果等
◆ 「障害者控除の対象者」を「扶養控除等申告書」に記載する場合の効果 ◆
「障害者控除の対象者」を「扶養控除等申告書」に記載することにより、
「当該扶養控除等申告書」を提出した後の「毎月の給与計算」では、 『「障害者控除の対象者」に係る「源泉所得税の減額」』を受けることができます。 |
また、「その暦年度末日」時点で『「扶養控除等申告書」に記載された「障害者控除の対象者」』に変更がなければ、
「当該扶養控除等申告書」に係る「暦年度の年末調整(年間の所得税計算)」では、 「障害者控除」を受けることができます。 |
◆ 「障害者控除」とは ◆
「障害者控除」とは、
「給与所得者本人」又は「給与所得者の同一生計配偶者」又は「給与所得者の扶養親族」が その給与所得者の「所得税が課税される金額(課税対象金額)」を計算する場合に、 「総所得(≒合計所得)」から控除することができる「障害者に係る人的控除項目」をいいます。 |
2)「扶養控除等申告書」に「障害者控除の対象者」を記載するための要件
「扶養控除等申告書」に「障害者控除の対象者」を記載するためには、以下の要件のいずれかを満たしていることが必要となります。
(なお、以下「本人」とは『「扶養控除等申告書」の提出者』をいいます。)
「 本人 」が
|
『 本人の「配偶者」』が
|
『 本人の「親族」』が
|
★ なお、「同一生計配偶者」「扶養親族」が『 他の所得者の「扶養親族」』として、他の所得者がその「同一生計配偶者・扶養親族に係る所得税の人的控除」を受ける場合には、当該「同一生計配偶者・扶養親族」を「ご本人の障害者控除の対象となる同一生計配偶者・扶養親族」として申告することはできません。(所得税法基本通達79-1)
◆ 『「障害者控除」を受けるための条件』の詳細記載ページ ◆
「障害者控除」を受けるための条件につきましては、別途『 障害者控除を受けるための条件 』というページにて詳細にご紹介させて頂いておりますので、必要がある場合には、当該リンクページをご覧頂きますようお願い致します。
3)「障害者控除の対象者」の「扶養控除等申告書」への記載概要
「障害者控除の対象者」を会社に申告する場合には、「扶養控除等申告書」に以下の事項を記載することが必要となります。
「本人」又は「同一生計配偶者」又は「扶養親族」が『「障害者」に該当する旨の記載 』 「障害者の方」が「同一生計配偶者」「扶養親族」である場合には、『「同一生計配偶者・扶養親族」に係る各種情報』 「本人」又は「同一生計配偶者」又は「扶養親族」の「障害の状態や障害の程度に関する事実」 |
◆ 「障害者控除の対象者」の「扶養控除等申告書」への記載内容のご紹介ページ ◆
『「障害者控除の対象者」の「令和3年分 扶養控除等申告書」への記載方法』につきましては、別途『「令和3年分の扶養控除等申告書」の書き方 』というページの『 Ⅳ:「障害者の方に係る情報」の記載 』という箇所で、より詳細にご紹介させて頂いておりますので、
「扶養控除等申告書」に「障害者控除の対象者」の記載をされる場合には、当該リンクページをご覧頂きますようお願い致します。
4、「ひとり親」
1)『「ひとり親」に該当する旨』を「扶養控除等申告書」に記載する場合の効果等
◆ 『「ひとり親」に該当する旨』を「扶養控除等申告書」に記載する場合の効果 ◆
『「ひとり親」に該当する旨』を「扶養控除等申告書」に記載することにより、
「当該扶養控除等申告書」を提出した後の「毎月の給与計算」では、 『「ひとり親」に係る「源泉所得税の減額」』を受けることができます。 |
また、「その暦年度末日」時点で『「扶養控除等申告書」に記載された「ひとり親」である事実』に変更がなければ、
「当該扶養控除等申告書」に係る「暦年度の年末調整(年間の所得税計算)」では、 「ひとり親控除」を受けることができます。 |
◆ 「ひとり親控除」とは ◆
「ひとり親控除」とは、
「給与所得者本人」が所得税法で規定されている「ひとり親」に該当する場合には、 その給与所得者の「所得税が課税される金額(課税対象金額)」を計算する場合に、 「総所得(≒合計所得)」から控除することができる「ひとり親であることに係る人的控除項目」をいいます。 |
2)「扶養控除等申告書」に『「ひとり親」に該当する旨』を記載するための要件
「扶養控除等申告書」に『「ひとり親」に該当する旨』を記載するためには、「本人」及び「生計を一にする子」が以下の要件すべてを満たしていることが必要となります。
(なお、以下「本人」とは『「扶養控除等申告書」の提出者』をいいます。)
1、「 本人 」の要件 (男性、女性を問いません) |
① ・現に婚姻をしていない人(死別、離婚、未婚等の理由による) |
② 本人の合計所得(見積)金額が500万円以下である |
③ 本人に下記2の要件を満たす「生計を一にする子」がいる |
2、「 生計を一にする子 」の要件 |
① 本人と生計を一にしている |
② その子の総所得(見積)金額が48万円以下である |
③「他の人の同一生計配偶者」や「他の人の扶養親族」となっていないこと |
◆ 『「ひとり親」に係る条件』の詳細記載ページ ◆
「ひとり親」の定義・条件につきましては、別途『 「ひとり親」「寡婦」「勤労学生」 』というページにて詳細にご紹介させて頂いておりますので、必要がある場合には、当該リンクページをご覧頂きますようお願い致します。
3)『「ひとり親」に該当する旨』の「扶養控除等申告書」への記載概要
『「ひとり親」に該当する旨』を会社に申告する場合には、「扶養控除等申告書」に以下の事項を記載することが必要となります。
「本人」が『「ひとり親」に該当する旨の記載』 |
◆ 『「ひとり親」に該当する旨』の「扶養控除等申告書」への記載内容のご紹介ページ ◆
『「ひとり親」に該当する旨の「令和3年分 扶養控除等申告書」への記載方法』につきましては、別途『「令和3年分の扶養控除等申告書」の書き方 』というページの『 Ⅴ:「ひとり親」に該当する場合の記載 』という箇所で、より詳細にご紹介させて頂いておりますので、
「扶養控除等申告書」に『「ひとり親」に該当する旨』の記載をされる場合には、当該リンクページをご覧頂きますようお願い致します。
5、「寡婦」
1)『「寡婦」に該当する旨』を「扶養控除等申告書」に記載する場合の効果等
◆ 『「寡婦」に該当する旨』を「扶養控除等申告書」に記載する場合の効果 ◆
『「寡婦」に該当する旨』を「扶養控除等申告書」に記載することにより、
「当該扶養控除等申告書」を提出した後の「毎月の給与計算」では、 『「寡婦」に係る「源泉所得税の減額」』を受けることができます。 |
また、「その暦年度末日」時点で『「扶養控除等申告書」に記載された「寡婦」である事実』に変更がなければ、
「当該扶養控除等申告書」に係る「暦年度の年末調整(年間の所得税計算)」では、 「寡婦控除」を受けることができます。 |
◆ 「寡婦控除」とは ◆
「寡婦控除」とは、
「給与所得者本人」が所得税法で規定されている「寡婦」に該当する場合には、 その給与所得者の「所得税が課税される金額(課税対象金額)」を計算する場合に、 「総所得(≒合計所得)」から控除することができる「寡婦であることに係る人的控除項目」をいいます。 |
2)「扶養控除等申告書」に『「寡婦」に該当する旨』を記載するための要件
「扶養控除等申告書」に『「寡婦」に該当する旨』を記載するためには、下記の 1 又は 2 のいずれかの条件を満たしていることが必要となります。
(なお、以下「本人」とは『「扶養控除等申告書」の提出者』をいいます。)
【「寡婦」に該当するための条件1 】
1、「 本人 」の要件 (女性に限ります) |
① 上記4の「ひとり親」には該当しない |
② 夫と離婚した後婚姻をしていない人である (なお「事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人」がいる場合は除く) |
③ 本人の合計所得(見積)金額が500万円以下である |
④ 本人に下記2の要件を満たす「扶養親族」がいる |
2、「 扶養親族 」の要件 |
① ・本人の「配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)」である ・都道府県知事から養育を委託された児童である ・市町村長から養護を委託された老人である |
② 本人と生計を一にしている |
③ その親族の合計所得(見積)金額が48万円以下である |
④ ・「本人」又は「本人と生計を一にする者」の青色専従者として給与の支払を受けていない ・「本人」又は「本人と生計を一にする者」の白色専従者でない |
★ なお、その親族が『 他の所得者の「扶養親族」』『他の所得者の「同一生計配偶者」』として、他の所得者が「その親族に係る所得税の人的控除」を受ける場合には、当該「親族」は『「寡婦」の要件である「扶養親族」』には該当しません。(所得税法基本通達2-40、所得税法85条5項)
【「寡婦」に該当するための条件2 】
「 本人 」の要件 (女性に限ります) |
① 上記4の「ひとり親」には該当しない |
② ・夫と死別した後婚姻をしていない人である ・夫の生死が明らかでない人である (なお「事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人」がいる場合は除く) |
③ 本人の合計所得(見積)金額が500万円以下である |
◆ 『「寡婦」に係る条件』の詳細記載ページ ◆
「寡婦」の定義・条件につきましては、別途『「ひとり親」「寡婦」「勤労学生」』というページにて詳細にご紹介させて頂いておりますので、必要がある場合には、当該リンクページをご覧頂きますようお願い致します。
3)『「寡婦」に該当する旨』の「扶養控除等申告書」への記載概要
『「寡婦」に該当する旨』を会社に申告する場合には、「扶養控除等申告書」に以下の事項を記載することが必要となります。
「本人」が『「寡婦」に該当する旨の記載』 |
◆ 『「寡婦」に該当する旨』の「扶養控除等申告書」への記載内容のご紹介ページ ◆
『「寡婦」に該当する旨の「令和3年分 扶養控除等申告書」への記載方法』につきましては、別途『「令和3年分の扶養控除等申告書」の書き方 』というページの『 Ⅵ:「寡婦」に該当する場合の記載 』という箇所で、より詳細にご紹介させて頂いておりますので、
「扶養控除等申告書」に『「寡婦」に該当する旨』の記載をされる場合には、当該リンクページをご覧頂きますようお願い致します。
6、「勤労学生」
1)『「勤労学生」に該当する旨』を「扶養控除等申告書」に記載する場合の効果等
◆ 『「勤労学生」に該当する旨』を「扶養控除等申告書」に記載する場合の効果 ◆
『「勤労学生」に該当する旨』を「扶養控除等申告書」に記載することにより、
「当該扶養控除等申告書」を提出した後の「毎月の給与計算」では、 『「勤労学生」に係る「源泉所得税の減額」』を受けることができます。 |
また、「その暦年度末日」時点で『「扶養控除等申告書」に記載された「勤労学生」である事実』に変更がなければ、
「当該扶養控除等申告書」に係る「暦年度の年末調整(年間の所得税計算)」では、 「勤労学生控除」を受けることができます。 |
◆ 「勤労学生控除」とは ◆
「勤労学生控除」とは、
「給与所得者本人」が所得税法で規定されている「勤労学生」に該当する場合には、 その給与所得者の「所得税が課税される金額(課税対象金額)」を計算する場合に、 「総所得(≒合計所得)」から控除することができる「勤労学生であることに係る人的控除項目」をいいます。 |
2)「扶養控除等申告書」に『「勤労学生」に該当する旨』を記載するための要件
「扶養控除等申告書」に『「勤労学生」に該当する旨』を記載するためには、「本人」が以下の要件すべてを満たしていることが必要となります。
(なお、以下「本人」とは『「扶養控除等申告書」の提出者』をいいます。)
「 本人 」の要件 |
① ・大学、高等学校などの学生や生徒である ・一定の要件を備えた専修学校、各種学校の生徒である ・職業訓練法人の行う認定職業訓練を受ける訓練生である |
② 本人に『勤労により得た「事業所得」「給与所得」「退職所得」「雑所得」』の「勤労所得」がある |
③ ・本人の合計所得(見積)金額が75万円以下であるとともに、 ・本人の「勤労所得以外の所得(不労所得)の(見積)金額」が10万円以下である |
◆ 『「勤労学生」に係る条件』の詳細記載ページ ◆
「勤労学生」の定義・条件につきましては、別途『「ひとり親」「寡婦」「勤労学生」』というページにて詳細にご紹介させて頂いておりますので、必要がある場合には、当該リンクページをご覧頂きますようお願い致します。
3)『「勤労学生」に該当する旨』の「扶養控除等申告書」への記載概要
『「勤労学生」に該当する旨』を会社に申告する場合には、「扶養控除等申告書」に以下の事項を記載することが必要となります。
「本人」が『「勤労学生」に該当する旨の記載』 「学校名」及び「入学年月日」 『その暦年度に受けた「所得の種類」と「各所得の所得(見積)金額」』 |
◆ 『「勤労学生」に該当する旨』の「扶養控除等申告書」への記載内容のご紹介ページ ◆
『「勤労学生」に該当する旨の「令和3年分 扶養控除等申告書」への記載方法』につきましては、別途『「令和3年分の扶養控除等申告書」の書き方 』というページの『 Ⅶ:「勤労学生」に該当する場合の記載 』という箇所で、より詳細にご紹介させて頂いておりますので、
「扶養控除等申告書」に『「勤労学生」に該当する旨』の記載をされる場合には、当該リンクページをご覧頂きますようお願い致します。
税理士事務所・会計事務所からのPOINT
「扶養控除等申告書」は、
- 「当該申告書」に「記載される内容」により、
『「 給与計算」において、「(人的控除対象者数による)源泉所得税」の減額計算を受けることができる 』という機能をもつ書類であり、 - また、「当該申告書」に「記載される内容」により、
『 「年末調整」において、「各種の人的所得控除額」を受けることができる 』という機能をもつ書類であり、
これらの機能面から『「当該申告書」を会社に提出すること 』は、とても重要な意味を持ちますが、
これと同様に、又はそれ以上に、「扶養控除等申告書」は、
- 「当該申告書」を「会社に提出するか否か」により、
『「給与計算」で行われる「源泉所得税の計算方法」を決定する 』という機能をもつ書類であり、
(甲欄による計算を行うのか?乙欄による計算を行うのか?を決定する』という機能をもつ書類であり、) - また、「当該申告書」を「会社に提出するか否か」により、
『その会社で「年末調整を行うか否か?」を決定する 』という機能をもつ書類であり、
これらの機能面から『「当該申告書」を提出すること 』は、とても重要な意味を持つものとなります。
このため、「年末調整時」等に当該「扶養控除等申告書」を会社に提出する場合には、
『「扶養控除等申告書」が持つこれらの「意義(機能)」』を十分ご理解頂いた上で、「扶養控除等申告書」を会社に提出して頂きますようお願い致します。