ここでは、『「控除対象扶養親族」の定義・条件・申告上の注意点」を、以下の事項に従い、ご紹介させて頂きます。
Ⅰ:「控除対象扶養親族」の定義
◆ 「控除対象扶養親族」の定義 ◆
「控除対象扶養親族」とは、
『「扶養控除等申告書を提出する本人」の「親族」』が「扶養親族」に該当し、 かつ「その扶養親族の年齢」が16歳以上である者をいいます。 |
◆ 「控除対象扶養親族」の条件 ◆
すなわち、「扶養控除等申告書を提出する本人」が「その親族」を「控除対象扶養親族」として申告するためには、
1、その「親族」がまず「扶養親族」に該当することが前提となり、 |
かつ
2、その年齢が16年齢以上であることが必要となります。 |
《 「16歳未満の扶養親族」につきまして 》
「16歳未満の扶養親族」につきましては、「児童手当」が支給されているため、
「扶養親族控除」という「所得税法上の恩恵」は受けることができません。
このため「16歳未満の扶養親族」は、 「扶養親族」であっても、扶養親族控除の対象となる「控除対象扶養親族」となることはできません。 |
◆ 「当該ページ」でご紹介させて頂きます内容 ◆
「扶養親族」の条件
「扶養控除等申告書を提出される本人」が「その親族に係る扶養親族控除」を受けるためには、
その前提として「親族」が『所得税法で定められている「扶養親族」に該当する』という条件を満たしていることが必要となります。
このため、「扶養控除等申告書」で「控除対象扶養親族」の申告を行う場合には、
まずは『所得税法で定められている「扶養親族」』は、どのような者をいうのか?をご理解頂くことが必要となります。
従いまして、当該ページにおきましては、
下記Ⅱにおいて、『「扶養親族」とはどのような者であるか』を最初にご紹介させて頂きます。
「控除対象扶養親族」の種類
所得税法におきましては、同じ「控除対象扶養親族」であっても、「扶養親族の状況」により扶養者の生活費負担等が異なることから、
・「控除対象扶養親族」を、さらに「一般の扶養親族」「特定扶養親族」「老人扶養親族」「同居老親(同居老人扶養親族)」の「4種類の控除対象扶養親族」に分類し、
・この分類に応じて『所得金額から控除することができる「扶養親族控除金額」』に差を設けています。
このため、「扶養控除等申告書」で「控除対象扶養親族」の申告を行う場合には、
・『所得税法で定められている「控除対象扶養親族」の種類 』をご理解頂き、
・「控除対象扶養親族」が『どの分類の「控除対象扶養親族」』に該当しているのか?をご確認頂くことが必要となります。
従いまして、当該ページにおきましては、
下記Ⅲにおいて、『所得税法で定められている「控除対象扶養親族」の種類 』をご紹介させて頂きます。
Ⅱ:「扶養親族」の定義と条件
「扶養控除等申告書を提出する本人の親族」を「控除対象扶養親族」として申告するためには、
その前提として、まず「扶養控除等申告書を提出する本人の親族」が、『所得税法で定める「扶養親族」』に該当することが必要となります。 |
このため、ここでは、まず所得税法で定められている『「扶養親族」の定義』をご紹介させて頂きます。
1、「扶養親族」の定義 ( 令和2年度以降の定義 )
令和2年度以降における「扶養親族」とは、
その年の12月31日(納税者が年の中途で死亡し又は出国する場合は、その死亡又は出国の時)の現況で、次の四つの要件すべてを満たす人をいいます。
(1) 「扶養控除等申告書を提出する本人」の「配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)」であること。 (2) 「扶養控除等申告書を提出する本人」と「生計を一にしている」こと。 (3) 「その親族の年間の合計所得(見積)金額」が48万円以下であること。 (4) 「青色申告者の事業専従者」としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと。 |
▶ 参考) 平成31年度(令和元年度)の「扶養親族」の定義
2、「扶養親族」の条件
『「扶養親族」の定義』は、上記1でご紹介させて頂きましたものとなりますが、
ここでは、この定義に基づき、『「扶養親族」のそれぞれの条件』を詳しくご紹介させて頂きます。
条件1:「親族の範囲」の条件
「親族」が「扶養親族」に該当するためには、
・「配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)」であるか、 ・ 又は「都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)」や「市町村長から養護を委託された老人」であることが必要となります。 |
◆ 「6親等内の血族」及び「3親等内の姻族」 ◆
「6親等内の血族」及び「3親等内の姻族」とは、下図のものとなります。
条件2:「生計を一にしている」という条件
「親族」が「扶養親族」に該当するためには、
「親族」が「扶養控除等申告書を提出する本人」と「生計を一にしている」ことが条件となります。 |
◆ 「 生 計 を 一 に す る 」とは ◆
日常の生活の資を共にすることをいいます。 |
この点、「勤務の都合により家族と別居している」又は「親族が修学、療養などのために別居している」場合であっても
- 「本人」が「その親族に係る生活費、学資金又は療養費」などを常に送金しているときや、
- 日常の起居を共にしていないが、勤務、修学等の余暇には、本人と起居を共にしている ときは、
「生計を一にする」ものとして取り扱われます。
条件3:「親族」の「合計所得(見積)金額」の条件
「親族」が「扶養親族」に該当するためには、
「親族」のその年度における「合計所得(見積)金額」が「48万円」以下であることが必要となります。 |
◆ 「 合 計 所 得 」とは ◆
大雑把にいいますと、
「給与所得」「退職所得」「事業所得」「不動産所得」「利子所得」「配当所得」「雑所得(公的年金所得を含む)」「一時所得」「譲渡所得」「山林所得」の10種類の所得を「合計した所得」をいいます。
⇒このため、「給与所得」以外にも「上記に該当する所得」がある場合には、その所得金額を合計することが必要となります。
また上記の「合計所得」は、
- 「収入金額」ではなく、
- 「収入金額」から『「必要経費額」や「各種の控除金額(給与所得控除額、公的年金控除額等)」等 』を差引いた後の「所得金額」をいいます。
◆ 『「所得の見積額」で判断される場面』と『「所得の確定額」で判断される場面』 ◆
「所得の見積額」で判断される場面
「扶養控除等申告書」は、「通常暦年度の初め(前年度の年末調整時)」や「新入社員の入社時・新任役員の就任時」に従業員・役員から会社に提出されるものとなります。
このため『「扶養控除等申告書」の提出時点で判断する「所得の金額」』は、あくまでその年度の「所得の見積額」で判断することとなります。
「所得の確定額」で判断される場面
他方、「年末調整」時において『「親族」が「扶養親族」に該当するか否か』の判断は、
あくまで、その年度の「年末時点」におけるその年度の「所得の確定金額」で判断することが必要となります。
条件4:「事業専従者」等の制限
「親族」が
当該「親族」を「扶養親族」とすることはできません。 |
◆ 『「事業専従者」に対する制限』の範囲 ◆
上記に該当する「青色事業専従者」「白色事業専従者」とは、
「親族」が「扶養控除等申告書を提出する本人」や「その本人と生計を一にする者」の「青色事業専従者・白色事業専従者」になっている場合が該当します。 |
この点、
①「扶養控除等申告書を提出する本人」が会社に勤務する以外に、自ら事業を行っており、
- その事業で「親族」を「青色事業専従者」としており、給与を支払っている場合
- 又はその事業で「親族」を「白色事業専従者」としている場合、
②「親族」が「扶養控除等申告書を提出する本人と生計を一にする者」が営む事業において
- 「青色事業専従者」として給与の支払いを受けている場合
- 又は「白色事業専従者」となっている場合には、
当該「親族」を、「扶養控除等申告書を提出する本人」の「扶養親族」とすることはできません。
他方、「親族」が「扶養控除等申告書を提出する本人と生計を一にしない者」が営む事業において、
- 「青色事業専従者」として給与の支払いを受けているような場合
- 又は「白色事業専従者」となっているような場合には、
当該「親族」を、「扶養控除等申告書を提出する本人」の「扶養親族」とすることは可能となります。
Ⅲ:『「控除対象扶養親族」の種類』
所得税法におきましては、同じ「控除対象扶養親族」であっても、「扶養親族の状況」により扶養者の生活費負担等が異なることから、
「控除対象扶養親族」を、
「控除対象扶養親族の年令」や「控除対象扶養親族との同居状況」等により
の「4種類の控除対象扶養親族」分類し、 この分類に応じて『所得金額から控除することができる「扶養親族控除金額」』に差を設けています。 |
このため、「扶養控除等申告書」に「控除対象扶養親族」を記載する場合には、この「控除対象扶養親族に係る4種類の分類」についても十分にご理解・ご確認頂くことが必要となります。
従いまして、ここでは以下におきまして、この『「4種類の控除対象扶養親族」の定義 』をご紹介させて頂きます。
1、一般の控除対象扶養親族
「一般の控除対象扶養親族」とは、
その年度の12月31日時点(暦年度末の時点)での年齢が「16歳以上19歳未満」の扶養親族 |
又は
その年度の12月31日時点(暦年度末の時点)での年齢が「23歳以上70歳未満」の扶養親族 |
のことをいいます。
2、特定扶養親族
「特定扶養親族」とは、
その年度の12月31日時点(暦年度末の時点)での年齢が「19歳以上23歳未満」の扶養親族をいいます。 |
3、老人扶養親族(同居老親以外)
「老人扶養親族(同居老親以外)」とは、
・その年度の12月31日時点(暦年度末の時点)での年齢が「70歳以上」で、 ・以下4の「同居老親等(同居老人親族)」に該当しない扶養親族をいいます。 |
4、同居老親等
「同居老親等(同居老人扶養親族)」とは、
・その年度の12月31日時点(暦年度末の時点)での年齢が「70歳以上」で、
|
◆ 「直系尊属」とは ◆
『「同居老親」の対象となる「直系尊属」』は、
- 本人の ①父母、②祖父母、③曽祖父母、④高祖父母、⑤高祖父母の父母、⑥高祖父母の祖父母
- 配偶者の ①父母、②祖父母、③曽祖父母
が対象となります。
◆ 「同居を常況としている」とは ◆
「老人ホーム」などに入所している場合は、「同居を常況にしている」とはいえません。
(生活の本拠が「老人ホーム」などに移っていると考えられるため)
他方、「病気の治療」のため入院していることにより「従業員・役員」等と別居している場合は、
その期間が結果として1年以上といった長期にわたるような場合であっても、「同居」に該当するものと判断されます。
(入院等につきましては、結果的に長期のものとなっても、あくまで一時的なものであり、生活の本拠は「自宅」であると考えるため)
まとめ
「控除対象扶養親族」は、以下のような種類に分類されます。
その暦年度の12月31日時点の年齢 | 控除対象扶養親族 |
16歳未満 | - |
16歳以上 ~ 19歳未満 | 一般の控除対象扶養親族 |
19歳以上 ~ 23歳未満 | 特定扶養親族 |
23歳以上 ~ 70歳未満 | 一般の控除対象扶養親族 |
70歳以上( 同居なし ) | 老人扶養親族(同居老親以外) |
70歳以上( 同居あり ) | 同居老親等 |
Ⅳ:『「扶養控除等申告書」提出時 』&「年末調整時」の添付書類
「扶養控除等申告書」に「控除対象扶養親族」を記載する場合におきましては、
原則、
当該『「控除対象扶養親族」の記載事項 』を証明するための添付書類等は必要ありません。 |
ただし、「控除対象扶養親族」が「非居住者」に該当する場合※には、
「扶養控除等申告書」の提出時に、 『「控除対象扶養親族」が「本人の親族」であること』を証明するための「親族関係書類」を会社に提出することが必要となり、 |
かつ、
その年度の「最後の給与」が支払われるまでに(≒その年度の年末調整時まで)に 『「控除対象扶養親族」が「本人」と「生計を一にすること」』を証明するための「送金関係書類」を会社に提出することが必要となります。 |
◆ ※「 非 居 住 者 」とは ◆
「非居住者」とは、
「国内に住所を有せず」かつ「現在まで引き続いて1年以上国内に居所を有しない者」をいいます。 |
◆ 「扶養控除等申告書」の提出時点に提出が必要となる書類 ◆
「控除対象扶養親族」が「非居住者」である場合には、
『「控除対象扶養親族」が「本人の親族」であること』を証明するために、以下の①又は②の「親族関係書類」を、
「扶養控除等申告書」の提出時に添付して、会社に提出することが必要となります。
①「戸籍の附票の写し」等及び「パスポートの写し」 ② 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類 ※なお上記書類が外国語により作成されている場合には「訳文」の提出も必要となります。 |
◆ その暦年度の最後(年末調整時点)で提出する書類&報告 ◆
▶ 「送金関係書類」の提出
「控除対象扶養親族」が「非居住者」である場合には、
「扶養控除等申告書を提出する本人」と「非居住者である控除対象扶養親族」が生計を一にしていることを証明するための「送金関係書類」を、
その年度の「最後の給与」が支払われるまでに(≒その年度の年末調整時まで)、会社に提出することが必要となります。
なお「送金関係書類」とは、 具体的には以下①や②の書類となります。 ① 金融機関が行う為替取引により控除対象扶養親族に支払したことを明らかにできる「金融機関の書類」又は「その写し」 ② 控除対象扶養親族が商品等を購入し、本人がその代金を支払ったことを明らかにする「クレジットカード発行会社の書類」又は「その写し」 ※なお上記書類が外国語により作成されている場合には「訳文」の提出も必要となります。 |
▶ 「送金金額等の合計金額」の報告
また、「その暦年度末」時点におきましては、
・上記の「送金関係書類」を会社に提出するとともに、
「扶養控除等申告書を提出する本人」から「非居住者である控除対象扶養親族」に『その暦年度中において支払・送金された「送金金額等の合計額」』を、 「扶養控除等申告書」に記載して、会社に報告することが必要となります。 |
Ⅴ:「控除対象扶養親族」の注意点
「控除対象扶養親族」の条件は、上記Ⅱ・Ⅲでご紹介させて頂きましたものとなりますが、
「扶養控除等申告書」で「控除対象扶養親族」の申告を行う場合には、以下の注意点もご確認下さい。
1、「1人の者」に対して「複数の所得者」がいる場合の注意点
「給与所得者の配偶者」が「控除対象配偶者等」「控除対象扶養親族」に該当する場合
「給与所得者の配偶者」が
・ 給与所得者本人の「控除対象配偶者」や「配偶者特別控除対象者」に該当するとともに、
・他の所得者の「控除対象扶養親族」にも該当する場合には、
・『「給与所得者本人」が「当該配偶者に係る配偶者控除や配偶者特別控除」を受け 』 (「1人の者 」に対して「配偶者控除や配偶者特別控除」と「扶養親族控除」を重複して受けることはできませんが、) |
・『「給与所得者本人」の「控除対象配偶者」や「配偶者特別控除対象者」』とならずに、 又は ・『「他の所得者」の「控除対象扶養親族」』とならずに、 を選択することはできます。 |
◆ 例 示 ◆
例えば、
・同一生計内に「父親」「母親」「子」がおり、
・「父親」「子」が「所得者」であり、
・「母親」が「父親の控除対象配偶者」「子の控除対象扶養親族」の両方に該当する場合には、
・『「父親」の「配偶者控除等申告書」』で『「母親」を「控除対象配偶者」』として申告し、 かつ ・『「子」の「扶養控除等申告書」』で『「母親」を「控除対象扶養親族」』として申告すること はできませんが、 (所得税法85条4、5項) |
『「父親」の「配偶者控除等申告書」』で『「母親」を「控除対象配偶者」』として申告するか、 又は 『「子」の「扶養控除等申告書」』で『「母親」を「控除対象扶養親族」』として申告するかを、 選択することはできます。 |
「1人の者」が『「複数の所得者」の「控除対象扶養親」』に該当する場合
「1人の者」が
・その者と『 生計を一にする複数の所得者の「控除対象扶養親族」』に該当する場合には、
「複数の所得者」がそれぞれ「その1人の者」を「控除対象扶養親族」として申告することはできませんが、 |
「その1人の者」をいずれの「控除対象扶養親族」とするかは、選択して申告することはできます。 |
◆ 例 示 ① ◆
例えば、
・同一生計内に「父親」「母親」「子」がおり、
・「父親」「母親」が「所得者」であり、
・「子」が『「父親」と「母親」のいずれの「控除対象扶養親族」ともなる要件』の要件を満たしている場合には、
「その子」を「控除対象扶養親族」として申告できるのは、「父親」又は「母親」のいずれか1人のみとなりますが、 |
『「父親」の「扶養控除等申告書」』で『「子」を「控除対象扶養親族」』として申告するか、 又は 『「母親」の「扶養控除等申告書」』で『「子」を「控除対象扶養親族」』として申告するかを、 選択することはできます。 |
◆ 例 示 ② ◆
例えば、
・「郷里にいる母親の生活費を兄弟で送金している」ような場合で、
・「母親」が『「兄」と「弟」のいずれの「控除対象扶養親族」ともなる要件』を満たしている場合には、
「兄」と「弟」がそれぞれ重複して「その母親」を「控除対象扶養親族」として申告することはできませんが、 |
『「兄」の「扶養控除等申告書」』で『「母親」を「控除対象扶養親族」』として申告するか、 又は 『「弟」の「扶養控除等申告書」』で『「母親」を「控除対象扶養親族」』として申告するかを、 選択することはできます。 |
2、「複数の所得者」及び「複数の被扶養者」がいる場合の注意点
同一生計内等に「複数の所得者」がおりかつ「複数の被扶養者」がいるような場合には、
「 複数の被扶養者 」を『 その生計内の「複数の所得者」』に分けて、それぞれの「控除対象扶養親族」とすることができます。 |
◆ 例 示 ◆
例えば、
「夫」及び「妻」が共働きである場合で、2人の「控除対象扶養親族(A・B)」がいらっしゃる場合には、
・その「控除対象扶養親族(A)」を『「夫」の「控除対象扶養親族」』とし、 ・その「控除対象扶養親族(B)」を『「妻」の「控除対象扶養親族」』とすることができます。 |
3、「他の所得者」の「控除対象扶養親族」とした場合の注意点
・上記の1や2のように「複数の所得者」がいる場合であって、
・「扶養親族」を『「本人の控除対象扶養親族」』とはせずに、『「他の所得者」の「控除対象扶養親族」』とした場合には、
『「本人」の「扶養控除等申告書」』上では、 当該『「他の所得者」の「控除対象扶養親族」』とされた「扶養親族」を、
はできなくなりますので、この点ご注意が必要となります。 |
◆ 「障害者控除」における例示 ◆
・同一生計内に「本人」「本人の妻」「本人の母親」がいる場合であって、
・「本人」と「本人の妻」が「所得者であり」、
・「本人の母親」が「障害者控除の対象者」である場合、
『「本人の妻」の「扶養控除等申告書」』でその母親(義理母)を「控除対象扶養親族」として申告する場合には、 『「本人の妻」の「扶養控除等申告書」』でのみ、その母親(義理母)を「障害者控除対象の扶養親族」として申告することができ、 『「本人」の「扶養控除等申告書」』では、その母親を「障害者控除対象の扶養親族」として申告することはできなくなります。 |
◆ 「ひとり親控除」における例示 ◆
・同一生計内に「本人」「本人の父親」「本人の子」がいる場合であって、
・「本人」と「本人の父親」が「所得者であり」、
・「本人」が『「ひとり親」となる「本人要件」』を満たしており、
・「本人の子」が『「ひとり親」の「生計を一にする子の所得要件」等』を満たしている場合であっても、
『「本人の父親」の「扶養控除等申告書」』でその子(孫)を「控除対象扶養親族」として申告する場合には、 『「父親の控除対象扶養親族」とされた子 』は、 |
◆ 「寡婦控除」における例示 ◆
・同一生計内に「本人(女性)」「本人の父親」「本人の子」がいる場合であって、
・「本人」と「本人の子」が「所得者であり」、「本人の父親」が「扶養親族」である場合で、
・「本人」が『 扶養親族が居ることを条件とした「寡婦の本人要件」』を満たしている場合であっても、
『「本人の子」の「扶養控除等申告書」』でその父親(祖父)を「控除対象扶養親族」として申告する場合には、 『「本人の子の控除対象扶養親族」とされた父親 』は、 |
4、「控除対象扶養親族」に異動があった場合の注意点
「扶養控除等申告書」は、
『毎月の給与計算で「源泉所得税を控除する」際に必要となる書類』となるため、
- 既存の従業員・役員からは、「前年度の年末調整時」に会社に提出する
- 途中入社・途中就任した従業員・役員からは、「入社・就任時」に会社に提出することとなりますが、
暦年度の途中におきまして、「控除対象扶養親族」の異動がある場合には、
新たな内容を記載した「扶養控除等申告書」を「会社」に再提出するか |
既に提出した「扶養控除等申告書」に、異動後の内容を記載して「会社」に提出し直すことが必要となります。 |
「扶養親族」の「所得の見積額」と「所得の確定額」に違いがある場合
「親族」が「扶養親族」となるための条件である『親族の「所得の金額」』につきましては、
上記Ⅱ-2でご紹介させて頂きましたように
- 「扶養控除等申告書」の提出時点では、「見積金額」で判断し、
- 「年末調整」時点では、「確定金額」で判断されることとなります。
このため、
- 「年度初め」や「入社時・就任時」に見積もられた「所得の見積金額」と
- 「年度末」に確定した「所得の確定金額」とに差異が発生した場合には、
新たな「扶養控除等申告書」を「会社」に再提出するか |
既に提出した「扶養控除等申告書」に、「確定金額」を修正記載して「会社」に提出し直すことが必要となります。 |
「非居住者」である「控除対象扶養親族」への「送金合計額」の記載
「控除対象扶養親族」が「非居住者」に該当する場合には、
上記Ⅳでご紹介させて頂きましたように、『「従業員・役員本人」から「控除対象扶養親族」に「送金した金額の合計額」』を「その暦年度末」時点で「扶養控除等申告書」に記載することが必要となります。
このため、このような場合におきましては、「その暦年度末」において、
新たな「扶養控除等申告書」を「会社」に再提出するか |
既に提出した「扶養控除等申告書」に、「送金合計金額」を追加記載して「会社」に提出し直すことが必要となります。 |
税理士事務所・会計事務所からのPOINT
ここでは、『「控除対象扶養親族」の定義・条件・申告上の注意点』をご紹介させて頂いております。
「扶養親族」に対して「当該定義」を使うのは、
『「扶養控除等申告書」に「扶養親族」を「控除対象扶養親族」として記載するか否か』の判断を行う場合となります。
このため、「扶養控除等申告書」を記載する場合には、
当該「控除対象扶養親族」の定義・条件を十分にご理解頂きますようお願い致します。
なお、「控除対象扶養親族」につきましては、
『年度期間中の「源泉所得税の計算」』及び『「年末調整」における「扶養親族控除額」の計算』が、
すべて『「扶養控除等申告書」における「控除対象扶養親族」の記載』に基づいて行われることとなるため、
年度期間中に『「扶養控除等申告書」に記載した「控除対象扶養親族の情報」』に異動がある場合には、
必ず、その異動内容を会社に報告して、『「扶養控除等申告書」の記載内容』を適時に更新して頂ますようお願い致します。