ここでは、毎月の給与計算における『「源泉所得税」の算定』に使用する『「源泉徴収税額表」の見方』につき、以下の事項に従い、ご紹介させて頂きます。

なお、ここでご紹介させて頂きます内容は、『源泉所得税控除額の算定方法』のページで記載させて頂きました内容の補完的説明事項となります。

 

 

 

Ⅰ:「源泉徴収税額表」の記載内容

ここでは、まず最初に、「源泉徴収税額表」に記載されている項目の内容をご紹介させて頂きます。

 

1、「源泉徴収税額表」の記載区分

「源泉徴収税額表」に記載されている項目は、大きく分けて以下の3項目になります。

:「源泉所得税の算定基礎金額社会保険料等控除後の給与等の金額)」が記載されている区分

:『「甲欄」により源泉所得税を算定』する場合の「源泉所得税額」が記載されている区分

:『「乙欄」により源泉所得税を算定』する場合の「源泉所得税額」が記載されている区分

 

源泉所得税額計算(源泉徴収税額表):記載項目の概要

 

以下2におきましては、上記Ⅰ~Ⅲの区分に記載されている事項の内容をご紹介させて頂きます。

 

2、各記載区分の内容

1)「社会保険料等控除後の給与等の金額」の記載箇所

所得税の課税対象となる「給与・役員報酬」は、

給与・役員報酬の支給額のうち「課税対象となる支給額」から「社会保険料雇用保険料公的保険料を控除した金額となります。

このため、毎月の給与計算におきましても、

課税対象となる給与・役員報酬の支給額」から「社会保険料雇用保険料公的保険料」を控除した金額

に基づいて「源泉所得税」を算定することが必要となります。

 

従いまして「源泉徴収税額表」におきましては、

源泉所得税の算定基礎金額となる「社会保険料等控除後の給与等の金額」が左側に記載されています。

 

なお、「社会保険料等控除後の給与等の金額」につきましては、

給与支給明細書」等から、

課税支給額」    「社会保険料等合計金額健康保険料・厚生年金保険料雇用保険料合計金額)」

という計算を行い、別途計算することが必要となります。

 

2)『「甲欄」における「所得税額」』の記載箇所

扶養控除等申告書」が従業員・役員から会社に提出されている場合には、

『「源泉徴収税額表」の「甲欄」』を使用して、「源泉所得税額」を算定することになりますが、

当該記載箇所には、

上記1)でご紹介させて頂きました「社会保険料等控除後の給与等の金額に応じた源泉所得税額」が記載されています。

 

なお、「甲欄」で「源泉所得税額」を算定する場合には、

「社会保険料等控除後の給与等の金額」の他、

『従業員・役員の方の「扶養親族等の数」』も「源泉所得税算定基礎項目」となることから、

当該記載箇所には、

従業員・役員の方の「扶養親族等の数ごとに、「源泉所得税額」が記載されています。

 

3)『「乙欄」における「所得税額」』の記載箇所

従業員・役員の方が自社以外の会社等から給与・役員報酬を受けている場合で、「扶養控除等申告書」が従業員・役員から自社提出されていない場合には、

『「源泉徴収税額表」の「乙欄」』を使用して、「源泉所得税額」を算定することになりますが、

当該記載箇所には、

上記1)でご紹介させて頂きました「社会保険料等控除後の給与等の金額」に応じた「源泉所得税額」が記載されています。

 

なお、「乙欄」で「源泉所得税額」を算定する場合には、

『従業員・役員の方の「扶養親族等の数」』は「源泉所得税の算定基礎項目」とならないことから、

当該記載箇所の「源泉所得税の記載」は、

「社会保険料等控除後の給与等の金額」に応じた「源泉所得税額」のみが、1列で記載されています。

 

 

Ⅱ:『「甲欄」により源泉税額を算定する場合』の「源泉徴収税額表」の見方

「甲欄」により源泉所得税を算定する場合には、

  • 給与支給明細書」等から計算された「社会保険料等控除後の給与等の金額」と
  • 扶養控除等申告書」からカウントされた「扶養親族等の数」に基づいて、

「源泉所得税額」を算定することとなりますが、

「源泉所得税額表」には、

  • 「源泉所得税額表」の左側に記載されている「社会保険料等控除後の給与等の金額」と
  • 「甲欄の税額欄」の上に記載されている「扶養親族等の数」が

交差する箇所」に「それぞれの場合の源泉所得税額」が記載されていますので、

  • その従業員・役員の方の「社会保険料等控除後の給与等の金額」が当てはまる『「源泉徴収税額表」の「社会保険料等控除後の給与等の金額帯』と、
  • その従業員・役員の方の「扶養親族等の数」が当てはまる『「源泉徴収税額表」の「扶養親族等の数」』が、

交差する箇所に記載されている金額」を把握することで、「源泉所得税額」を算定することができます。

 

「甲欄」による「源泉所得税額」の算定例示

 例 示 1

・「扶養親族等の数」がであり、
・「社会保険料等控除後の給与等の金額」が241,945円である場合には、

給与計算において控除する「源泉所得税額」は、4,590円となります。

源泉所得税の控除額計算(Step4:源泉所得税控除額の決定)

 

 例 示 2

・「扶養親族等の数」がであり、
・「社会保険料等控除後の給与等の金額」が337,727円である場合には、

給与計算において控除する「源泉所得税額」は、6,600円となります。

源泉徴収税控除額の決定②

 

 例 示 3

・「扶養親族等の数」がであり、
・「社会保険料等控除後の給与等の金額」が512,179円である場合には、

給与計算において控除する「源泉所得税額」は、12,890円となります。

源泉徴収税控除額の決定③

 

 例 示 4

・「扶養親族等の数」がであり、
・「社会保険料等控除後の給与等の金額」が77,742円である場合には、

給与計算において控除する「源泉所得税額」は、0円となります。

源泉徴収税控除額の決定④

 

 

Ⅲ:『「乙欄」により源泉税額を算定する場合』の「源泉徴収税額表」の見方

「乙欄」により源泉所得税を算定する場合には、

  • 給与支給明細書」等から計算された「社会保険料等控除後の給与等の金額のみに基づいて、

「源泉所得税額」を算定することとなります。

このため、

  • その従業員・役員の方の「社会保険料等控除後の給与等の金額」が当てはまる『「源泉徴収税額表」の「社会保険料等控除後の給与等の金額帯』に対する

『「乙欄に記載されている金額』を把握することで、「源泉所得税額」を算定することができます。

 

「乙欄」による「源泉所得税額」の算定例示

 例 示 1

・「社会保険料等控除後の給与等の金額」が77,742円である場合には、

給与計算において控除する「源泉所得税額」は、(  77,742  ×  3.063%  =  )2,381円となります。

乙欄の源泉所得税の控除額計算(Step3:源泉所得税控除額の決定)

 

Point !  「社会保険料等控除後の給与等の金額」が88,000円未満の場合の注意点

見出(見出矢印:背景水色)『「甲欄」により「源泉所得税」を算定する』場合には、「社会保険料等控除後の給与等の金額」が88,000円未満である場合には、

「その月の源泉所得税額」は0円となりますが、

見出(見出矢印:背景水色)他方、『「乙欄」により「源泉所得税」を算定する』場合には、「社会保険料等控除後の給与等の金額」が88,000円未満であっても

「その月の源泉所得税額」が0円とはなりませんので、

『「乙欄」により「源泉所得税」を算定する』場合には、この点にご注意頂ますようお願い致します。

 

例 示 2

・「社会保険料等控除後の給与等の金額」が241,945円である場合には、

給与計算において控除する「源泉所得税額」は、33,400円となります。

乙欄の源泉徴収税控除額の決定②

 

例 示 3

・「社会保険料等控除後の給与等の金額」が337,727円である場合には、

給与計算において控除する「源泉所得税額」は、64,900円となります。

乙欄の源泉徴収税控除額の決定③

 

例 示 4

・「社会保険料等控除後の給与等の金額」が512,179円である場合には、

給与計算において控除する「源泉所得税額」は、153,300円となります。

乙欄の源泉徴収税控除額の決定④

 

 

税理士事務所・会計事務所からのPOINT

ここでは、『「源泉徴収税額表」の見方』について、ご紹介させて頂いておりますが、

「源泉徴収税額表」には、

  • 「源泉所得税」の算定対象となる「社会保険料控除後の給与等の金額」
  • 「甲欄」で源泉徴収する「源泉徴収税額」
  • 「乙欄」で源泉徴収する「源泉徴収税額」

が一つの表に記載されていることから

「源泉徴収税額表」を初めて使用する方等にとっては、一見わかりにくいと感じられることもあると思います。

 

ただ、「源泉徴収税額表」に記載されている「記載内容」を理解して頂くと、「源泉徴収税額表」を用いて「源泉所得税額」を算定することはそれほど難しいものでないと思いますので、

「源泉徴収税額表」を初めて使用される場合等におきましては、上記Ⅰで記載させて頂きました「記載内容」をご理解頂き、適切に「源泉所得税」の算定をして頂ますようお願い致します。

 

なお、上記Ⅱ、Ⅲの「算定例示」でご紹介させて頂きましたように、

  • 「甲欄」を使用して「源泉所得税額」を算定する場合と
  • 「乙欄」を使用して「源泉所得税額」を算定する場合とでは、

算定される「源泉所得税額」が著しく異なることとなりますので、

「源泉徴収」を行う場合には、

  • 「甲欄」で「源泉所得税額」を算定するのか?
  • 「乙欄」で「源泉所得税額」を算定するのか?

の決定を慎重に行って頂ますようお願い致します。