ここでは、「法定手当(割増賃金)」の計算基礎となる『「1時間あたりの賃金額」の計算方法 』につき、以下の事項に従い、ご紹介させて頂きます。

 

 

 

▶ 「1時間あたりの賃金額」の計算の必要性

アクセント矢印(背景透明)会社におきましては、従業員が「法定時間外の労働を行った場合」「法定休日に労働を行った場合」「深夜時間帯に労働を行った場合」には、
労働基準法」に基づいて「法定手当(「法定時間外労働手当」「法定休日労働手当」「深夜労働手当」)」を計算することが必要となり、

この「法定手当」につきましては、

 「 1時間あたりの賃金額 」  ×  「 割増賃金率 」  ×  「 各種労働時間

という計算式により算定することが必要となります( 労働基準法37条 )。

 

このため、適切に「法定手当(「法定時間外労働手当」「法定休日労働手当」「深夜労働手当」)の金額 」を計算するためには、

まず、その計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」を事前に又は事後的に適切に計算しておくことが必要となります。

 

アクセント矢印(背景透明)従いまして、ここでは、上記の「法定手当」の計算基礎となる『「1時間あたりの賃金額の計算方法 』について、「給与計算方法別に

すなわち、

別に「それぞれの場合おける計算方法」を以下ご紹介させて頂きます。

 

 

Ⅰ:「時給制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」

1、「時給制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」

時給制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」につきましては、労働基準法施行規則19条1項1号に従い、

時給」が「1時間あたりの賃金額」となります。

 

アクセント三角(小:背景透明) なお、時間帯曜日等によって「時給を異にして規定しているような場合には、

『「法定時間外労働等が行われた時間帯曜日等の「時給」』が、「1時間あたりの賃金額」となります。

( 東京労働局公表「しっかりマスター労働基準法」 )

 

◆ 『 時給制を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」』の算定例示 ◆

  例示1 

曜日、時間帯に関係なく、時給が1,050円である時給制従業員につきましては、

1,050円が「1時間あたりの賃金額」となります。

 

  例示2 

例えば、時給が曜日ごとに異なっている場合で、
「月曜日~土曜日の時給が、1,050円」「日曜日の時給が、1,100円」である場合、

「月曜日~土曜日」に行われた法定時間外労働等につきましては、1,050円が「1時間あたりの賃金額 」となり、
「日曜日」に行われた法定時間外労働等につきましては、1,100円が「1時間あたりの賃金額 」となります。

時給制の例示1:曜日により時給が異なる場合

 

  例示3 

例えば、時給が時間帯ごとに異なっている場合で、
「20時までの時給が、1,050円」「20時以降の時給が、1,100円」である場合、

「20時まで」に行われた法定時間外労働等につきましては、1,050円が「1時間あたりの賃金額 」となり、
「20時以降」に行われた法定時間外労働等につきましては、1,100円が「1時間あたりの賃金額 」となります。

時給制の例示2:時間により時給が異なる場合

 

2、『 法定手当の計算対象とすべき「時給額」』につきまして

時給制を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、その前提として、

アクセント丸(小:背景透明) 法定手当の計算対象とすべき時給額」』を適切に把握することが必要となります。

 

アクセント三角(小:背景透明)この点、「時給制」を採用している場合には、

アクセント矢印(背景透明) 上記1でご紹介させて頂きましたように、基本的には「時給」が「1時間あたりの賃金額」となりますが、

 

アクセント矢印(背景透明) 「時給基本給)」以外に下図※3に記載したような「役職手当特定作業手当資格手当技能手当」などの「法定手当の計算対象としなければならない手当」が別途支給されているような場合には、

これらの「法定手当の計算対象としなければならない手当(ex. 役職手当特定作業手当資格手当技能手当等)」につきましても、

時給に加えて「1時間あたりの賃金額」を計算することが必要となります。

 

アクセント三角(小:背景透明)なお、「法定手当の計算対象としなければならない手当(ex. 役職手当特定作業手当資格手当技能手当等)」が、

  • 日給制で支給されている場合には、下記Ⅱ同様の計算方法により計算した「1時間あたりの手当額」を
  • 週給制で支給されている場合には、下記Ⅲ同様の計算方法により計算した「1時間あたりの手当額」を
  • 月給制で支給されている場合には、下記Ⅳ同様の計算方法により計算した「1時間あたりの手当額」を

別途、上記「時給に加算して計算することが必要となります。

 

法定手当の算定基礎金額③

 

※1:「時給に含めない手当につきまして             

 

※2:「時給から控除することができる手当につきまして      

 

▶ なお、『「1時間あたりの賃金額」の対象としなければならない賃金範囲 』につきましては、別途、『 法定手当(割増賃金)の計算対象となる「給与支給額の範囲」』により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

 

Ⅱ:「日給制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」

1、「日給制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」の計算方法

日給制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」につきましては、

『 法定手当の計算対象とすべき「日給額」』 ÷ 「 1日の所定労働時間

で計算した金額が、「1時間あたりの賃金額」となります。 ( 労働基準法施行規則19条1項2号

 

アクセント三角(小:背景透明) なお、曜日等によって上記で計算した「1時間あたりの賃金額が異なるような場合には、

『「法定時間外労働等が行われた曜日等の「1時間あたりの賃金額」』をもって、「1時間あたりの賃金額」とすることが必要となります。

 

◆ 『 日給制を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」』の算定例示 ◆

  例示1 

『 法定手当の計算対象とすべき「1日の賃金額」』が9,000円で、「1日の所定労働時間」が8時間である場合、

『 9,000円 ÷ 8時間 = 1,125円 』が、「1時間あたりの賃金額」となります。

 

  例示2 

例えば「1時間あたりの賃金額」が曜日によって異なり
・「月曜日~金曜日」は、
『 法定手当の計算対象とすべき「1日の賃金額」』が8,000円で、「1日の所定労働時間」が7時間であり、
・「土曜日」は、
『 法定手当の計算対象とすべき「1日の賃金額」』が6,000円で、「1日の所定労働時間」が5時間であるような場合には、

「月曜日~金曜日」に行われた法定時間外労働等につきましては、
『 8,000円 ÷ 7時間 = 1,142.857・・・円 』が、「 (月曜日~金曜日の)1時間あたりの賃金額」となり、
「土曜日」に行われた法定時間外労働等につきましては、
『 6,000円 ÷ 5時間 = 1,200円 』が、「(土曜日の) 1時間あたりの賃金額」となります。

日給制の例示:曜日により時給が異なる場合

 

2、「1時間あたりの賃金額」の計算要素

日給制を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、その前提として、

アクセント丸(小:背景透明) 『 法定手当の計算対象とすべき日給額」』や

アクセント丸(小:背景透明)1日の所定労働時間」を

適切に把握することが必要となります。

このため、ここでは『「 法定手当の計算対象とすべき日給額」や「1日の所定労働時間」を把握する上での「留意点」』を下記(1)(2)でご紹介させて頂きます。

 

1)『 法定手当の計算対象とすべき「日給額」』の把握上の留意点

日給制を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、その前提として、

アクセント丸(小:背景透明) 法定手当の計算対象とすべき日給額」』を適切に把握することが必要となりますが、

 

アクセント三角(小:背景透明)この点、「日給基本給)」以外に下図※3に記載したような「役職手当特定作業手当資格手当技能手当」などの「法定手当の計算対象としなければならない手当」が別途支給されているような場合には、

これらの「法定手当の計算対象としなければならない手当(ex. 役職手当特定作業手当資格手当技能手当等)」につきましても、

日給に加えて「1時間あたりの賃金額」を計算することが必要となります。

 

アクセント三角(小:背景透明)なお、「法定手当の計算対象としなければならない手当(ex. 役職手当特定作業手当資格手当技能手当等)」が、

  • 週給制で支給されている場合には、下記Ⅲ同様の計算方法により計算した「1時間あたりの手当額」を
  • 月給制で支給されている場合には、下記Ⅳ同様の計算方法により計算した「1時間あたりの手当額」を

別途、上記「日給に加算して計算することが必要となります。

 

法定手当の算定基礎金額③

 

※1:「日給に含めない手当につきまして             

 

※2:「日給から控除することができる手当につきまして      

 

▶ なお、『「1時間あたりの賃金額」の対象としなければならない賃金範囲 』につきましては、別途、『 法定手当(割増賃金)の計算対象となる「給与支給額の範囲」』により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

2)「1日の所定労働時間」の把握上の留意点

「1時間あたりの賃金額」を算定するためには、

  • 『 法定手当の計算対象とすべき「日給額」』を「実際に行われた1日の労働時間」で除すのではなく
  • 1日の所定労働時間」で除して算定することが必要となります。

 

アクセント三角(小:背景透明)このため、日給制を採用している場合に「1時間あたりの賃金額」を算定するためには、

  • 「1日の所定始業時刻」や「1日の所定終業時刻」
  • 及び「1日における所定休憩時間」を

労働契約書」「就業規則賃金規定)」に規定しておき、

  • 『「所定の始業時刻」から「所定の終業時刻」までの「所定の勤務時間」』から
  • 所定の休憩時間」を差し引いた

1日の所定労働時間」を給与計算前に算定しておくことが必要となります。

 

▶  なお『「所定労働時間」の計算方法 』につきましては、別途、『 所定労働時間 』により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

 

Ⅲ:「週給制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」

1、「週給制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」の計算方法

週給制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」につきましては、

『 法定手当の計算対象とすべき「週給額」』 ÷ 「 1週間の所定労働時間

で計算した金額が、「1時間あたりの賃金額」となります。 ( 労働基準法施行規則19条1項3号

 

アクセント三角(小:背景透明) なお、上記計算式における「1週間の所定労働時間」は、

アクセント矢印(背景透明)「所定労働時間数」が週によって一律である場合には、

一律に規定された1週間の所定労働時間」を用いて計算し、

 

アクセント矢印(背景透明)「所定労働時間数」が週によって異なる場合には、

4週間の所定労働時間週平均した1週間の所定労働時間」を用いて計算することとなります。

 

◆ 『 週給制を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」』の算定例示 ◆

  例示1 

例えば、
・『 法定手当の計算対象とすべき「1週間の賃金額」』が25,000円で、
・「1週間の所定労働時間」が毎週一律20時間である場合には、

『 25,000円 ÷ 20時間 = 1,250円 』が、「1時間あたりの賃金額」となります。

週給制の例示1:週所定労働時間が一律である場合

 

  例示2 

例えば、
・『 法定手当の計算対象とすべき「1週間の賃金額」』が25,000円で、
・「1週間の所定労働時間」は毎週異なる場合(「4週間の所定労働時間」が82時間である場合)には、

アクセント矢印(背景透明)1週間の平均所定労働時間 :82時間 ÷ 4週 = 20.5時間

アクセント矢印(背景透明)『 25,000円 ÷ 20.5時間 = 1,219.512・・・円 』が、「1時間あたりの賃金額」となります。

週給制の例示2:週所定労働時間が異なる場合

 

2、「1時間あたりの賃金額」の計算要素

週給制を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、その前提として、

アクセント丸(小:背景透明) 法定手当の計算対象とすべき週給額」』や

アクセント丸(小:背景透明)1週間の所定労働時間」を

適切に把握することが必要となります。

このため、ここでは『「 法定手当の計算対象とすべき週給額」や「1週間の所定労働時間」を把握する上での「留意点」』を下記(1)(2)でご紹介させて頂きます。

 

1)『 法定手当の計算対象とすべき「週給額」』の把握上の留意点

週給制を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、その前提として、

アクセント丸(小:背景透明) 法定手当の計算対象とすべき週給額」』を適切に把握することが必要となりますが、

 

アクセント三角(小:背景透明)この点、「週給基本給)」以外に下図※3に記載したような「役職手当特定作業手当資格手当技能手当」などの「法定手当の計算対象としなければならない手当」が別途支給されているような場合には、

これらの「法定手当の計算対象としなければならない手当(ex. 役職手当特定作業手当資格手当技能手当等)」につきましても、

週給に加えて「1時間あたりの賃金額」を計算することが必要となります。

 

アクセント三角(小:背景透明)なお、「法定手当の計算対象としなければならない手当(ex. 役職手当特定作業手当資格手当技能手当等)」が、

月給制で支給されている場合には、下記Ⅳ同様の計算方法により計算した「1時間あたりの手当額」を、
別途上記「週給に加算して計算することが必要となります。

 

法定手当の算定基礎金額③

 

※1:「週給に含めない手当につきまして             

 

※2:「週給から控除することができる手当につきまして      

 

▶ なお、『「1時間あたりの賃金額」の対象としなければならない賃金範囲 』につきましては、別途、『 法定手当(割増賃金)の計算対象となる「給与支給額の範囲」』により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

2)「1週間の所定労働時間」の把握上の留意点

「1時間あたりの賃金額」を算定するためには、

  • 『 法定手当の計算対象とすべき「週給額」』を「実際に行われた1週間の労働時間」で除すのではなく
  • 1週間の所定労働時間」で除して算定することが必要となります。

 

アクセント三角(小:背景透明)このため、週給制を採用している場合に「1時間あたりの賃金額」を算定するためには、

  • 「1週間の所定労働時間」又は
  • 「4週間の所定労働時間」を

労働契約書」「就業規則賃金規定)」に規定しておき、

  • 1週間の所定労働時間」又は
  • 4週間の所定労働時間平均した1週間の所定労働時間」を

給与計算前に算定しておくことが必要となります。

 

▶  なお『「所定労働時間」の計算方法 』につきましては、別途、『 所定労働時間 』により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

 

Ⅳ:「月給制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」

1、「月給制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」の計算方法

月給制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」につきましては、

『 法定手当の計算対象とすべき「月給額」』 ÷ 「 1ヶ月の所定労働時間

で計算した金額が、「1時間あたりの賃金額」となります。 ( 労働基準法施行規則19条1項4号

 

アクセント三角(小:背景透明) なお、上記計算式における「1ヶ月の所定労働時間」は、

アクセント矢印(背景透明)「所定労働時間数」が月によって一律である場合には、

一律に規定された1ヶ月の所定労働時間」を用いて計算し、

 

アクセント矢印(背景透明)「所定労働時間数」が月によって異なる場合には、

年間の所定労働時間月平均した1ヶ月の所定労働時間」を用いて計算することとなります。

 

◆ 『 月給制を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」』の算定例示 ◆

  例示1 

例えば、
・『 法定手当の計算対象とすべき「1ヶ月の賃金額」』が250,000円で、
・「1ヶ月の所定労働時間」が毎月一律160時間である場合、

『 250,000円 ÷ 160時間 = 1,562.5円 』が、『 法定手当の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』となります。

月給制の例示1:月間の所定労働時間が一律である場合

 

  例示2 

例えば、
・『 法定手当の計算対象とすべき「1ヶ月の賃金額」』が250,000円で、
・月間の所定労働時間は毎月異なる場合(「1年間の所定労働時間」が1,896時間である場合)には、

アクセント矢印(背景透明)1ヶ月の平均所定労働時間 :1,896時間 ÷ 12ヶ月 = 158時間

アクセント矢印(背景透明)『 250,000円 ÷ 158時間 = 1,582.278・・・円 』が、「1時間あたりの賃金額」となります。

月給制の例示2:月間の所定労働時間が一律でない場合

 

2、「1時間あたりの賃金額」の計算要素

月給制を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、その前提として、

アクセント丸(小:背景透明) 法定手当の計算対象とすべき月給額」』や

アクセント丸(小:背景透明)1ヶ月の所定労働時間」を

適切に把握することが必要となります。

このため、ここでは『「 法定手当の計算対象とすべき月給額」や「1ヶ月の所定労働時間」を把握する上での「留意点」』を下記(1)(2)でご紹介させて頂きます。

 

1)『 法定手当の計算対象とすべき「月給額」』の把握上の留意点

月給制を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、その前提として、

アクセント丸(小:背景透明) 法定手当の計算対象とすべき月給額」』を適切に把握することが必要となりますが、

 

アクセント三角(小:背景透明)この点、「基本給以外に下図※3に記載したような「役職手当特定作業手当資格手当技能手当」などの「法定手当の計算対象としなければならない手当」が別途支給されているような場合には、

これらの「法定手当の計算対象としなければならない手当(ex. 役職手当特定作業手当資格手当技能手当等)」につきましても、

基本給に加えて「1時間あたりの賃金額」を計算することが必要となります。

 

アクセント三角(小:背景透明) 他方、
アクセント矢印(背景透明)下図※1に記載したような「出張手当」「立替経費の実費精算額の支払額」や「宿直手当・日直手当」「法定時間外労働手当(ex. 法定手当自体、 みなし残業代、法定内残業手当等)」などの「通常の労働時間又は労働日の賃金に該当しないもの」が月給に含まれ支給されている又は別途支給されているような場合には、

当該「通常の労働時間又は労働日の賃金に該当しない手当」は除外して「1時間あたりの賃金額」を計算することになり、

 

アクセント矢印(背景透明)また、下図※2に記載したような「 家族手当扶養手当)」「 通勤手当 」「 別居手当単身赴任手当)」「子女教育手当 」「 住宅手当 」「 臨時に支払われた賃金 」「 一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金 」などの「法定手当の算定対象から除外することができる手当」が月給に含まれ支給されている又は別途支給されているような場合には、

当該「法定手当の算定対象から除外することができる手当」は除外して「1時間あたりの賃金額」を計算することになります。

 

法定手当の算定基礎金額③

 

▶ 『「1時間あたりの賃金額」の対象としなければならない賃金範囲 』につきましては、別途、『 法定手当(割増賃金)の計算対象となる「給与支給額の範囲」』により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

2)「1ヶ月の所定労働時間」の把握上の留意点

「1時間あたりの賃金額」を算定するためには、

  • 『 法定手当の計算対象とすべき「月給額」』を「実際に行われた1ヶ月の労働時間」で除すのではなく
  • 1ヶ月の所定労働時間」で除して算定することが必要となります。

 

アクセント三角(小:背景透明)このため、月給制を採用している場合に「1時間あたりの賃金額」を算定するためには、

  • 「1ヶ月の所定労働時間」又は
  • 「1年間の所定労働時間」を

労働契約書」「就業規則賃金規定)」に規定しておき、

  • 1ヶ月の所定労働時間」又は
  • 1年間の所定労働時間平均した1ヶ月の所定労働時間」を

給与計算前に算定しておくことが必要となります。

 

▶  なお『「所定労働時間」の計算方法 』につきましては、別途、『 所定労働時間 』により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

 

Ⅴ:「年俸制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」

1、「年俸制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」の計算方法

年俸制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」につきましては、

『 法定手当の計算対象とすべき「年俸額」』 ÷ 「 1年間の所定労働時間

で計算した金額が、「1時間あたりの賃金額」となります。 ( 労働基準法施行規則19条1項5号

 

◆ 『 年俸制の場合の「1時間あたりの賃金額」』の算定例示 ◆

例えば、
・『 法定手当の計算対象とすべき「1年間の賃金額」』が5,400,000円で、
・「1年間の所定労働時間」が1,896時間である場合、

『 5,400,000円 ÷ 1,896時間 = 2,848.101・・円 』が、「1時間あたりの賃金額」となります。

年俸制の例示

 

2、「1時間あたりの賃金額」の計算要素

年俸制を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、その前提として、

アクセント丸(小:背景透明) 法定手当の計算対象とすべき年俸額」』や

アクセント丸(小:背景透明)1年間の所定労働時間」を

適切に把握することが必要となります。

このため、ここでは『「 法定手当の計算対象とすべき年俸額」や「1年間の所定労働時間」を把握する上での「留意点」』を下記(1)(2)でご紹介させて頂きます。

 

1)『 法定手当の計算対象とすべき「年俸額」』の把握上の留意点

年俸制を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、その前提として、

アクセント丸(小:背景透明) 法定手当の計算対象とすべき年俸額」』を適切に把握することが必要となりますが、

 

アクセント三角(小:背景透明)この点、「基本給以外に下図※3に記載したような「役職手当特定作業手当資格手当技能手当」などの「法定手当の計算対象としなければならない手当」が別途支給されているような場合には、

これらの「法定手当の計算対象としなければならない手当(ex. 役職手当特定作業手当資格手当技能手当等)」につきましても、

基本給に加えて「1時間あたりの賃金額」を計算することが必要となります。

 

アクセント三角(小:背景透明) 他方、
アクセント矢印(背景透明)下図※1に記載したような「出張手当」「立替経費の実費精算額の支払額」や「宿直手当・日直手当」「法定時間外労働手当(ex. 法定手当自体、 みなし残業代、法定内残業手当等)」などの「通常の労働時間又は労働日の賃金に該当しないもの」が年俸に含まれ支給されている又は別途支給されているような場合には、

当該「通常の労働時間又は労働日の賃金に該当しない手当」は除外して「1時間あたりの賃金額」を計算することになり、

 

アクセント矢印(背景透明)また、下図※2に記載したような「 家族手当扶養手当)」「 通勤手当 」「 別居手当単身赴任手当)」「子女教育手当 」「 住宅手当 」「 臨時に支払われた賃金 」「 一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金 」などの「法定手当の算定対象から除外することができる手当」が年俸に含まれ支給されている又は別途支給されているような場合には、

当該「法定手当の算定対象から除外することができる手当」は除外して「1時間あたりの賃金額」を計算することになります。

 

法定手当の算定基礎金額③

 

▶ 『「1時間あたりの賃金額」の対象としなければならない賃金範囲 』につきましては、別途、『 法定手当(割増賃金)の計算対象となる「給与支給額の範囲」』により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

2)「1年間の所定労働時間」の把握上の留意点

「1時間あたりの賃金額」を算定するためには、

  • 『 法定手当の計算対象とすべき「年俸額」』を「実際に行われた1年間の労働時間」で除すのではなく
  • 1年間の所定労働時間」で除して算定することが必要となります。

 

アクセント三角(小:背景透明)このため、年俸制を採用している場合に「1時間あたりの賃金額」を算定するためには、

  • 「1年間の所定労働時間」を

労働契約書」「就業規則賃金規定)」に規定しておき、

  • 1年間の所定労働時間」を

給与計算前に算定しておくことが必要となります。

 

▶  なお『「所定労働時間」の計算方法 』につきましては、別途、『 所定労働時間 』により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

 

Ⅵ:「歩合給制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」

1、「歩合給制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」の計算方法

賃金につき出来高払制その他請負制等で支給される「歩合給制」』を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」につきましては、

『 法定手当の計算対象とすべき「歩合給額」』 ÷ 『 その歩合給の計算対象となる「総労働時間数」』

で計算した金額が、「1時間あたりの賃金額」となります。 ( 労働基準法施行規則19条1項6号

 

◆ 『 歩合給制の場合の「1時間あたりの賃金額」』の算定例示 ◆

例えば、
・『 法定手当の計算対象とすべき「歩合給額」』が350,000円で、
・当該歩合労働に対する「総労働時間」が175時間である場合、

『 350,000円 ÷ 175時間 = 2,000円 』が、「1時間あたりの賃金額」となります。

出来高給の例示

 

2、「1時間あたりの賃金額」の計算要素

歩合給制を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、その前提として、

アクセント丸(小:背景透明)法定手当の計算対象とすべき歩合給額」』や

アクセント丸(小:背景透明) 『 その歩合給の計算対象となる「総労働時間数」』を

適切に把握することが必要となります。

このため、ここでは『「 法定手当の計算対象とすべき歩合給額」や「 その歩合給の計算対象となる総労働時間数」を把握する上での「留意点」』を下記(1)(2)でご紹介させて頂きます。

 

1)『 法定手当の計算対象とすべき「歩合給額」』の把握上の留意点

歩合給制を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、その前提として、

アクセント丸(小:背景透明) 法定手当の計算対象とすべき歩合給額」』を適切に把握することが必要となりますが、

 

アクセント三角(小:背景透明)この点、「歩合給以外に下図※3に記載したような「役職手当特定作業手当資格手当技能手当」などの「法定手当の計算対象としなければならない手当」が別途支給されているような場合には、

これらの「法定手当の計算対象としなければならない手当(ex. 役職手当特定作業手当資格手当技能手当等)」につきましても、

歩合給に加えて「1時間あたりの賃金額」を計算することが必要となります。

 

アクセント三角(小:背景透明) 他方、
アクセント矢印(背景透明)下図※1に記載したような「出張手当」「立替経費の実費精算額の支払額」や「宿直手当・日直手当」「法定時間外労働手当(ex. 法定手当自体、 みなし残業代、法定内残業手当等)」などの「通常の労働時間又は労働日の賃金に該当しないもの」が歩合給に含まれ支給されている又は別途支給されているような場合には、

当該「通常の労働時間又は労働日の賃金に該当しない手当」は除外して「1時間あたりの賃金額」を計算することになり、

 

アクセント矢印(背景透明)また、下図※2に記載したような「 家族手当扶養手当)」「 通勤手当 」「 別居手当単身赴任手当)」「子女教育手当 」「 住宅手当 」「 臨時に支払われた賃金 」「 一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金 」などの「法定手当の算定対象から除外することができる手当」が歩合給に含まれ支給されている又は別途支給されているような場合には、

当該「法定手当の算定対象から除外することができる手当」は除外して「1時間あたりの賃金額」を計算することになります。

 

法定手当の算定基礎金額④:歩合給の場合

 

▶ 『「1時間あたりの賃金額」の対象としなければならない賃金範囲 』につきましては、別途、『 法定手当(割増賃金)の計算対象となる「給与支給額の範囲」』により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

2)『 歩合給の計算対象となる「総労働時間数」』の把握上の留意点

アクセント三角(小:背景透明) 「歩合給制」を採用している場合には、

アクセント矢印(背景透明) そもそも「所定労働時間」という概念が存在しないため、
 (「作業量成果等を基準として給与が支給されるため、)

アクセント矢印(背景透明)「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、

アクセント矢印(背景透明)歩合労働等が完了した時点において、

アクセント矢印(背景透明)『 歩合給の算定対象となった「実際の総労働時間」』を事後的に把握することが必要となります。

 「総労働時間数」とは、「当該歩合労働に従事した時間数の総合計」であり、歩合労働に係る「法定時間外労働」や「休日労働時間数も含んだすべての歩合労働時間数を言います。(休憩時間等除きます。)

 

 

Ⅶ:「時間給制」と「歩合給制」を併用している場合の「1時間あたりの賃金額」

1、「時間給制」と「歩合給制」を併用している場合の計算方法

「賃金(給与)」につき、

  • 『「時給制」「日給制」「週給制」「月給制」「年俸制」等の「時間給与制」』と
  • 『 出来高払制その他請負制等で支給される「歩合給制」』を

併用している場合の「1時間あたりの賃金額」につきましては、 労働基準法施行規則19条1項7号 に従い、

アクセント矢印(背景透明)時間給制部分には、
 「上記Ⅰ~Ⅴでご紹介させて頂きました計算方法」により「1時間あたりの賃金額」を計算し、

アクセント矢印(背景透明)歩合給制部分には、
 「上記Ⅵでご紹介させて頂きました計算方法」により「1時間あたりの賃金額」を計算する。

というように、それぞれの部分につき「別々の計算方法」により、『 それぞれの1時間あたりの賃金額」』を計算することが必要となります。

 

2、「1時間あたりの賃金額」の算定例示

◆ 設例 ◆

アクセント矢印(背景透明)時間的給与」として「月給制」を採用しており、

  • 年間所定労働時間2,112時間 に対して
  • 210,000円 の固定給が支給されるとします。

 

アクセント矢印(背景透明) また、上記とは別に「出来高給制度」も採用しており、この部分については、

  • 月間78,000円 が支給され、
  • これに対する「月間総労働時間」が、182時間であったとします。

 

◆ 「1時間あたりの賃金額」の算定例示 ◆

上記の設例において『「時間給部分」及び「歩合給部分」に係る「法定手当」』を計算するためには、それぞれ以下及びの「1時間あたりの賃金額」を算定することが必要となります。

 

 「時間給部分に対する「1時間あたりの賃金額」

210,000円 ÷ ( 2,112時間 ÷ 12ヶ月 ) = 1,193.181・・・円

 

固定&出来高給の例示1(固定給部分の時間単価計算)

 

 「歩合給部分に対する「1時間あたりの賃金額」

78,000 ÷ 182時間 = 428.571・・・・円

 

固定&出来高給の例示2(出来高給部分の時間単価計算)

 

 

税理士事務所・会計事務所からのPOINT

ここでは『 「法定手当の計算」で用いられる「1時間あたりの賃金額」』につき、その算定方法を、会社が採用している給与計算態様別にご紹介させて頂いております。

 

『「1時間あたりの賃金額」の計算方法 』の重要性

上記本文冒頭でもご紹介させて頂きましたが、

毎月の給与計算において、適切に「法定手当(「法定時間外労働手当」「法定休日労働手当」「深夜労働手当」)」を計算するためには、
まず、その計算要素となる「1時間あたりの賃金額」を適切に算定することが必要となります。

 

そして、この「1時間あたりの賃金額」につきましては、給与計算態様ごとに、その計算方法が異なることとなりますので、

毎月の給与計算にあたっては、事前に(又は事後的に)、「法定手当」の計算に使用する「1時間あたりの賃金額」をご確認しておいていただくことが重要となります。

 

「時給制」「日給制」「週給制」「月給制」「年俸制」を採用している場合

会社における給与計算形態が「時給制」「日給制」「週給制」「月給制」「年俸制」である場合には、

  • 雇用契約、賃金計算規定(就業規則)等により定められている基本給・各種手当と
  • 雇用契約、就業規則(賃金規定)等により事前に定められている「所定労働時間」から

事前に『「法定手当」の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』を計算することができます。

 

このため、「時給制」「日給制」「週給制」「月給制」「年俸制」を採用している従業員の給与計算を行う前には、あらかじめ、

  • 『「法定手当」の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』はいくらになるのか?

を計算し、確認しておくようにしておくことが必要と考えます。

 

「歩合給制」を採用している場合

会社の給与計算において、「歩合給制(出来高制、請負制)」や「一部歩合給制(一部出来高給制、一部請負制)」等の給与計算形態を採用している場合には、

当該歩合労働に対する「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、

  • 事前に決定された「所定労働時間」ではなく、
  • 『 実際にその歩合労働にかかった「総労働時間」』を分母に用いて計算することが必要となります。

このため、『「歩合給」が支給されている従業員の「法定手当」』を計算するためには、

歩合労働にかかった「総労働時間」を事後的に把握することが必要となり、毎月の給与計算が少々複雑になってしまいますので、

「歩合給制」等を採用している場合には、この点につきご留意頂ますようお願い致します。

 

『「1時間あたりの賃金額」の計算要素 』につきまして

上記本文ⅠからⅦでもご紹介させて頂いておりますが、

「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、その前提として

  • 『 法定手当の計算対象とすべき「給与額の範囲(基本給・手当等の範囲)」』や
  • 「各種の所定労働時間(1日の所定労働時間、1週間の所定労働時間、1ヶ月の所定労働時間、年間の所定労働時間)」や「総労働時間」等を

適切に理解し・把握しておくことが必要となります。

 

これらにつきましては、より詳細なご紹介を、上記本文ⅠからⅦで記載させて頂いておりますリンクページに別途記載させて頂いておりますので、必要がある場合には、これらのリンクページも一読して頂ますようお願い致します。