ここでは、「法定手当(割増賃金)」の計算基礎となる『「1時間あたりの賃金額」の計算方法 』につき、以下の事項に従い、ご紹介させて頂きます。

 

 

 

Ⅰ:「1時間あたりの賃金額」の計算の必要性

見出(見出矢印:背景水色)会社におきましては、従業員が「法定労働時間外の労働を行った場合」「深夜時間帯に労働を行った場合」「法定休日に労働を行った場合」には、
労働基準法」に基づいて「法定手当(「時間外労働手当」「深夜労働手当」「法定休日労働手当」)」を計算することが必要となり、

この「法定手当」につきましては、

 「 1時間あたりの賃金額 」  ×  「 割増賃金率 」  ×  「 各種労働時間

という計算式により算定することが必要となります(労働基準法37条)。

 

このため、適切に「法定手当(「時間外労働手当」「深夜労働手当」「法定休日労働手当」)の金額 」を計算するためには、

まず、その計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」を事前に又は事後的に適切に計算しておくことが必要となります。

 

見出(見出矢印:背景水色)従いまして、ここでは、上記の「法定手当」の計算基礎となる『「1時間あたりの賃金額の計算方法 』について、「給与計算方法別に

すなわち、

別に「それぞれの場合おける計算方法」を以下ご紹介させて頂きます。

 

 

Ⅱ:「時給制」を採用する場合の「1時間あたりの賃金額」

1、「時給制」を採用する場合の「1時間あたりの賃金額」

時給制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」につきましては、労働基準法施行規則19条1項1号に従い、

時給」が「1時間あたりの賃金額」となります。

 

見出三角(小) なお、時間帯曜日等によって「時給を異にして規定しているような場合には、

『「法定時間外労働等が行われた時間帯曜日等の「時給」』が、『法定手当の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』となります。

( 東京労働局公表「しっかりマスター労働基準法」 )

 

 ◆算定例示 

《 例示 1 》

曜日、時間帯に関係なく、時給が1,050円である時給制従業員につきましては、

⇒『 法定手当の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』は、1,050円となります。

 

《 例示 2 》

時給が曜日ごとに異なっている場合で、
例えば、「月曜日~土曜日の時給が、1,050円」「日曜日の時給が、1,100円」である場合、

⇒「月曜日~土曜日」に行った法定時間外労働等につきましては、
『 法定手当の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』は、1,050円となり、

⇒「日曜日」に行った法定時間外労働等につきましては、
『 法定手当の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』は、1,100円となります。

 

時給制の例示1:曜日により時給が異なる場合

 

《 例示 3 》

時給が時間帯ごとに異なっている場合で、
例えば、「20時までの時給が、1,050円」「20時以降の時給が、1,100円」である場合、

⇒「20時まで」に行った法定時間外労働等につきましては、
『 法定手当の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』は、1,050円となり、

⇒「20時以降」に行った法定時間外労働等につきましては、
『 法定手当の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』は、1,100円となります。

 

時給制の例示2:時間により時給が異なる場合

 

2、「1時間あたりの賃金額」の計算要素

時給制を採用する場合には、上記1でご紹介させて頂きましたように、基本的には「時給」が「1時間あたりの賃金額」となることから、
『「1時間あたりの賃金額」を計算するための計算要素 』につき、特にご紹介させていただくようなことはございませんが、

 

時給以外に、「法定手当の計算対象としなければならない手当(ex. 役職手当特定作業手当資格手当技能手当等)」を支給している場合には、

「これらの手当」につきましても、「1時間あたりの賃金額」に含めるように計算することが必要となります。

 

法定手当の算定基礎金額③

※ 『「1時間あたりの賃金額」の対象としなければならない賃金 』につきましては、別途、『 法定手当(割増賃金)の計算基礎となる「賃金の範囲」』により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

なお、「法定手当の計算対象としなければならない手当」等が

  • 日給制で支給されている場合には、下記Ⅲ同様の計算方法により計算した手当等の「1時間あたりの賃金額」を
  • 月給制で支給されている場合には、下記Ⅳ同様の計算方法により計算した手当等の「1時間あたりの賃金額」を

別途、上記「時給に加算することが必要となります。

 

 

Ⅲ:「日給制」を採用する場合の「1時間あたりの賃金額」

1、「日給制」を採用する場合の「1時間あたりの賃金額」の計算方法

日給制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」につきましては、

『 法定手当の計算対象とすべき「日給額」』 ÷ 「 1日の所定労働時間

で計算した金額が、「1時間あたりの賃金額」となります。 (労働基準法施行規則19条1項2号

 

見出三角(小) なお、曜日等によって上記で計算した「1時間あたりの賃金額が異なるような場合には、

『「法定時間外労働等が行われた曜日等の「1時間あたりの賃金額」』をもって、『法定手当の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』とすることが必要となります。

 

 ◆算定例示 

《 例示 1 》

『 法定手当の計算対象とすべき「1日の賃金額」』が9,000円で、「1日の所定労働時間」が8時間である場合、

⇒『 9,000円 ÷ 8時間 = 1,125円 』が、『 法定手当の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』となります。

 

《 例示 2 》

「1時間あたりの賃金額」が曜日によって異なる場合、例えば、

・「月曜日~金曜日」は、
『法定手当の計算対象とすべき「1日の賃金額」』が8,000円で、「1日の所定労働時間」が7時間であり、
・「土曜日」は、
『法定手当の計算対象とすべき「1日の賃金額」』が6,000円で、「1日の所定労働時間」が5時間であるような場合、

⇒「月曜日~金曜日」に行われた法定時間外労働等につきましては、
『 8,000円 ÷ 7時間 = 1,142.857・・・円 』が、『 (月曜日~金曜日の)法定手当の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』となり、
⇒「土曜日」に行われた法定時間外労働等につきましては、
『 6,000円 ÷ 5時間 = 1,200円 』が、『(土曜日の) 法定手当の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』となります。

 

日給制の例示:曜日により時給が異なる場合

 

2、「1時間あたりの賃金額」の計算要素

日給制を採用する場合の「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、その前提として、

見出丸(小:背景ハダ色) 法定手当の計算対象とすべき日給額」』や

見出丸(小:背景ハダ色)1日の所定労働時間」を

適切に把握することが必要となります。

 

見出三角(小) この点、『 法定手当の計算対象とすべき日給額」』につきましては、

見出三角(小:背景ハダ色)日給として支給する給与額」から、

見出(見出矢印:背景ハダ色)出張手当」「立替経費の実費精算額の支払額」や「宿直手当・日直手当」「時間外労働手当(ex. 法定手当自体、 みなし残業代、法定内残業手当等)」など
通常の労働時間又は労働日の賃金に該当しないもの

見出(見出矢印:背景ハダ色)家族手当扶養手当)」「 通勤手当 」「 別居手当単身赴任手当)」「子女教育手当 」「 住宅手当 」「 臨時に支払われた賃金 」「 一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金

控除して計算することができます。

 

法定手当の算定基礎金額③

※ 『「1時間あたりの賃金額」の対象としなければならない賃金 』につきましては、別途、『 法定手当(割増賃金)の計算基礎となる「賃金の範囲」』により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

見出三角(小) また、「1日の所定労働時間」につきましては、

『「所定の始業時刻」から「所定の終業時刻」までの「所定の勤務時間」』から「所定の休憩時間」を

差し引いて計算することが必要となります。

  『「所定労働時間」の計算方法 』につきましては、別途、「 所定労働時間(年間所定労働時間、月平均所定労働時間)」により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

 

Ⅳ:「週給制」を採用する場合の「1時間あたりの賃金額」

1、「週給制」を採用する場合の「1時間あたりの賃金額」の計算方法

週給制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」につきましては、

『 法定手当の計算対象とすべき「週給額」』 ÷ 「 1週間の所定労働時間

で計算した金額が、「1時間あたりの賃金額」となります。 (労働基準法施行規則19条1項3号

 

見出三角(小) なお、上記計算式における「1週間の所定労働時間」は、

見出(見出矢印:背景水色)「所定労働時間数」が週によって一律である場合には、

一律に規定された1週間の所定労働時間」を用いて計算し、

 

見出(見出矢印:背景水色)「所定労働時間数」が週によって異なる場合には、

4週間(≒1ヶ月の所定労働時間を週平均した1週間の所定労働時間」を用いて計算することとなります。

 

 ◆算定例示 

《 例示 1 》

「所定労働時間数」が週によって一律である場合
例えば、『 法定手当の計算対象とすべき「1週間の賃金額」』が25,000円で、「1週間の所定労働時間」が毎週一律20時間である場合には、

⇒『 25,000円 ÷ 20時間 = 1,250円 』が、『 法定手当の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』となります。

 

週給制の例示1:週所定労働時間が一律である場合

 

《 例示 2 》

「所定労働時間数」が週によって異なる場合には、
例えば、『 法定手当の計算対象とすべき「1週間の賃金額」』が25,000円で、「1週間の所定労働時間」は毎週異なる場合(「4週間の所定労働時間」が82時間である場合)には、

⇒1週間の平均所定労働時間 :82時間 ÷ 4週 = 20.5時間

⇒『 25,000円 ÷ 20.5時間 = 1,219.512・・・円 』が、『 法定手当の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』となります。

 

週給制の例示2:週所定労働時間が異なる場合

 

2、「1時間あたりの賃金額」の計算要素

週給制を採用する場合の「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、その前提として、

見出丸(小:背景ハダ色) 法定手当の計算対象とすべき週給額」』や

見出丸(小:背景ハダ色)1週間の所定労働時間」を

適切に把握することが必要となります。

 

見出三角(小) この点、『 法定手当の計算対象とすべき週給額」』につきましては、

見出三角(小:背景ハダ色)週給として支給する給与額」から、

見出(見出矢印:背景ハダ色)出張手当」「立替経費の実費精算額の支払額」や「宿直手当・日直手当」「時間外労働手当(ex. 法定手当自体、 みなし残業代、法定内残業手当等)」など
通常の労働時間又は労働日の賃金に該当しないもの

見出(見出矢印:背景ハダ色)家族手当扶養手当)」「 通勤手当 」「 別居手当単身赴任手当)」「子女教育手当 」「 住宅手当 」「 臨時に支払われた賃金 」「 一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金

控除して計算することができます。

 

法定手当の算定基礎金額③

※ 『「1時間あたりの賃金額」の対象としなければならない賃金 』につきましては、別途、『 法定手当(割増賃金)の計算基礎となる「賃金の範囲」』により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

見出三角(小) また、「1週間の所定労働時間」につきましては、

見出(見出矢印:背景水色)「1週間の所定労働時間」が「一律に規定されている」場合には、

労働契約就業規則賃金規定)等で規定されている1週間の所定労働時間」を用いて計算し、

見出(見出矢印:背景水色)「1週間の所定労働時間」につき「週平均所定労働時間」を用いて計算する場合には、

①「4週間(≒1ヶ月間所定労働時間」を把握し、

② 当該「4週間の所定労働時間」を4週除して1週あたりの平均所定労働時間」を算定することが必要となります。

  『「所定労働時間」の計算方法 』につきましては、別途、「 所定労働時間(年間所定労働時間、月平均所定労働時間)」により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

 

Ⅴ:「月給制」を採用する場合の「1時間あたりの賃金額」

1、「月給制」を採用する場合の「1時間あたりの賃金額」の計算方法

月給制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」につきましては、

『 法定手当の計算対象とすべき「月給額」』 ÷ 「 1ヶ月の所定労働時間

で計算した金額が、「1時間あたりの賃金額」となります。 (労働基準法施行規則19条1項4号

 

見出三角(小) なお、上記計算式における「1ヶ月の所定労働時間」は、

見出(見出矢印:背景水色)「所定労働時間数」が月によって一律である場合には、

一律に規定された1ヶ月の所定労働時間」を用いて計算し、

 

見出(見出矢印:背景水色)「所定労働時間数」が月によって異なる場合には、

年間の所定労働時間を月平均した1ヶ月の平均所定労働時間」を用いて計算することとなります。

 

 ◆算定例示 

《 例示 1 》

「所定労働時間数」が月によって一律である場合
例えば、『 法定手当の計算対象とすべき「1ヶ月の賃金額」』が250,000円で、「1ヶ月の所定労働時間」が毎月一律160時間である場合、

⇒『 250,000円 ÷ 160時間 = 1,562.5円 』が、『 法定手当の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』となります。

 

月給制の例示1:月間の所定労働時間が一律である場合

 

《 例示 2 》

「所定労働時間数」が月によって異なる場合
例えば、『 法定手当の計算対象とすべき「1ヶ月の賃金額」』が250,000円で、月間の所定労働時間は毎月異なる場合(「1年間の所定労働時間」が1,896時間である場合)、

⇒1ヶ月の平均所定労働時間 :1,896時間 ÷ 12ヶ月 = 158時間

⇒『 250,000円 ÷ 158時間 = 1,582.278・・・円 』が、『 法定手当の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』となります。

 

月給制の例示2:月間の所定労働時間が一律でない場合

 

2、「1時間あたりの賃金額」の計算要素

月給制を採用する場合の「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、その前提として、

見出丸(小:背景ハダ色) 法定手当の計算対象とすべき月給額」』や

見出丸(小:背景ハダ色)1ヶ月の所定労働時間」を

適切に把握することが必要となります。

 

見出三角(小) この点、『 法定手当の計算対象とすべき月給額」』につきましては、

見出三角(小:背景ハダ色)月給として支給する給与額」から、

見出(見出矢印:背景ハダ色)出張手当」「立替経費の実費精算額の支払額」や「宿直手当・日直手当」「時間外労働手当(ex. 法定手当自体、 みなし残業代、法定内残業手当等)」など
通常の労働時間又は労働日の賃金に該当しないもの

見出(見出矢印:背景ハダ色)家族手当扶養手当)」「 通勤手当 」「 別居手当単身赴任手当)」「子女教育手当 」「 住宅手当 」「 臨時に支払われた賃金 」「 一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金

控除して計算することができます。

 

法定手当の算定基礎金額③

※ 『「1時間あたりの賃金額」の対象としなければならない賃金 』につきましては、別途、『 法定手当(割増賃金)の計算基礎となる「賃金の範囲」』により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

見出三角(小)1ヶ月の所定労働時間」につきましては、

見出(見出矢印:背景水色)「1ヶ月の所定労働時間」が「一律に規定されている」場合には、

労働契約就業規則賃金規定)等で規定されている1ヶ月の所定労働時間」を用いて計算し、

見出(見出矢印:背景水色)「1ヶ月の所定労働時間」につき「月平均所定労働時間」を用いて計算する場合には

①「1日の所定労働時間」に「年間労働日数」を乗じて年間所定労働時間」を算定し、

② 当該「年間所定労働時間」を12ヶ月除して1ヶ月あたりの月平均所定労働時間」を算定することが必要となります。

 『「所定労働時間」の計算方法 』につきましては、別途、「 所定労働時間(年間所定労働時間、月平均所定労働時間)」により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

 

Ⅵ:「年俸制」を採用する場合の「1時間あたりの賃金額」

1、「年俸制」を採用する場合の「1時間あたりの賃金額」の計算方法

年俸制」を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」につきましては、

『 法定手当の計算対象とすべき「年俸額」』 ÷ 「 1年間の所定労働時間

で計算した金額が、「1時間あたりの賃金額」となります。 (労働基準法施行規則19条1項5号

 

 ◆算定例示 

例えば、『 法定手当の計算対象とすべき「1年間の賃金額」』が5,400,000円で、「1年間の所定労働時間」が1,896時間である場合、

⇒『 5,400,000円 ÷ 1,896時間 = 2,848.101・・円 』が、『 法定手当の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』となります。

 

年俸制の例示

 

2、「1時間あたりの賃金額」の計算要素

年俸制を採用する場合の「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、その前提として、

見出丸(小:背景ハダ色) 法定手当の計算対象とすべき年給額」』や

見出丸(小:背景ハダ色)1年間の所定労働時間」を

適切に把握することが必要となります。

 

見出三角(小) この点、『 法定手当の計算対象とすべき年俸額」』につきましては、

見出三角(小:背景ハダ色)年俸として支給する給与額」から、

見出(見出矢印:背景ハダ色)出張手当」「立替経費の実費精算額の支払額」や「宿直手当・日直手当」「時間外労働手当(ex. 法定手当自体、 みなし残業代、法定内残業手当等)」など
通常の労働時間又は労働日の賃金に該当しないもの

見出(見出矢印:背景ハダ色)家族手当扶養手当)」「 通勤手当 」「 別居手当単身赴任手当)」「子女教育手当 」「 住宅手当 」「 臨時に支払われた賃金 」「 一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金

控除して計算することができます。

 

法定手当の算定基礎金額③

※ 『「1時間あたりの賃金額」の対象としなければならない賃金 』につきましては、別途、『 法定手当(割増賃金)の計算基礎となる「賃金の範囲」』により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

見出三角(小)また、 「1年間の所定労働時間」につきましては、

1日の所定労働時間」に「年間労働日数」を乗じて年間所定労働時間」を算定することが必要となります。

 『「所定労働時間」の計算方法 』につきましては、別途、「 所定労働時間(年間所定労働時間、月平均所定労働時間)」により詳細に記載しておりますので、必要がある場合には、上記リンクページをご覧頂きますようお願い致します。

 

 

Ⅶ:「歩合給制」を採用する場合の「1時間あたりの賃金額」

1、「歩合給制」を採用する場合の「1時間あたりの賃金額」の計算方法

賃金につき出来高払制その他請負制等で支給される「歩合給制」』を採用している場合の「1時間あたりの賃金額」につきましては、

『 法定手当の計算対象とすべき「歩合給額」』 ÷ 『 その歩合給の計算対象となる「総労働時間数」』

で計算した金額が、「1時間あたりの賃金額」となります。 (労働基準法施行規則19条1項6号

 

 ◆算定例示 

例えば、『 法定手当の計算対象とすべき「歩合給額」』が350,000円で、当該歩合労働に対する「総労働時間」が175時間である場合、

⇒『 3600,000円 ÷ 175時間 = 2,000円 』が、『 法定手当の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』となります。

 

出来高給の例示

 

2、「1時間あたりの賃金額」の計算要素

歩合給制を採用する場合の「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、その前提として、

見出丸(小:背景ハダ色)歩合給額」や

見出丸(小:背景ハダ色) 『 その歩合給の計算対象となる「総労働時間数」』

適切に把握することが必要となります。

 「総労働時間数」とは、「当該歩合労働に従事した時間数の総合計」であり、歩合労働に係る「時間外労働」や「休日労働時間数も含んだすべての歩合労働時間数を言います。(休憩時間等除きます。)

 

見出三角(小) この点、『 法定手当の計算対象とすべき「歩合額」』につきましては、

「歩合給」の他に「各種の手当」も支給されている場合には、

見出三角(小:背景ハダ色)支給される給与額」から、

見出(見出矢印:背景ハダ色)出張手当」「立替経費の実費精算額の支払額」や「宿直手当・日直手当」「時間外労働手当(ex. 法定手当自体、 みなし残業代、法定内残業手当等)」など
通常の労働時間又は労働日の賃金に該当しないもの

見出(見出矢印:背景ハダ色) 家族手当扶養手当)」「 通勤手当 」「 別居手当単身赴任手当)」「子女教育手当 」「 住宅手当 」「 臨時に支払われた賃金 」「 一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金 」

控除して計算することができます。

 

法定手当の算定基礎金額④:歩合給の場合

 

見出三角(小) また、「歩合給制」を採用する場合には、

見出(見出矢印:背景水色) そもそも「所定労働時間」という概念が存在しないため、

見出(見出矢印:背景水色)「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、

『 歩合給の算定対象となった「実際の総労働時間」』を事後的に把握し、当該「総労働時間」を分母として計算することが必要となります。

 

見出三角(小) なお、歩合給の他に、『「所定労働時間」が存在し、その所定労働時間に対して「時給・週給・月給・年俸等の時間給」』が支給されている場合には、

下記Ⅷでご紹介させて頂きますように、

  • 所定労働時間に対する「1時間あたりの賃金額」と
  • 歩合労働に対する「1時間あたりの賃金額」とを

別個に計算することが必要となります。

 

 

Ⅷ:「時間給」と「歩合給制」を併用する場合の「1時間あたりの賃金額」

1、「時間給」と「歩合給制」を併用する場合の計算方法

「賃金(給与)」につき、

  • 『「時給制」「日給制」「週給制」「月給制」「年俸制」等の「時間的給与制」』と
  • 『 出来高払制その他請負制等で支給される「歩合給制」』を

採用している場合の「1時間あたりの賃金額」につきましては、労働基準法施行規則19条1項7号に従い、

見出(見出矢印:背景水色)時間給与部分には、
 「上記Ⅱ~Ⅵでご紹介させて頂きました計算方法」により「1時間あたりの賃金額」を計算する、

見出(見出矢印:背景水色)歩合制部分には、
 「上記Ⅶでご紹介させて頂きました計算方法」により「1時間あたりの賃金額」を計算するというように、

別々の計算方法」に基づいて、それぞれの「1時間あたりの賃金額」を計算することが必要となります。

 

2、「1時間あたりの賃金額」の算定例示

《設例》

見出(見出矢印:背景水色)時間的給与」として「月給制」を採用しており、

  • 年間所定労働時間2,112時間 に対して
  • 210,000円 の固定給が支給されるとします。

 

見出(見出矢印:背景水色) また、上記とは別に「出来高給制度」も採用しており、この部分については、

  • 月間78,000円 が支給され、
  • これに対する「月間総労働時間」が、182時間であったとします。

 

《「1時間あたりの賃金額」の算定例示》

上記の設例において『「時間給部分」及び「歩合給部分」に係る「法定手当」』を計算するためには、それぞれ以下①及び②の「1時間あたりの賃金額」を算定することが必要となります。

 

① 『「時間給」に対する「1時間あたりの賃金額」』

210,000円 ÷ ( 2,112時間 ÷ 12ヶ月 ) = 1,193.181・・・円

 

固定&出来高給の例示1(固定給部分の時間単価計算)

 

② 『「歩合給」に対する「1時間あたりの賃金額」』

78,000 ÷ 182時間 = 428.571・・・・円

 

固定&出来高給の例示2(出来高給部分の時間単価計算)

 

 

税理士事務所・会計事務所からのPOINT

ここでは『 「法定手当の計算」で用いられる「1時間あたりの賃金額」』につき、その算定方法を、会社が採用する給与計算態様別にご紹介させて頂いております。

 

『「1時間あたりの賃金額」の計算方法』の重要性

上記本文Ⅰでもご紹介させて頂きましたが、

毎月の給与計算において、適切に「法定手当(「時間外労働手当」「深夜労働手当」「法定休日労働手当」)」を計算するためには、
まず、その計算要素となる「1時間あたりの賃金額」を適切に算定することが必要となります。

 

そして、この「1時間あたりの賃金額」につきましては、給与計算態様ごとに、その計算方法が異なることとなりますので、

毎月の給与計算にあたっては、事前に(又は事後的に)、「法定手当」の計算に使用する「1時間あたりの賃金額」をご確認しておいていただくことが重要となります。

 

「時給制」「日給制」「週給制」「月給制」「年俸制」を採用している場合

会社における給与計算形態が「時給制」「日給制」「週給制」「月給制」「年俸制」である場合には、

  • 雇用契約、賃金計算規定(就業規則)等により定められている基本給・各種手当と
  • 雇用契約、就業規則(賃金規定)等により事前に定められている「所定労働時間」から

事前に『「法定手当」の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』を計算することができます。

 

このため、「時給制」「日給制」「週給制」「月給制」「年俸制」を採用している従業員の給与計算を行う前には、あらかじめ、

  • 『「法定手当」の計算基礎となる「1時間あたりの賃金額」』はいくらになるのか?

を計算し、確認しておくようにしておくことが必要と考えます。

 

「請負制」を採用している場合

会社の給与計算において、「歩合給制(出来高制、請負制)」や「一部歩合給制(一部出来高給制、一部請負制)」等の給与計算形態を採用している場合には、

当該歩合労働に対する「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、

  • 事前に決定された「所定労働時間」ではなく、
  • 『実際にその歩合労働にかかった「総労働時間」』を分母に用いて計算することが必要となります。

このため、『「歩合給」が支給されている従業員の「法定手当」』を計算するためには、

  • 歩合労働にかかった「総労働時間」を事後的に把握することが必要となるとともに、
  • 毎月の給与計算が少々複雑になってしまいますので、

「歩合給制」等を採用する場合には、この点につき事前にご留意頂ますようお願い致します。

 

『「1時間あたりの賃金額」の計算要素 』につきまして

上記本文ⅡからⅧでもご紹介させて頂いておりますが、

「1時間あたりの賃金額」を計算するためには、その前提として

  • 『法定手当の計算対象とすべき「給与額の範囲(基本給・手当等の範囲)」』や
  • 「各種の所定労働時間(1日の所定労働時間、1週間の所定労働時間、1ヶ月の所定労働時間、年間の所定労働時間)」や「総労働時間」等を

適切に理解し・把握しておくことが必要となります。

 

これらにつきましては、より詳細なご紹介を、上記本文ⅡからⅧで記載させて頂いておりますリンクページに別途記載させて頂いておりますので、必要がある場合には、これらのリンクページも一読して頂ますようお願い致します。