ここでは「法定労働時間」及び「法定外労働時間」につき、以下の事項に従い、ご紹介させて頂きます。

 

 

 

Ⅰ:法定労働時間

ここでは、
見出(見出矢印:背景水色)まず下記1におきまして、『「法定労働時間の定義・内容 』をご紹介させて頂きます。

 

見出(見出矢印:背景水色)また、「法定労働時間」のうち「1週間単位法定労働時間」につきましては、「労働基準法施行規則」で「小規模事業所に対する特例措置」が設けられていますので、

下記2におきましては、この「労働基準法施行規則」に規定されている『「特例措置の内容・要件 』等につきご紹介させて頂きます。

 

見出(見出矢印:背景水色)さらに、「法定労働時間」につきましては、「労働基準法 41条」で別途『「法定労働時間の適用を除外する者 』が規定されていますので、

下記3におきましては、この『「労働基準法 41条の内容・要件 』等をご紹介させて頂きます。

 

1、「法定労働時間」とは

「法定労働時間」とは、

「労働者保護の観点」から「労働基準法」において規定される、

(会社等の)使用者が(従業員等の)労働者に「労働させることができる上限の労働時間」をいい、

この「法定労働時間」には、

見出丸(小:背景透明) 1日あたり労働時間の上限を定めた「1日単位の法定労働時間」と

見出丸(小:背景透明) 1週間のあたり労働時間の上限を定めた「1週間単位の法定労働時間」とがあります。

 

《 1日単位の法定労働時間 》

「 労働基準法 32条 」では、

休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。

と規定されており、

この「1日8時間」という労働時間が、

使用者が労働者を労働させることができる上限となるの「1日単位の法定労働時間」となります。

 

《 1週間単位の法定労働時間 》

「 労働基準法 32条 」では、

休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない

と規定されており、

この「1週間40時間」という労働時間が、

使用者が労働者を労働させることができる上限となるの「1週間単位の法定労働時間」となります。

 

2、「1週間単位の法定労働時間」の例外

上記1でご紹介させて頂きましたように、「労働基準法」では「1週間単位の法定労働時間」は「40時間」として規定されていますが、

この「労働基準法における規定」とは別に、「労働基準法施行規則 25条の2」では、

特定の事業を営む事業所で、かつ、その事業所規模が比較的小規模である場合には、

1週間あたりの労働時間の上限規制」が44時間まで緩和される特例措置が設けられています。

なお、当該特例措置を実務上採用する場合には、

労使協定書」「就業規則」等において、特例措置が採用されていることに対する労使協定労働者への明示が必要となります。

 

特例措置の適用要件

上記の特例措置が適用されるためには、「労働基準法施行規則 25条の2」で規定されている要件である

見出丸(小:背景透明) 事業所で営まれている「事業の種類の要件

見出丸(小:背景透明) 事業所における「労働者の人数の要件

という「2つの要件」をともに満たすことが必要となります。

 

◆ 「事業の種類」の要件 ◆

「労働基準法施行規則 25条の2」で規定される「特例措置」が適用されるためには、

まず、その事業所営まれている事業が、「労働基準法 別表1」で規定する

  • 8号  商業理容業:物品の販売(小売業・卸売業)、配給、保管若しくは賃貸又は理容の事業
  • 10号 映画演劇業:映画の映写(映画の製作の事業を除く)、演劇その他興行の事業
  • 13号 保健衛生業:病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業
  • 14号 接客娯楽業:旅館、料理店、飲食店、接客業又は娯楽場の事業

のいずれかであることが必要となります。

 

上記の『「事業の種類」要件』は、「特例措置が適用される事業所で営まれている事業」であることが必要となります。
(会社や個人事業全体での事業の種類ではありません。)

1つの事業所で複数の事業が営なまれている場合には、「収入額・販売額労働者数・設備の多寡」等の実態に応じて「その事業所で営まれている事業の種類」が判断されることとなります。

 

◆ 「労働者数」の要件 ◆

「労働基準法施行規則 25条の2」で規定される「特例措置」が適用されるためには、

その「事業所における労働者数」が、常時10人未満であるあることが必要となります。

 

上記の『「労働者数」要件』は、「特例措置が適用される事業所で労働する労働者数」であることが必要となります。
(会社や個人事業全体での労働者数ではありません。)

「労働者数」には、正社員、パート等の区別はなく労働契約があるすべての労働者が対象となります。

常時使用する従業員数」とは、『「通常の状況」によって判断される「従業員数」』をいいます。
⇒このため、臨時的に労働者を雇い入れた場合臨時的に欠員が生じた場合等は、「従業員数が変動した」ものとしては取り扱いません

 

3、「法定労働時間」の適用対象外者

見出三角(小)労働基準法 41条」には、

① 別表第一第六号林業除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者

② 事業の種類にかかわらず「監督若しくは管理の地位にある者」又は「機密の事務を取り扱う者

③ 「監視又は断続的労働に従事する者」で、使用者が行政官庁許可を受けたもの

に対しては、『「法定労働時間の規定』を適用しない

と規定されており、『「法定労働時間が例外的に適用されない者 』を、別途この「41条」で規定しています。

 

見出三角(小)「労働基準法」におきましては、「労働者保護の観点」から32条において「法定労働時間」を規定していますが、

41条に規定される①~③の労働者につきましては、

『これらの者が従事する「事業の種類」』や『これらの者が従事する「業務内容」』等を考慮すると、これらの者に対して『「法定労働時間」の規制』を懸けることはなじまないことから、
これらの労働者に対しては、『「法定労働時間規定適用対象外 』とする取り扱いを行っています。

 

見出三角(小)ただし、41条の『「法定労働時間」の対象外とする労働者』の規定は、

『「労働者保護の観点からの「重大な例外的取り扱い規定」』となることから、
41条の適用を行う場合には、41条の規定趣旨考慮して限定的慎重適用することが必要となります

 

◆ 第6号(林業を除く。)又は第7号に掲げる事業に従事する者 ◆

「労働基準法 別表1」に記載される「6号事業」とは、

土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業 をいい

「労働基準法 別表1」に記載される「7号事業」とは、

動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産養蚕又は水産の事業 をいいますが、

 

見出三角(小)「これらの自然・動植物等を取り扱うような事業に従事する労働者」につきましては、

これらの者に対して『「厳格な労働時間等」の規制 』を設けることはその事業の性質上なじまないことから、

「労働基準法」におきましては、『「法定労働時間」規定の適用対象外 』として取り扱うこととしています。

ただし、

「6号事業」のうち、林業に従事する労働者は、41条の適用外として、「法定労働時間の規制が適用されます

 

◆ 監督若しくは管理の地位にある者 ◆

上記②で規定される「監督若しくは管理の地位にある者」とは、

労働条件の決定その他労務管理について経営者一体的な立場にある者であって、

労働時間休憩及び休日に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない重要な職務と責任を有し、

現実の勤務態様も、労働時間休憩及び休日の規定なじまないような立場にある者

をいうとされており(平成20年9月9日 基発第0909001号)、

 

見出三角(小)このような「監督若しくは管理の地位にある者」につきましては、

・その「職務内容」「責任」等を考慮すると、これらの者に対して『「厳格な労働時間等」の規制 』を設けることは、かえってこれらの者の業務遂行支障が生じることが考えられ、

・また、これらの者に対しては「(法定時間外労働に対する)割増賃金」等の支払いがなくても、「地位に相応した賃金面での待遇」が付与されていることが想定される等の理由から、

「労働基準法」におきましては、『「法定労働時間」規定の適用対象外 』として取り扱うこととしています。

 

見出三角(小)なお、「監督若しくは管理の地位にある者」に該当するか否かにつきましては、

・単に「部長、工場長、店長」等の職位・資格等の名称にとらわれず

・労働条件の決定その他労務管理面についての「職務内容」「責任と権限」「賃金面での待遇」「実際の勤務態様」等を総合的に判断し
労働基準法が適用されない経営者一体的な立場にあると判断される者に限って適用されることとなります。

 

見出三角(小)従いまして、「十分な権限」や「相応の待遇」等からみて「管理監督者」の実質を伴わない名ばかり管理職」となるような場合には、

・「41条で規定する管理監督者」には該当しないため

・このような状況にある者に対しては、安易に労働基準法41条の規定」を適用しないようにご留意頂くことが必要となります。

 

◆ 機密の事務を取り扱う者 ◆

「機密の事務を取り扱う者」とは、

秘書

・その他職務が経営者」又は「監督もしくは管理の地位に在る者」の活動と一体不可分であって、厳格な労働時間管理になじまない者

をいうとされ(昭和22年9月13日 発基17号)、

 

見出三角(小)このような「機密の事務を取り扱う者」につきましても、

『 その「職務内容」が経営者管理監督者の職務遂行と一体不可分なものとなる 』ということを考慮すると、
これらの者に対して『「厳格な労働時間等」の規制 』を設けることは、かえってこれらの者の業務遂行支障が生じることが考えられることから、

「労働基準法」におきましては、『「法定労働時間」規定の適用対象外 』として取り扱うこととしています。

 

◆ 監視又は断続的労働に従事する者 ◆

監視に従事する者」とは、

原則、一定部署にあって監視するのを本来の業務とし、

常態として身体又は精神的緊張の少ない業務に従事する者をいい

(「昭22.9.13 発基17号」「昭和63.3.14 基発150号」)

断続的労働に従事する者」とは、

休憩時間は少ないが手待ち時間多い者であって、

危険な業務に従事していない者をいうとされていますが、

(「昭22.9.13 発基17号」「昭和23.4.5 基発535号」「昭和63.3.14 基発150号」)

 

見出三角(小)これらの労働者につきましては、

・その「職務内容」を考慮すると、これらの者に対して『「厳格な労働時間等」の規制 』を設けることは、かえってこれらの者の業務遂行支障が生じることが考えられ、

・また、その「従事する業務」が「身体又は精神的緊張の少ない監視業務」や「手待ち時間等が多い断続的業務」であることから、敢えてこれらの者に対して『「厳格な労働時間等」の規制 』を設ける必要性も小さいと考えられることから、

「労働基準法」におきましては、『「法定労働時間」規定の適用対象外 』として取り扱うこととしています。

 

見出三角(小)なお、「監視又は断続的労働に従事する者」として、「労働基準法 41条を適用する場合には、

その前提として、「行政官庁労働基準監督署)」の許可必要となりますので、

『「行政官庁(労働基準監督署)」の許可なく会社独自の判断のみで③の観点から「労働基準法 41条」は適用することができません

 

 

Ⅱ:法定外労働時間

上記Ⅰでは「法定労働時間」につきご紹介させて頂きましたが、

ここでは、「法定労働時間を超えた労働である法定外労働時間」につき、ご紹介させて頂きます。

なお、

見出(見出矢印:背景水色)下記1におきましては、『「法定外労働時間の定義・内容 』をご紹介させて頂き、

見出(見出矢印:背景水色)下記2におきましては、会社が従業員に対して『「法定外の労働を行わせるための前提 』をご紹介させて頂くとともに、

見出(見出矢印:背景水色)下記3におきましては、会社が従業員に「法定時間外の労働」を行わせた場合に「支払うことが必要となる賃金」をご紹介させて頂きます。

 

1、「法定外労働時間」とは

見出三角(小)上記Ⅰでご紹介させて頂きましたように、「労働基準法」におきましては、

  • 1日あたりに労働させることができる「法定労働時間
  • 1週間あたりに労働させることができる「法定労働時間

が規定されていますが、

 

見出三角(小)他方で、実務上におきましては、「法定労働時間」を超えて労働することが必要となる場面があることから、

「労働基準法」におきましては、

「使用者と労働者との間で法定外労働時間に対する協定」が存在する場合には、

例外的に「法定労働時間を超えて、使用者が労働者を労働させることを許容しており

この、例外的に許容される『「法定労働時間を超える労働時間 』のことを「法定外労働時間」といいます。

 

見出三角(小)なお、「法定労働時間」には上記Ⅰ-1でご紹介させて頂きましたように「2種類の法定労働時間」が規定されていますので、

「法定外労働時間」につきましても、

2種類の法定外労働時間」である

見出丸(小:背景透明) 『「1日あたりの法定労働時間を超えた労働時間 』である「1日単位法定外労働時間」と

見出丸(小:背景透明) 『「1週間あたりの法定労働時間を超えた労働時間 』である「1週間単位法定外労働時間

という概念が存在します。

 

《 1日単位の法定外労働時間 》

「1日単位の法定外労働時間」とは、

「1日の労働時間」が「1日単位の法定労働時間8時間)」を超えた部分の労働時間をいい、

 

具体的には、

「(法定休日労働時間除く1日の労働時間」から

  • 1日単位の法定労働時間8時間)」を控除して計算し

「労働時間」のことをいいます。

 

法定外労働時間:1日単位の法定外労働時間

 

《 1週間単位の法定外労働時間 》

「1週間単位の法定外労働時間」とは、

「1週間の労働時間」が「1週間単位の法定労働時間40時間又は44時間)」を超えた部分の労働時間をいい、

 特例措置対象事業所において「1週間の法定労働時間」として「44時間制」を採用している場合

 

具体的には、

「(法定休日労働時間除く1週間の労働時間」から

  • 1日単位法定外労働時間
  • 1週間単位の法定労働時間40時間又は44時間)」を控除して計算

「労働時間」のことをいいます。

 

【特例措置適用事業所以外の場合】

法定外労働時間:1週間単位の法定外労働時間

 

【特例措置適用事業所の場合】

法定外労働時間:1週間単位の法定外労働時間~特例措置適用事業所~

 

2、「法定時間外の労働」を行うための前提

上記1でも簡単にご紹介させて頂きましたが、

使用者が労働者に法定時間外労働を行わせるためには、その前提として、

使用者労働者との間において「延長することができる労働時間」等についての書面協定を締結し、

かつ

当該書面を「管轄の労働基準監督署」に届け出ることが必要となります。

 

◆ 時間外・休日労働に関する協定届 ~36協定 (サブロク協定)~ ◆

上記の「労使協定」は、「労働基準法 36条」で規定されている協定であることから、労働基準法の条文番号をとって「36協定サブロク協定)」と呼ばれています。

 

「36協定(サブロク協定)」では、

  • 労働時間を延長し労働させることができる「労働者の範囲
  • 対象期間
  • 対象期間における一日、一箇月及び一年のそれぞれの期間について「労働時間を延長して労働させることができる時間

等の必要事項につき、

労働者の過半数で組織する労働組合」又は「労働者の過半数代表する者」と「使用者」で協定することが必要となります。

 

3、「法定外労働時間」に対する「法定手当」の計算

労働基準法 37条」におきましては、「法定外労働時間」が「通常の勤務とは異なる特別な労働」となることを考慮して、

「法定時間外に行われた労働」に対しては、

  • 労働者に対する金銭的補償」を行うために、
  • また「使用者」に対して追加的な経済的負担課し、「法定時間外の労働」をできるかぎり抑制する努力をさせるために

「通常の賃金率よりも高い賃金率割増賃金率)」をもって賃金を支払うことを要求しています。

このため、従業員に「時間外労働」をさせた場合には、

会社は、当該従業員に対して、「労働基準法で定められた(通常よりも高い割増賃金率」で計算した「時間外労働手当」を支給することが必要となります。

 

◆ 41条適用者に対する「時間外労働手当」の計算・支給につきまして ◆

上記Ⅰ-3で「労働基準法 41条」の規定により『「法定労働時間の適用外となる労働者 』をご紹介させて頂きましたが、

『「法定労働時間」の適用外となる労働者 』につきましては、

『「法定労働時間の規定 』が適用されないため、

・「法定外労働時間という概念は、そもそも存在せず

・よって、これらの労働者につきましては、『「法定外労働時間」に対する「割増賃金の計算・支払い 』は不要となります

 

 

Ⅲ:「法定外労働時間」の具体的な把握・計算方法

「法定外労働時間」の把握・計算につきましては、上記Ⅱ-1でも簡単にご紹介させて頂きましたが、

ここでは、あらためて『「法定外労働時間」を把握・計算するための具体的な方法 』をご紹介させて頂きます。

 

1、「法定外労働時間」の把握・計算の概要

「法定外労働時間」につきましては、「 2種類の法定外労働時間 」が存在するため、

「法定外労働時間」を把握・計算するためには、

 まず、「1日単位の法定外労働時間」を把握・計算し、

 その後「1週間単位の法定外労働時間」を把握・計算し、

 最後に、上記「 ① と ② の法定外労働時間合計して、「最終的な法定外労働時間」を把握・計算することが必要となります。

 

なお、「1日単位の法定外労働時間」は、

「(法定休日労働時間除く※11日の労働時間」から

  • 1日単位の法定労働時間8時間)」を

控除して把握・計算し、

「1週間単位の法定外労働時間」は、

「(法定休日労働時間除く※11週間の労働時間」から

  • 1日単位法定外労働時間※2
  • 1週間単位の法定労働時間40時間又は44時間)」を

控除して把握・計算することとなります。

 

◆ 「法定外労働時間」の把握・計算における「法定休日労働時間」の取り扱い ◆

厚生労働省が公表する「平成6.5.31 基発331号」では、

法定外の労働時間」を把握・計算する場合には、

『「法定休日労働」とされた時間 』を除いて計算する

と規定されていることから、上記※1で示したように

1日単位法定外労働時間」「1週間単位法定外労働時間」を把握・計算する場合には、

『「法定休日労働時間」とされた「労働時間」 』は、
その計算の基礎となる「1日単位労働時間」及び「1週間単位労働時間」から控除して計算することが必要となります

 

◆「1週間単位の法定外労働時間」の計算において「1日単位の法定外労働時間」を控除する理由 ◆

『「1日の労働時間」が「法定労働時間(8時間)」を超える部分の労働時間 』は、

「1週間あたりの法定外労働時間」を把握・計算する前に既に1日単位の法定外労働時間」として把握・計算されています

従いまして、

この『「1日単位の法定外労働時間」として把握・計算された労働時間 』を、再度「1週間単位の法定外労働時間」として重複カウントしないために、

1週間あたりの法定外労働時間」を把握・計算する場合には、

上記※2で示したように、「1日単位の法定外労働時間を控除することが必要となります。

 

2、「法定外労働時間」の具体的な把握・計算方法

上記1でご紹介させて頂きましたことを踏まえると、『「法定外労働時間」の把握・計算 』は、具体的には以下のようなステップにより把握することとなります。

 

Step1:「法定休日労働時間」の把握・計算

まず最初に、

「勤怠管理簿」等において『「法定休日」となる日 』を特定し、

『「法定休日」となる日 』に労働が行われたか否か把握し

法定休日に労働が行われている場合には、「法定休日労働時間を把握・計算します

 

Step2:「1日単位の法定外労働時間」の把握・計算

上記「Step1の把握・計算」の終了後、下記方法により「1日単位の法定外労働時間」を把握・計算します。

1日の労働時間※1から、

見出(見出矢印:背景水色) その日に含まれる「法定休日労働時間※2

見出(見出矢印:背景水色)1日単位の法定労働時間8時間)」を控除して

1日単位の法定外労働時間」を把握・計算します。

 

※1「1日の労働時間」の計算

1日の労働時間」は、

1日の勤務時間」から「1日の休憩時間」を控除して計算します。

 

なお、「1日の勤務」が「暦日を跨ぐ場合24:00を超える場合)」には、

その「始業時刻」から「暦日を跨ぐ終業時刻」までの「一連の労働時間」を「その日労働時間」として取り扱います。

 

※2「法定休日労働時間」の控除につきまして

「1日単位の法定外労働時間」を計算する場合には、通常「法定休日労働時間」を控除することはありませんが

上記※1でご紹介させて頂きました『「1日の勤務暦日を跨ぐ場合」』等の特殊な場合には、「1日単位の法定外労働時間」を計算する場合に、「法定休日労働時間」を控除することが必要な場合があります。

 

 暦日を跨ぐ場合の「法定外労働時間」の取り扱い

上記※1※2の『 暦日を跨ぐ場合の法定外労働時間の取り扱い内容 』につきましては、別途『 暦日を跨ぐ場合の「各種労働時間」の取り扱い 』でご紹介させて頂いておりますので、必要がある場合には、当該リンクページを御覧ください。

 

Step3:「1日単位の法定外労働時間」の把握・計算

上記「Step2の把握・計算」の終了後、下記方法により「1週間単位の法定外労働時間」を把握・計算します。

1週間の労働時間※1から、

見出(見出矢印:背景水色) その週に含まれる「法定休日労働時間

見出(見出矢印:背景水色) その週に行われた「1日単位法定外労働時間

見出(見出矢印:背景水色)1週間単位の法定労働時間40時間又は44時間)」を控除して

1週間単位の法定外労働時間」を把握・計算します。

 

※1測定単位となる「1週間」の決定

「1週間単位の法定外労働時間」を把握・計算するためには、
その前提として『「何曜日」から「何曜日」』を「1週間とするのか?を事前に決定しておくことが必要となります。

このため、通常は、

「労働時間の測定単位」となる「1週間」を特定するための「1週間の起算日」を事前に就業規則」等で決定しておくことが必要となります。

なお、「就業規則」等により「1週間の起算日」が決定されていない場合には

暦週 」である「 日曜日から土曜日 」が「労働時間の測定単位」となる「1週間」として取り扱われることとなります。

昭和63.1.1 基発1号

 

Step4:「最終的な法定外労働時間」の把握・計算

最終のステップとして、

見出丸(小:背景透明) 上記Step2で計算した「1日単位の法定外労働時間」と

見出丸(小:背景透明) 上記Step3で計算した「1週間単位の法定外労働時間」とを合計し

最終的な法定外労働時間」を把握・計算します。

 

 

Ⅳ:「法定外労働時間」の把握・計算例示

ここでは、最後に、下記の「設例」を用いて、『 具体的な「法定外労働時間」の把握・計算例示 』をご紹介させて頂きます。

 

◆ 設 例 ◆

・「1週間の起算日」が「日曜日」であり、「1週間の法定労働時間」が「40時間」である会社において、

・「土曜日」が「法定休日」として特定された場合で、

・「1週間の労働時間」が以下である場合には、

  日曜日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日
1日の勤務 9:00~13:00 9:00~18:00 4:00~14:00 9:00~18:00 11:00~25:00 10:00~20:00 9:00~13:00
1日の休憩 12:00~13:00 9:00~10:00 12:00~13:00 15:00~16:00 13:00~14:00

「法定外労働時間」「法定休日労働時間」「深夜労働時間」は、以下のように把握・計算されます。

 

◆ 「各種労働時間」の計算 ◆

  日曜日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日
(法定休日)
合計時間
1日の勤務 9:00~13:00 9:00~18:00 4:00~14:00 9:00~18:00 11:00~25:00 10:00~20:00 9:00~13:00  
1日の休憩 12:00~13:00 9:00~10:00 12:00~13:00 15:00~16:00 13:00~14:00  
1日の労働時間 4時間 8時間 9時間 8時間 13時間 9時間 4時間 55時間
法定休日労働時間             4時間 4時間
1日の法定外労働時間 1時間 5時間 1時間   7時間
1週間の法定外労働時間               4時間
参考:深夜労働時間     1時間   3時間     4時間

 

Step1:「 法定休日労働時間 」の計算

土曜日の労働時間:4時間

 

Step2:「1日単位の時間外労働時間 」の計算

火曜日:1時間 + 木曜日:5時間 + 金曜日:1時間 = 7時間
  • 火曜日 ⇒ 「 13:00~14:00 」の「1時間」が法定外労働時間となります。
  • 木曜日 ⇒ 「 20:00~25:00 」の「5時間」が法定外労働時間となります。
  • 金曜日 ⇒ 「 19:00~20:00 」の「1時間」が法定外労働時間となります。

 

Step3:「1週間単位の時間外労働時間 」の計算

1週間の労働時間55h) –  法定休日労働時間4h) – 1日単位の法定労働時間7h) – 1週間の法定労働時間40h)= 4時間
  • 金曜日の「 15:00~19:00 」の「4時間」が法定外労働時間となります。

 

Step4:「 時間外労働時間 」の計算

1日単位の時間外労働時間:7時間 + 1週間単位の時間外労働時間:4時間 = 11時間

 

法定外労働時間:例示

 

 

税理士事務所・会計事務所からのPOINT

ここでは『「法定労働時間」及び「法定外労働時間」に係る各種内容』や『「法定外労働時間」の把握・計算方法 』をご紹介させて頂いております。

 

「法定労働時間」につきまして

・「法定労働時間」につきましては、まず最初に「2種類の法定労働時間」があることをご確認下さい。

・また「1週間単位の法定労働時間」につきましては、一定の要件を具備すれば、「特例措置」も適用することができことをご確認下さい。

・さらに、「法定労働時間」につきましては、「法定労働時間の適用外とすることができる規定」があることをご確認下さい。
ただし、「法定労働時間の適用を除外する規定」につきましては、「労働者保護の重大な例外規定」となるため、その適用におきましては、慎重に行うようにして下さい。

 

「法定外労働時間」につきまして

・「法定外労働時間」につきましても、まず最初に「2種類の法定外労働時間」があることをご確認下さい。

・また、「法定労働時間外の労働」は、「労働基準法」上では「例外的に許容された労働である」ことから、

  • 「法定労働時間外に労働させる」ためには、その前提として「36協定」が締結されていることが必要となり、
  • 「法定労働時間外に労働がなされた」場合には、「労働基準法上の割増賃金の支払い」が必要となりますので、

これらの点につきましては、今一度十分ご確認頂ますようお願い致します。

 

『「法定外労働時間」の把握・計算方法 』につきまして

・「法定外労働時間」を把握・計算するためには、

『「1日単位の法定外労働時間」の把握・計算 』⇒『「1週間単位の法定外労働時間」の把握・計算 』の順に把握・計算することになります。

 

・また、「法定外労働時間」を計算する場合には、

その計算から「法定休日労働時間」を控除することが必要となりますので、「法定外労働時間」の把握・計算を行う前には、

  • 『「法定休日」となる日 』を特定し、
  • 『「法定休日労働」の有無 』を確認し、
  • 「法定休日労働時間」がある場合には、「法定休日労働時間」を把握・計算しておくことが必要となります。

 

※ 「法定外労働時間」の把握・計算につきましては、

「時間外労働手当」の計算に必須のものとなりますので、

上記Ⅲ・Ⅳでご紹介させて頂きました事項につきましては、今一度十分ご確認頂き、適切に「法定外労働時間」を把握・計算して頂ますようお願い致します。