ここでは、「令和2年の年末調整(所得税計算)」で受けることができる『「人的控除」の金額』を、以下の事項に従い、ご紹介させて頂きます。

 

 

 

Ⅰ:「令和2年分の配偶者控除等申告書」に係る人的控除額

「令和2年分の配偶者控除等申告書(基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書)」に、
控除対象配偶者」又は「配偶者特別控除の対象となる配偶者」が記載されている場合には、

「令和2年の年末調整(個人所得税の計算)」において「配偶者控除」又は「配偶者特別控除」を受けることができ、「それぞれの控除金額」は以下1、2の金額となります。

 

1、「控除対象配偶者」に係る「配偶者控除の金額」

「令和2年分の配偶者控除等申告書」に「本人の配偶者」が「控除対象配偶者」である旨の記載がある場合には、

「令和2年の年末調整(個人所得税の計算)」において、以下の金額の「配偶者控除」を受けることができます。
(なお、「配偶者控除」は、「合計所得(又は総所得)」から控除されるものとなります。)

 

控除対象配偶者の年齢 配偶者控除等申告書を提出する本人の合計所得額
   900万円以下    900万円超950万円以下 950万円超1,000万円以下
控除対象配偶者が70歳未満の場合 380,000円 260,000円 130,000円
控除対象配偶者が70歳以上の場合 480,000円 320,000円 160,000円

 

 

2、「配偶者特別控除の対象となる配偶者」に係る「配偶者特別控除の金額」

「令和2年分の配偶者控除等申告書」に「本人の配偶者」が「配偶者特別控除対象者」である旨の記載がある場合には、

「令和2年の年末調整(個人所得税の計算)」において、以下の金額の「配偶者特別控除」を受けることができます。
(なお、「配偶者特別控除」は、「合計所得(又は総所得)」から控除されるものとなります。)

 

配偶者特別控除対象者の合計所得額 配偶者控除等申告書を提出する本人の合計所得額
   900万円以下    900万円超950万円以下 950万円超1,000万円以下
48万円超 95万円以下 の場合 380,000円 260,000円 130,000円
95万円超 100万円以下 の場合 360,000円 240,000円 120,000円
100万円超 105万円以下 の場合 310,000円 210,000円 110,000円
105万円超 110万円以下 の場合 260,000円 180,000円 90,000円
110万円超 115万円以下 の場合 210,000円 140,000円 70,000円
115万円超 120万円以下 の場合 160,000円 110,000円 60,000円
120万円超 ~ 125万円以下 の場合 110,000円 80,000円 40,000円
125万円超 ~ 130万円以下 の場合 60,000円 40,000円 20,000円
130万円超 ~ 133万円以下 の場合 30,000円 20,000円 10,000円

 

 

Ⅱ:「令和2年分の扶養控除等申告書」に係る人的控除額

「令和2年分の扶養控除等申告書」の

  • B:控除対象扶養親族に「一般の控除対象扶養親族」「特定扶養親族」「老人扶養親族」「同居老親等」の記載がある場合、
  • C:障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生に「一般の障害者」「特別障害者」「同居特別障害者」の記載がある場合、
  • C:障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生に「ひとり親」「寡婦」「勤労学生」の記載がある場合には、

「令和2年の年末調整(個人所得税の計算)」において「扶養控除」「障害者控除」「ひとり親控除」「寡婦控除」「勤労学生控除」を受けることができ、「それぞれの控除金額」は以下1、2、3、4、5の金額となります。

 

1、「控除対象扶養親族」に係る「扶養親族控除の金額」

「令和2年分の扶養控除等申告書」の「B:控除対象扶養親族に、

「扶養控除等申告書を提出する本人の親族」が、「一般の控除対象扶養親族」「特定扶養親族」「老人扶養親族」「同居老親等」である旨の記載がある場合には、

「令和2年の年末調整(個人所得税の計算)」において、以下の金額の「扶養親族控除」を受けることができます。
(なお、「扶養親族控除」は、「合計所得(又は総所得)」から控除されるものとなります。)

 

控除対象扶養親族の区分 扶養親族控除の金額
一般の扶養親族16歳~18歳23歳~69歳)」である場合 380,000円
特定扶養親族19歳~22歳)」である場合 630,000円
老人扶養親族70歳以上 & 同居なし)」である場合 480,000円
同居老親等70歳以上 & 同居あり)」である場合 580,000円

 

 

2、「障害者」に係る「障害者控除の金額」

「令和2年分の扶養控除等申告書」の「C:障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生に、

「扶養控除等申告書を提出する本人」又は「本人の同一生計配偶者」又は「本人の扶養親族」が、「一般の障害者」「特別障害者」「同居特別障害者」である旨の記載がある場合には、

「令和2年の年末調整(個人所得税の計算)」において、以下の金額の「障害者控除」を受けることができます。
(なお、「障害者控除」は、「合計所得(又は総所得)」から控除されるものとなります。)

 

障害者の区分 障害者控除の金額
一般の障害者」である場合 270,000円
特別障害者」である場合 400,000円
同居特別障害者」である場合 750,000円

 

 

3、「ひとり親」に係る「ひとり親控除の金額」

「令和2年分の扶養控除等申告書」の「C:障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生に、

「扶養控除等申告書を提出する本人」が、「ひとり親」である旨の記載がある場合には、

「令和2年の年末調整(個人所得税の計算)」において、以下の金額の「ひとり親控除」を受けることができます。
(なお、「ひとり親控除」は、「合計所得(又は総所得)」から控除されるものとなります。)

 

ひとり親控除の金額
350,000円

 

 

4、「寡婦」に係る「寡婦控除の金額」

「令和2年分の扶養控除等申告書」の「C:障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生に、

「扶養控除等申告書を提出する本人」が、「寡婦」である旨の記載がある場合には、

「令和2年の年末調整(個人所得税の計算)」において、以下の金額の「寡婦控除」を受けることができます。
(なお、「寡婦控除」は、「合計所得(又は総所得)」から控除されるものとなります。)

 

寡婦控除の金額
270,000円

 

 

5、「勤労学生」に係る「勤労学生控除の金額」

「令和2年分の扶養控除等申告書」の「C:障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生に、

「扶養控除等申告書を提出する本人」が、「勤労学生」である旨の記載がある場合には、

「令和2年の年末調整(個人所得税の計算)」において、以下の金額の「勤労学生控除」を受けることができます。
(なお、「勤労学生控除」は、「合計所得(又は総所得)」から控除されるものとなります。)

 

勤労学生控除の金額
270,000円

 

 

Ⅲ:「令和2年分の基礎控除申告書」に係る人的控除額

「令和2年分の基礎控除申告書(基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書)」に「本人の合計所得金額」として「2,500万円以下の金額」が記載されている場合には、

「令和2年の年末調整(個人所得税の計算)」において、「本人合計所得金額」に応じて、以下の「基礎控除」を受けることができます。

 

本人の所得金額 基礎控除の金額
2,400万円以下 の場合 480,000円
2,400万円超 2,450万円以下 の場合 320,000円
2,450万円超 2,500万円以下 の場合 160,000円

 

 

税理士事務所・会計事務所からのPOINT

ここでは、「令和2年の年末調整(所得税計算)」で受けることができる『「人的控除」の金額』をご紹介させて頂いております。

 

▶ 従業員・役員の方へ

「年末調整」で受けることができる「人的控除」は、

上記本文でご紹介させて頂いておりますように、「その控除金額」が相対的に多額となりますので、

少々煩雑ではあるとは思いますが、

  • 「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」や
  • 「扶養控除等申告書」に

必要事項をご記入の上、会社に申告して頂ますようお願い致します。

 

ただし、
・『「年末調整(所得税計算)に係る人的控除」を受けるための「要件」』につきましては、厳格に規定されておりますので、
・「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」や「扶養控除等申告書」をご提出頂く場合には、
下記のリンクページ等でご紹介させて頂いております『それぞれの控除に対して規定されている「人的控除の要件」』を満たしていることを必ずご確認頂いた上で申告して頂ますようお願いいたします。

 

※ なお、近年におきましては「マイナンバー」制度の下におきまして、『「ご本人・配偶者・親族等の「収入金額・所得金額」』は、市町村で網羅的に把握管理されていると思われます。
従いまして、特に各申告書に記載して頂く「ご本人・配偶者・親族等の所得金額」につきましては、漏らすことなく網羅的に記載して頂きますようお願い致します。

 

▶ 年末調整担当者の方へ

「年末調整」で受けることができる「人的控除」は、

上記本文でご紹介させて頂いておりますように、「その控除金額」が相対的に多額となりますので、

従業員・役員から提出された「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」や「扶養控除等申告書」に「人的控除」を受ける旨の申告がある場合には、

  • 「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」や「扶養控除等申告書」に記載されている内容に記載不足や記載漏れがないか?
  • その記載内容は『「人的控除」を受けることができる要件』を満たしているか?などを

十分ご確認して頂ますようお願いいたします。

 

▶ 各種の控除要件のご紹介ページ

 

①「控除対象配偶者」「配偶者特別控除対象者」の要件

⇒『「控除対象配偶者」「配偶者特別控除の対象者」』というページを御覧ください。

 

②「控除対象扶養親族」の要件

⇒『控除対象扶養親族』というページを御覧ください。

 

③「障害者控除」を受けるための要件

⇒『障害者控除の対象となる人』というページを御覧ください。

 

④「ひとり親控除」「寡婦控除」「勤労学生控除」を受けるための条件

⇒『「ひとり親」「寡婦」「勤労学生」』というページを御覧ください。