ここでは、以下の事項に従い、『「地震保険料」に係る「保険料控除申告書」の記載方法 』をご紹介させて頂きます。
▶「地震保険料」の「保険料控除申告書」への記載概要
『(年末調整において)控除することができる「地震保険料控除金額」』は、
『「地震保険料控除証明書」に記載されている証明金額』すべてが控除されるのではなく、 ・「 地震保険の種類(地震保険料、旧長期損害保険料)」ごとに、 ・かつ「 各種地震保険料控除額の合計金額 」に対して、 「控除することができる控除額の上限」が定められています。 |
このため、「地震保険料」につきましては、以下のStepに従って「保険料控除申告書」に記載することが必要となります。
Step1:「地震保険料控除証明書」から『 個々の契約ごとの「契約内容」「地震保険料の証明金額」等 』を記載する。 |
Step2:地震保険料ごと及び旧長期損害保険料ごとに「地震保険料の証明金額」を集計する。 |
Step3:地震保険料ごと及び旧長期損害保険料ごとに「所得から控除できる金額(保険料控除額)」を計算する。 |
Step4:地震保険料全体での「最終的な地震保険料控除額」を計算する。 |
当該ページでご紹介させて頂きます内容
◆ 「Step1」におけるご紹介内容 ◆
上記でご紹介させて頂きましたように「地震保険料控除」を「保険料控除申告書」に記載するためには、まずStep1として、
- 『各保険契約ごとの「契約内容」「地震保険料証明金額」等』を「保険料控除申告書」に記載することが必要となります。
このため当該ページにおきましては、
- 「保険料控除申告書」に記載することが必要な『保険契約ごとの「契約内容」「地震保険料証明金額」等の記載項目 』をご紹介させて頂くとともに、
- 「それぞれの項目を記載する場合の留意点」をご紹介させて頂きます。
◆ 「Step2~Step4」までの自動計算機のご紹介 ◆
『「地震保険料」についての「(最終的な)地震保険料控除金額」』を計算するためには、上記でもご紹介させて頂きましたように、Step2~ Step4として、
- 地震保険料の種類ごとに「地震保険料の証明金額」を集計し、
- 地震保険料の種類ごとに「所得から控除できる金額(保険料控除額)」を計算し、
- 更に、地震保険料全体での「(最終的な)地震保険料控除額」を計算する
という「段階的な計算過程・計算結果」の記載が必要となります。
ただし、当該「Step2~Step4」の計算&記載につきましては少々煩雑となりますので、
弊会計事務所におきましては、「当該計算&記載」を自動的に行う「自動計算機」を別ページに設けております。
このため、当該ページにおきましては、
- 「Step2~Step4 の 具体的な計算過程&計算結果」のご紹介に替え、
- 『「Step2~Step4の計算&記載」を自動で行う「地震保険料控除額の自動計算機ページ」へのリンク』をご紹介させて頂きます。
Step1:「契約内容」「地震保険料証明金額」等の記載
まずStep1におきましては、
「個々の保険契約」ごとに以下の①~⑧の事項を「保険料控除申告書」に記載することが必要となります。
① 保険会社等の名称 ② 保険の種類 ③ 保険期間 ④ 保険契約者の氏名 ⑤ 家屋・家財の利用者氏名 ⑥ 利用者と本人との続柄 ⑦ 「その保険料」が「地震保険料であるか」又は「旧長期損害保険料であるか」の区分 ⑧ 「保険料控除証明書」に記載されている「証明金額」 |
なお、上記の各種記載項目は、通常『損害保険会社から送付されてくる「地震保険料控除証明書」』に記載されていますので、 |
当該箇所への記載につきましては、
損害保険会社から送付されてくる『「地震保険料控除証明書」に記載されている「上記①~⑧の各項目」』を「保険料控除申請書」に転記して頂くことになります。 |
各項目の記載上の留意点
◆ 「保険契約者の氏名」の記載につきまして ( ① の記載につきまして) ◆
上記①欄には、「地震保険料控除証明書」から「保険契約者の氏名」を記入することが必要となりますが、
「地震保険料」につき「保険料控除」を受けるためには、 ・「その地震保険料」を「保険料控除申告書を提出される本人」が支払っており、 「契約者」につきましては「本人以外の方」であっても問題はありませんので、 この点につきましてはお間違いのないようにご留意頂ますようお願い致します。 |
⇒なお、この点につきましては『「保険料控除申告書」の事前確認事項 』の『「Ⅱ:「地震保険料」を記載する場合の事前注意事項」の「事前確認事項②」』にその内容をご紹介させて頂いておりますので、必要がある場合には、当該リンクページを御覧ください。
◆ 「保険対象物の使用者」の記載につきまして ( ⑤ ⑥ の記載につきまして) ◆
上記⑤⑥欄には、『「保険契約の対象物」に係る「 使用者 」』を記入することが必要となりますが、
「地震保険料」につき「保険料控除」を受けるためには、
「地震保険」や「旧長期損害保険」の対象となる「建物」が 「保険料控除申告書を提出される本人」又は「本人と生計を一にする配偶者・親族」が所有して、常時居住していることが必要となります。 また、「地震保険」や「旧長期損害保険」の対象となる「家財等」が、 「保険料控除申告書を提出される本人」又は「本人と生計を一にする配偶者・親族」が所有して、日常生活に使用していることが必要となります。 |
※ 「生計を一にする」「親族」とは?
このため、⑤⑥の記載を行う場合には、
『「保険料控除申告書」に記載する地震保険料 』が上記の要件を満たしているかにつき確認頂きながらご記入頂ますようお願い致します。
⇒なお、この点につきましては『「保険料控除申告書」の事前確認事項 』の『「Ⅱ:「地震保険料」を記載する場合の事前注意事項」の「事前確認事項②」』にその内容をご紹介させて頂いておりますので、必要がある場合には、当該リンクページを御覧ください。
◆ 「地震保険の種類」の記載につきまして ( ⑦ の記載につきまして) ◆
『「地震保険料」に係る「保険料控除金額」』を計算するためには、
- Step2において「その地震保険料の証明金額」を「地震保険料」と「旧長期損害保険料」ごとに区分集計し、
- Step3において『「地震保険料」及び「旧長期損害保険料」ごとの「保険料控除金額」』を計算することが必要となります。
このため、Step1におきましては、上記のStep2やStep3の計算を行うための前提記載として、
「それぞれの保険料」が「地震保険料」であるのか?「旧長期損害保険料」であるのか?の区分を ⑦欄に記載することが必要となります。 |
なお、『「その保険料」が「地震保険料」であるのか?「旧長期損害保険料」であるのか?』につきましては、
・『損害保険会社から送付されてくる「地震保険料控除証明書」』に記載されておりますので、
・当該箇所への記載にあたっては、『「地震保険料控除証明書」に記載されている「地震保険料」「旧長期損害保険料」の区分』を確認し記載して頂ますようお願い致します。
◆ 「地震保険料証明金額」の記載につきまして ( ⑧ の記載につきまして) ◆
上記⑧欄には、「地震保険料控除証明書」から「地震保険料の証明金額」を記入することが必要となりますが、
当該「地震保険料証明金額」の記載にあたっては、以下1)~6)の点にご留意下さい。
1)「1つの損害保険契約(旧長期損害保険契約)」に「地震保険料」と「旧長期損害保険料」の両方があるような場合
「旧長期損害保険契約」に「地震保険」が付加されているような場合には、
(すなわち、1つの契約に「旧長期損額保険料」と「地震保険料」の両方があるような場合には、)
損害保険会社等から送付されてくる「地震保険料控除証明書」には、
「地震保険料の証明金額」と「旧長期損害保険料の証明金額」の両方が記載されてくることになりますが、 |
このような場合には、
「両方の証明金額」をそれぞれ別々に「地震保険料の証明金額」と「旧長期損害保険料の証明金額」として取り扱うことはできず、 「地震保険料の証明金額」又は「旧長期損害保険料の証明金額」のいづれか一つの「証明金額」を(ご自身で)選択し、 |
2)「別々の契約」で「旧長期損額保険」や「地震保険」に加入しているような場合
別々の契約で「旧長期損額保険」や「地震保険」に加入しているような場合には、
損害保険会社等から、別々の「地震保険料控除証明書」が送付されてくることになりますが、 (又は、契約ごとに区分記載されて送付されてくることになりますが、) |
このような場合には、
「それぞれ別々の証明金額」として取り扱うことができます。 |
3)『 12月末日における「払込予定額」』につきまして
「地震保険料控除証明書」には、
通常、『年度末時点(12月末日)の払込予定金額』が記載されていますが、
「保険料控除申告書」には、「12月末日までに実際に払込まれた地震保険料金額」を記載することが必要となります。 |
従いまして、
「保険料控除申告書」を会社に提出する時点におきまして、 『「地震保険料控除証明書」に記載されている「12月末日までの払込予定金額」』が払い込まれる予定である場合には、 『「地震保険料控除証明書」に記載されている「12月末日までの払込予定金額」』を⑧欄に記載し、 他方、「12月までの払込予定金額」のうち「12月末日までに払込がなされない金額」がある場合には 『「(地震保険料控除証明書に記載されている)12月末日までの払込予定金額」から「払込がなされない金額」を「控除した金額」』を⑧欄に記載することが必要となります。 |
4) 前年度以前において「未払の払込金額」があった場合の取扱につきまして
「保険料控除申告書」には、「12月末日までに実際に払込まれた地震保険料金額」を記載することが必要となります。 |
このため「前年度以前に係る地震保険料」であっても、「その地震保険料の実際の払込」が当年度に行われているような場合には、
「当年度に実際に払込まれた地震保険料」は、「当年度の保険料控除申告書」に記載することが必要となります。
従いまして、
・「前年度以前に係る地震保険料」であっても、前年度以前に未払であったことにより「前年度以前の保険料控除申告書」に記載しなかった地震保険料があり、 ・かつ、「その地震保険料」を当年度において支払っている場合には、 『「当年度に係る地震保険料支払額」に当該「過年度に係る地震保険料支払金額」を「加えた金額」』を⑧欄に記載することが必要となります。 |
5)「地震保険料控除証明書」に「剰余金の分配」や「割戻金」が記載されている場合につきまして
「保険料控除申告書」には、「配当金・剰余金の分配金」や「割戻金」が記載されていることがありますが、
これらの「配当金・剰余金の分配金」や「割戻金」がある場合には、
『「配当金・剰余金の分配金額」や「割戻金額」を「差引いた後の金額」』が「実際に損害保険会社に支払われた地震保険料金額(地震保険料証明金額)」となります。 |
従いまして、
「保険料控除申告書」に「配当金・剰余金の分配金」や「割戻金」が記載されているような場合には、 『「配当金・剰余金の分配金額」や「割戻金額」を「差引いた後の金額」』を⑧欄に記載することが必要となります。 |
6)「地震保険料控除証明書」に「控除対象外保険料」が記載されている場合につきまして
「地震保険会社に支払っている保険料」に「地震保険料控除の対象外となる保険料」があるような場合には、
「地震保険料控除証明書」に、
「損害保険会社に支払っている全保険料額」と「保険料控除の対象となる保険料」とが併記されているような場合がありますが、
このような場合には、
「⑧欄に記載する地震保険料」は「保険料控除の対象となる保険料のみ」となりますので、 「保険料控除対象外の保険料」を当該⑧欄に含めて記載しないようご注意下さい。 |
⇒ 上記「保険料控除証明書の記載内容」
「保険料控除申告書」への記載例示
以下におきましては、
- 「地震保険料」の「保険料控除申告書」への記載例示
- 『「1つの損害保険契約 」に「地震保険料」と「旧長期損害保険料」がある場合 』の「保険料控除申告書」への記載例示
- 『「別々の契約」で「地震保険料」と「旧長期損額保険料」がある場合 』の「保険料控除申告書」への記載例示
をご紹介させて頂いておりますので、該当する地震保険料の支払がある場合には、以下の記載例示をご確認頂ますようお願い致します。
例示1 :「地震保険料」の「保険料控除申告書」への記載例示
例示2 :『「1つの損害保険契約 」に「地震保険料」と「旧長期損害保険料」がある場合 』の記載事例
例示3 :『「別々の契約」で「地震保険料」と「旧長期損額保険料」がある場合 』の記載事例
Step2 から Step4 までの自動計算機のご紹介
『(年末調整において)控除することができる「地震保険料控除金額」』は、
『「地震保険料控除証明書」に記載されている証明金額』すべてが控除されるのではなく、 ・「 地震保険の種類(地震保険料、旧長期損害保険料)」ごとに、 ・かつ「 各種地震保険料控除額の合計金額」に対して、 「控除することができる控除額の上限」が定められています。 |
このため、『「地震保険料」に係る「保険料控除金額」』を「保険料控除申告書」で申請するためには、
Step2として、地震保険料ごと及び旧長期損害保険料ごとに「地震保険料の証明金額」を集計し、 Step3として、地震保険料及び旧長期損害保険料ごとに「所得から控除できる金額(保険料控除額)」を記載し、 Step4として、地震保険料全体での「最終的な地震保険料控除額」を記載することが必要となります。 |
ただし、上記「 Step2 ~ Step4 までの計算 」につきましては、少々煩雑になりますので、
この点につきましては、弊会計事務所では別途ページにStep1の内容を記載することで、Step2~Step4の記載を自動的に行う「地震保険料の自動計算機」を設けております。
従いまして、「Step1の記載」を行って頂いた後には、
上記のリンクページの「地震保険料の自動計算機」をご利用頂き、「Step2~Step4」の記載を行って頂ますようお願いいたします。 |
税理士事務所・会計事務所からのPOINT
ここでは、『「地震保険料」の「保険料控除申告書」への記載方法 』のうち、
特に『 地震保険契約ごとの「契約内容」「地震保険料控除証明金額」等 』の「保険料控除申告書」への記載方法をご紹介させて頂いております。
『 地震保険契約ごとの「契約内容」等 』の記載につきまして
『「地震保険料」の「保険料控除申告書」への記載 』につきましては、
上記本文でご紹介させて頂きました「Step2~Step4の記載」が少々煩雑となるため、これらの計算・記載に注意が行きがちになり、『 地震保険契約ごとの「契約内容」等 の記載 』につきましては、案外おざなりになってしまうこともありますが、
『 地震保険契約ごとの「契約内容」等 の記載 』のうち、
- 「家屋・家財の利用者氏名」や「利用者と本人との続柄」の記載は、
「その地震保険料が保険料控除要件を満たしたものであるか?」などを明示するための非常に重要な記載となり、 - また、『「その保険料」に係る「地震保険料・旧長期損害保険料の区分記載」』につきましては、
Step2~Step4で行われる『「地震保険料控除金額」の計算 』に影響を与える記載となります。
従いまして、これらの記載につきましては、『「地震保険料控除証明書」に記載されている内容』をご確認頂き、適切に記載して頂ますようお願いします。
『 地震保険契約ごとの「地震保険料の控除証明金額(当暦年度支払金額)」 』の記載につきまして
『 地震保険契約ごとの「地震保険料の控除証明金額(当暦年度支払金額)」の記載 』は、
Step2~Step4で行われる『「地震保険料控除金額」の計算 』の元となる記載となりますので、
この記載につきましても、
『「地震保険料控除証明書」に記載されている証明金額 』を十分ご確認頂くとともに、
上記本文でご紹介させて頂きました「注意事項」をご確認頂き、適切に記載して頂ますようお願い致します。
なお、「当暦年度の地震保険料の支払金額」に、「未払金額」や「過年度保険料の支払金額」などがある場合には、
『「地震保険料控除証明書」に記載されている証明金額 』と『「保険料控除申告書」に記載される支払金額 』とが一致しない場合も生じてきますが、
このような場合におきましては、
『 会社に提出する「地震保険料控除証明書」』に「不一致となった原因」を記載しておくことで、(会社における)年末調整の確認作業過程で、「(会社から)不一致理由の問い合わせ」を受けなくても済むのではないかと考えます。
従いまして、
「保険料控除申告書」に『「地震保険料控除証明書に記載されている証明金額」と異なる金額 』を記載されるような場合には、
『「地震保険料控除証明書に記載されている証明金額 」と「保険料控除申告書に記載される支払金額 」との「差異内容」』を、
予め『「地震保険料控除証明書」の「余白」』に記載されておくことをおすすめ致します。