「現金購買取引」につきまして、「取引の概要」のご説明を行った上で、「会計帳簿への基本的な入力方法」「現金購買取引の仕訳」等を、以下の項目に従い、ご紹介させて頂きます。
Ⅰ：「現金購買取引」とは
１、現金購買取引
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「現金購買取引」とは、
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「現金購買取引」につきましては、
- 購入先店舗において、現金支払で物品の購入を行う「仕入取引」「経費取引」「固定資産購入取引」
- 購入先店舗において、現金支払でサービスの提供を受ける「経費取引」 etc. があります。
２、取引形態
「現金購買取引」は、
会社が購入先から「物品の引渡、サービスの提供」等を受けることから、
| 会社において、「仕入」「経費」「固定資産」のいずれかが計上される取引となります。 |
また、上記の「商品等の引渡」「サービスの提供」等を受けると同時に、
| 会社は購入先に「販売代金・サービス代金」を「現金」で支払います。 |
この点で、「現金購買取引」は、
| 「現金の支出を伴う取引」となります。 |
Ⅱ：「現金購買取引」で受け取る書類（購入・支払証憑）
１、会社が受領する書類
「現金購買取引」が行われると、
- 『「商品等の購入」「サービスの受領」を受けたこと（購入証憑）』、及び
- 「購入代金を支払ったしたこと（支払証憑）」を証明するために、
| 購入先から「領収書」や「レジレシート」を受領し、これらが会社に保管されます。 |
２、購入・支払証憑の保存
上記の購入先から入手する「商品等の引渡・サービスの提供を受けたこと」及び「販売代金・サービス代金を支払ったこと」を証明する「領収書」「レジレシート」等は、「現金購買に対する購入・支払証憑」となります。
税務調査を受けた場合等には、これらの「現金購買に対する証憑」の提出を求められることがあります。このため、これらの証憑は、「税務上定められた期間」適切に会社に保存することが必要となります。
Ⅲ：「現金購買取引」の会計帳簿への基本的入力方法
１、「現金購買取引の種類」と「会計帳簿への基本的入力方法」
購買取引には、「仕入取引」「経費取引」「固定資産購入取引」の３種類の取引がありますが、
「仕入取引であるか、経費取引であるか、固定資産取引であるか」の「購買取引の種類の違い」によって、「会計帳簿への基本的入力方法」に違いは生じません。
このため、下記２におきまして、「現金購買取引」に共通する「会計帳簿への基本的な入力方法」として
- 会計帳簿へ入力する場合の入力方法の種類
- 入力基書類＆入力単位
について、ご紹介させて頂きます。
２、会計帳簿への基本的入力方法
１）会計帳簿への入力方法の種類
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「現金購買取引」は、３種類の会計帳簿への入力方法のうち、
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「現金売上取引」は、上記Ⅰの「取引形態」で記載致しましたように
- 現金の支出を伴う取引となります。
このため、「現金購買取引」につきましては、「現金出納帳」へ入力することにより、「会計帳簿」に入力されることになります。
２）入力基書類＆入力単位
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「現金購買取引」につきましては、
「現金出納帳」に入力することが必要となります。 |
「現金購買取引」を「現金出納帳」に入力するためには、「現金の支出がどのような理由で支出されたか」を記載する「相手勘定科目」の入力が必要となります。
通常、上記の「支出理由」は、「領収書」「レジレシート」ごとで異なります。
このため、「現金購買取引」は、「領収書」や「レシート」１つ１つごとに入力することが必要となり、この「領収書」や「レシート」が「現金出納帳」への「入力基書類」となります。
Ⅳ：「現金購買取引」の「現金出納帳」への入力
「現金仕入取引」を会計帳簿（会計ソフト）に入力する場合には、上記でご紹介したように「現金出納帳」に入力します。
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「現金出納帳」への入力は、
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この『「現金出納帳」への具体的な入力』につき以下でご紹介致します。
１、日付、支出金額
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「現金出納帳」への入力項目のうち、
「領収書」又は「レジレシート」等を見ながら入力します。 |
例示
領収書の日付が４月１日で、支出金額が10,000円の場合には、以下のように入力します。
２、相手勘定科目の選択入力
１）相手勘定科目の選択入力の必要性
「現金購買取引」を「現金出納帳」に入力する場合には、
※ 現金出納帳におきましては、選択入力する「勘定科目」は、『「現金支出の相手」となる勘定科目』という意味から、単なる「勘定科目」ではなく、「相手勘定科目」という表現がなされています。 |
現金出納帳には、「現金の収入・支出の理由」を記載することが必須となります。
また、この「現金の収入・支出理由」の記載につきましては、会社の自由形式で入力（表現）するのではなく、「会計帳簿作成ルール（簿記ルール）で定められている勘定科目」というもの中から選択して入力することが求められています。
このため、「現金購買取引」を会計帳簿に入力する場合におきましても、「現金の支出理由」を「簿記ルールで定められている勘定科目」から選択して入力することが必要となります。
２）現金購買取引における「相手勘定科目」の選択入力
現金購買取引の現金出納帳への入力に際し、「勘定科目の選択入力」を行うためには、
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この点「購買取引」は、
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「仕入取引」「経費取引」「固定資産購入取引」に大きく分けることができ、
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「購買取引」は、「仕入取引」「経費取引」「固定資産購入取引」に大きく分類することができますが、
この分類の内、「仕入取引」についての『「現金出納帳」入力における「相手勘定科目」の選択』にあたっては、「仕入高」という勘定科目を選択し入力しますが、
「経費取引」「固定資産購入取引」におきましては、さらに様々な「勘定科目」が「簿記のルール」で用意されており、その取引内容に合致する「勘定科目」を選択入力することが必要となります。
この点、
- 「仕入取引」「経費取引」「固定資産購入取引」において、「それぞれの取引に対応する勘定科目」につきましては、購買取引の種類（仕入、経費、固定資産購入）と勘定科目でより詳しくご説明させて頂いておりますので、ご一読して頂きますようお願い致します。
- また、購買取引に係る勘定科目のより詳しい内容、具体的項目例につきましては、支出に対する勘定科目（購買取引）でより詳しくご紹介させて頂いておりますので、こちらのリンクページも、必要がある都度ご確認して頂きますようお願い致します。
３、相手補助科目の選択入力
１）相手補助科目の選択入力の必要性
「現金購買取引」を「現金出納帳」に入力する場合には、
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上記の２でご説明させて頂きました「（相手）勘定科目」は、
- 会社が営んでいる「業種に関係なく」すべての業種で共通して使用すること
- 上場会社等の大規模な会社から小規模な会社まで「会社規模に関係なく」すべての規模の会社で共通して使用すること
を想定して、定められております。
このため、『「勘定科目」による分類』は、比較的大きな分類となります。
他方、個々の会社では、「勘定科目による分類」よりも「より細分化した分類」で、「現金の入金・支出の理由」を把握することが必要な場合があります。
このような場合には、「勘定科目」に個々の会社独自の「内訳項目等」である「補助科目」を付け、「現金の入金・出金理由」をより細分化して表現します。
従いまして、「現金購買取引」を現金出納帳に入力する場合におきましても、会社の状況に適合するように「仕入高」や「経費項目の勘定科目」に「内訳項目としての補助科目」を付すことが必要となります。
２）現金購買取引における「相手補助科目」の設定・選択入力
現金購買取引の現金出納帳への入力に際し、「補助科目の選択入力」を行うためには、
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この点につきましても、上記２の２）でご紹介させて頂きました支出に対する勘定科目（購買取引）でご紹介させて頂いておりますので、必要がある都度ご確認して頂きますようお願い致します。
また、補助科目につきましては、簿記ルール等で定められたものがなく、会社で自由に設定することができるため、「会計ソフトの初期設定」では設定されておりません。このため、「補助科目」につきましては、会社が会計ソフト上で設定することが必要となります。
この点、弥生会計における「補助科目の設定方法」は、
⇒弥生会計：補助科目の設定手順に設定方法を記載させて頂きておりますので、ご覧頂きますようお願い致します。
４、摘要
摘要項目につきましては、特に会計帳簿に記載しておきたい事項がある場合に記載を行います。
摘要項目につきましては、「メモ書き」としてご利用下さい。
ただし、購買取引の内容につきましては、できる限り「相手勘定科目」と「相手補助科目」で表現するようにして下さい。
Ⅴ：「現金購買取引」の仕訳 （参考）
「現金購買取引」は、「現金出納帳」から「会計帳簿（会計ソフト）」への入力を行うこととなり、「仕訳」の形での入力が不要となりますので、「現金購買取引」に関する仕訳知識は必要ありません。
ただし「現金出納帳」から会計帳簿に入力する場合であっても、会計ソフトにより、自動的に仕訳は生成されています（仕訳の自動生成）。
ここでは、参考の意味＆仕訳の理解のために、「現金購買取引の仕訳」をご紹介致します。
１、仕訳のための取引把握
現金購買取引は、
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現金購買取引では、現金の支払が行われることにより、会社の資産である「現金」が減少します。
他方、現金の支出により費用である『「仕入」や「経費」が増加する』か、資産である「固定資産が増加する」取引となります。
２、借方（左側）勘定科目と貸方（右側）勘定科目の選択
１）「費用項目の増加、資産項目の増加」と「資産項目の減少」の配置場所
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これにつきましての詳細は、 ⇒ 仕訳のご説明をご覧ください。
２）選択する勘定科目
上記１）の仕訳配置場所で、以下の勘定科目を選択します。
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上記により、
- 『「仕入高」が増加したこと』又は『「経費項目」が増加したこと』又は『「固定資産項目」が増加したこと』及び
- 『「現金」が減少したこと』を会計帳簿へ入力することができます。
３、勘定科目に対する補助科目の設定
「仕入高」「経費勘定科目」「固定資産勘定科目」に対しましては、その購買取引の内容をより詳細に表す「補助科目」を設定します。
４、「現金購買取引」の仕訳
「現金購買取引」における仕訳は、以下のようなものとなります。
【仕入取引の場合】
| 借方勘定科目 | 補助科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 補助科目 | 貸方金額 |
| 仕入高※１ | 現金仕入 | xxxx円 | 現金※２ | xxxx円 |
【経費取引の場合】
| 借方勘定科目 | 補助科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 補助科目 | 貸方金額 |
| 経費勘定科目※１ | 内訳補助科目 | xxxx円 | 現金※２ | xxxx円 |
【固定資産購入取引の場合】
| 借方勘定科目 | 補助科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 補助科目 | 貸方金額 |
| 固定資産勘定科目※１ | 内訳補助科目 | xxxx円 | 現金※２ | xxxx円 |
※１：借方（左側）勘定科目
①仕入取引の場合
「仕入」という「費用項目の増加」であるため、「仕入高」という勘定科目を仕訳の「左側（借方）」に計上します。
⇒「現金出納帳」の「相手勘定科目」の選択入力により、この記載が自動生成されます。
②経費取引の場合
「各種経費」という「費用項目の増加」であるため、経費取引の内容に合致する「経費の勘定科目」を仕訳の「左側（借方）」に計上します。
⇒「現金出納帳」の「相手勘定科目」の選択入力により、この記載が自動生成されます。
③固定資産購入取引の場合
「各種固定資産」という「資産項目の増加」であるため、取得した固定資産の内容に合致する「固定資産の勘定科目」を仕訳の「左側（借方）」に計上します。
⇒「現金出納帳」の「相手勘定科目」の選択入力により、この記載が自動生成されます。
※２：「現金」という「資産項目の減少」であるため、「現金」という勘定科目を、仕訳の「右側（貸方）」に計上します。
⇒「現金出納帳」の支出欄に金額の入力をすることにより、この記載が自動生成されます。
５、弥生会計で自動作成される仕訳の確認
弥生会計で自動的に作成される仕訳は、「仕訳日記帳」により確認することができます。
Ⅵ：「現金出納帳」への入力後確認
購買取引である「仕入取引」「経費取引」「固定資産購入取引」につきましては、
「入力漏れ」がある場合には、費用項目等の過少計上となり、過少計上となった費用金額分だけ利益が過大となる結果、本来ならば支払う必要がない法人税、消費税等の支払を行うこととなります。
他方、「二重計上」等がある場合には、税務調査等におきまして、費用の過大計上が指摘され、ペナルティが課される可能性があります。
特に、購買取引につきましては、多数の「領収書」「レシート」等の「購買・支払証憑」から会計帳簿に入力することになるために、「入力漏れ」や「二重計上」が発生する可能性が高くなります。
このため、「購買・支払証憑」から「現金出納帳」に入力を行った場合には、入力漏れがないか・二重計上がないかを確認することが必須となります。
従いまして、「購買・支払証憑」から「現金出納帳」への入力が完了した時点において、以下の確認を行うことにより、適切に入力がなされていることをご確認頂きますようお願い致します。
１、すべての「現金購買取引」が「現金出納帳」に入力されていることの確認
すべての「現金購買取引」が漏れなく・重複することなく・正確に「現金出納帳」に記載されていることを確認することが必要となります。
すなわち、
| 「現金購買取引」に係る「購買・支払証憑」である「領収書」「レシート」が漏れなく・重複することなく・正確に「現金出納帳」に入力されていることを確認することが必要となります。 |
このためには、
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「購買・支払証憑」の整理・保管につきまして
「領収書」「レシート」等につきましては、
- 「現金購買取引」のみならず、
- 「後払購買取引」や「前払購買取引」や「カード購買取引」においても入手することがあります。
このため、
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※ 特に、店舗等でカード決済した場合には、決済時に「領収書」「レシート」を受け取ることが多く、この「領収書」「レシート」を「現金購買取引」として、「現金出納帳」に入力してしまうミスが多くありますのでご注意下さい。
２、「現金出納帳」と「現金の実際残高」との確認
「現金出納帳へ入力すべき項目」が適切に入力なされている場合には、「現金出納帳の現金残高」と「実際の現金有高」とが一致することになります。
このため、「現金購買取引」の入力が完了した場合には、
とが一致していることを確認することが必要となります。 |
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Point ! 『「現金出納帳」の現金残高』と「現金有高」の一致確認 本来、現金出納帳への売上・仕入・費用等の入力は毎日行い、「現金出納帳の現金残高」と「現金の実際有高」との一致確認を行うことが望ましいです。 ただし、本業が忙しい等により、現金出納帳への入力が不定期的となる場合には、「現金出納帳の現金残高」と「実際の現金有高」との一致確認も不定期的となります。 この場合には、確認日までの「すべての現金の入金・出金を伴う取引」を現金出納帳へ入力し、その上で「現金出納帳の確認日における現金残高」と「確認日時点の実際の現金有高」との一致確認を行います。 |
税理士事務所・会計事務所からのPOINT
現金購買取引の「現金出納帳」への入力におきましては、
上記Ⅳの２及び３でご紹介させて頂きました「勘定科目」「補助科目」の選択入力が最大のkeyPointとなると思います。
会計帳簿への入力が初めての場合等では、簿記等で定められている『購買取引に係る「勘定科目」』は多く存在しますので、どのような「勘定科目」を使えばよいのか戸惑う場合が多いと思いますが、上記Ⅳの２でご紹介させて頂いておりますリンクページをご覧になる等により、少しづつ馴れて頂きますようお願い致します。
ただし、会社が行う「購買取引」自体は定型的な取引が多いと思いますので、一旦、勘定科目選択に馴れて頂きますと、それ程難しいものでなくなると思います。
また、実務上、「現金購買取引」は最も入力数が多くなるものと思います。
従いまして、できる限りコマメに現金出納帳に入力を行うようにして頂きますようお願い致します。
