購買取引の種類には、「仕入取引」「経費取引」「固定資産購入取引」がありますが、ここでは「購買取引をこれらの取引に分類する基準」や「仕入取引、経費取引、固定資産購入取引を会計帳簿に入力する場合に選択する勘定科目」につき、下記の事項に従い、ご説明させて頂きます。

 

 

 

Ⅰ:「勘定科目」を会計帳簿に入力する意義

「購買取引」を会計帳簿会計ソフト)に入力する場合には、以下の入力が必要となります。

「現金購買取引」では、

・「現金出納帳」の「相手勘定科目欄」に「勘定科目」を選択入力することが必要となり、

・この『「相手勘定科目欄」への「勘定科目」入力』により、
現金が支出された理由」を会計帳簿(現金出納帳)に表現することが可能となります。

『「後払購買取引」や「カード購買取引」や「前払購買取引」の「購入取引」』では、

・「振替伝票」の「借方(左側)勘定科目」に「勘定科目」を選択入力することが必要となり、

・この『「借方勘定科目欄」への「勘定科目」入力』により、
「会社が行った購入取引の内容」を会計帳簿(会計ソフト)に表現することが可能となります。

上記のように、「相手勘定科目欄」や「借方勘定科目欄」への「勘定科目」の入力は、「どのような内容の購買取引が行われたか会計帳簿に表現する入力」として重要な意味を持ちます。

このため、会計帳簿(現金出納帳、振替伝票)入力時には、「会社で行われた購買取引の内容」を適切に反映するように「勘定科目」を入力することが、重要なものとなります。

 

ただし、この『会計帳簿への「勘定科目」入力』につきましては、

  • 会社で「自由な勘定科目」を設定して入力するのではなく、
  • 会計帳簿作成ルール簿記ルール)」で「予め定められている勘定科目」の中から選択して入力することが求められています。

このため、「相手勘定科目」「借方勘定科目」に「適切な勘定科目」を入力するためには、

  1. まず、「会社で行われた購買取引」が「どのような取引」に該当するのかを把握し、
  2. 簿記ルールで定められている勘定科目」には、どのような勘定科目用意されているかを理解した上で、
  3. その中から『「会社で行われた購買取引の内容」に「適合する勘定科目」』を適切に選択入力することが必要となります。

以下におきましては、「会計帳簿(現金出納帳、振替伝票)」の入力時に「適切な勘定科目」の選択入力をして頂くために、

  • 購買取引」には「そもそもどのような種類の取引」があるのか?
  • 簿記ルール」では、「購買取引の種類別にどのような勘定科目」が用意されているか?

につきご紹介させて頂きます。

 

 

Ⅱ:「購買取引の種類」と「その分類基準」

上記Ⅰでご紹介させて頂きましたように、
「勘定科目」を会計帳簿に適切に入力するためには、簿記ルールで定められている「勘定科目」を理解することが必要となりますが、
このためには、先ず、「購買取引」が「どのような内容(種類)の取引」に分類されるのかを理解しておくことが必要となります。

以下におきましては、購買取引が大きく分けて「どのような種類の取引」に分類されるのかをご紹介させて頂きます。

 

第一の分類基準

「購買取引」は、購入先から「物品を購入する」又は「サービスの提供を受ける」取引をいいますが、

「購買取引」を分類する「第一の基準」は、

  • 物品を購入した取引」であるか、
  • サービスの提供を受けた取引」であるか、

により分類されます。

この分類により、

  • 物品を購入した取引」である場合には、
    「購買取引」は、原則として「仕入取引」「経費取引」「固定資産購入取引」に分類され、
  • サービスの提供を受けた取引」である場合には、
    原則として「経費取引」に分類されます。

 

第二の分類基準

「購買取引」が物品の購入である場合には、さらに以下の基準により分類されます。

購入した物品が、

  • 会社で販売する目的で購入した物品」であるか、
  • 上記以外の目的会社で利用・使用する目的)で購入した物品」であるか、

により分類されます。

この分類により、

  • 会社で販売する目的物品を購入した取引」である場合には、
    「購買取引」は、「仕入取引」に分類され、
  • 会社で利用・使用する目的物品を購入した取引」である場合には、
    経費取引」「固定資産購入取引」に分類されます。

 

第三の分類基準

会社で利用・使用する目的物品を購入したものである場合には、

その物品の取得価額

  • 10万円未満のものであるか、
  • 10万円以上のものであるか、

により分類されます。

取得価額とは、「購入した物品の本体購入金額」+「その購入に付随して発生した費用(付随費用)」をいいます。
付随費用とは、「購入のために掛かった運賃荷役費」「物品を会社で使用するまで掛かった設置費用試運転費用」「運送保険料」「購入のために支払った購入手数料」「関税」などの費用をいいます。

この分類により、

  • 購入した物品の取得価額10万円未満の場合には、
    原則として「経費取引」となり、
  •  購入した物品の取得価額10万円以上の場合には、
    原則として「固定資産購入取引」となります。

 

【購買取引の取引種類の分類図】

購買取引の取引種類の概要

 

 

Ⅲ:「仕入取引」と「対応する勘定科目」

以下におきましては、「仕入取引内容」をご説明するとともに、この「仕入取引」に対しては、「どのような勘定科目選択入力するか」につきまして、ご紹介させて頂きます。

 

1、仕入取引

仕入取引」は、上記Ⅱでご紹介させて頂きましたように、

「会社で販売する物品等」を購入する取引をいいます。

「会社で販売する物品商品)を購入する取引」は、購入した物品の金額・種類等に関係なくすべて仕入取引」となります。

従いまして、例えば、

  • 不動産会社が販売する目的で「高額な土地」を購入した場合や、
  • 宝石販売会社が販売する目的で「高額な宝石」を購入した場合などであっても、

その金額や購入物の種類に関係なく、すべて「仕入取引」となります。

 

2、「仕入取引」に「対応する勘定科目」

「仕入取引」に対しては、どのようなものを購入した場合であっても、

「現金出納帳」「振替伝票」に入力される「勘定科目」は「仕入高」となります。

 

複数カテゴリーの仕入取引につきまして

上記のように、「仕入取引」につきましては、すべて仕入高」という勘定科目により取引内容が表現されることから、
会計帳簿に「勘定科目」を入力したのみでは、会計帳簿上「仕入取引」をそれ以上詳細に表示することはできません

例えば、「Aというカテゴリーの商品」と「Bというカテゴリーの商品」を販売しているような場合で、
「Aというカテゴリー商品を購入した場合」「Bというカテゴリー商品を購入した場合」であっても、ともに仕入取引」であることから、会計帳簿(現金出納帳、振替伝票)への入力には、「仕入高」という「勘定科目」を入力することになります。
(このため、上記の「購買取引」は、会計帳簿上すべて「仕入取引」として表現され、「Aカテゴリー商品の仕入取引であるか」「Bカテゴリー商品の仕入取引であるか」は、会計帳簿上区分表示されません。)

仮に会計帳簿上で「Aカテゴリー商品の仕入取引」と「Bカテゴリー商品の仕入取引」を区分把握したい場合には、「補助科目を付ける等により対処することが必要となります。

 

3、会計帳簿への「勘定科目」の選択入力例

1)「現金出納帳」への選択入力例

「仕入取引」を『「現金出納帳」の「相手勘定科目」』に入力する場合には、以下のものとなります。

仕入取引の現金出納帳への勘定科目入力

2)「振替伝票」への選択入力例

「仕入取引」を『「振替伝票」の「借方(左側)勘定科目」』に入力する場合には、以下のものとなります。

仕入取引の振替伝票への勘定科目入力

 

 

Ⅳ:「経費取引」と「対応する勘定科目」

以下におきましては、「経費取引内容」をご説明するとともに、この「経費取引」に対しては、「どのような勘定科目選択入力するか」につきまして、ご紹介させて頂きます。

 

1、経費取引

経費取引」には、上記Ⅱでご紹介させて頂きましたように、

  • 「取得価額が10万円未満物品」を購入する取引
  • サービスの提供」を受ける取引(サービス購入取引)

があります。

このため、「経費取引」につきましては、

  • 物品を購入する場合の経費取引
  • サービスの提供を受ける場合の経費取引

に分けて、「それぞれの取引に対応する勘定科目」をご紹介させて頂きます。

また、「経費取引」につきましては、「仕入取引」とは異なり、
上記の各取引に対して「複数の勘定科目」が「簿記ルールにより用意されていることから、
それぞれの取引をより詳細に細分化して把握することが必要となります。

以下におきまして、「経費取引の内容」と「その取引内容に対応する勘定科目」をご説明させて頂きます。

 

2、「物品購入の場合の経費取引」と「それに対応する勘定科目」

「会社で使用・利用する物品」につきましては、本来的な会計のルールにおきましては、使用・利用することにより費用」としなければならないことから、
・本来的には、購入時において一旦「固定資産購入取引」として会計帳簿に計上し、
・その後「使用・利用に伴って段階的に会社の費用減価償却)」としなければならないものとなります。

ただし、取得価額が10万円未満である場合には、その金額が少額であることから、
税務上購入時に「物品の取得価額全額」を会社の費用として計上することができます。

このため、

「物品の購入取引」のうち、取得価額が10万円未満である場合には、

「固定資産購入取引」とはせず、「経費取引」として取り扱うことができます。

 

「簿記ルール」で定められている「勘定科目」

簿記」という「会計帳簿入力ルール」では、「経費取引とできる物品購入取引」に対しては、「①消耗品費 ②事務用品費 ③新聞図書費」という3つの勘定科目が用意されています。

会社が「経費取引として計上することができる10万円未満の物品購入」を行った場合には、この物品購入に適合する「勘定科目」を以下のものから選択し、「現金出納帳」や「振替伝票」に入力することが必要となります。

 

【簿記ルールで用意されている勘定科目】

①消耗品費 10万円未満の「消耗品」「器具・備品」等の有形物や「ソフトウェア」等の無形物を購入した場合に使用する勘定科目
②事務用品費 10万円未満の「文具・事務用消耗品」「事務用機器」等の有形物や「事務用ソフトウェア」等の無形物を購入した場合に使用する勘定科目
③新聞図書費 10万円未満の「新聞」「書籍等(業務に必要な書籍・雑誌等、地図、資料等)」を購入した場合に使用する勘定科目

簿記ルールでは、「購入した物品」を使用する用途別に表現するために、上記「①~③の勘定科目」が用意されています。

ただし②③につきましては、本来的には「消耗品費」に含まれるものである「事務用品費」「新聞図書費」を、敢えて区分表示する場合に用意された勘定科目となります。
このため、②③を敢えて区分表示する必要性が乏しい場合には、すべて「①消耗品費」という勘定科目により表現することも可能です。

 

会計帳簿への「勘定科目」の選択入力例

1)「現金出納帳」への選択入力例

「経費取引のうち物品を購入した場合」に『「現金出納帳」の「相手勘定科目」』に入力する場合には、以下のものとなります。(以下は「消耗品費」を計上する場合のものです。)
経費取引(消耗品費)の現金出納帳への勘定科目入力

2)「振替伝票」への選択入力例

「経費取引のうち物品を購入した場合」に『「振替伝票」の「借方(左側)勘定科目」』に入力する場合には、以下のものとなります。(以下は「事務用品費」を計上する場合のものです。)
経費取引の振替伝票への勘定科目(事務用品費)入力

 

3、「サービス購入の場合の経費取引」と「それに対応する勘定科目」

サービスの提供を受けた場合には、そのサービスの提供を受けることとなった目的・理由等に応じて、「経費取引」をより詳細に細分化して把握することが必要となります。

「サービス購入の場合」の「経費取引」には、以下のような取引があります。

  • 会社内部者への「福利厚生」「採用教育」を行うために、会社外部者からサービス提供を受ける取引
  • 会社業務の一部」「作業」等を会社外部者に委託し委託サービス提供を受ける取引
  • 販売活動面で会社外部者からサービス提供を受ける取引
  • 管理業務等の業務全般で会社外部者からサービス提供を受ける取引
  • 会社外部者から賃貸サービスの提供を受ける取引

 

「簿記ルール」で定められている「勘定科目」

上記の取引に対して、「簿記」という「会計帳簿作成ルール」においては、以下のような「勘定科目」が用意されています。

会社が「サービス提供を受ける経費取引」を行った場合には、このサービス購入取引に適合する「勘定科目」を以下のものから選択し、「現金出納帳」や「振替伝票」に入力することが必要となります。

 

【簿記ルールで用意されている勘定科目】

会社内部者への「福利厚生」「採用・教育」を行うために、会社外部者からサービス提供を受ける取引
福利厚生費 職場環境の整備・改善等のため「従業員・役員に対して平等に実施される福利厚生施策等」に対して、会社が費用を支払うような場合に使用する勘定科目
採用教育費 社員の採用」のため、「社員の教育・研修等」のために、会社が費用を支払うような場合に使用する勘定科目
「会社業務の一部」「作業」等を会社外部者に委託し、委託サービス提供を受ける取引
外注費 業務委託契約」等を締結して、「会社業務の主要な部分」を他の会社や個人事業者に委託し、「報酬」等を支払うような場合に使用する勘定科目
販売手数料 自社商品を販売する「販売代理店」や「販売仲介業者」等の外部者に対して、「販売委託契約」等に基づいて「売上に対して直接比例する形(一定の率)」等で「報酬」「手数料」等を支払うような場合に使用する勘定科目
販売促進費 自社商品を販売する「販売代理店」や「販売仲介業者」等の外部者に対して、「販売委託契約」等に基づいて、「販売奨励金※1や「売上リベート※2等を支払うような場合に使用される勘定科目
※1:売上に対する貢献度、成長度合等に応じて計算され支払われるもの
※2:一定以上の売上実績があったような場合に支払われるもの
支払手数料 ・「販売業務主要業務以外業務の一部」や「作業」を他の法人会社等)に委託し、「報酬」「業務手数料」等を支払うような場合
・「会社外部のシステムサービス」等を利用し、「利用手数料」等を支払うような場合に使用する勘定科目
支払報酬 販売業務主要業務以外業務の一部」や「作業」を個人事業者個人事務所個人等の法人以外の外部者に委託し、「報酬」「業務手数料」等を支払うような場合に使用する勘定科目
販売活動面で会社外部者からサービス提供を受ける取引
荷造運賃 販売した商品」を顧客等に発送する業務のために、会社が費用を支払うような場合に使用する勘定科目
広告宣伝費  「不特定多数の者」に対して、宣伝広告を行うために、会社が費用を支払うような場合に使用する勘定科目
管理業務等の業務全般面で会社外部者からサービス提供を受ける取引
交際費  「得意先・仕入先・その他事業に関係する者」等に対して、接待饗応慰安贈答それらに類似する行為のため、会社が費用を支払うような場合に使用する勘定科目
会議費  会社の業務に関連して、「社内で行う会議・打合せ」等のため、「社外関係者と行う商談・会議・打合せ」等のため、会社が費用を支払うような場合に使用する勘定科目
旅費交通費  業務に利用した電車バスタクシー等の「交通費」や出張等に伴う「宿泊費」等を支払うような場合に使用する勘定科目
通信費  「電話代金」「郵便葉書切手代金」「インターネット回線使用料」等、「通信を行うため」に会社が費用を支払うような場合に使用する勘定科目
修繕費  所有する固定資産の「機能維持・管理のための保守整備部品交換等を行う」ため、「故障等があった場合にその機能回復のための修理部品交換等を行う」ために、会社が費用を支払うような場合に使用する勘定科目
水道光熱費  「水道料金」「電気料金」「ガス料金」「燃料代金」等を支払うような場合に使用する勘定科目。
諸会費  会社が所属する団体(地域団体、職業団体、互助組合)に対して、「会費」等を支払うような場合に使用する勘定科目
車両費 ・会社が「車両運搬具」を購入する場合に、「費用となる購入付随費用」を支払うような場合
・会社が「車両運搬具」を所有している場合に、「燃料代」等を支払うような場合に使用する勘定科目
保険料 「会社費用として認められる生命保険料」「火災保険料」「損害保険料」「セーフティ共済掛金」等の「保険料」を支払うような場合に使用する勘定科目
会社外部者から賃貸サービス提供を受ける取引
地代家賃 継続的に賃貸している「土地・建物等の不動産」に対して、「地代駐車場賃貸料家賃」等を支払うような場合に使用する勘定科目
賃貸料 ・「会場使用料」等の臨時的一時的な「不動産の賃貸料」等を支払うような場合
・「車両運搬具」「機器・器具・備品」等の「動産の賃貸料」や「ソフトウェアの賃貸料」等を支払うような場合に使用する勘定科目
リース料 リース会社との間で「車両運搬具」「機器・器具・備品」等の動産に関する「リース契約」を締結し、「リース料」等を支払うような場合に使用する勘定科目
経費取引に対する勘定科目の詳細

「経費取引に対する勘定科目」についてのより具体的な内容の例示につきましては、⇒支出に対する勘定科目(購買取引)をご覧下さい。

 

会計帳簿への「勘定科目」の選択入力例

1)「現金出納帳」への選択入力例

「経費取引のうちサービスの提供を受けた場合」に『「現金出納帳」の「相手勘定科目」』に入力する場合には、以下のものとなります。(以下は「支払手数料」を計上する場合のものです。)
経費取引(支払手数料)の現金出納帳への勘定科目入力

2)「振替伝票」への選択入力例

「経費取引のうちサービスの提供を受けた場合」に『「振替伝票」の「借方(左側)勘定科目」』に入力する場合には、以下のものとなります。(以下は「地代家賃」を計上する場合のものです。)
経費取引の振替伝票への勘定科目(地代家賃)入力

 

 

Ⅴ:「固定資産購入取引」と「対応する勘定科目」

1、固定資産購入取引

「会社で使用・利用する物品」につきましては、本来的な会計のルールにおきましては、使用・利用することにより費用」としなければならないことから、
・本来的には、購入時において一旦「固定資産購入取引」として会計帳簿に計上し、
・その後「使用・利用に伴って段階的に会社の費用減価償却)」としなければならないものとなります。

この点、取得価額が10万円以上である場合には、
税務上でも、購入時会社の費用として計上することが認められておらず
「本来的な会計帳簿への入力方法」に従って、購入時に「固定資産」として会計帳簿に計上することが必要となります。

 

このため、「固定資産購入取引」は、上記Ⅱでご紹介させて頂きましたように、

「物品の購入取引」のうち、取得価額10万円以上である場合には、

「経費取引」とはせず、「固定資産購入取引」として取り扱うことが必要となります。

また、「固定資産購入取引」につきましては、「仕入取引」とは異なり、取引を会計帳簿に入力する場合により詳細に取引を細分化して入力することが必要となります。

以下におきまして、「固定資産購入取引の内容」と「その取引内容に対応する勘定科目」をご説明させて頂きます。

 

2、「固定資産購入取引」に「対応する勘定科目」

簿記」という「会計帳簿入力ルール」では、「固定資産購入取引」に対して「購入した固定資産の種類」を表現するために、以下のような「勘定科目」が用意されています。

会社が「固定資産購入取引としなければならない10万円以上の物品購入」を行った場合には、この物品購入に適合する「勘定科目」を以下のものから選択し、「現金出納帳」や「振替伝票」に入力することが必要となります。

 

【簿記ルールで用意されている勘定科目】

建物 土地に定着して建設され、屋根・囲壁を有した本社・営業所」「事務所」「店舗」「工場」「倉庫」等の「建築物(10万円以上)」を取得する場合に使用する勘定科目
附属設備  「電気設備」「ガス設備」「給排水設備」「冷暖房設備」「照明設備」「通風設備」「昇降機エレベーター)」「自動ドア設備」「間仕切り」等の「建物に附属する設備(10万円以上)」を取得する場合に使用する勘定科目
構築物  「」「路面舗装」「花壇」「庭園」「緑化設備」「立木」「用水池」「街路灯」「広告看板」「広告塔」「街路灯」「焼却炉」「煙突」「岸壁」「」等の『土地の上固定した「建物以外の建造物」(10万円以上)』を取得する場合に使用する勘定科目
機械装置  ・製造業における「製造設備」「出荷設備
・小売業における「出荷設備
・建設業における「ブルドーザー」「パワーショベル」等の「作業用機械設備」など
大規模な機械設備(10万円以上)」を取得する場合に使用する勘定科目
車両運搬具  「自動車」「トラック」「ダンプカー」「バス」「オートバイ」「自転車」「フォークリフト」「台車」等の「車両運搬具(10万円以上)」を取得する場合に使用する勘定科目
工具器具備品  10万円以上の「器具・備品類」「機器類」「広告のための器具・備品類」「運搬のための器具・備品類」「工具類」等の有形物を取得する場合に使用する勘定科目
ソフトウェア 10万円以上の「ソフトウェア」等の無形物を取得する場合に使用する勘定科目

 

3、会計帳簿への「勘定科目」の選択入力例

1)「現金出納帳」への選択入力例

「固定資産購入取引」を『「現金出納帳」の「相手勘定科目」』に入力する場合には、以下のものとなります。
(以下は「工具器具備品」を計上する場合のものです。)
固定資産購入取引(工具器具備品)の現金出納帳への勘定科目入力

2)「振替伝票」への選択入力例

「固定資産購入取引」を『「振替伝票」の「借方(左側)勘定科目」』に入力する場合には、以下のものとなります。(以下は「建物」を計上する場合のものです。)
固定資産購入取引の振替伝票への勘定科目(建物)入力

 

 

税理士事務所・会計事務所からのPOINT

「購買取引」を会計帳簿に入力する場合に、最も重要であると考える入力項目は、
「相手勘定科目欄(現金出納帳入力時)」「借方(左側)勘定科目欄」への「勘定科目の入力であると考えます。

他方、この「勘定科目」の選択入力にあたっては、
簿記」という「会計帳簿入力ルール」で予め定められているものの中から選択して入力することが必要となることから、
その選択入力を行う場合には、
「簿記ルール」で予め「どのような勘定科目」が用意されているのか?を理解しておくことが必要となるために、少々厄介な入力となります。

ここでは、「勘定科目」入力に必要となる「勘定科目の理解」に、少しでも役立つようにと思い、当該記事を書かせて頂いております。

  • 勘定科目入力がなぜ必要となるのか?
  • どのような勘定科目を入力すればよいのか?など、

勘定科目の入力が分からない場合には、この記事をご一読して頂きますようお願い致します。

また、「購買取引に係る勘定科目に含まれるの具体例」等、より詳しい内容につきましては、
支出に対する勘定科目(購買取引)に記載させて頂いておりますので、
勘定科目入力に迷った場合には、上記リンクページも併せて、一読して頂きますようお願い致します。