「法人税法上で規定されている会計処理方法」を採用した場合における
『「労働保険料の支払取引」に係る「会計処理」及び「仕訳」』を、以下の事項に従い、ご紹介させて頂きます。
Ⅰ:労働保険の概要のご説明
「労働保険料の支払取引」に係る「会計処理」や「仕訳」を考える場合には、その前提として「労働保険に関する基礎知識」が必須となります。
ここでは、まず「労働保険料の支払取引」に係る「会計処理」や「仕訳」を行うために最低限度必要な「労働保険に関する概要」をご紹介させて頂きます。
1、労働保険料の計算期間
労働保険制度における「労働保険料の算定対象期間(計算基礎期間)」は、
「4月1日~3月31日」となります。 |
労働保険につきましては、上記の「保険期間」を計算単位として、各保険年度における労働保険料が計算されます。
2、労働保険料の申告・納付
労働保険料の申告
「上記1の労働保険料の算定対象期間」終了後の6月1日~7月10日の間に、「年度更新」という手続きにより、会社が労働保険料の計算を行い、ハローワーク(一部の業種では、ハローワークと労働基準監督署)に「労働保険年度更新申告書(労働保険概算・確定保険料/石綿健康被害救済法一般拠出金申告書)」を提出することにより、労働保険料の申告を行います。
労働保険の納付
上記1の「労働保険年度更新申告書」に基づいて計算された労働保険料を以下のいずれかによりハローワーク等に納付します。
- 原則は、「7月10日まで」に「一括納付(年1回納付)」します。
- 例外として、一定の場合(概算保険料が40万円)以上の場合には、最大3回(7月10日、10月31日、1月31日)に分けて分納することができます。
3、労働保険料の内容
上記2の「年度更新」で計算・納付される労働保険料は、以下のものとなります。
①『「確定した保険年度(確定年度)」における「確定保険料額」』と ②「翌保険年度(概算年度)」に係る「概算保険料額」 |
上記のように、「年度更新に基づいて支払う労働保険料」は、内容が異なる2種類の労働保険料を支払うことになります。
また、「年度更新により支払うこととなる労働保険」は、大半が「翌保険年度(概算年度)」に係る「概算保険料額」となります。
労働保険料の支払につきましては、上記のような特徴があるため、これに対する会計処理が複雑になります。
Ⅱ:「法人税法に基づく会計処理」のための取引区分
「労働保険料の支払時の会計処理」を法人税法に基づき適切に処理するためには、
まずその前提として、「労働保険料の支払取引」を以下のように2種類の観点から区分することが必要となります。
’ 区分1: 「概算保険料の支払」と「確定差額の支払」の観点からの区分 ’
まず、上記Ⅰの3でご紹介させて頂きましたように、「労働保険料の支払」には、
- 『翌保険年度に係る「概算保険料」の支払』と
- 『確定年度に係る「確定保険料」と「概算保険料」との差額である「確定差額」の支払(又は充当)』
という「2種類の異なる内容の支払」が混在していることから、
「概算保険料の支払」と「確定年度に係る確定差額の支払(又は充当)」とを区分して、それぞれに対して異なる会計処理を行うことが必要となります。 |
’ 区分2: 「会社負担分の労働保険料」と「従業員負担分の雇用保険料」の観点からの区分 ’
更に、「年度更新」に基づいて支払われる「労働保険料」には、
- 「会社負担分の労働保険料」と
- 「従業員負担分の雇用保険料」が混在していることから、
⇒「会社負担分の労働保険料」と「従業員負担分の雇用保険料」とを区分して、それぞれに対して異なる会計処理を行うことが必要となります。 |
以下では、上記の区分処理を念頭に、
- 「概算保険料」の支払時における「会計処理」及び「その仕訳」
- 「確定保険料」と「前年度において支払済の概算保険料」との差額である「確定差額」の支払時又は充当時における「会計処理」及び「その仕訳」
を具体的にご紹介させて頂きます。
Ⅲ:『「概算保険料」の支払』に係る「会計処理」と「仕訳」
ここでは、「概算保険料の支払」に係る「会計処理」及び「仕訳」をご紹介させて頂きます。
※ なお、「概算保険料の支払」に係る「会計処理」及び「仕訳」につきましては、
別途『「概算保険料の支払取引」の「法人税法上の会計処理・仕訳」』におきまして、その詳細をご説明させて頂いておりますので、必要に応じて、当該リンク先記事もご覧いただきますようお願い致します。
1、会計処理
「年度更新」に基づく「概算保険料の支払」には、
「会社負担分の概算(労働)保険料の支払」と「従業員負担分の概算(雇用)保険料の支払」があります。
この「会社負担分の概算保険料の支払」と「従業員負担分の概算保険料の支払」は、その保険料の負担者が異なることから、
「会計処理」を行う場合には、それぞれ異なる取引であると考えて処理することが必要となります。
『「会社負担分の概算保険料」の支払取引』に対する「会計処理」
この点、
「会社負担分」の保険者への支払は、
会社が「自らの労働保険に係る費用」を保険者に支払った取引であるため、
「法定福利費」という「会社費用」が発生したとして処理することが必要となります。 |
『「従業員負担分の概算保険料」の支払取引』に対する「会計処理」
他方、
「従業員負担分」の保険者への支払は、
会社が従業員に代わって「従業員負担分の雇用保険料」を保険者に立替払いした取引であるため、
『従業員に対する「立替請求権」』である「立替金」という「資産」が発生したとして処理することが必要となります。 |
2、仕訳
上記1の取引内容を仕訳で表現すると『「概算保険料の支払」に係る仕訳』は、以下のようなものとなります。
【借方】勘定 | 補助科目 | 金額 | 【貸方】勘定 | 補助科目 | 金額 |
立替金 | 従業員分労働保険料 | xxxxx円 | 現金 又は 普通預金(当座預金) |
xxxxx円 | |
法定福利費 | 労働保険料支払額 | xxxxx円 |
3、仕訳における各勘定科目の金額
1)立替金の金額
上記2の「仕訳」における「立替金の金額」は、
「概算保険料」に含まれる「従業員負担分の雇用保険料の金額」となりますが、 |
この金額は、「労働保険料の年度更新申請書」に基づいて、会社独自で計算して算定することが必要となり、
『「年度更新申請書」の「概算保険料算定内訳」における「雇用保険料算定基礎額」』に「従業員負担分の雇用保険料率(3/1000又は4/1000)」を「乗じた金額」となります。 |
2)現金・預金の金額
上記2の「仕訳」における「現金・預金の金額」は、
会社が保険者に対して支払わなければならない「労働保険料の金額」となりますが、 |
この金額は、
「労働保険料の年度更新申請書」の「概算保険料算定内訳」における「概算保険料金額」となります。 |
3)法定福利費の金額
上記2の「仕訳」における「法定福利費の金額」は、
「概算保険料」に含まれる「会社負担分の労働保険料の金額」となりますが、 |
この金額は、
上記2)から上記1)を差引いた金額となります。 |
Ⅳ:『「確定差額」の支払・充当』に係る「会計処理」と「仕訳」
「年度更新」に基づく「労働保険料の支払」におきましては、
『前年度の年度更新で支払済の「概算保険料」』より『確定年度における「確定保険料」』の方が大きい場合には、 『「確定保険料」から「概算保険料」を差引いた「確定差額」』が追加納付され、 |
『前年度の年度更新で支払済の「概算保険料」』より『確定年度における「確定保険料」』の方が小さい場合には、 『「概算保険料」から「確定保険料」を差引いた「確定差額」』が、『翌保険年度に係る「概算保険料」の支払』に充当されます。 |
ここでは、この「確定差額の追加支払・充当」に係る「会計処理」及び「仕訳」につき、
- 確定差額を追加支払する場合と
- 確定差額を充当する場合に分けて以下ご紹介させて頂きます。
1、「確定差額」を追加支払する場合
ここでは、「確定差額の支払」に係る「会計処理」及び「仕訳」をご紹介させて頂きます。
※ なお「確定差額の支払」に係る「会計処理」及び「仕訳」につきましては、
別途『「確定差額の支払取引」の「法人税法上の会計処理・仕訳」』におきまして、その詳細をご説明させて頂いておりますので、必要に応じて、当該リンク先記事もご覧いただきますようお願い致します。
1)会計処理
『「確定差額」を追加支払した場合』の「確定差額の支払」には、「会社負担分の確定差額の支払」と「従業員負担分の確定差額の支払」が含まれます。
この「会社負担分の確定差額の支払」と「従業員負担分の確定差額の支払」は、その保険料の負担者が異なることから、
「会計処理」を行う場合には、それぞれ異なる取引であると考え処理することが必要となります。
『「会社負担分の確定差額」の支払取引』に対する「会計処理」
この点、
「会社負担分」の保険者への支払は、
『「前年度の年度更新」において支払った「概算保険料」』が「確定保険料」より少なかったことにより、 会社が「自らの労働保険に係る費用」を保険者に追加的に支払った取引であると考えることが必要となります。 |
このため、「当該負担部分の支払」に対しては、
「法定福利費」という「会社費用」が追加発生したとして会計処理を行うことが必要となります。 |
『「従業員負担分の確定差額」の支払取引』に対する「会計処理」
他方、
「従業員負担分」の保険者への支払は、
『「前年度の年度更新」において立替払いした「従業員負担分の概算(雇用)保険料」』が「従業員負担分の確定(雇用)保険料」より少なかったことにより、 会社が従業員に代わって「従業員負担分の雇用保険料」を保険者に追加的に立替払いした取引であると考えることが必要となります。 |
このため、「当該負担部分の支払」に対しては、
『従業員に対する「立替請求権」』である「立替金」という「資産」が追加発生したとして会計処理を行うことが必要となります。 |
2)仕訳
上記1)の取引内容を仕訳で表現すると、『「確定差額」の支払』に対する「仕訳」は、以下のようなものとなります。
【借方】勘定 | 補助科目 | 金額 | 【貸方】勘定 | 補助科目 | 金額 |
立替金 | 従業員分労働保険料 | xxxxx円 | 現金 又は 普通預金(当座預金) |
xxxxx円 | |
法定福利費 | 労働保険料支払額 | xxxxx円 |
3)仕訳における各勘定科目の金額
① 立替金の金額
上記2)の「仕訳」における「立替金の金額」は、
「確定差額」に含まれる『従業員負担分の「雇用保険料」』となりますが、 |
この金額は、「前年度の労働保険料の年度更新申請書」及び「当年度の労働保険料の年度更新申請書」に基づいて、会社独自で計算して算定することが必要となり、
差引いた金額となります。 |
具体的には、
差引いた金額となります。 |
② 現金・預金の金額
上記2)の「仕訳」における「現金・預金の金額」は、
会社が保険者に対して追加支払しなければならない「確定差額の金額」となりますが、 |
この金額は、『当年度の「年度更新申請書」』に基づいて、会社独自で計算して算定することが必要となり、
差引いた金額となります。 |
③ 法定福利費の金額
上記2)の「仕訳」における「法定福利費の金額」は、
「確定差額」に含まれる『会社負担分の「確定差額」』となりますが、 |
この金額は、
「上記②の金額」から「上記①の金額」を「差引いた金額」となります。 |
2、「確定差額」を「概算保険料」に充当する場合
ここでは、「確定差額の充当」に係る「会計処理」及び「仕訳」をご紹介させて頂きます。
※ なお「確定差額の充当」に係る「会計処理」及び「仕訳」につきましては、
別途『「確定差額の充当取引」の「法人税法上の会計処理・仕訳」』におきまして、その詳細をご説明させて頂いておりますので、必要に応じて、当該リンク先記事もご覧いただきますようお願い致します。
1)会計処理
『「確定差額」を「概算保険料」に充当する場合』における「確定差額の充当」には、「会社負担分の確定差額の充当」と「従業員負担分の確定差額の充当」が含まれます。
この「会社負担分の確定差額の充当」と「従業員負担分の確定差額の充当」は、その保険料の負担者が異なることから、
「会計処理」を行う場合には、それぞれ異なる取引であると考えて処理することが必要となります。
『「会社負担分の確定差額」の充当取引』に対する「会計処理」
この点、
「会社負担分」の「概算保険料への充当」は、
『「前年度の年度更新」において支払った「概算保険料」』が「確定保険料」よりも多かったことにより、 保険者から会社に『前年度の年度更新で支払った「自らの労働保険に係る費用」』が実質的に還付(返還)された取引であると考えることが必要となります。 |
このため、「当該負担部分の充当」に対しては、
「法定福利費」という「会社費用」が減少したとして会計処理を行うことが必要となります。 |
『「従業員負担分の確定差額」の充当取引』に対する「会計処理」
他方、
「従業員負担分」の「概算保険料への充当」は、
『「前年度の年度更新」において立替払いした「従業員負担分の概算(雇用)保険料」』が「従業員負担分の確定(雇用)保険料」よりも多かったことにより、 保険者から会社に対して従業員に代わって立替払いした「従業員負担分の雇用保険料」が実質的に還付(返還)された取引であると考えることが必要となります。 |
このため、「当該負担部分の充当」に対しては、
『従業員に対する「立替請求権」』である「立替金」という「資産」が減少したとして会計処理を行うことが必要となります。 |
2)仕訳
上記1)の取引内容を仕訳で表現すると、『「確定差額」の充当』に対する「仕訳」は、以下のようなものとなります。
【借方】勘定 | 補助科目 | 金額 | 【貸方】勘定 | 補助科目 | 金額 |
現金 又は 普通預金(当座預金) |
xxxxx円 | 立替金 | 従業員分労働保険料 | xxxxx円 | |
法定福利費 | 労働保険料支払額 | xxxxx円 |
3)仕訳における各勘定科目の金額
① 立替金の金額
上記2)の「仕訳」における「立替金の金額」は、
「確定差額」に含まれる『従業員負担分の「雇用保険料」』となりますが、 |
この金額は、「前年度の労働保険料の年度更新申請書」及び「当年度の労働保険料の年度更新申請書」に基づいて、会社独自で計算して算定することが必要となり、
差引いた金額となります。 |
具体的には、
差引いた金額となります。 |
② 現金・預金の金額
上記2)の「仕訳」における「現金・預金の金額」は、
会社が概算保険料に充当する「確定差額の金額」となりますが、 |
この金額は、『当年度の「年度更新申請書」』に基づいて、会社独自で計算して算定することが必要となり、
差引いた金額となります。 |
③ 法定福利費の金額
上記2)の「仕訳」における「法定福利費の金額」は、
「確定差額」に含まれる『会社負担分の「確定差額」』となりますが、 |
この金額は、
「上記②の金額」から「上記①の金額」を「差引いた金額」となります。 |
Ⅴ:確定保険年度に係る「立替金」と「預り金」の相殺処理
ここでは、【『確定保険期間に係る「立替金」』と『確定保険期間に係る「預り金」』の相殺】に対する「会計処理」及び「仕訳」をご紹介させて頂きます。
※ なお「当該相殺」に係る「会計処理」及び「仕訳」につきましては、
別途『確定保険年度に係る「立替金」と「預り金」の相殺処理』におきまして、その詳細をご説明させて頂いておりますので、必要に応じて、当該リンク先記事もご覧いただきますようお願い致します。
1、会計処理
「立替金」の計上
「労働保険の年度更新」により「労働保険料の支払」が行われると、
『「概算保険料の支払取引」及び「「確定差額の支払・充当取引」』により「立替金」が計上されますが、
この「立替金」につきましては、基本的に「労働保険の支払(労働保険料の年度更新)」が行われる都度計上され続けます。
「預り金」の計上
他方、「毎月の給与計算」において『従業員から「雇用保険料」の徴収』が行われると、
「給与・役員報酬の計上取引」により「預り金」が計上されますが、
この「預り金」につきましては、基本的に「毎月の給与計算(給与・役員報酬の計上取引)」が行われる都度計上され続けます。
「立替金」と「預り金」の相殺処理
上記の「立替金」と「預り金」は、消滅することなく、それぞれ別々の取引により計上され続けるために、
会社の会計帳簿には『会社が従業員に対して持つ「立替請求権(資産)」である「立替金」』と『会社が保険者に対して負う「(従業員負担分の)雇用保険料の支払義務(負債)」である「預り金」』が、両建てで膨らみ続けることになります。
このため(上記「両建て計上」を解消するため)、「労働保険料の支払時(労働保険の年度更新時)」には、『「立替金」と「預り金」を相殺処理する』ことが必要となります。
「労働保険料支払時(年度更新時)」における『確定保険期間に係る「立替金」と「預り金」の相殺処理』
この点「労働保険の年度更新」が行われると、
『確定保険期間に係る「立替金」』が「確定金額」に修正されるため、
・「確定保険期間」におきましては『「立替金」と「預り金」の金額』が一致し、 ・『確定保険期間に係る「(確定)立替金」』と『確定保険期間に係る「(確定)預り金」』を相殺することが可能となります。 |
このため、「労働保険料の支払取引(労働保険の年度更新)」では、
『確定保険期間に係る「(確定)立替金」』と『確定保険期間に係る「(確定)預り金」』を相殺する会計処理 |
すなわち、
・「会社資産」である『確定保険期間に係る「(確定)立替金」』を減少させ、 ・「会社負債」である『確定保険期間に係る「(確定)預り金」』を減少させる 会計処理を行うことが必要となります。 |
2、仕訳
上記1の内容に対する「仕訳」は、以下のようなものとなります。
【借方】勘定 | 補助科目 | 金額 | 【貸方】勘定 | 補助科目 | 金額 |
預り金 | 雇用保険料徴収額 | xxxxx円 | 立替金 | 従業員分労働保険料 | xxxxx円 |
3、仕訳における各勘定科目の金額
1) 立替金の金額
立替金の金額は、
「確定保険料」に含まれる「従業員負担分の雇用保険料の金額」となりますが、 |
この金額は、「当年度の労働保険料の年度更新申請書」に基づいて、会社独自で計算して算定することが必要となり、
『当年度の「年度更新申請書」の「確定保険料算定内訳」における「雇用保険料算定基礎額」』に「従業員負担分の雇用保険料率(3/1000又は4/1000)」を「乗じた金額」となります。 |
2)「預り金」の金額
「上記1)の金額」と同額となります。 |
Ⅵ:「仕訳」のまとめ
ここでは、上記Ⅲ~Ⅴでご紹介させて頂きました「仕訳」をまとめてとしてご紹介させて頂きます。
1、『「概算保険料」の支払取引』に対する「仕訳」
【借方】勘定 | 補助科目 | 金額 | 【貸方】勘定 | 補助科目 | 金額 |
立替金 | 従業員分労働保険料 | xxxxx円 | 現金 又は 普通預金(当座預金) |
xxxxx円 | |
法定福利費 | 労働保険料支払額 | xxxxx円 |
2、『「確定差額」の支払取引又は充当取引』に対する「仕訳」
1)『「確定差額」の支払取引』の場合
【借方】勘定 | 補助科目 | 金額※ | 【貸方】勘定 | 補助科目 | 金額※ |
立替金 | 従業員分労働保険料 | xxxxx円 | 現金 又は 普通預金(当座預金) |
xxxxx円 | |
法定福利費 | 労働保険料支払額 | xxxxx円 |
2)『「確定差額」の充当取引』の場合
【借方】勘定 | 補助科目 | 金額※ | 【貸方】勘定 | 補助科目 | 金額※ |
現金 又は 普通預金(当座預金) |
xxxxx円 | 立替金 | 従業員分労働保険料 | xxxxx円 | |
法定福利費 | 労働保険料支払額 | xxxxx円 |
3、『確定年度に係る「立替金」』と『確定年度に係る「預り金」』の相殺仕訳
【借方】勘定 | 補助科目 | 金額 | 【貸方】勘定 | 補助科目 | 金額 |
預り金 | 雇用保険料徴収額 | xxxxx円 | 立替金 | 従業員分労働保険料 | xxxxx円 |
税理士事務所・会計事務所からのPOINT
「労働保険料の支払額」につきましては、
- 「概算保険料の支払部分」と「確定保険料の支払部分」とがあり、
- また、「会社負担分の労働保険料」と「従業員負担分の雇用保険料」があることから、
「労働保険料の支払額」を「法人税法で規定された会計処理方法」で処理することは、非常に難しいものとなります。
また、「労働保険料の支払取引」に対して「仕訳」を行う場合には、
- 「それぞれの勘定科目の金額」を会社独自で計算することが必要となり、
この金額計算にあたっては、
- 『「労働保険料の支払制度」に対する適切な知識』及び『「労働保険料の年度更新申請書」に対する適切な知識』が必要となるため、
「法人税法で規定された会計処理方法」で処理することを、より難しいものとしているのではないか考えます。
労働保険料の金額が大きく、労働保険料の金額が会社決算に与える影響が大きいなどから、
『「労働保険料の支払」に係る「会計処理」』を「法人税法で規定された会計処理方法」によって処理することが必要となる場合には、
ここで記載させて頂きました「会計処理方法」や「仕訳」をご参考にして頂きますようお願い致します。