ここでは、弊会計事務所が配布させて頂いております『Excel「給与支給明細書&賃金台帳」』における『「給与支給明細書」シート』への入力方法を、以下の項目に従い、ご紹介させて頂きます。
なお、「給与支給明細書&賃金台帳」の配布先は、『Excel「給与支給明細書&賃金台帳」の配布』となります。
『「給与支給明細書」シート』への入力項目
『「給与支給明細書」シート』へは、以下の事項の入力が必要となります。
Ⅰ: 勤怠情報等の入力
Ⅱ: 「給与・役員報酬計算」結果の入力
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以下では、それぞれの入力項目の入力方法をご紹介させて頂きます。
Ⅰ:勤怠情報等の入力
従業員・役員等に対して給与・役員報酬の計算基礎となった「勤怠情報等」を知らせる目的で、
- 「給与計算対象期間」及び「その月の所定労働日数」
- 「その月の所定労働時間」
- 「その月に支給される時間外手当」等の計算基礎となった「時間外労働時間」
を「給与支給明細書」に入力します。
ただし、当該「勤怠情報等」につきましては、入力を行わなくても「賃金台帳」等への自動転記に不都合は生じません。
(よって、入力が不要となる場合には、入力を行わなくても問題はありません。)
1、給与計算対象期間、所定労働日数の入力
各月の「給与支給明細書」の「労働日数(給与計算対象期間)」欄に、
「給与計算対象期間」及び「その月の所定労働日数」を入力します。 |
’ 入力箇所 ’
「給与計算対象期間」及び「その月の所定労働日数」を1番目の方に入力すると、その入力により、2番目以降の方の入力箇所に自動転記されます。
なお、各役員・従業員ごとに当該入力を変更したり、修正することは可能です。
2、所定労働時間の入力
各月の「給与支給明細書」の「労働時間」欄に、
「その月の所定労働時間」を入力します。 |
3、時間外労働時間の入力
各月の「給与支給明細書」の「時間外等労働時間」欄に
給与・役員報酬の計算対象期間における「時間外手当」等の計算基礎となった「時間外労働時間」等を入力します。 |
Ⅱ:給与・役員報酬計算結果の入力
「給与支給明細書」におきましては、従業員・役員等に対して
・「給与手当」「役員報酬」として「支給する金額」を知らせるために、
「給与支給明細書」の「支給額」欄に、「基本給」「課税手当」「非課税手当」「支給控除」等の入力が必要となります。
・また、「給与・役員報酬計算」で控除した「控除金額」を知らせるために、
「給与支給明細書」の「控除額」欄に、「社会保険料控除額」「雇用保険料控除額」「源泉徴収所得税控除額」「特別徴収住民税控除額」等の入力が必要となります。
以下では、
- 1、支給項目・金額の「給与支給明細書」への入力方法
- 2、控除項目・金額の「給与支給明細書」への入力方法
をご紹介させて頂きます。
1、 支給項目・金額の入力
1) 役員報酬
役員報酬につきましては、
「給与支給明細書」の「基本給」欄に、「役員報酬の金額」を入力します。 |
2) 従業員給与
従業員給与につきましては、「給与支給明細書」の
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Point ! 支給項目・金額の留意点(「課税支給項目」と「非課税支給項目」の区分入力) 「支給項目・金額」を「給与支給明細書」に入力する場合には、 【区分入力の必要性】 従業員給与・役員報酬の計算を行う場合には、『「従業員・役員の給与・報酬」に対して課税される「源泉徴収所得税」』を控除することが必要となりますが、 この「源泉徴収所得税額」を算定するためには、「支給額」を
区別しておくことが必要となります。 この入力自体を誤ってしまうと、「従業員・役員の源泉徴収所得税金額」「従業員・役員の年間所得税金額」が誤って計算されてしまいますので、この区分入力につきましては、慎重に行っていただきますようお願い致します。 |
Point ! 支給項目・金額の留意点(「支給控除項目」の入力) 欠勤・遅刻・早退等に係る従業員給与を従業員計算上控除する場合には、「給与支給明細書」上、
欠勤・遅刻・早退等につきましては、欠勤した時間・遅刻した時間・早退した時間だけ、「労働がなされなかった」ことを意味し、これに対する控除は、「支給額の減額」として取り扱うことが必要となります。 このことを反映するため、『欠勤・遅刻・早退等の「従業員給与の支給額の減額」』に該当するものは、『「支給額」欄の「マイナス項目」として入力する』ことが必要となります。 |
’ 「支給項目の内容・金額」に係る計算方法 ’
各支給項目の内容・金額計算につきましては、別途 でご紹介させて頂いておりますので、必要な場合には一読頂ますようお願い致します。
2、 控除項目・金額の入力
『給与・役員報酬から「控除される項目」』につきましては、「給与支給明細書」の
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’ 「源泉徴収対象額」の自動計算・表示 ’
『従業員給与・役員報酬から控除される「源泉徴収所得税」』を計算するためには、「源泉徴収対象額(社会保険料等控除後の課税支給額)」を計算することが必要となりますが、
弊会計事務所が配布する「給与支給明細書&賃金台帳」では、この「源泉徴収対象額」が「給与支給明細書」の欄外()に自動集計され表示されます。
(なお、「源泉徴収対象額」は、「課税支給 小計」から「支給控除」「社会保険等 小計」を控除した金額となります。)
『「給与・役員報酬の計算」における「源泉所得税」の算定』にあたっては、当該「源泉徴収対象額」をご参照頂ますようお願い致します。
’ 控除項目の内容・金額計算方法 ’
① 健康保険料・介護保険料
健康保険料・介護保険料の控除金額計算につきましては、別途 でご紹介させて頂いておりますので、必要な場合には一読頂ますようお願い致します。
② 厚生年金保険料
厚生年金保険料の控除金額計算につきましては、別途 でご紹介させて頂いておりますので、必要な場合には一読頂ますようお願い致します。
③ 雇用保険料
雇用保険料の控除金額計算につきましては、別途 でご紹介させて頂いておりますので、必要な場合には一読頂ますようお願い致します。
④ 源泉徴収所得税
源泉徴収所得税の控除金額計算につきましては、別途 でご紹介させて頂いておりますので、必要な場合には一読頂ますようお願い致します。
⑤ 特別徴収住民税
特別徴収住民税の控除金額計算につきましては、別途 でご紹介させて頂いておりますので、必要な場合には一読頂ますようお願い致します。
Ⅲ:「特定月の給与・役員報酬計算」における注意喚起
役員報酬につきましては、「役員報酬の(実質的な)増額・減額変更期限となる月」が存在するため、
役員報酬を変更する場合には、当該変更期限月までに行わなければなりません。
また、「給与・役員報酬の各控除項目」につきましては、『その算定基礎となる「保険料率」や「計算基礎金額」等が「改定される月」』が存在するため、
『「改定月」の給与・役員報酬計算』にあたっては、「保険料率」等の改定の有無を確認することが必要となります。
このため弊事務所で配布させて頂く「給与支給明細書&賃金台帳」では、
『給与・役員報酬の計算を行うために注意が必要となる「特定月」』には、以下のように「給与支給明細書」に色付けを行う等の「注意喚起」を行っております。
1、「役員報酬の増額変更・減額変更制限月」に係る注意喚起
「役員報酬」につきましては、
「事業年度開始日から3カ月を超えて」役員報酬を決定・変更(増額変更・減額変更)した場合には、 「変更前の役員報酬」又は「変更後の役員報酬」の「全部又は一部」は「(税務上)会社の費用」としては認められないというペナルティーが課せられます。 |
このため、会計年度期間中における役員報酬金額の変更は、実質的に「事業年度開始日から3ヶ月以内」に行うことが必要となります。 |
このことについての注意喚起の観点から、弊事務所で配布させて頂く「給与支給明細書&賃金台帳」では、
「決算開始月から3ヶ月目にあたる月」の「シート名」に(役)という文字を付記するとともに、「シートの色」をピンク色にしております。 |
2、「社会保険料率(健康・介護保険料率)の改定月」に係る注意喚起
健康保険料・介護保険料につきましては、
- 毎年、『その算定基礎である「保険料率」』が改定される可能性があり、
- 改定がなされた場合には、「3月分の健康保険料・介護保険料」を算定する時から、「改定後の保険料率」を適用することが必要となります。
この「3月分の健康保険料・介護保険料」は、「4月に支払われる給与・役員報酬で控除(天引き)」されることになるため、
4月に支払われる給与・役員報酬計算では、
- 「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」の改定の有無を確認することが必要となり、
- 改定がなされた場合には「3月分からの健康保険・厚生年金保険料額表」に基づいて、「控除すべき健康保険料・介護保険料」を算定することが必要となります。
この「4月に支払われる給与・役員報酬」は、
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このことについての注意喚起の観点から、弊会計事務所で配布させて頂く「給与支給明細書&賃金台帳」では、
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3、「社会保険料率(厚生年金保険料料率)の改定月」に係る注意喚起
Point ! 厚生年金保険料率の改定終了 厚生年金保険料の改定は、H29年9月で改定が終了し、H30年9月以降の改定はなくなる予定です。 このため、H30年9月以降では、以下の確認は不要となる予定です。 |
※ ただし、平成29年9月までの従業員給与・役員報酬計算では、以下のように、厚生年金保険料の改定に留意することが必要となります。
厚生年金保険料につきましては、
- 毎年、『その算定基礎である「保険料率」』が改定される可能性があり、
- 改定がなされた場合には、「9月分の厚生年金保険料」を算定する時から、「改定後の保険料率」を適用することが必要となります。
この「9月分の厚生年金保険料」は、「10月に支払われる給与・役員報酬で控除(天引き)」されることになるため、
10月に支払われる給与・役員報酬計算では、
- 「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」の改定の有無を確認することが必要となり、
- 改定がなされた場合には「9月分からの健康保険・厚生年金保険料額表」に基づいて、「控除すべき厚生年金保険料」を算定することが必要となります。
この「10月に支払われる給与・役員報酬」は、
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このことについての注意喚起の観点から、弊事務所で配布させて頂く「給与支給明細書&賃金台帳」では、
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4、「標準報酬額の改定月(定時決定)」に係る注意喚起
社会保険料である「健康保険料・介護保険料」「厚生年金保険料」につきましては、
- 毎年、『その算定基礎となる「標準報酬」』が定時決定により改定されます。
- この『「定時決定」により改定された「標準報酬」』は、『9月分の「健康保険料・介護保険料」「厚生年金保険料」』を算定する時から適用することが必要となります。
この『9月分の「健康保険料・介護保険料」「厚生年金保険料」』は、「10月に支払われる給与・役員報酬で控除(天引き)」されることになるため、
10月に支払われる給与・役員報酬計算では、
年金事務所から送付される「健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書」に基づいて、「控除すべき健康保険料・介護保険料」「控除すべき厚生年金保険料」を計算することが必要となります。
この「10月に支払われる給与・役員報酬」は、
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このことについての注意喚起の観点から、弊事務所で配布させて頂く「給与支給明細書&賃金台帳」では、
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5、「雇用保険料の改定月」に係る注意喚起
雇用保険料につきましては、
- 『その算定基礎である「保険料率」』が改定される可能性があり、
- 改定がなされた場合には、「4月分の雇用保険料」を算定する時から、「改定後の保険料率」を適用することが必要となります。
この「4月分の雇用保険料」は、『「4月分の給与支給明細書(給与計算対象期間が4月)」で計算・控除される雇用保険料」となります。
このため4月分の給与計算を行う場合には、
- 「雇用保険料率」の改定の有無を確認することが必要となり、
- 改定がなされた場合には、『改定後の「従業員負担分の雇用保険料率」』によって、「控除すべき雇用保険料」を計算することが必要となります。
このことについての注意喚起の観点から、弊事務所で配布させて頂く「給与支給明細書&賃金台帳」では、
|
6、「源泉徴収所得税の改定月」に係る注意喚起
源泉徴収所得税につきましては、
毎年、1月に『源泉徴収所得税額を算定する際に用いる「源泉徴収税額表」』が改定されます。
この『改定された「源泉徴収税額表」』は、『「1月に支払われる給与・役員報酬」で「控除する源泉徴収所得税額」を計算する時』から適用することが必要となります。
このため「1月に支払われる給与・役員報酬計算」を行う場合には、
『改定された「源泉徴収税額表」』に基づいて、「控除すべき源泉徴収所得税額」を算定することが必要となります。
この「1月に支払われる給与・役員報酬」は、
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このことについての注意喚起の観点から、弊事務所で配布させて頂く「給与支給明細書&賃金台帳」では、
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7、「特別徴収住民税の改定月」に係る注意喚起
特別徴収住民税につきましては、毎年、5月末までに「特別徴収税額決定通知書」が従業員・役員が居住する市町村から送付されてきます。
この新たに送付される「特別徴収税額決定通知書」に記載されている住民税控除額は、「6月に支払われる給与・役員報酬」から控除を開始します。
この「6月に支払われる給与・役員報酬」は、
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このことについての注意喚起の観点から、弊事務所で配布させて頂く「給与支給明細書&賃金台帳」では、
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税理士事務所・会計事務所からのPOINT
ここでは、弊会計事務所が配布させて頂いております『Excel「給与支給明細書&賃金台帳」』における『「給与支給明細書」シート』への入力方法をご紹介させて頂いております。
弊会計事務所が配布する『Excel「給与支給明細書&賃金台帳」』をご利用の際には、当該入力方法を参考にして入力して頂きますようお願い致します。
また、当該ページは「給与支給明細書」の記入方法をご紹介させて頂いているページになるため、手書き等で「給与支給明細書」を作成されている会社様にもご参考にしていただけるのではないかと思っております。
勤怠情報等の入力Point
「勤怠情報等」につきましては、「上記Ⅰの冒頭」でも記載させて頂きましたが、「給与支給明細書」に記載がなくても、自動作成される「賃金台帳」等に影響を及ぼすものではないため、会社で必要となる範囲で入力して頂いて問題ないです。
支給額の入力Point
支給額の入力につきましては、「上記Ⅱ-1のPoint!」でも記載させて頂きましたように、「課税手当」と「非課税手当」の区分入力にご注意頂ますようお願い致します。
なお、「課税手当」と「非課税手当」の区分判断につきましては、「給与・役員報酬の計算」の領域に含まれる事項となりますので、別途上記Ⅱ-1に記載するリンクページをご覧頂きますようお願い致します。
控除額の入力Point
控除額の入力につきましては、各控除額の金額が算定できれば、「給与支給明細書」への入力自体は、難しいことはないと思いますが、
控除額につきましては、「各控除額の金額自体の算定」が大変難しいものとなります。
ただし、役員報酬・給与手当を支払う場合には、これらの知識の理解は必須となり、避けては通れないものとなりますので、
厄介なものとはなりますが、この機会に是非、上記Ⅱ-2で記載するリンクページ等を一読頂き、基本知識はご理解頂ますようお願い致します。