ここでは、給与計算で行う「特別徴収住民税の控除」に必要となる「住民税の特別徴収に関する基礎知識」を、以下の項目に従い、ご紹介させて頂きます。
Ⅰ:住民税の特別徴収の必要性
「従業員が会社から受ける給与」や「役員が会社から受ける役員報酬」に対しては住民税が課せられますが、
この従業員・役員個人に対して課せられる「住民税」につきましては、
従業員・役員個人が直接「税務署」に納付するのではなく、 給与・役員報酬が支給される都度「 (前暦年に係る)住民税の一部 」を会社が従業員・役員から徴収し、 |
このため、会社が従業員・役員に対して「給与・役員報酬」を支給する場合には、
原則、上記の「住民税の特別徴収制度」に基づき、 『「(市町村から送付される)個人住民税の特別徴収決定通知書」に記載されている「住民税の金額」』を |
◆ 「住民税の特別徴収制度」が設けられている理由 ◆
◆ 住民税に係る「特別徴収(原則)」と「普通徴収(例外)」 ◆
Ⅱ:「住民税の特別徴収制度」の流れ
上記Ⅰでご紹介させて頂きましたように
『「特別徴収」の対象となる「従業員・役員の給与計算」』におきましては、 「それらの方の給与・役員報酬」から「それらの方の個人住民税」を控除(天引き)することが必要となりますが、 |
この『 給与計算において控除しなければならない「住民税の金額」 』は、
「従業員・役員が居住する各市町村」で計算されることとなります。 |
このため、
「住民税の特別徴収制度」の下で、「会社が給与計算で住民税を控除したり」「徴収した住民税額を市町村に納付する」までには、以下のような「時間的な流れ」を持つことになります。
① 会社から各市町村へ「年末調整の結果」を報告する |
従いまして、ここでは、
- 下記1におきまして、『「住民税の特別徴収」を「時系列で見た場合の流れ」』をご紹介させて頂くとともに、
- 下記2におきまして、『「住民税の徴収年度」から見た「住民税の特別徴収の流れ」』をご紹介させて頂きます。
1、「時系列」で見た場合の「住民税の特別徴収の流れ」
「住民税の特別徴収」は、時系列で見ると以下の流れで行われます。
流れ ① : 会社から各市町村への「年末調整結果」の報告 流れ ② :「上記の報告」に基づく、市町村での「住民税計算」 流れ ③ :「上記の住民税計算結果」の「会社への通知」 流れ ④ :「上記の通知」に基づく、「住民税の徴収」(毎月の「給与・役員報酬計算」での徴収) 流れ ⑤ :「上記で徴収した住民税」の「各市町村への納付」 |
◆ 流れ ① : 会社から各市町村への「年末調整結果」の報告 ◆
会社の給与計算で控除する「住民税額の計算」自体は「従業員・役員が居住する市町村」で行われますが、
「市町村」で「住民税」を計算するためには、 「1月~12月(暦年)までの間に会社から従業員・役員に支給された「年間の給与額・役員報酬額」や 「各従業員・役員の各種所得控除額」などの 住民税を計算するための『「年間の給与所得・役員報酬所得」に関する情報 』が必要となります。 |
このため、会社では、
毎年「年末調整」が完了すると、「翌暦年度の1月末日まで」に、 『 年間の給与所得・役員報酬所得の情報である「年末調整の結果」』を「支払報告書」という書類により、 |
◆ 流れ ② :市町村での「住民税計算」 ◆
各市町村におきましては、翌暦年度の2月~5月にかけて、 上記①において『 会社から提出された「支払報告書」』に基づいて「給与所得者個人の年間住民税額」を計算します。 |
◆ 流れ ③ :「住民税の計算結果」の市町村から会社への通知 ◆
各市町村では、翌暦年度の5月末までに、 上記②で計算した「従業員・役員の個人住民税の金額」を「個人住民税の特別徴収決定通知書」により会社に通知します。 |
◆ 流れ ④ :給与計算における「個人住民税の控除(徴収)」 ◆
会社では、上記③で送付された「個人住民税の特別徴収決定通知書」』に基づいて、 ・「翌暦年度の6月から翌々暦年度の5月まで」の1年間にかけて、 ・毎月の「給与・役員報酬計算」で、「従業員・役員の個人住民税」を控除(徴収)します。 |
◆ 流れ ⑤ :「個人住民税」の各市町村への納付 ◆
会社では、上記④で「徴収した住民税額」を「徴収月の翌月10日まで」に各市町村に納付します。 (すなわち「翌暦年度の7月から翌々暦年度の6月まで」の1年間にかけて、各市町村に納付します。) |
2、「住民税の徴収年度」から見た「住民税の特別徴収」
「住民税の特別徴収の流れ」を時系列で見ると、「上記1のような流れ」になりますが、
「この流れ」を「住民税の徴収年度」から見た場合には、
「住民税の特別徴収」は、 『「前暦年度(前年1月~前年12月)の給与所得・役員報酬所得」に対する「従業員・役員の個人住民税」』を 各市町村から当暦年度の5月末日までに送付されてくる「個人住民税の特別徴収決定通知書」に基づき、 「当暦年度の6月」から「翌暦年度の5月」の1年間にかけて、 「当年度の7月10日まで」から「翌暦年度の6月10日まで」の1年間にかけて、 制度となります。 |
◆ 参考: 「住民税」は「1年遅れて徴収される」という理由 ◆
Ⅲ:「給与計算で控除する特別徴収住民税額」の性格
『 毎月の給与・役員報酬から控除する「特別徴収住民税」』は、上記Ⅱでご紹介させて頂きましたように、
- 「(従業員・役員が居住する)各市町村」によって、
- 既に確定した「前暦年度の給与所得・役員報酬所得」に基づいて「その金額」が決定されるため、
以下のような性格をもったものとなります。
1、「会社での計算は不要である」という性格
「特別徴収住民税額」は、常に「(従業員・役員が居住する)各市町村」によってその金額が決定(変更)されることから、
『 毎月の給与・役員報酬から控除しなければならない「特別徴収住民税額」』を会社で計算することはありません。 |
ただし、『「住民税額」の計算 』が「(従業員・役員が居住する)各市町村」で行われるものであるがゆえ、
上記Ⅱでご紹介させて頂きましたように、
「給与・役員報酬が従業員・役員に支給された時期」と「それに対する住民税の徴収・納付が行われる時期」には「タイムラグ」が生じることになり、
また、上記Ⅳでご紹介させて頂きますように、
『 会社の給与計算で「住民税」を控除する 』ためには、
その前提として『 市町村から「特別徴収税額決定通知書」が送付されている 』ことが必要となります。
2、「給与計算で控除する住民税額は、確定金額となる」という性格
各市町村から通知される「特別徴収住民税額」は、原則「確定金額」となります。 |
上記Ⅱでご紹介させて頂きましたように、
『 給与計算において控除する「特別徴収住民税額」』は、既に確定した「前暦年度の給与所得・役員報酬所得」に基づいて計算されたものであるために、
従業員・役員の前暦年度所得の修正申告等がなされない限り、変更されることはない「確定金額」となります。
3、「控除月の給与等支給額との関連性はない」という性格
『 毎月の給与・役員報酬支給額から控除される「特別徴収住民税額」』は、 「それが控除される月の給与・役員報酬の支給額」とは関連性がない金額となります。 |
上記Ⅱでご紹介させて頂きましたように、
● 「特別徴収住民税額」は、既に確定した「前暦年度の給与所得・役員報酬所得」に基づいて計算されたものであり、
● 『 毎月の給与・役員報酬支給額から控除される「特別徴収住民税額」』も、「上記で計算された年間住民税額を12等分した金額」となります。
このため、『 給与・役員報酬から控除される「特別徴収住民税額」』と『 その控除月に支給される給与・役員報酬の支給額」とは、関連のない金額となります。
Ⅳ:「特別徴収住民税」の控除方法
上記Ⅱでご紹介させて頂きましたように、
『「住民税の特別徴収」の対象となっている従業員・役員の「給与計算」』におきましては、 「その給与・役員報酬支給額」から「特別徴収住民税額」を控除(徴収)することが必要となりますが、 |
この『「給与計算」において「住民税」を控除する方法 』自体は、
「個人住民税の特別徴収税額決定通知書」に「記載されている月」において、 「個人住民税の特別徴収税額決定通知書」に「記載されている金額」を控除するだけの 非常に簡単なものとなります。 |
ただ、初めて「個人住民税の特別徴収税額決定通知書」をご覧になる場合には、
- そもそも、当該「決定通知書」の見方がわからない、
- また『 当該「決定通知書」に「記載されている月」』は、「給与等の支払月なのか?」「給与等の計算対象月なのか?」について悩まれることがあると思いますので、
ここでは、『 給与計算において実際に「特別徴収住民税」を控除するために必要となる以下3つの事項 』ご紹介させて頂きます。
- 「特別徴収住民税」を控除するための前提事項
- 「特別徴収住民税」の控除書類である「特別徴収住民税の決定通知書」の見方
- 「特別徴収住民税」を控除する時期
1、「特別徴収住民税額」を控除するための前提
『 毎月の給与計算におきまして、給与・役員報酬から控除する「個人住民税の控除額」』は、
どのような場合であれ「(各従業員・役員が居住する)各市町村」で計算されることから、
毎月の給与計算で「給与・役員報酬から特別徴収住民税を控除する」ためには、
従業員・役員が居住する市町村から「個人住民税の特別徴収税額決定通知書」が通知されていることが前提となり、 |
また、毎月の給与計算で「給与・役員報酬から特別徴収住民税を変更して控除する」場合にも、
従業員・役員が居住する市町村から「個人住民税の特別徴収税額変更通知書」が通知されていることが前提となります。 |
2、「個人住民税の特別徴収税額決定(変更)通知書」の見方
「特別徴収住民税」を「給与・役員報酬から控除する」ためには、上記1でご紹介させて頂きましたように、
「個人住民税の特別徴収税額決定(変更)通知書」の記載に基づいて行うことが必要となることから、
「特別徴収住民税」を「給与・役員報酬から適切に控除する」ためには、
「個人住民税の特別徴収税額決定(変更)通知書」の記載内容を理解しておくことが必要となります。 |
このため、ここでは、『「個人住民税の特別徴収税額決定(変更)通知書」に記載されている事項の内容 』をご紹介させて頂きます。
◆ 「特別徴収税額決定(変更)通知書」の記載事項 ◆
「個人住民税の特別徴収税額決定(変更)通知書」には、
下図①の記載部分に、 会社が各従業員・役員から控除しなければならない『 月別の「特別徴収住民税額」』が個人別に記載されており、
また、下図②の記載部分には、 会社が従業員・役員から控除しなければならない『 月別の「特別徴収住民税の合計額」』が記載されています。 |
◆ 『 給与計算における「住民税の控除」』で使用する箇所 ◆
従いまして、『 会社が「給与・役員報酬計算」で「特別徴収住民税額」を控除する 』場合には、
「上図①に記載された金額」を「上図①に記載された月」に控除することが必要となります。 |
留意 : 「6月分の特別徴収住民税額」につきまして
◆ 『 市町村に「住民税」を納付する場合 』に使用する箇所 ◆
また、会社が市町村へ「特別徴収住民税」を納付する場合には、「(その市町村に居住する)従業員・役員すべて住民税」を一括して納付することが必要となるため、
『 市町村へ「特別徴収住民税」を納付する 』場合には、
「上図②に記載された金額」を『「上図②に記載された月」の「翌月10日」』までに納付することが必要となります。 |
3、「特別徴収住民税額」を控除する時期
◆ 「特別徴収住民税」を「控除する月」 ◆
「特別徴収住民税額」は、上記2でもご紹介させて頂きましたように、
『「特別徴収税額決定(変更)通知書」に記載された月 』に控除することが必要となりますが、 |
この点、『「特別徴収税額決定(変更)通知書」に記載されている月 』とは、
- 「給与・役員報酬の計算対象月」を指しているのか?
- 「給与・役員報酬の支払月」を指しているのか?迷う方もいらっしゃると思いますが、
『「特別徴収税額決定(変更)通知書」に記載されている月 』とは、
「 給与・役員報酬の支払月 」を指しています。 |
このため、『「特別徴収住民税額」を給与・役員報酬計算で控除する 』場合には、
・『「特別徴収税額決定(変更)通知書」に記載されている金額 』を、 ・『「特別徴収税額決定(変更)通知書」に記載されている月に支払われる「給与・役員報酬支給額」』から控除することが必要となります。 |
例 示
・「特別徴収税額決定(変更)通知書」に記載されている「当該従業員の(月別)住民税控除額」が以下のようなものであり、
・「6月分」の「住民税控除額(10,900円)」を控除する場合には、
「6月に支払われる給与」から10,900円を控除することが必要となります。 (「6月支払分の給与計算」で10,900円を控除することが必要となります。) |
◆ 「特別徴収住民税」の「控除期間」 ◆
上記の結果、『「給与計算」における「特別徴収住民税の控除」』は、
毎月行われることになります。 |
Ⅴ:「退職者」に対する特別徴収住民税の控除
1、『「退職者」に係る「未徴収の特別徴収住民税」』に対する取扱い
上記のⅣでご紹介させて頂きましたように、
会社では「6月~翌年5月までの期間」にわたり「特別徴収住民税」を控除することになりますが、
「(住民税が特別徴収されている)従業員・役員」が上記の期間中に退職・退任した場合には、
「(退職月から5月までの)未徴収の住民税」をどのように取扱うか? |
すなわち、
・ 退職・退任時点で、「(退職月から5月までの)未徴収の住民税」を会社で一括控除するのか? ・ 退職・退任時点で、「(退職月から5月までの)未徴収の住民税」を会社で一括控除しなくて良いのか? |
が問題となります。
この点、『 従業員・役員が退職・退任した時点における「未徴収の住民税額」の取扱い 』は、
従業員・役員の退職・退任時期によりその取扱いが異なり、 |
「従業員・役員の退職・退任時期」が
『「退職・退任日以降の未徴収住民税」の取扱い方法 』が異なることとなります。 |
このため、ここでは、以下におきまして、
- 従業員・役員の退職・退任時期が、「当暦年度の6月~12月末まで」の場合と
- 従業員・役員の退職・退任時期が、「翌暦年度の1月~5月末まで」の場合とに分けて、
『「未徴収の住民税」の取扱い方法 』をご紹介させて頂きます。
1)当暦年度の6月~12月末までに退職した場合
従業員・役員が「当暦年度の6月~12月末までに退職・退任した」場合には、
『 その方に係る「未徴収の住民税額」の取扱い方法 』は、以下のいずれかの方法を選択して徴収することができます。
選択 ① :「未徴収の住民税」を一括徴収せずに、普通徴収に切り替える。 選択 ② :「退職者の申出」により、「未徴収の住民税」を一括徴収する。 選択 ③ :「転職先」で継続して特別徴収を行う。 |
◆ 選択① :「未徴収の住民税」を一括徴収せずに、普通徴収に切り替える方法 ◆
◆ 選択② :「退職者の申出」により、「未徴収の住民税」を一括徴収する方法 ◆
◆ 選択③ :「退職者の申出」により、「未徴収の住民税」を一括徴収する方法 ◆
2)翌暦年度1月1日以降に退職した場合
従業員・役員が「翌暦年度1月1日~5月末までに退職・退任した」場合には、
『「未徴収の住民税」に係る徴収方法 』を「特別徴収」から「普通徴収」に切り替えることはできず、 「(退職月から5月までの)未徴収の住民税全額」を「最後に支給される給与・役員報酬」等から一括徴収しなければなりません。 |
★ 従業員・役員が「翌暦年度1月1日~5月末までに退職・退任した」場合には、
・基本的に「上記の取扱い」のみとなり、
・「当暦年度の6月~12月末までに退職・退任した場合」のような「選択」はできませんので、ご注意下さい。
2、「特別徴収対象者の退職」に係る「市町村への届け出」
「住民税の特別徴収の対象となっている従業員・役員」が退職した場合には、
従業員・役員が「いつ退職したのか?」 『「(退職月から5月までの)未徴収住民税」に係る「取扱い」』として「どのような方法」を採用したか? 「退職者の特別徴収住民税」のうち「会社で徴収済みの金額はいくらあり、未徴収の金額はいくらあるか?」などの 『「退職者の特別徴収住民税」に関する情報 』を市町村に報告することが必要となります。 |
このため、「住民税の特別徴収の対象となっている従業員・役員」が退職した場合には、
会社から「(退職者が居住する)市町村」に対して「特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を提出することが必要となります。 |
Ⅵ:「途中入社者」に対する特別徴収住民税の控除
『「退職者に対する住民税の控除」の取扱い 』につきましては、上記Ⅴでご紹介させて頂きましたものとなりますが、
『「暦年度の途中で入社した者」に対する「住民税の取扱い」』につきましては、
どのように取扱うべきか?が問題となりますが、 |
この点、『中途入社者に対する「住民税の取扱い方法」』につきましては、
「 原則的な取扱い方法 」と「 例外的な取扱い方法 」があります。 |
このため、ここでは、
- 『 中途入社者に対する「住民税の控除」の原則的な取扱い方法 』と
- 『 中途入社者に対する「住民税の控除」の例外的な取扱い方法 』を
ご紹介させて頂きます。
1、『 中途入社者に対する「特別徴収住民税の控除」』の「原則的取扱い」
「給与・役員報酬から控除する特別徴収住民税額」は、
各市町村から会社に通知される「住民税特別徴収決定通知書」に基づいて控除されるものとなるため、 |
会社において『「住民税の特別徴収」が必要となる者 』は、 原則、市町村から通知される『「住民税特別徴収決定通知書」に記載がなされている者 』のみとなります。 |
この点、「暦年度における途中入社者」につきましては、
『 当該中途入社者に対しての「特別徴収住民税の控除」』は、原則、不要となります。 |
従いまして、「途中入社者」につきましては、
まず、『「自身の住民税」を「普通徴収」しているか否か 』を確認し、 |
「自身の住民税」を「普通徴収」していない場合(前職場で一括徴収済みである等の場合)には、
そもそも、当該「中途入社者の住民税」を「給与計算で控除すること」は不要となり、 |
また、「自身の住民税」を「普通徴収」している場合であっても、
当該「途中入社者」に『「住民税の特別徴収」への切り替えを行うか否か 』の確認を行い、 当該「中途入社者」から『「住民税の特別徴収」への切り替えは行わない 』という意思表示がなされた場合には、 当該「中途入社者の住民税」を「給与計算で控除すること」は不要となります。 |
2、『 中途入社者に対する「特別徴収住民税の控除」』の「例外的取扱い」
「暦年度における中途入社者」に対しましては、上記1でご紹介させて頂きましたように、
会社での「住民税の特別徴収」は原則不要となりますが、 |
中途入社者が住民税をその居住している市町村に自ら納付している場合(普通徴収されている場合)であり、 中途入社者から「普通徴収から特別徴収に切り替えてほしい」という申し出がある場合には、 例外的に会社で「住民税の特別徴収」を行うことが必要となります。 |
この場合には、
まず、会社から中途入社者の居住する市町村に対して「特別徴収への切替申請」を行い、 市町村から『 当該中途入社者に係る「特別徴収決定通知書」』が送付されてきた後、 毎月の給与計算において『「特別徴収決定通知書」に記載されている「特別徴収住民税額」』を控除することとなります。 |
なお、「普通徴収から特別徴収に切り替えできる住民税」は、
「納付期限が到来していない分」のみとなることから、 「納付期限がすでに到来している住民税」は、中途入社者が自ら市町村に納付する(普通徴収)ことが必要となり、 |
税理士事務所・会計事務所からのPOINT
ここでは、給与計算で行う「特別徴収住民税の控除」に必要となる「住民税の特別徴収に関する基礎知識」をご紹介させて頂いております。
「住民税の特別徴収」につきまして
「住民税の特別徴収金額」につきましては、常に「(従業員・役員が居住する)市町村」により計算されることから、
『 給与計算における「特別徴収住民税の控除」』自体は、
・本文Ⅳでご紹介させて頂きましたように、
『「住民税の特別徴収決定(変更)通知」に基づいて控除する 』のみで完了するため、とても簡単な作業になりますが、
他方、「住民税の特別徴収金額」が常に市町村により計算されることから、
・本文Ⅱでご紹介させて頂きましたように、
「住民税の特別徴収」は、『「給与・役員報酬の支給」から「住民税の徴収や納付」までに「時間的な流れ」』を持つものとなり、
・本文Ⅲでご紹介させて頂きましたように、
『 給与計算で控除される「住民税の特別徴収額」』は、「特有の性格」を持つものとなります。
従いまして、「給与計算」において「特別徴収住民税の控除」を行う場合には、
これらの「基礎的な事項」をしっかりと理解した上で行って頂ますようお願い致します。
「中途退職者」や「中途入社者」に対しての「住民税の特別徴収」につきまして
「住民税の特別徴収制度」におきましては、
『「中途退職者」や「中途入社者」等に対する「特別徴収住民税の控除方法」』に特有の取扱いが設けられています。
このため、会社において退職・入社等がある場合には、
本文Ⅴ、Ⅵでご紹介させて頂きました内容をご一読頂き、適切にご対応頂ますようお願い致します。