ここでは、「給与・役員報酬の計算」における「控除項目の1つ」である『「社会保険料の控除金額」の算定方法 』につき、以下の事項に従い、ご紹介させて頂きます。
Ⅰ:給与計算における「社会保険料の控除計算」の前提
給与計算において「社会保険料の控除額」を算定する場合には、まず、
- 「社会保険料の控除計算に必要な情報・資料」が準備されているか?
- 「従業員・役員の年齢」により、「どのような種類の社会保険料」を控除することが必要となるか?
を事前に準備・確認しておくことが必要となります。
このため、ここでは、「具体的な社会保険料の算定方法」をご紹介する前に、
まず上記『「社会保険料の控除計算」を行う前に必要となる準備・確認事項 』をご紹介させて頂きます。
1、「控除する社会保険料の算定」のために「準備する情報・資料」
『 給与計算で「控除する社会保険料の金額」の算定 』は、
各従業員・役員の「健康保険の標準報酬月額」「厚生年金保険の標準報酬月額」を把握し、 その「標準報酬月額」に対応する「社会保険料の控除額」を「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」で把握することにより行われます。 |
このため、『 給与計算において「控除する社会保険料」を算定する 』ためには、まず、
各従業員・役員の『「標準報酬月額」に関する情報 』と 「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」を準備することが必要となります。 |
なお、『 給与計算で「控除する社会保険料」』は、
「その給与計算で計算される給与・役員報酬が支払われる月」の「前月分の社会保険料」となることから、 |
給与計算時におきましては、
その給与計算で計算される「給与・役員報酬」がいつ支払われるものであるか?を把握し、
準備しておくことが必要となります。 |
2、「従業員・役員の年齢」と「控除する社会保険料の種類」の確認
給与計算におきましては、「従業員・役員の年齢」により「控除する社会保険料の種類」が異なることとなります。
このため、給与計算で「控除する社会保険料額」を算定する場合には、
事前に「従業員・役員の年齢」を把握し、 それぞれの従業員・役員から徴収すべき「社会保険料の種類」を把握しておくことが必要となります。 |
なお、「従業員・役員の年齢」より『 控除することが必要となる「社会保険料の種類」』は以下のようなものとなります。
年齢 | 給与計算時における「社会保険料控除」の要否 | ||
健康保険 | 介護年金保険 | 厚生年金保険 | |
39歳以下 | ○ | – | ○ |
40歳以上64歳以下 | ○ | ○ | ○ |
65歳以上69歳以下 | ○ | – | ○ |
70歳以上74歳以下 | ○ | – | – |
75歳以上 | – | – | – |
◯:給与計算時に社会保険料を控除することが必要となります。
Ⅱ:給与計算で「控除する社会保険料」を算定するための手順
上記Ⅰでご紹介させて頂きました準備・確認を踏まえ、
『 給与計算において「社会保険料の控除額」を算定する 』ためには、以下のStep1~Step3の手順を踏んで行って頂くことが必要となります。
◆ Step1: 『「従業員・役員の年齢」の把握 』と『「控除する社会保険料の種類」の把握 』 ◆
給与計算で「控除する社会保険料」を算定するためには、まず、
・「従業員・役員の年齢」を把握し、 ・給与計算において「控除することが必要となる社会保険料の種類」を把握します。 |
◆ Step2: 『「給与・役員報酬の支払月」の把握 』と『 情報・資料の準備 』 ◆
次に、
・「給与・役員報酬が支払われる月」を把握し、 ・『「その支払月」の「前月分の控除社会保険料計算」』に使用する「標準報酬月額」 |
◆ Step3: 「控除する社会保険料額」の算定 ◆
最後に、
上記Step2で準備した「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」から、 上記Step2で把握した「標準報酬月額」に対応する
を把握し、「給与・役員報酬から控除する社会保険料の金額」を算定します。 |
▶ 「控除する社会保険料額」の端数処理につきまして
「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」で表示されている「健康保険料額等」「厚生年金保険料額」は、『 十銭単位(少数1位)』で表示されていますが、
従業員・役員から徴収する社会保険料の金額は『「円」単位 』となることから、
「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」で表示されている金額の小数点以下を切捨て・切上げすることが必要となります。
この点、会社が給与計算において給与・役員報酬から従業員・役員負担分の社会保険料を天引きして徴収する場合には、
「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」で表示されている「小数点以下の金額」が、 「50銭以下の場合」には切捨て、「50銭を超える場合」には切上げて徴収します。 |
他方、会社が従業員・役員負担分の社会保険料を現金で徴収する場合には、
「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」で表示されている「小数点以下の金額」が、 「50銭未満の場合」には切捨て、「50銭以上の場合」には切上げて徴収します。 |
なお、端数処理につき、会社と従業員・役員との間に特約がある場合には、
上記に拘らず「特約で定められた方法」により徴収することになります。 |
Ⅲ:「社会保険料の控除額」の算定例示
ここでは、「具体的な例示」用いて『「給与計算で控除する社会保険料額」の算定方法 』を具体的にご紹介させて頂きます。
なお、
例示1 では『「令和2年10月に支払う給与・役員報酬から「控除する社会保険料額」の算定方法 』をご紹介させて頂き、
例示2 では『「令和3年4月に支払う給与・役員報酬から「控除する社会保険料額」の算定方法 』をご紹介させて頂きます。
例 示 1
令和2年10月に支払う従業員給与・役員報酬において、『 当該従業員給与・役員報酬から「控除する社会保険料の金額」』を算定する場合の例示を以下でご紹介致します。
設 例
当該例示における役員・従業員の「年齢」及び「標準報酬月額」は、以下のようなものであると仮定します。
脚 注
※ ④鈴木三郎さんにつきましては、令和2年7月に随時改定により「標準報酬月額」が改定されています。
⇒このため、この方につきましては、『「7月の随時改定」で改定された標準報酬月額 』が「9月分の社会保険料計算」でも使用されています。(当保険年度の定時決定適用外者)
※ ⑥斎藤五郎さんにつきましては、令和2年6月に入社し、入社時において「標準報酬月額」が決定されています。
⇒このため、この方につきましては『「6月の入社時決定」で決定された標準報酬月額 』が「9月分の社会保険料計算」でも使用されています。(当保険年度の定時決定適用外者)
Step1 :「従業員・役員の年齢」と「控除する社会保険料の種類」の把握
① 山 田 太 郎
山田太郎さんにつきましては、年齢が66歳であることから、
『 給与計算で「控除する社会保険料」』は、「介護保険第2号被保険者に該当しない場合の健康保険料」と「厚生年金保険料」となります。
② 佐 藤 一 郎
佐藤一郎さんにつきましては、年齢が61歳であることから、
『 給与計算で「控除する社会保険料」』は、「介護保険第2号被保険者に該当する場合の健康保険料」と「厚生年金保険料」となります。
③ 田 中 二 郎
田中二郎さんにつきましては、年齢が41歳であることから、
『 給与計算で「控除する社会保険料」』は、「介護保険第2号被保険者に該当する場合の健康保険料」と「厚生年金保険料」となります。
④ 鈴 木 三 郎
鈴木三郎さんにつきましては、年齢が35歳であることから、
『 給与計算で「控除する社会保険料」』は、「介護保険第2号被保険者に該当しない場合の健康保険料」と「厚生年金保険料」となります。
⑤ 山 本 四 郎
山本四郎さんにつきましては、年齢が72歳であることから、
『 給与計算で「控除する社会保険料」』は、「介護保険第2号被保険者に該当しない場合の健康保険料」のみとなります。
⑥ 斎 藤 五 郎
佐藤五郎さんにつきましては、年齢が25歳であることから、
『 給与計算で「控除する社会保険料」』は、「介護保険第2号被保険者に該当しない場合の健康保険料」と「厚生年金保険料」となります。
⑦ 加 藤 花 子
加藤花子さんにつきましては、年齢が38歳であることから、
『 給与計算で「控除する社会保険料」』は、「介護保険第2号被保険者に該当しない場合の健康保険料」と「厚生年金保険料」となります。
Step2: 『「給与・役員報酬の支払月」の把握』と『保険料額表の準備』
「令和2年10月に支払う従業員給与・役員報酬から控除する社会保険料の金額」は、「令和2年9月分の社会保険料」となるため、
を準備します。 |
なお、令和2年9月分の社会保険料を算定するための「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」は、
「令和2年9月分(10月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」となります。 |
Step3: 「控除する社会保険料額」の算定
① 山 田 太 郎 (66歳)
「健康保険料の標準報酬月額」は680,000円、「厚生年金保険料の標準報酬月額」は650,000円であるため、
・「給与・役員報酬から控除する健康保険料等の金額」は 33,558円 ・「給与・役員報酬から控除する厚生年金保険料の金額」は 59,475円となります。 |
② 佐 藤 一 郎 (61歳)
「健康保険料の標準報酬月額」は590,000円、「厚生年金保険料の標準報酬月額」は590,000円であるため、
・「給与・役員報酬から控除する健康保険料等の金額」は 34,397円 ・「給与・役員報酬から控除する厚生年金保険料の金額」は 53,985円となります。 |
③ 田 中 二 郎 (41歳)
「健康保険料の標準報酬月額」は320,000円、「厚生年金保険料の標準報酬月額」は320,000円であるため、
・「給与・役員報酬から控除する健康保険料等の金額」は 18,656円 ・「給与・役員報酬から控除する厚生年金保険料の金額」は 29,280円となります。 |
④ 鈴 木 三 郎 (35歳)
「健康保険料の標準報酬月額」は280,000円、「厚生年金保険料の標準報酬月額」は280,000円であるため、
・「給与・役員報酬から控除する健康保険料等の金額」は 13,818円 ・「給与・役員報酬から控除する厚生年金保険料の金額」は 25,620円となります。 |
⑤ 山 本 四 郎 (72歳)
「健康保険料の標準報酬月額」は180,000円であるため、
・「給与・役員報酬から控除する健康保険料等の金額」は 8,883円となります。 |
⑥ 斎 藤 五 郎 (25歳)
「健康保険料の標準報酬月額」は240,000円、「厚生年金保険料の標準報酬月額」は240,000円であるため、
・「給与・役員報酬から控除する健康保険料等の金額」は 11,844円 ・「給与・役員報酬から控除する厚生年金保険料の金額」は 21,960円となります。 |
⑦ 加 藤 花 子 (38歳)
「健康保険料の標準報酬月額」は68,000円、「厚生年金保険料の標準報酬月額」は88,000円であるため、
・「給与・役員報酬から控除する健康保険料等の金額」は 3,355.8円 ・「給与・役員報酬から控除する厚生年金保険料の金額」は 8,052円となります。 |
例 示 2
令和3年4月に支払う従業員給与・役員報酬において、『 当該従業員給与・役員報酬から「控除する社会保険料の金額」』を算定する場合の例示を以下でご紹介致します。
設 例
当該例示における役員・従業員の「年齢」及び「標準報酬月額」は、以下のようなものであると仮定します。
脚 注
※ ③田中次郎さんにつきましては、令和2年12月に随時改定により「標準報酬月額」が改定されています。
⇒このため、この方につきましては、『「12月の随時改定」で改定された標準報酬月額 』が「3月分の社会保険料計算」で使用されます。(「前保険年度の定時決定以降(令和2年9月分以降)」における随時改定)
※ ④鈴木三郎さんにつきましては、令和2年7月に随時改定により「標準報酬月額」が改定されています。
⇒このため、この方につきましては、『「7月の随時改定」で改定された標準報酬月額 』が「3月分の社会保険料計算」でも使用されます。(前保険年度の定時決定適用外者)
※ ⑥斎藤五郎さんにつきましては、令和2年6月に入社し、入社時において「標準報酬月額」が決定されています。
⇒このため、この方につきましては『「6月の入社時決定」で決定された標準報酬月額』が「3月分の社会保険料計算」でも使用されます。(前保険年度の定時決定適用外者)
Step1 :「従業員・役員の年齢」と「控除する社会保険料の種類」の把握
① 山 田 太 郎
山田太郎さんにつきましては、年齢が66歳であることから、
『 給与計算で「控除する社会保険料」』は、「介護保険第2号被保険者に該当しない場合の健康保険料」と「厚生年金保険料」となります。
② 佐 藤 一 郎
佐藤一郎さんにつきましては、年齢が61歳であることから、
『 給与計算で「控除する社会保険料」』は、「介護保険第2号被保険者に該当する場合の健康保険料」と「厚生年金保険料」となります。
③ 田 中 二 郎
田中二郎さんにつきましては、年齢が41歳であることから、
『 給与計算で「控除する社会保険料」』は、「介護保険第2号被保険者に該当する場合の健康保険料」と「厚生年金保険料」となります。
④ 鈴 木 三 郎
鈴木三郎さんにつきましては、年齢が35歳であることから、
『 給与計算で「控除する社会保険料」』は、「介護保険第2号被保険者に該当しない場合の健康保険料」と「厚生年金保険料」となります。
⑤ 山 本 四 郎
山本四郎さんにつきましては、年齢が72歳であることから、
『 給与計算で「控除する社会保険料」』は、「介護保険第2号被保険者に該当しない場合の健康保険料」のみとなります。
⑥ 斎 藤 五 郎
佐藤五郎さんにつきましては、年齢が25歳であることから、
『 給与計算で「控除する社会保険料」』は、「介護保険第2号被保険者に該当しない場合の健康保険料」と「厚生年金保険料」となります。
⑦ 加 藤 花 子
加藤花子さんにつきましては、年齢が38歳であることから、
『 給与計算で「控除する社会保険料」』は、「介護保険第2号被保険者に該当しない場合の健康保険料」と「厚生年金保険料」となります。
Step2: 『「給与・役員報酬の支払月」の把握』と『保険料額表の準備』
「令和3年4月に支払う従業員給与・役員報酬から控除する社会保険料の金額」は、「令和3年3月分の社会保険料」となるため、
を準備します。 |
なお、令和3年3月分の社会保険料を算定するための「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」は、
「令和3年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」となります。 |
Step3: 「控除する社会保険料額」の算定
① 山 田 太 郎 (66歳)
「健康保険料の標準報酬月額」は680,000円、「厚生年金保険料の標準報酬月額」は650,000円であるため、
・「給与・役員報酬から控除する健康保険料等の金額」は 33,456円 ・「給与・役員報酬から控除する厚生年金保険料の金額」は 59,475円となります。 |
② 佐 藤 一 郎 (61歳)
「健康保険料の標準報酬月額」は590,000円、「厚生年金保険料の標準報酬月額」は590,000円であるため、
・「給与・役員報酬から控除する健康保険料等の金額」は 34,338円 ・「給与・役員報酬から控除する厚生年金保険料の金額」は 53,985円となります。 |
③ 田 中 二 郎 (41歳)
「健康保険料の標準報酬月額」は360,000円、「厚生年金保険料の標準報酬月額」は360,000円であるため、
・「給与・役員報酬から控除する健康保険料等の金額」は 20,952円 ・「給与・役員報酬から控除する厚生年金保険料の金額」は 32,940円となります。 |
④ 鈴 木 三 郎 (35歳)
「健康保険料の標準報酬月額」は280,000円、「厚生年金保険料の標準報酬月額」は280,000円であるため、
・「給与・役員報酬から控除する健康保険料等の金額」は 13,776円 ・「給与・役員報酬から控除する厚生年金保険料の金額」は 25,620円となります。 |
⑤ 山 本 四 郎 (72歳)
「健康保険料の標準報酬月額」は180,000円であるため、
・「給与・役員報酬から控除する健康保険料等の金額」は 8,856円となります。 |
⑥ 斎 藤 五 郎 (25歳)
「健康保険料の標準報酬月額」は240,000円、「厚生年金保険料の標準報酬月額」は240,000円であるため、
・「給与・役員報酬から控除する健康保険料等の金額」は 11,808円 ・「給与・役員報酬から控除する厚生年金保険料の金額」は 21,960円となります。 |
⑦ 加 藤 花 子 (38歳)
「健康保険料の標準報酬月額」は68,000円、「厚生年金保険料の標準報酬月額」は88,000円であるため、
・「給与・役員報酬から控除する健康保険料等の金額」は 3,345.6円 ・「給与・役員報酬から控除する厚生年金保険料の金額」は 8,052円となります。 |
Ⅳ:『「控除社会保険料」の自動計算機 』のご紹介
上記Ⅱ・Ⅲでは、「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」を使用して『「控除社会保険料」を算定する方法 』をご紹介させて頂きましたが、
弊税理士事務所におきましては、
・「従業員・役員の年齢」 「控除社会保険料の金額」を自動で計算する「控除社会保険料の自動計算機」を作成しております。 |
従いまして、
・簡単に「控除社会保険料の金額」を算定したいと思われる場合や 『「「各保険年度の社会保険料控除額の自動計算機」へのリンク紹介 』というページでご紹介させて頂いております |
Ⅴ:「控除社会保険料額の管理表」のご紹介
◆ 「控除社会保険料の管理表」の作成の必要性 ◆
給与計算において「控除する社会保険料の金額」は、
・ 毎月の給与計算において「支給する給与・役員報酬の金額」とは別に、 この『「控除社会保険料額」の変遷過程や計算過程 』を従業員・役員ごとに管理することが必要となります。 |
また、「(「控除社会保険料額」を計算する基礎となる)標準報酬月額」につきましても、
・ 従業員・役員ごとに決定されるものであり、 この『「標準報酬月額」の変遷過程 』を従業員・役員ごとに管理することが必要となります。 |
このため、「社会保険料額」を給与計算において控除する場合には、
その前提として『「標準報酬月額や控除社会保険料額 の変遷過程」を直接管理することができる書類 』を作成しておくことが有用になると考えます。
◆ 『「控除社会保険料の管理表」へのリンク 』ご紹介 ◆
上記のように、
「標準報酬月額」や「控除社会保険料額」につきましては、 「その変遷過程を従業員・役員ごとに直接的に管理する書類」を作成しておくことが有用になると考えますので、 |
弊会計事務所におきましては、
『「個人別の標準報酬月額」や「個人別の控除社会保険料」』を「時系列で管理する」ことに重点をおいた 「控除社会保険料の管理表」を『「控除社会保険料の管理表」の配布 』というページにて配布しております。 |
従いまして、会社において『「標準報酬月額」や「控除社会保険料」を管理する書類 』を作成されていないような場合には、
『「上記のリンクページで配布しております管理表」の利用 』をご検討いただければと思います。
税理士事務所・会計事務所からのPOINT
ここでは、『 給与計算において「控除する社会保険料の金額」の算定方法 』につき、ご紹介させて頂いております。
「控除社会保険料額の算定方法」につきまして
給与計算において「控除する社会保険料の金額」を算定すること自体は、
上記のように比較的簡単に算定することができるため、是非この機会に算定方法をマスターして頂きますようお願い致します。
なお、給与計算において「社会保険料の控除額」を算定するためには、その前提として、
- 「社会保険料の控除計算」に関する基本的な理解
- 控除社会保険料額の算定基礎金額となる「標準報酬月額」に対する基本的な理解
- 控除社会保険料額を算定するために使用する「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」に対する基本的な理解
などが必要となりますが、
これら「基本的な事項」につきましては、
『「社会保険料の控除計算」独自の事項 』であることから、「社会保険料の計算」に慣れていない場合にはよくわからない点もあると考えます。
従いまして、上記の点につきわからないことがある等の場合には、これらにつきご紹介させて頂いております、
等のページも、是非わせてご一読頂ますようお願い致します。
「標準報酬月額」の改定や「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」の改定につきまして
「給与・役員報酬から控除する社会保険料の算定」につきましては、
・毎月の給与計算ごとに必要となるものではなく、
・一旦その金額が算定されれば、『 社会保険料額の算定基礎金額である「標準報酬月額」』や『 社会保険料額の算定基礎率である「保険料率」』が変更されない限り、その後使用し続けることができ、
この点で、実務上の事務処理の簡便化が図られております。
他方、
- 上記の「標準報酬月額」が「定時決定」により一斉に見直し決定された場合や
- 「健康保険料率等の改定」により「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」が改定された場合には、
会社に在籍する被保険者から控除する社会保険料額を一斉に見直し算定することが必要となります。
このため
- 「定時決定」による「標準報酬月額」の一斉見直がなされる「10月に支払われる給与・役員報酬の計算時」
- 「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」が改定される「4月に支払われる給与・役員報酬の計算時」には、
十分な時間的余裕をもって、「給与計算(社会保険料の控除計算)」を行って頂ますようお願い致します。