ここでは、『「ひとり親控除」及び「寡婦控除」』についての申告条件・申告上の注意点、扶養控除等申告書への記載方法などを、以下の事項に従い、ご紹介させて頂きます。
Ⅰ:「ひとり親」の定義と条件
所得税法で規定されている「ひとり親控除」を受けるためには、
「扶養控除等申告書を提出する本人」が「ひとり親」に該当することが必要となりますが、
「ひとり親」とは、以下の者をいいます。
|
◆ 「ひとり親」の定義 ◆
「ひとり親」とは、
「扶養控除等申告書を提出する本人( 男性・女性を問いません )」が
「現に婚姻をしていない人」 又は 「配偶者の生死の明らかでない人」で、
( なお「事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人」がいる場合は除く )
「申告者本人の暦年度中の合計所得(見積)金額」が500万円以下であり、
「生計を一にする子」がある人のことをいいます。
( 国税庁 タックスアンサー N01171 ひとり親控除:ひとり親控除の対象となる人の範囲 )
|
なお、上記「生計を一にする子」とは、
・「その子」の「暦年度中の総所得(見積)金額等」が48万円以下であり、
・『「他の人」の「同一生計配偶者」や「扶養親族」となっていない人 』に限られます。
|
◆ 「ひとり親」の条件 ◆
『「ひとり親」の定義 』が上記のものであるため、
「ひとり親」とは、
「本人」及び「生計を一にする子」がその年(申告書対象年度)の12月31日の現況で、以下の要件すべてを満たす人をいいます。
「申告者本人」の要件 |
① A・「配偶者と死別した後婚姻をしていない人( 男性・女性を問いません )」
・「配偶者と離婚した後婚姻をしていない人( 男性・女性を問いません )」
・「一度も婚姻をしていない人( 男性・女性を問いません )」( いわゆる「婚姻経験のない未婚の母や未婚の父」 )
又は、
① B 「配偶者の生死の明らかでない人( 男性・女性を問いません )」で、
① C 「事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人」がいない人
|
② 「申告者本人の暦年度中の合計所得(見積)金額」が500万円以下である人 |
③ 「以下の要件を満たす子」がある人 |
「子」の要件 |
① 「その子」が「申告者本人」と「生計を一にしている」 |
② 「その子の暦年度中の総所得(見積)金額等」が48万円以下である |
③ 「他の人」の「同一生計配偶者」や「扶養親族」となっていないこと |
◆ 「要件判定基準日」につきまして ◆
「扶養控除等申告書」は、
・既存の給与所得者からは「前年度の年末調整時」に会社に提出され、
・途中入社・途中就任した給与所得者からは「当暦年度途中の入社・就任時」に会社に提出されることになりますが、
|
当該「申告書」は、
申告書対象年度の最初に行われる「給与計算」~その年度末に行われる「年末調整」にかけて使用されるものであるため、 |
『「ひとり親控除の要件」を判断する基準日 』は、
「その提出時点」ではなく、
あくまで、「申告書対象年度の年末時点(12月31日時点)」となります。
|
従いまして、「申告書」提出時に「ひとり親控除の要件」をご判断頂く場合には、
「申告書対象年度の年末時点(12月31日時点)の現況」を(その提出時点で)見込んで、
「ひとり親控除の要件」をご判断頂くことが必要となりますので、この点につきましては十分ご注意下さい。
|
なお、「扶養控除等申告書」提出後におきまして、上記の見込判断に異動が生じたような場合には、
下記Ⅶでご紹介させて頂きますように、
『「扶養控除等申告書」の修正申告 』を行うことが必要となりますので、この点につきましても併せてご注意下さい。
|
2、『「ひとり親」の条件 』の詳細検討
『「ひとり親」の条件 』は、上記1でご紹介させて頂きましたものとなりますが、
ここでは、『「ひとり親」のそれぞれの条件 』をより詳しくご紹介させて頂きます。
条件1:「申告者本人の状況」の条件
「申告者本人」が「ひとり親」に該当するためには、
「申告者本人( 男性・女性を問いません )の状況」として、
① ・「配偶者と死別した後婚姻をしていない」
・「配偶者と離婚した後婚姻をしていない」
・「一度も婚姻をしていない( いわゆる「婚姻経験のない未婚の母や未婚の父」 )」などの理由により、
「現に婚姻をしていない人」に該当するか
② 現に婚姻状況にはあるが、「配偶者の生死が明らかでない人」 のいずれかであることが必要となります。
|
なお、「上記の状況にある人」であっても、
「申告者本人」と「事実上婚姻関係と同様にあると認められる人」がいる場合には、
所得税法における「ひとり親」には該当しません。
|
◆ 『「ひとり親控除」の対象となる性別 』につきまして ◆
「ひとり親控除」につきましては、
「申告者本人」が「男性であっても」「女性であっても」その控除の対象者となり得ます。 |
従いまして、「申告者本人」が「男性」であっても、
「ひとり親控除」の申告を行うことはできますので、この点ご留意頂きますようお願い致します。 |
他方、下記Ⅳでご紹介させて頂きます「寡婦控除」につきましては、
「申告者本人」が「女性」であることが必要となりますので、 |
「申告者本人」が「男性」である場合には、
「寡婦控除」の申告を行うことはできませんので、この点ご注意頂きますようお願い致します。 |
◆ 「一度も婚姻をしていない未婚の人」という条件につきまして ◆
「ひとり親控除」につきましては、
「申告者本人」が「一度も婚姻をしていない未婚の男性・女性」もその控除の対象者となり得ます。 |
従いまして、いわゆる「(婚姻経験のない)未婚の母親」や「(婚姻経験のない)未婚の父親」であっても、
他方、下記Ⅳでご紹介させて頂きます「寡婦控除」につきましては、
「申告者本人」が「婚姻経験のある女性」を対象とした所得控除となりますので、 |
「申告者本人」が「一度も婚姻をしていない未婚の男性・女性」である場合には、
「寡婦控除」の申告を行うことはできませんので、この点ご注意頂きますようお願い致します。 |
◆ 「配偶者の生死が明らかでない」という条件 ◆
「配偶者の生死が明らかでない人」とは、
『「所得税施行令 11条」に規定されている配偶者の生死が明らかでない期間要件 』を満たすことが必要となります。 |
従いまして、当該「配偶者の生死が明らかでないこと」に基づいて「ひとり親控除」の申告を行う場合には、
事前に、『「上記の規定」における生死不明の期間要件 』を満たしているか?をご確認頂きますようお願い致します。 |
◆ 「事実上婚姻関係と同様にあると認められる人」の有無 ◆
『「事実上婚姻関係と同様にあると認められる人( いわゆる「内縁関係にある配偶者」 )」の有無 』につきましては、
このことを客観的に確認することは困難であることから、 |
所得税法で『「事実上婚姻関係と同様にあると認められる人」がいらっしゃるか否か 』につきましては、
客観的に確認することができる「住民票」に『「未婚の配偶者」の記載があるか否か 』で判断することとしています。 |
従いまして、「現に婚姻をしていない人」又は「配偶者の生死が明らかでない人」であっても、
「住民票」に『「未婚の配偶者(未届の夫・妻)」が記載されている方 』は、
『「ひとり親」の本人要件 』を満たしていないことになりますので、この点ご留意頂ますようお願い致します。
|
条件2:「申告者本人」の所得条件
「申告者本人」が「ひとり親」に該当するためには、
「申告者本人」の「暦年度中における合計所得(見積)金額」が500万円以下であることが必要となります。 |
なお、弊会計事務所におきましては、
「各種の収入金額」を入力することで「合計所得」を自動計算する「合計所得の自動計算機」へのリンクページを、
『『 各暦年度における「合計所得の自動計算機」』へのリンク紹介 』というページに作成しておりますので、
『 ご自身で算定した「合計所得」』を確認される場合などには、当該「自動計算機」をご利用下さい。
|
◆ 「合計所得」とは ◆
「合計所得」とは、
「給与所得」「退職所得」「事業所得」「不動産所得」「利子所得」「配当所得」「雑所得(公的年金所得を含む)」
「一時所得」「譲渡所得」「山林所得」の10種類の所得を「合計した所得」をいうため、
( 国税庁HP:「合計所得金額」)
|
『「給与所得」以外に「上記に該当する所得」』がある場合には、
『「給与所得」に「それらの所得」を合計した金額 』で、
『「申告者本人の合計所得」が500万円以下であるか 』を判断することが必要となります。
|
例 示
1)「給与所得:300万円」と「退職所得:100万円」がある場合
「合計所得」は「400万円(300万円+100万円)」となります。 |
2)「給与所得:300万円」と個人事業による「事業所得:200万円」がある場合
「合計所得」は「500万円(300万円+200万円)」となります。 |
3)「給与所得:400万円」と不動産賃貸事業による「不動産所得:50万円」がある場合
「合計所得」は「450万円(400万円+50万円)」となります。 |
4)「給与所得:400万円」と申告が必要な「株式配当所得:30万円」がある場合
「合計所得」は「430万円(400万円+30万円)」となります。 |
5-1)「給与所得:400万円」と「雑所得:(公的年金所得)60万円」がある場合
「合計所得」は「460万円(400万円+60万円)」となります。 |
5-2)「給与所得:400万円」と「雑所得:(私的年金所得)20万円」がある場合
「合計所得」は「420万円(400万円+20万円)」となります。 |
5-3)「給与所得:400万円」と「雑所得:(FXに係る所得)30万円」がある場合
「合計所得」は「430万円(400万円+30万円)」となります。 |
5-4)「給与所得:400万円」と事業的規模に至らない副業(いわゆる個人業務)による「雑所得:30万円」がある場合
「合計所得」は「430万円(400万円+30万円)」となります。 |
6)「給与所得:400万円」と「一時所得:(保険満期所得)20万円」がある場合
「合計所得」は「420万円(400万円+20万円)」となります。 |
7-1)「給与所得:400万円」と「(短期の)不動産譲渡所得:100万円」がある場合
「合計所得」は「500万円(400万円+100万円)」となります。 |
7-2)「給与所得:400万円」と申告が必要な「株式譲渡所得:50万円」がある場合
「合計所得」は「450万円(400万円+50万円)」となります。 |
また、上記の「各所得」とは、
「収入金額」ではなく、
「収入金額」から
・「各種の控除金額(給与所得控除額、公的年金控除額等)」や
・「必要経費額」など を差引いた後の「所得金額」をいいますので、
|
「各種の所得」を算定する場合には、
ご自身で『「各種の収入金額」から「上記の控除金額」を差引き計算する 』ことが必要となります。 |
例 示
1)「給与所得」に係る「給与収入」と「給与所得」
①「給与収入」が550,000円である場合、「給与所得」は「0円」となります。
②「給与収入」が3,000,000円である場合、「給与所得」は「2,020,000円」となります。
③「給与収入」が6,000,000円である場合、「給与所得」は「4,360,000円」となります。
④「給与収入」が6,777,778円である場合、「給与所得」は「5,000,000円」となります。
( ⇒ 給与所得単独の場合における『「ひとり親控除」の本人所得要件 』の限界ラインとなります。)
|
2-1)「公的年金所得(雑所得)」に係る「公的年金収入」と「公的年金所得」(「65歳以上」で「他の所得が1千万円以下」)
①「公的年金収入」が1,100,000円である場合、「公的年金所得」は「0円」となります。
②「公的年金収入」が2,500,000円である場合、「公的年金所得」は「1,400,000円」となります。
③「公的年金収入」が4,000,000円である場合、「公的年金所得」は「2,725,000円」となります。
④「公的年金収入」が6,688,236円である場合、「公的年金所得」は「5,000,000円」となります。
( ⇒ 公的年金所得単独の場合における『「ひとり親控除」の本人所得要件 』の限界ラインとなります。)
|
2-2)「公的年金所得(雑所得)」に係る「公的年金収入」と「公的年金所得」(「65歳未満」で「他の所得が1千万円以下」)
①「公的年金収入」が600,000円である場合、「公的年金所得」は「0円」となります。
②「公的年金収入」が2,500,000円である場合、「公的年金所得」は「1,600,000円」となります。
③「公的年金収入」が4,000,000円である場合、「公的年金所得」は「2,725,000円」となります。
④「公的年金収入」が6,688,236円である場合、「公的年金所得」は「5,000,000円」となります。
( ⇒ 公的年金所得単独の場合における『「ひとり親控除」の本人所得要件 』の限界ラインとなります。)
|
◆ 「見積金額」につきまして ◆
「扶養控除等申告書」は、
『 毎月の給与計算で「源泉所得税を控除する」』際に必要となる書類であるため、
・既存の給与所得者からは「前年度の年末調整時」に会社に提出され、
・途中入社・途中就任した給与所得者からは「当暦年度途中の入社・就任時」に会社に提出されることになります。
|
従いまして、『「扶養控除等申告書」に記載する「(申告者本人の)合計所得」』は、
「扶養控除等申告書」の提出時点における『「合計所得」の見積金額 』となります。 |
「年末調整時」に提出する場合の「合計所得見積額」の決定
基本的には、
『 提出年度の「合計所得実績額」』を「翌暦年度の合計所得見積額」として下さい。
ただし、「翌暦年度」において「合計所得に大幅な変動」が見込まれる場合には、
『 提出年度の「合計所得実績額」』に「大幅な変動」を加味して「翌暦年度の合計所得見積額」を決定して下さい。
|
「暦年度中の入社・就任時」に提出する場合における「合計所得見積額」の決定
『 前暦年度の「合計所得実績額」』と『 入社年度の「合計所得見積金額」』に大きな変動がないと考える場合には、
『 前暦年度の「合計所得実績額」』を「入社年度の合計所得見積額」として下さい。
ただし、「入社年度」において「合計所得に大幅な変動」が見込まれる場合には、
『 前暦年度の「合計所得実績額」』に「大幅な変動」を加味して「入社年度の合計所得見積額」を決定して下さい。
|
◆ 弊会計事務所の作成した「自動計算機」をご使用頂く場合 ◆
弊会計事務所の作成した「自動計算機」をご使用頂く場合、「合計所得」は以下の 箇所に表示されます。
条件3:「ひとり親」における「子」の条件
「申告者本人」が「ひとり親」に該当するためには、
・ 申告者本人に「子」がいることが要件となりますが、
・「この子」につきましても以下3つの条件を満たしていることが必要となります。
|
条件3-1:「生計を一にする」という条件
「申告者本人」が「ひとり親」に該当するためには、
「本人の子」が「本人」と「生計を一にしている」ことが必要となります。 |
なお、「子」が「申告者本人」と同居していない(住所・居所が異なるなど)場合には、
・当該「生計を一にしている」という条件を満たすか?が重要となりますので、
・このような場合には、「申告者本人」が当該「子」を扶養しているのか?を十分ご確認頂きますようお願いします。
(「申告者本人」から当該「子」への送金等があるか否か?のご確認をお願い致します。)
|
◆ 「生計を一にする」とは ◆
「生計を一にする」とは、
日常の生活の資(日常の生活資金など)を共にすることをいうため、 |
「本人」と「子」とが同居している場合には、
当該「子」は、基本的に「本人と生計を一にしている」として取扱われます。 |
ただし、「勤務の都合により家族と別居している」又は「子が修学、療養などのために別居している」等の場合であっても、
・「本人」が「その子に係る生活費、学資金又は療養費」などを常に送金しているような場合や、
・日常の起居を共にしていないが、勤務、修学等の余暇には、本人と起居を共にしているような場合には、
当該「子」は「本人と生計を一にしている」として取扱われます。
|
( 国税庁HP タックスアンサー No.1180:扶養親族「Q1 生計を一にするの意義」 )
条件3-2:「子の総所得」の条件
「申告者本人」が「ひとり親」に該当するためには、
「本人と生計を一にする子」の「その暦年中の総所得(見積)金額等」が、48万円以下であることが必要となります。 |
◆ 『「子の所得要件」の判断基準(総所得金額等) 』につきまして ◆
「ひとり親控除」における「申告者本人の所得要件」では、
「申告者本人の合計所得」が所得要件の判断基準として使用されておりますが、 |
「ひとり親控除」における「生計を一にする子の所得要件」では、
「子の総所得金額等」が所得要件の判断基準として使用されておりますので、この点ご注意頂きますようお願い致します。 |
◆ 「総所得金額等」とは ◆
「総所得金額等」とは、
下記でご紹介させて頂きます「合計所得」から
・「純損失」の繰越控除金額
・「居住用財産の買換え等に係る譲渡損失」の繰越控除金額
・「特定居住用財産に係る譲渡損失」の繰越控除金額
・「雑損失」の繰越控除金額
・「上場株式等に係る譲渡損失」の繰越控除金額
・「特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失」の繰越控除金額
・「先物取引の差金等決済に係る損失」の繰越控除金額 を差し引いた金額をいいます。
|
例 示
1)「合計所得が48万円」であり、「前暦年度からの繰越損失額が5万円」ある場合
「総所得金額等」は、43万円となります。
( 合計所得金額:48万円 - 前暦年度からの繰越損失額:5万円 )
|
2)「合計所得が53万円」であり、「前暦年度からの上場株式等に係る繰越譲渡損失が5万円」ある場合
「総所得金額等」は、48万円となります。
( 合計所得金額:53万円 - 前暦年度からの繰越損失額:5万円 )
|
◆ 「合計所得」とは ◆
「合計所得」とは、
「給与所得」「退職所得」「事業所得」「不動産所得」「利子所得」「配当所得」「雑所得(公的年金所得を含む)」
「一時所得」「譲渡所得」「山林所得」の10種類の所得を「合計した所得」をいうため、
( 国税庁HP:「合計所得金額」)
|
『「給与所得」以外に「上記に該当する所得」』がある場合には、
『「給与所得」に「それらの所得」を合計した金額 』で、
「子の合計所得」を算定することが必要となります。
|
例 示
1)「給与所得:10万円」と「退職所得:30万円」がある場合
「合計所得」は「40万円(10万円+30万円)」となります。 |
2)個人事業による「事業所得:40万円」がある場合
3)不動産賃貸事業による「不動産所得:30万円」がある場合
4)「給与所得:20万円」と申告が必要な「株式配当所得:25万円」がある場合
「合計所得」は「45万円(20万円+25万円)」となります。 |
5-1)「雑所得:(FXに係る所得)30万円」がある場合
5-2)事業的規模に至らない個人事業(いわゆる個人業務)による「雑所得:30万円」がある場合
6)「給与所得:20万円」と「一時所得:(保険満期所得)20万円」がある場合
「合計所得」は「40万円(20万円+20万円)」となります。 |
7-1)「給与所得:10万円」と「不動産譲渡所得:30万円」がある場合
「合計所得」は「40万円(10万円+30万円)」となります。 |
7-2)「給与所得:5万円」と申告が必要な「株式譲渡所得:40万円」がある場合
「合計所得」は「45万円(5万円+40万円)」となります。 |
また、上記の「各所得」とは、
「収入金額」ではなく、
「収入金額」から
・「各種の控除金額(給与所得控除額等)」や
・「必要経費額」など を差引いた後の「所得金額」をいいますので、
|
「各種の所得」を算定する場合には、
ご自身で『「各種の収入金額」から「上記の控除金額」を差引き計算する 』ことが必要となります。 |
例 示
「給与所得」に係る「給与収入」と「給与所得」
①「給与収入」が550,000円である場合、「給与所得」は「0円」となります。
②「給与収入」が650,000円である場合、「給与所得」は「100,000円」となります。
③「給与収入」が1,030,000円である場合、「給与所得」は「480,000円」となります。
( ⇒ 給与所得単独の場合における「生計を一にする子の所得要件」の繰越控除がない場合の限界ラインとなります。)
|
◆ 「見積金額」につきまして ◆
「扶養控除等申告書」は、
『 毎月の給与計算で「源泉所得税を控除する」』際に必要となる書類であるため、
・既存の給与所得者からは「前年度の年末調整時」に会社に提出され、
・途中入社・途中就任した給与所得者からは「当暦年度途中の入社・就任時」に会社に提出されることになります。
|
従いまして、『「ひとり親控除」の要件判断 』となる「(子の)総所得金額等」は、
「扶養控除等申告書」の提出時点における『「総所得金額等」の見積金額 』となります。 |
「年末調整時」に提出する場合の「総所得金額等の見積額」の決定
基本的には、
『 当暦年度の「総所得金額等実績額」』を「翌暦年度の総所得金額等見積額」として下さい。
ただし、「翌暦年度」において「総所得金額等に大幅な変動」が見込まれる場合には、
『 当暦年度の「総所得金額等実績額」』に「大幅な変動」を加味して「翌年度の総所得金額等見積額」を決定して下さい。
|
「暦年度中の入社・就任時」に提出する場合における「総所得金額等見積額」の決定
『 前暦年度の「総所得金額等実績額」』と『 当暦年度の「総所得金額等見積金額」』に大きな変動がない場合には、
『 前暦年度の「総所得金額等実績額」』を「当暦年度の総所得金額等見積額」として下さい。
ただし、「当暦年度」において「総所得金額等に大幅な変動」が見込まれる場合には、
『 前暦年度の「総所得金額等実績額」』に「その変動」を加味して「当暦年度の総所得金額等見積額」を決定して下さい。
|
◆ 弊会計事務所の作成した「自動計算機」をご使用頂く場合 ◆
弊会計事務所の作成した「自動計算機」をご使用頂く場合、「合計所得」は以下の 箇所に表示されます。
条件3-3:「子」が『「他の人」の「同一生計配偶者」「扶養親族」』でない条件
「申告者本人」が「ひとり親」に該当するためには、
「本人と生計を一にする子」が『「他の人」の「同一生計配偶者」「扶養親族」とされていない 』ことが必要となります。 |
このため「本人と生計を一にする子(総所得金額が48万円以下)」であっても、
その「子」が婚姻しており、「子の配偶者の同一生計配偶者」として、
「子の配偶者」が「その子に係る配偶者控除 』を受けているような場合や、
その「子」が「他の人の扶養親族」として、
「他の人」が「その子に係る扶養親族控除」を受けているような場合には、
当該「子」は『 申告者本人がひとり親控除を受ける要件となる「子」』からは除外されてしまいますのでご注意下さい。
|
◆ 例 示 1 ◆
同一生計内に「本人」「本人の子」「(本人の)子の配偶者」がいらっしゃるような場合で、
・「本人」と「子の配偶者」が「所得者」であり、
・「本人」が『「ひとり親」となる「本人要件」』を満たしており、
・「本人の子」が『「本人の扶養親族の要件」及び「子の配偶者の控除対象配偶者の要件」』をともに満たしている場合、
|
「子の配偶者の配偶者控除等申告書」でその子(配偶者)を「控除対象配偶者」として申告する場合には、
『「子の配偶者の控除対象配偶者」とされた子 』は、
『「本人」が「ひとり親」に該当するか否か 』を判断する場合には、
『「ひとり親」の申告要件となる「生計を一にする子」』からは除外されてしまうこととなります。
|
従いまして、上記のような場合で「本人がひとり親控除」を受けようとする場合には、
「本人の扶養控除等申告書」において、
「その子」を「(本人の)控除対象扶養親族」として申告しておくことが必要となります。
|
◆ 例 示 2 ◆
同一生計内に「本人」「本人の父親」「本人の子」がいらっしゃるような場合で、
・「本人」と「本人の父親」が「所得者」であり、
・「本人」が『「ひとり親」となる「本人要件」』を満たしており、
・「本人の子」が『「本人」及び「本人の父親」の「扶養親族の要件」』をともに満たしている場合、
|
「本人の父親の扶養控除等申告書」でその子(孫)を「控除対象扶養親族又は16歳未満の扶養親族」として申告する場合には、
『「父親の控除対象扶養親族又は16歳未満の扶養親族」とされた子 』は、
『「本人」が「ひとり親」に該当するか否か 』を判断する場合には、
『「ひとり親」の申告要件となる「生計を一にする子」』からは除外されてしまうこととなります。
|
従いまして、上記のような場合で「本人がひとり親控除」を受けようとする場合には、
「本人の扶養控除等申告書」において、
「その子」を「控除対象扶養親族又は16歳未満の扶養親族」として申告しておくことが必要となります。
|
参考:「事業専従者規制」及び「生計を一にする子の年齢制限」につきまして
「ひとり親控除」の申告要件となる「生計を一にする子」に対しては、
(「扶養親族の要件」とされるような)「事業専従者の規制」や
「その子の年齢に関する規制」などは、設けられておりませんので、
|
「生計を一にする子」が、
「生計を一にする子」が
◆ 『「青色専従者」や「白色専従者」の制限 』につきまして ◆
下記Ⅳでご紹介させて頂きます『「寡婦控除」の要件となる「扶養親族」』につきましては、
「親族」が「申告者本人」又は「本人と生計を一にする者」の
・「青色申告事業専従者」としてその年を通じて一度でも給与の支払を受けている場合や、
・「白色申告事業専従者」となっている場合には、
当該「親族」は「扶養親族」には該当しないという『「専従者規制」の規定 』が設けられていますが、
|
『「ひとり親控除」の対象となる「生計を一にする子の要件」』では、
上記のような『「青色申告事業専従者」や「白色申告事業専従者」に係る専従者規制 』は設けられていないため、
「子」が『「申告者本人」や「本人と生計を一にする者」が営む個人事業 』において、
・青色事業専従者としての給与等を受けていても、
・白色事業専従者となっていても、
『「ひとり親」の申告要件となる「生計を一にする子」の判断 』には影響を及ぼしませんので、この点ご注意下さい。
|
◆ 『「生計を一にする子」の年齢制限 』につきまして ◆
『「ひとり親控除」の対象となる「生計を一にする子」』につきましては、
「年齢制限 」は設けられていないため、
「子」が「16歳未満であったり」「成人であったり」しても、
『「(ひとり親控除の申告要件となる)生計を一にする子」の判断 』には影響を及ぼしませんので、この点ご注意下さい。
|
Ⅱ:「ひとり親」に係る「扶養控除等申告書」の書き方
1、「ひとり親控除」を申告する場合の「扶養控除等申告書」の書き方
「申告者本人」が「ひとり親」に該当する場合には、
「ひとり親に該当する旨(✓)」を
「扶養控除等申告書」の「C:障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」箇所の「ひとり親」欄に記載して下さい。
|
なお、現状の『「ひとり親控除」の申告 』では、
上記でご紹介させて頂きましたように、
「申告者本人」が「ひとり親に該当する旨」を「扶養控除等申告書」に記載するのみで申告することができ、
「申告者本人の情報や所得金額」及び「生計を一にする子の情報や所得金額」を
「扶養控除等申告書」の「C:障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」箇所に記載することまでは要求されておりません。
|
◆ 「申告者本人の情報や所得金額」の記載につきまして ◆
『「ひとり親控除」の申告 』を行う場合には、
『「申告者本人」が「(ひとり親控除に係る)本人要件」を充足している 』ことを証明するために、
「申告者本人の情報や所得金額」を
「C:障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」箇所に記載しなくてよいのか?と思われる方もいらっしゃると思いますが、
|
この点につきましては、
「申告者本人の情報」は「扶養控除等申告書」に記載されており、
「申告者本人の合計所得金額」は「基礎控除等申告書」※に記載されることになるため、
「C:障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」箇所におきましては、
「申告者本人の情報や所得金額」を改めて記載することは要求されておりません。
|
※「基礎控除申告書」は、「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」に含まれる申告書になります。
◆ 「生計を一にする子の情報や所得金額」の記載につきまして ◆
『「ひとり親控除」の申告 』を行う場合には、
『「生計を一にする子」が「(ひとり親控除に係る)子の要件」を充足している 』ことを明示するために、
「生計を一にする子の情報や所得金額」を
「C:障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」箇所に記載しなくてよいのか?と思われる方もいらっしゃると思いますが、
|
この点、
「生計を一にする子」が16歳以上である場合には、
その子は「扶養控除等申告書」の「B:控除対象扶養親族」箇所に通常記載される、
「生計を一にする子」が16歳未満である場合には、
その子は「扶養控除等申告書」の「住民税に関する事項:16歳未満の扶養親族」箇所に通常記載されることになるため、
「C:障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」箇所におきましては、
「生計を一にする子の情報や所得金額」を改めて記載することは要求されておりません。
|
2、「ひとり親控除」を申告する場合の『「他箇所における記載事項」の確認 』
1)「扶養控除等申告書」の「本人情報」箇所における「配偶者無し」の記載確認
「申告者本人」が『「ひとり親」である旨 』を申告する場合には、
(「配偶者の生死が明らかでない」場合を除き、)
「申告者本人」には「配偶者」がいらっしゃらないことが必要となりますので、
|
「ひとり親控除」の申告 を行う場合には、
(「配偶者の生死が明らかでない」場合を除き、)
「扶養控除等申告書」の「本人情報」箇所における「配偶者の有無」欄に、
『「配偶者」がいない旨(配偶者無し)』の「〇」が記載されていることをご確認下さい。
|
2)「扶養控除等申告書」の「控除対象扶養親族」又は「16歳未満の扶養親族」の記載確認
『「ひとり親控除」の申告 』を行う場合には、
・「申告者本人」に「生計を一にする子」がいることが要件となり、
・ また、当該「生計を一にする子」につきましては、通常の場合「扶養親族の要件」も満たすことになるため、
( かつ、当該「扶養親族となる子」は「申告者本人」の「扶養親族」として申告することが必要となるため、 )
|
通常の場合には( 極めてレアなケースを除いて )、
当該「生計を一にする子」が16歳以上である場合には、
「扶養控除等申告書」の「B:控除対象扶養親族」箇所に
当該「生計を一にする子」が16歳未満である場合には、
「扶養控除等申告書」の「住民税に関する事項:16歳未満の扶養親族」箇所に
当該「生計を一にする子」が記載されていることが前提となります。
|
従いまして、『「ひとり親控除」の申告 』を行う際には、
「ひとり親」の申告要件となる「生計を一にする子」が、
「扶養控除等申告書」の「B:控除対象扶養親族」箇所に記載されていることを
又は
「扶養控除等申告書」の「住民税に関する事項:16歳未満の扶養親族」箇所に記載されることを
事前にご確認頂くことが必要となります。
|
【「生計を一にする子」が16歳以上である場合 】
【「生計を一にする子」が16歳未満である場合 】
例外的に「生計を一にする子」が「扶養控除等申告書」に記載されないケース
ただし、上記ご紹介させて頂きました点につきましては、
「生計を一にする子」が
「(扶養親族要件に係る)事業専従者の規制」を受けることから「扶養親族」とならない場合や、
「総所得金額は48万円以下である」が「合計所得金額は48万円を超える」ことにより「扶養親族」とならない場合など
極めてレアなケースでは、
「生計を一にする子」が「扶養控除等申告書」に記載されないこともあり得ます。
|
◆ 「事業専従者の規制」を受ける「生計を一にする子」につきまして ◆
『「扶養親族控除」や「16歳未満の扶養親族」の前提条件となる「扶養親族の要件」』では、
「親族」が「申告者本人」又は「本人と生計を一にする者」の
・「青色申告事業専従者」としてその年を通じて一度でも給与の支払を受けている場合や、
・「白色申告事業専従者」となっている場合には、
当該「親族」は「扶養親族」には該当しないという『「専従者規制」の規定 』が設けられています。
|
他方、『「ひとり親控除」の対象となる「生計を一にする子の要件」』では、
上記のような『「青色申告事業専従者」や「白色申告事業専従者」に係る専従者規制 』は設けられていないため、
「子」が『「申告者本人」や「本人と生計を一にする者」が営む個人事業 』において、
・青色事業専従者としての給与等を受けていても、
・白色事業専従者となっていても、
『「ひとり親」の申告要件となる「生計を一にする子」 』とすることができます。
|
従いまして、
「子」が「事業専従者の規制」を受けることから、
「(ひとり親控除の要件となる)生計を一にする子」には該当するが、「扶養親族」には該当しない場合には、
当該「生計を一にする子」は、
「B:控除対象扶養親族」や「住民税に関する事項:16歳未満の扶養親族」箇所に記載されることはありません。
|
◆ 「合計所得金額」と「総所得金額等」が異なる「生計を一にする子」につきまして ◆
『「扶養親族控除」や「16歳未満の扶養親族」の前提条件となる「扶養親族の要件」』では、
「親族の合計所得金額」が「48万円以下」であることがその所得要件となりますが、 |
他方、『「ひとり親控除」の対象となる「生計を一にする子の要件」』では、
「子の総所得金額等」が「48万円以下」であることがその所得要件となります。 |
従いまして、
「子の総所得金額等」は「48万円以下である」が、「子の合計所得金額」は「48万円を超える」ことにより、
その子が「(ひとり親控除の要件となる)生計を一にする子」には該当するが、「扶養親族」には該当しない場合には、
当該「生計を一にする子」は、
「B:控除対象扶養親族」や「住民税に関する事項:16歳未満の扶養親族」箇所に記載されることはありません。
|
Ⅲ:「ひとり親控除」に係る「申告書提出時」&「年末調整時」の添付書類
「扶養控除等申告書」で「ひとり親控除」を申告する場合には、
原則、当該『「ひとり親」である旨 』を証明するための添付書類等は必要ありません。 |
ただし、『「ひとり親控除」の要件となる「生計を一にする子」』が「控除対象扶養親族かつ非居住者」である場合等には、
「非居住親族」を「控除対象扶養親族」として申告するための
「親族関係書類」や「送金関係書類」などの添付書類の提出が必要となりますが、
|
これにつきましては、『「控除対象扶養親族」に係る提出時・年末調整時の添付書類 』となりますので、
Ⅳ:「寡婦」の定義と条件
1、「寡婦」の定義と条件
1)「寡婦」の定義 ( 2種類の定義 )
所得税法で規定されている「寡婦控除」を受けるためには、
「扶養控除等申告書を提出する本人」が「寡婦」に該当することが必要となりますが、
「寡婦」とは、以下の定義①又は定義②のいずれかに該当する女性をいいます。
|
◆ 「寡婦」の定義 ① ◆
「寡婦」とは、
「扶養控除等申告書を提出する本人( 女性に限定されます )」が
上記Ⅰでご紹介させて頂きました「ひとり親」には該当しないが、
「夫と離婚した後婚姻をしていない女性」であり、
( なお「事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人」がいる場合は除く )
「申告者本人の暦年度中の合計所得(見積)金額」が500万円以下であり、
「扶養親族」がいる女性をいいます。
( 国税庁 タックスアンサー N01170 :寡婦控除の対象となる人の範囲~令和2年分以後~ )
|
なお、上記「扶養親族」とは、
「申告者本人」の「配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)」であり、
(又は)都道府県知事から養育を委託された児童であり、
(又は)市町村長から養護を委託された老人であり、
「申告者本人」と「生計を一にしており」、
『 その親族の暦年度中の「合計所得(見積)金額」』が48万円以下であり、
(その親族が)「本人」又は「本人と生計を一にする者」の青色専従者として給与の支払を受けていない
「本人」又は「本人と生計を一にする者」の白色専従者でない者をいいます。
( 国税庁HP:「扶養親族」)
|
さらに、「親族」が「非居住者」で「その年齢が30歳以上70歳未満」である場合には、
◆ 「寡婦」の定義 ② ◆
「寡婦」とは、
「扶養控除等申告書を提出する本人( 女性に限定されます )」が
上記Ⅰでご紹介させて頂きました「ひとり親」には該当しないが、
「夫と死別した後婚姻をしていない女性」 又は 「夫の生死の明らかでない女性」で、
( なお「事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人」がいる場合は除く )
「申告者本人の暦年度中の合計所得(見積)金額」が500万円以下である女性をいいます。
( 国税庁 タックスアンサー N01170 :寡婦控除の対象となる人の範囲~令和2年分以後~ )
|
2)「寡婦」の条件 ( 2種類の条件 )
『「寡婦」の定義 』が上記のものとなるため、
「申告者本人」が「寡婦」に該当するためには、
その年(申告書対象年度)の12月31日の現況で、以下の条件①又は条件②のいずれかを満たすことが必要となります。
|
◆ 「寡婦」の条件 ① ◆
『「寡婦」の定義① 』が上記のものであるため、
「定義①に該当する寡婦」とは、「本人」及び「親族」がその年の12月31日時点で、以下の要件すべてを満たす人をいいます。
「申告者本人」の要件 |
① 「ひとり親控除の要件」に該当しない女性 |
② A 「夫と離婚した後婚姻をしていない女性」で、
② B 「事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人」がいない女性
|
③ 「申告者本人の暦年度中の合計所得(見積)金額」が500万円以下である女性 |
④ 「以下の要件を満たす扶養親族」がある女性 |
「扶養親族」の要件 |
① ・本人の「配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)」である
・(又は)都道府県知事から養育を委託された児童である
・(又は)市町村長から養護を委託された老人である
|
② 本人と生計を一にしている |
③ その親族の暦年度中の合計所得(見積)金額が48万円以下である |
④ ・「本人」又は「本人と生計を一にする者」の青色専従者として給与の支払を受けていない
・「本人」又は「本人と生計を一にする者」の白色専従者でない
|
( 追加要件 )
「親族」が「非居住者」で「その年齢が30歳以上70歳未満」である場合には、
上記の『「条件①~④の扶養親族」の要件 』に加えて、「以下のいずれかの要件」を満たしていることが必要となります。
・「留学のため国内に住所及び居所を有しなくなった者」であること
・「障害者」であること
・「申告者本人からその暦年中に生活費又は教育費に充てるための支払いを38万円以上受けている者」であること
|
◆ 「要件判定基準日」につきまして ◆
「扶養控除等申告書」は、
・既存の給与所得者からは「前年度の年末調整時」に会社に提出され、
・途中入社・途中就任した給与所得者からは「当暦年度途中の入社・就任時」に会社に提出されることになりますが、
|
当該「申告書」は、
申告書対象年度の最初に行われる「給与計算」~その年度末に行われる「年末調整」にかけて使用されるものであるため、 |
『「寡婦控除の要件」を判断する基準日 』は、
「その提出時点」ではなく、
あくまで、「申告書対象年度の年末時点(12月31日時点)」となります。
|
従いまして、「申告書」提出時に「寡婦控除の要件」をご判断頂く場合には、
「申告書対象年度の年末時点(12月31日時点)の現況」を(その提出時点で)見込んで、
「寡婦控除の要件」をご判断頂くことが必要となりますので、この点につきましては十分ご注意下さい。
|
なお、「扶養控除等申告書」提出後におきまして、上記の見込判断に異動が生じたような場合には、
下記Ⅶでご紹介させて頂きますように、
『「扶養控除等申告書」の修正申告 』を行うことが必要となりますので、この点につきましても併せてご注意下さい。
|
◆ 「寡婦」の条件 ② ◆
『「寡婦」の定義② 』が上記のものであるため、
「定義②に該当する寡婦」とは、「本人」がその年の12月31日時点で、以下の要件すべてを満たす人をいいます。
「申告者本人」の要件 |
① 「ひとり親控除の要件」に該当しない女性 |
② A 「夫と死別した後婚姻をしていない女性」
又は、
② B 「夫の生死の明らかでない女性」で、
② C 「事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人」がいない女性
|
③ 「申告者本人の暦年度中の合計所得(見積)金額」が500万円以下である女性 |
◆ 「要件判定基準日」につきまして ◆
「扶養控除等申告書」は、
・既存の給与所得者からは「前年度の年末調整時」に会社に提出され、
・途中入社・途中就任した給与所得者からは「当暦年度途中の入社・就任時」に会社に提出されることになりますが、
|
当該「申告書」は、
申告書対象年度の最初に行われる「給与計算」~その年度末に行われる「年末調整」にかけて使用されるものであるため、 |
『「寡婦控除の要件」を判断する基準日 』は、
「その提出時点」ではなく、
あくまで、「申告書対象年度の年末時点(12月31日時点)」となります。
|
従いまして、「申告書」提出時に「寡婦控除の要件」をご判断頂く場合には、
「申告書対象年度の年末時点(12月31日時点)の現況」を(その提出時点で)見込んで、
「寡婦控除の要件」をご判断頂くことが必要となりますので、この点につきましては十分ご注意下さい。
|
なお、「扶養控除等申告書」提出後におきまして、上記の見込判断に異動が生じたような場合には、
下記Ⅶでご紹介させて頂きますように、
『「扶養控除等申告書」の修正申告 』を行うことが必要となりますので、この点につきましても併せてご注意下さい。
|
◆ 『「寡婦の条件①」と「寡婦の条件②」の適用の違い 』につきまして ◆
『「申告者本人」が「寡婦」に該当するか否か 』を判断する場合に、
上記でご紹介させて頂きました『「寡婦の条件①」と「寡婦の条件②」のいずれの条件 』をもって判断するか?につきましては、
「申告者本人」が「夫と離婚した後婚姻をしていない女性」である場合には、
「寡婦の条件①」をもって「寡婦に該当するか?」を判断することになり、
「申告者本人」が「夫と死別した後婚姻をしていない女性」や「夫の生死の明らかでない女性」である場合には、
「寡婦の条件②」をもって「寡婦に該当するか?」を判断することになります。
|
2-1、「寡婦の条件①」の詳細検討
『「寡婦」の条件① 』は、上記1でご紹介させて頂きましたものとなりますが、
ここでは、『「寡婦の条件①」のそれぞれの条件 』をより詳しくご紹介させて頂きます。
条件1:「申告者本人」の前提条件
「寡婦」の申告を行う場合は、
その前提として、
「申告者本人」が上記Ⅰでご紹介させて頂きました「ひとり親」には該当しないことが必要となります。
|
◆ 『「ひとり親控除」と「寡婦控除」の両方の要件を満たす女性 』の有利選択 ◆
「年末調整において所得から控除することができる金額(所得控除金額)」は、
・「ひとり親控除」の適用を受ける場合には「35万円」
・「寡婦控除」の適用を受ける場合には「27万円」となり、
『「寡婦控除」適用を受ける場合 』よりも『「ひとり親控除」適用を受ける場合 』の方が大きくなります。
|
従いまして、「申告者本人」が『「ひとり親控除」及び「寡婦控除」の両方の要件 』を満たすような場合には、
優先的に「ひとり親控除」の適用申告をすべきであり、
(なお、「ひとり親控除」と「寡婦控除」を重複して申告することはできません。)
|
「申告者本人」が「寡婦控除」の申告を行う場合は、
「申告者本人」が『「ひとり親控除」の要件 』は満たさないが、
『「寡婦控除」の要件 』は満たす場合であることが前提となりますので、この点ご注意下さい。
|
条件2:「申告者本人」の状況条件
「申告者本人」が「寡婦の条件①」により「寡婦」に該当するためには、
「申告者本人」の状況として、
「夫と離婚した後婚姻をしていない女性」であることが必要となります。
|
なお、「上記の状況にある女性」であっても、
「申告者本人」と「事実上婚姻関係と同様にあると認められる人」がいる場合には、
所得税法における「寡婦」には該当しません。
|
◆ 『「寡婦」の対象となる性別 』につきまして ◆
「扶養控除等申告書」において「寡婦控除」の申告を行う場合には、
「申告者本人」が「女性」であることが必要となります。 |
従いまして、「申告者本人」が「男性」である場合には、
・上記Ⅰでご紹介させて頂きました「ひとり親控除の対象者」にはなり得ますが、
・「寡婦控除の対象者」にはなり得ませんので、この点ご注意ください
|
◆ 「寡婦控除の対象者」につきまして ◆
「寡婦控除」は、
「婚姻経験のある女性」を対象とした「所得控除」であるため、 |
「一度も婚姻をしていない未婚の女性( いわゆる未婚の母 )」につきましては、
・上記Ⅰでご紹介させて頂きました「ひとり親控除の対象者」にはなり得ますが、
・「寡婦控除の対象者」にはなり得ませんので、この点ご注意ください。
|
また、当該「寡婦の条件①」に基づいて「寡婦」に該当するか否かを判断するのは、
「婚姻経験のある女性」のうち、
「夫と離婚したことにより現状婚姻をされていない女性」のみであり、
|
「婚姻経験のある女性」のうち、
・「夫と死別したことにより現状婚姻をされていない女性」や
・「夫の生死が明らかでないため現状婚姻されていないと同様の状況にある女性」は、
「寡婦の条件②」に基づいて「寡婦」に該当するか否かを判断することになります。
|
◆ 「事実上婚姻関係と同様にあると認められる人」の有無 ◆
『「事実上婚姻関係と同様にあると認められる人( いわゆる「内縁関係にある配偶者」 )」の有無 』につきましては、
このことを客観的に確認することは困難であることから、 |
所得税法で『「事実上婚姻関係と同様にあると認められる人」がいらっしゃるか否か 』につきましては、
客観的に確認することができる「住民票」に『「未婚の配偶者」の記載があるか否か 』で判断することとしています。 |
従いまして、「夫と離婚したことにより現状婚姻をされていない女性」であっても、
「住民票」に『「未婚の配偶者(未届の夫)」が記載されている女性 』は、
『「寡婦」の本人要件 』を満たしていないことになりますので、この点ご留意頂ますようお願い致します。
|
条件3:「申告者本人」の所得条件
「申告者本人」が「寡婦」に該当するためには、
「申告者本人」の「暦年度中における合計所得(見積)金額」が500万円以下であることが必要となります。 |
なお、弊会計事務所におきましては、
「各種の収入金額」を入力することで「合計所得」を自動計算する「合計所得の自動計算機」へのリンクページを、
『『 各暦年度における「合計所得の自動計算機」』へのリンク紹介 』というページに作成しておりますので、
『 ご自身で算定した「合計所得」』を確認される場合などには、当該「自動計算機」をご利用下さい。
|
◆ 「合計所得」とは ◆
「合計所得」とは、
「給与所得」「退職所得」「事業所得」「不動産所得」「利子所得」「配当所得」「雑所得(公的年金所得を含む)」
「一時所得」「譲渡所得」「山林所得」の10種類の所得を「合計した所得」をいうため、
( 国税庁HP:「合計所得金額」)
|
『「給与所得」以外に「上記に該当する所得」』がある場合には、
『「給与所得」に「それらの所得」を合計した金額 』で、
『「申告者本人の合計所得(見積)金額」が500万円以下であるか 』を判断するにことが必要となります。
|
例 示
1)「給与所得:300万円」と「退職所得:100万円」がある場合
「合計所得」は「400万円(300万円+100万円)」となります。 |
2)「給与所得:300万円」と個人事業による「事業所得:200万円」がある場合
「合計所得」は「500万円(300万円+200万円)」となります。 |
3)「給与所得:400万円」と不動産賃貸事業による「不動産所得:50万円」がある場合
「合計所得」は「450万円(400万円+50万円)」となります。 |
4)「給与所得:400万円」と申告が必要な「株式配当所得:30万円」がある場合
「合計所得」は「430万円(400万円+30万円)」となります。 |
5-1)「給与所得:400万円」と「雑所得:(公的年金所得)60万円」がある場合
「合計所得」は「460万円(400万円+60万円)」となります。 |
5-2)「給与所得:400万円」と「雑所得:(私的年金所得)20万円」がある場合
「合計所得」は「420万円(400万円+20万円)」となります。 |
5-3)「給与所得:400万円」と「雑所得:(FXに係る所得)30万円」がある場合
「合計所得」は「430万円(400万円+30万円)」となります。 |
5-4)「給与所得:400万円」と事業的規模に至らない副業(いわゆる個人業務)による「雑所得:30万円」がある場合
「合計所得」は「430万円(400万円+30万円)」となります。 |
6)「給与所得:400万円」と「一時所得:(保険満期所得)20万円」がある場合
「合計所得」は「420万円(400万円+20万円)」となります。 |
7-1)「給与所得:400万円」と「(短期の)不動産譲渡所得:100万円」がある場合
「合計所得」は「500万円(400万円+100万円)」となります。 |
7-2)「給与所得:400万円」と申告が必要な「株式譲渡所得:50万円」がある場合
「合計所得」は「450万円(400万円+50万円)」となります。 |
また、上記の「各所得」とは、
「収入金額」ではなく、
「収入金額」から
・「各種の控除金額(給与所得控除額、公的年金控除額等)」や
・「必要経費額」など を差引いた後の「所得金額」をいいますので、
|
「各種の所得」を算定する場合には、
ご自身で『「各種の収入金額」から「上記の控除金額」を差引き計算する 』ことが必要となります。 |
例 示
1)「給与所得」に係る「給与収入」と「給与所得」
①「給与収入」が550,000円である場合、「給与所得」は「0円」となります。
②「給与収入」が3,000,000円である場合、「給与所得」は「2,020,000円」となります。
③「給与収入」が6,000,000円である場合、「給与所得」は「4,360,000円」となります。
④「給与収入」が6,777,778円である場合、「給与所得」は「5,000,000円」となります。
( ⇒ 給与所得単独の場合における『「寡婦控除」の本人所得要件 』の限界ラインとなります。)
|
2-1)「公的年金所得(雑所得)」に係る「公的年金収入」と「公的年金所得」(「65歳以上」で「他の所得が1千万円以下」)
①「公的年金収入」が1,100,000円である場合、「公的年金所得」は「0円」となります。
②「公的年金収入」が2,500,000円である場合、「公的年金所得」は「1,400,000円」となります。
③「公的年金収入」が4,000,000円である場合、「公的年金所得」は「2,725,000円」となります。
④「公的年金収入」が6,688,236円である場合、「公的年金所得」は「5,000,000円」となります。
( ⇒ 公的年金所得単独の場合における『「寡婦控除」の本人所得要件 』の限界ラインとなります。)
|
2-2)「公的年金所得(雑所得)」に係る「公的年金収入」と「公的年金所得」(「65歳未満」で「他の所得が1千万円以下」)
①「公的年金収入」が600,000円である場合、「公的年金所得」は「0円」となります。
②「公的年金収入」が2,500,000円である場合、「公的年金所得」は「1,600,000円」となります。
③「公的年金収入」が4,000,000円である場合、「公的年金所得」は「2,725,000円」となります。
④「公的年金収入」が6,688,236円である場合、「公的年金所得」は「5,000,000円」となります。
( ⇒ 公的年金所得単独の場合における『「寡婦控除」の本人所得要件 』の限界ラインとなります。)
|
◆ 「見積金額」につきまして ◆
「扶養控除等申告書」は、
『 毎月の給与計算で「源泉所得税を控除する」』際に必要となる書類であるため、
・既存の給与所得者からは「前年度の年末調整時」に会社に提出され、
・途中入社・途中就任した給与所得者からは「当暦年度途中の入社・就任時」に会社に提出されることになります。
|
従いまして、「扶養控除等申告書」に記載する「(申告者本人の)合計所得」は、
「扶養控除等申告書」の提出時点における『「合計所得」の見積金額 』となります。 |
「年末調整時」に提出する場合の「合計所得見積額」の決定
基本的には、
『 提出年度の「合計所得実績額」』を「翌暦年度の合計所得見積額」として下さい。
ただし、「翌暦年度」において「合計所得に大幅な変動」が見込まれる場合には、
『 提出年度の「合計所得実績額」』に「大幅な変動」を加味して「翌暦年度の合計所得見積額」を決定して下さい。
|
「暦年度中の入社・就任時」に提出する場合における「合計所得見積額」の決定
『 前暦年度の「合計所得実績額」』と『 入社年度の「合計所得見積金額」』に大きな変動がないと考える場合には、
『 前暦年度の「合計所得実績額」』を「入社年度の合計所得見積額」として下さい。
ただし、「入社年度」において「合計所得に大幅な変動」が見込まれる場合には、
『 前暦年度の「合計所得実績額」』に「大幅な変動」を加味して「入社年度の合計所得見積額」を決定して下さい。
|
◆ 弊会計事務所の作成した「自動計算機」をご使用頂く場合 ◆
弊会計事務所の作成した「自動計算機」をご使用頂く場合、「合計所得」は以下の 箇所に表示されます。
条件4:「寡婦の条件①」における「扶養親族」の条件
「寡婦の条件①」に基づき、「寡婦控除」を申告するためには、
・ その本人に「扶養親族」がいることが必要となりますが、
・「扶養親族」とは以下4つの条件を満たしていることが必要となります。
|
条件4-1:「親族の範囲」の条件
「親族」が「扶養親族」に該当するためには、
「配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)」であるか、
又は「都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)」や「市町村長から養護を委託された老人」である
ことが必要となります。
|
◆ 「6親等内の血族」及び「3親等内の姻族」 ◆
条件4-2:「生計を一にしている」という条件
「親族」が「扶養親族」に該当するためには、
「親族」が「申告者本人」と「生計を一にしている」ことが条件となります。 |
なお、「親族」が「申告者本人」と同居していない(住所・居所が異なるなど)場合には、
・当該「生計を一にしている」という条件を満たすか?が重要となりますので、
・このような場合には、「申告者本人」が当該「親族」を扶養しているのか?を十分ご確認頂きますようお願いします。
(「申告者本人」から当該「親族」への送金等があるか否か?のご確認をお願い致します。)
|
◆ 「生計を一にする」とは ◆
「生計を一にする」とは、
日常の生活の資(日常の生活資金など)を共にすることをいうため、 |
「本人」と「親族」とが同居している場合には、
当該「親族」は、基本的に「本人と生計を一にしている」として取扱われます。 |
ただし、「勤務の都合により家族と別居している」又は「親族が修学、療養などのために別居している」等の場合であっても、
・「本人」が「その親族に係る生活費、学資金又は療養費」などを常に送金しているような場合や、
・日常の起居を共にしていないが、勤務、修学等の余暇には、本人と起居を共にしているような場合には、
当該「親族」は「本人と生計を一にしている」として取扱われます。
|
( 国税庁HP タックスアンサー No.1180:扶養親族「Q1 生計を一にするの意義」 )
条件4-3:「親族」の「合計所得(見積)金額」の条件
「親族」が「扶養親族」に該当するためには、
「親族」のその暦年度における「合計所得(見積)金額」が48万円以下であることが必要となります。 |
なお、弊会計事務所におきましては、
「各種の収入金額」を入力することで「合計所得」を自動計算する「合計所得の自動計算機」へのリンクページを、
『『 各暦年度における「合計所得の自動計算機」』へのリンク紹介 』というページに作成しておりますので、
『 ご自身で算定した「合計所得」』を確認される場合などには、当該「自動計算機」をご利用下さい。
|
◆ 「合計所得」とは ◆
「合計所得」とは、
「給与所得」「退職所得」「事業所得」「不動産所得」「利子所得」「配当所得」「雑所得(公的年金所得を含む)」
「一時所得」「譲渡所得」「山林所得」の10種類の所得を「合計した所得」をいうため、
( 国税庁HP:「合計所得金額」)
|
『「給与所得」以外に「上記に該当する所得」』がある場合には、
『「給与所得」に「それらの所得」を合計した金額 』で、
『「親族の合計所得」が48万円以下であるか 』を判断するにことが必要となります。
|
例 示
1)「給与所得:10万円」と「退職所得:30万円」がある場合
「合計所得」は「40万円(10万円+30万円)」となります。 |
2)個人事業による「事業所得:40万円」がある場合
3)不動産賃貸事業による「不動産所得:30万円」がある場合
4)「給与所得:20万円」と申告が必要な「株式配当所得:25万円」がある場合
「合計所得」は「45万円(20万円+25万円)」となります。 |
5-1)「雑所得:(公的年金所得)20万円」と「雑所得:(私的年金所得)20万円」とがある場合
「合計所得」は「40万円(20万円+20万円)」となります。 |
5-2)「雑所得:(FXに係る所得)30万円」がある場合
5-3)事業的規模に至らない個人事業(いわゆる個人業務)による「雑所得:30万円」がある場合
6)「雑所得:(公的年金所得)20万円」と「一時所得:(保険満期所得)20万円」がある場合
「合計所得」は「40万円(20万円+20万円)」となります。 |
7-1)「給与所得:10万円」と「不動産譲渡所得:30万円」がある場合
「合計所得」は「40万円(10万円+30万円)」となります。 |
7-2)「給与所得:5万円」と申告が必要な「株式譲渡所得:40万円」がある場合
「合計所得」は「45万円(5万円+40万円)」となります。 |
また、上記の「各所得」とは、
「収入金額」ではなく、
「収入金額」から
・「各種の控除金額(給与所得控除額、公的年金控除額等)」や
・「必要経費額」など を差引いた後の「所得金額」をいいますので、
|
「各種の所得」を算定する場合には、
ご自身で『「各種の収入金額」から「上記の控除金額」を差引き計算する 』ことが必要となります。 |
例 示
1)「給与所得」に係る「給与収入」と「給与所得」
①「給与収入」が550,000円である場合、「給与所得」は「0円」となります。
②「給与収入」が650,000円である場合、「給与所得」は「100,000円」となります。
③「給与収入」が1,030,000円である場合、「給与所得」は「480,000円」となります。
( ⇒ 給与所得単独の場合における「扶養親族の所得要件」の限界ラインとなります。)
|
2-1)「公的年金所得(雑所得)」に係る「公的年金収入」と「公的年金所得」(「65歳以上」で「他の所得が1千万円以下」)
①「公的年金収入」が1,100,000円である場合、「公的年金所得」は「0円」となります。
②「公的年金収入」が1,200,000円である場合、「公的年金所得」は「100,000円」となります。
③「公的年金収入」が1,580,000円である場合、「公的年金所得」は「480,000円」となります。
( ⇒ 公的年金所得単独の場合における「扶養親族の所得要件」の限界ラインとなります。)
|
2-2)「公的年金所得(雑所得)」に係る「公的年金収入」と「公的年金所得」(「65歳未満」で「他の所得が1千万円以下」)
①「公的年金収入」が600,000円である場合、「公的年金所得」は「0円」となります。
②「公的年金収入」が700,000円である場合、「公的年金所得」は「100,000円」となります。
③「公的年金収入」が1,080,000円である場合、「公的年金所得」は「480,000円」となります。
( ⇒ 公的年金所得単独の場合における「扶養親族の所得要件」の限界ラインとなります。)
|
◆ 「見積金額」につきまして ◆
「扶養控除等申告書」は、
『 毎月の給与計算で「源泉所得税を控除する」』際に必要となる書類であるため、
・既存の給与所得者からは「前年度の年末調整時」に会社に提出され、
・途中入社・途中就任した給与所得者からは「当暦年度途中の入社・就任時」に会社に提出されることになります。
|
従いまして、「扶養控除等申告書」に記載する「(扶養親族の)合計所得」は、
「扶養控除等申告書」の提出時点における『「合計所得」の見積金額 』となります。 |
「年末調整時」に提出する場合の「合計所得見積額」の決定
基本的には、
『 提出年度の「合計所得実績額」』を「翌暦年度の合計所得見積額」として下さい。
ただし、「翌暦年度」において「合計所得に大幅な変動」が見込まれる場合には、
『 提出年度の「合計所得実績額」』に「大幅な変動」を加味して「翌暦年度の合計所得見積額」を決定して下さい。
|
「暦年度中の入社・就任時」に提出する場合における「合計所得見積額」の決定
『 前暦年度の「合計所得実績額」』と『 入社年度の「合計所得見積金額」』に大きな変動がないと考える場合には、
『 前暦年度の「合計所得実績額」』を「入社年度の合計所得見積額」として下さい。
ただし、「入社年度」において「合計所得に大幅な変動」が見込まれる場合には、
『 前暦年度の「合計所得実績額」』に「大幅な変動」を加味して「入社年度の合計所得見積額」を決定して下さい。
|
◆ 弊会計事務所の作成した「自動計算機」をご使用頂く場合 ◆
弊会計事務所の作成した「自動計算機」をご使用頂く場合、「合計所得」は以下の 箇所に表示されます。
条件4-4:「事業専従者」の制限
「親族」が「申告者本人」又は「本人と生計を一にする者」の
・「青色申告事業専従者」としてその年を通じて一度でも給与の支払を受けている場合や、
・「白色申告事業専従者」となっている場合には、
当該「親族」は「扶養親族」には該当しなくなります。
|
◆ 「事業専従者」に対する規制範囲 ◆
上記の『「事業専従者」に対する規制 』は、
「親族」が、
「申告者本人」の「事業専従者」になっている場合のみならず、
「本人と生計を一にする者」の「事業専従者」となっている場合にも及ぶため、
|
「申告者本人」が会社に勤務する以外に自ら個人事業を営んでいる場合で、
「親族」がその「本人の個人事業」において、
・「本人」から『「青色事業専従者」としての給与 』の支払いを受けている場合や、
・「本人」の「白色事業専従者」となっている場合には、
当該「親族」は「扶養親族」には該当しなくなります。
|
更に、「本人と生計を一にする者」が個人事業を営んでいる場合で、
「親族」がその「(本人と)生計を一にする者の個人事業」において、
・「生計を一にする者」から『「青色事業専従者」としての給与 』の支払いを受けている場合や、
・「生計を一にする者」の「白色事業専従者」となっている場合にも、
当該「親族」は「扶養親族」には該当しなくなります。
|
他方、
「申告者本人」又は「本人と生計を一にする者」が営む個人事業において、
・「本人又は生計を一にする者」が「親族」を「青色事業専従者」として届け出ているが、
・「本人又は生計を一にする者」が「親族」に対し『「青色事業専従者」の給与 』を一度も支払っていない場合には、
当該「親族」は『「扶養親族」に係る「専従者制限」』の対象とはならず、
「本人」は当該「親族」を「扶養親族」とすることができ、
|
・「親族」が『「青色事業専従者」としての給与 』の支払いを受けているとしても、
・「親族」が「白色事業専従者」となっているとしても、
それが「本人と生計を一にしない者」が営む個人事業である場合には、
当該「親族」は『「扶養親族」に係る「専従者制限」』の対象とはならず、
「本人」は当該「親族」を「扶養親族」とすることができます。
|
◆ 「例示」によるご紹介 ◆
1)「本人」の個人事業で「事業専従者」となっている場合
①「青色申告個人事業」の場合で「給与支払がある」場合
「A」が会社等に勤務するとともに、個人事業を営んでおり、
・当該事業につき「青色事業」の承認を受けており、かつ「Aの父親」を「事業専従者」として届け出ている。
・「A」は、申告書対象年度において「Aの父親」に「月5万円の給与」を支払う予定である又は支払っている。
・「Aの父親」は、『 上記以外の「Aの扶養親族」となる要件 』はすべて満たしている。
|
この場合におきましては、
「Aの父親」は『「扶養親族」に係る「専従者制限」』の対象となり、
「A」は、「Aの父親」を「扶養親族」とすることはできません。
|
②「青色申告個人事業」の場合で「給与支払がない」場合
「A」が会社等に勤務するとともに、個人事業を営んでおり、
・当該事業につき「青色事業」の承認を受けており、かつ「Aの父親」を「事業専従者」として届け出ているが、
・「A」は、申告書対象年度において「Aの父親」に「給与」を支払う予定はなく又は支払っていない。
・「Aの父親」は、『 上記以外の「Aの扶養親族」となる要件 』はすべて満たしている。
|
この場合におきましては、
「Aの父親」は『「扶養親族」に係る「専従者制限」』の対象とはならず、
「A」は、「Aの父親」を「扶養親族」とすることができます。
|
③「白色申告個人事業」の場合で「専従者控除を受ける」場合
「A」が会社等に勤務するとともに、個人事業を営んでおり、
・当該事業につき「青色申告」の承認は受けていない。
・「Aの父親」は、この事業で「専従者」として働いており、
「A」は、申告書対象年度の確定申告において「Aの父親に係る専従者控除」を受ける予定である。
・「Aの父親」は、『 上記以外の「Aの扶養親族」となる要件 』はすべて満たしている。
|
この場合におきましては、
「Aの父親」は『「扶養親族」に係る「専従者制限」』の対象となり、
「A」は、「Aの父親」を「扶養親族」とすることはできません。
|
④「白色申告個人事業」の場合で「専従者控除を受けない」場合
「A」が会社等に勤務するとともに、個人事業を営んでおり、
・当該事業につき「青色申告」の承認は受けていない。
・「Aの父親」は、この事業で「専従者」として働いてるが、
「A」は、申告書対象年度の確定申告において「Aの父親に係る専従者控除」を受ける予定はない。
・「Aの父親」は、『 上記以外の「Aの扶養親族」となる要件 』はすべて満たしている。
|
この場合におきましては、
「Aの父親」は『「扶養親族」に係る「専従者制限」』の対象とはならず、
「A」は、「Aの父親」を「扶養親族」とすることができます。
|
2)「生計を一にする者」の個人事業で「事業専従者」となっている場合
①「青色申告個人事業」の場合で「給与支払がある」場合
「Aの父親」が個人事業を営んでおり、
・当該事業につき「青色事業」の承認を受けており、かつ「Aの母親」を「事業専従者」として届け出ている。
・「Aの父親」は、申告書対象年度において「Aの母親」に「月5万円の給与」を支払う予定である又は支払っている。
・「Aの母親」は、『 上記以外の「Aの扶養親族」となる要件 』はすべて満たしている。
なお、「A」と「Aの父親」は同居しており生計は同じである。
|
この場合におきましては、
「Aの母親」は『「扶養親族」に係る「専従者制限」』の対象となり、
「A」は、「Aの母親」を「扶養親族」とすることはできません。
|
②「青色申告個人事業」の場合で「給与支払がない」場合
「Aの父親」が個人事業を営んでおり、
・当該事業につき「青色事業」の承認を受けており、かつ「Aの母親」を「事業専従者」として届け出ているが、
・「Aの父親」は、申告書対象年度において「Aの母親」に「給与」を支払う予定はなく又は支払っていない。
・「Aの母親」は、『 上記以外の「Aの扶養親族」となる要件 』はすべて満たしている。
なお、「A」と「Aの父親」は同居しており生計は同じである。
|
この場合におきましては、
「Aの母親」は『「扶養親族」に係る「専従者制限」』の対象とはならず、
「A」は、「Aの母親」を「扶養親族」とすることができます。
|
③「白色申告個人事業」の場合で「専従者控除を受ける」場合
「Aの父親」が個人事業を営んでおり、
・当該事業につき「青色申告」の承認は受けていない。
・「Aの母親」は、この事業で「専従者」として働いており、
「Aの父親」は、申告書対象年度の確定申告において「Aの母親に係る専従者控除」を受ける予定である。
・「Aの母親」は、『 上記以外の「Aの扶養親族」となる要件 』はすべて満たしている。
なお、「A」と「Aの父親」は同居しており生計は同じである。
|
この場合におきましては、
「Aの母親」は『「扶養親族」に係る「専従者制限」』の対象となり、
「A」は、「Aの母親」を「扶養親族」とすることはできません。
|
④「白色申告個人事業」の場合で「専従者控除を受けない」場合
「Aの父親」が個人事業を営んでおり、
・当該事業につき「青色申告」の承認は受けていない。
・「Aの母親」は、この事業で「専従者」として働いてるが、
「Aの父親」は、申告書対象年度の確定申告において「Aの母親に係る専従者控除」を受ける予定はない。
・「Aの母親」は、『 上記以外の「Aの扶養親族」となる要件 』はすべて満たしている。
なお、「A」と「Aの父親」は同居しており生計は同じである。
|
この場合におきましては、
「Aの母親」は『「扶養親族」に係る「専従者制限」』の対象とはならず、
「A」は、「Aの母親」を「扶養親族」とすることができます。
|
3)「生計を一にしない者」の個人事業で「事業専従者」となっている場合
①「青色申告個人事業の場合」で「給与支払がある」場合
「Aの叔父」が個人事業を営んでおり、
・当該事業につき「青色事業」の承認を受けており、かつ「Aの父親」を「事業専従者」として届け出ている。
・「Aの叔父」は、申告書対象年度において「Aの父親」に「月5万円の給与」を支払う予定である又は支払っている。
・「Aの父親」は、『 上記以外の「Aの扶養親族」となる要件 』はすべて満たしている。
なお、「A」と「Aの叔父」は同居しておらず生計は別である。
|
この場合におきましては、
「Aの父親」は『「扶養親族」に係る「専従者制限」』の対象とはならず、
「A」は、「Aの父親」を「扶養親族」とすることができます。
|
②「白色申告個人事業の場合」で「専従者控除を受ける」場合
「Aの叔父」が個人事業を営んでおり、
・当該事業につき「青色申告」の承認は受けていない。
・「Aの父親」は、この事業で「専従者」として働いており、
「Aの叔父」は、申告書対象年度の確定申告において「Aの父親に係る専従者控除」を受ける予定である。
・「Aの父親」は、『 上記以外の「Aの扶養親族」となる要件 』はすべて満たしている。
なお、「A」と「Aの叔父」は同居しておらず生計は別である。
|
この場合におきましては、
「Aの父親」は『「扶養親族」に係る「専従者制限」』の対象とはならず、
「A」は、「Aの父親」を「扶養親族」とすることができます。
|
「30歳以上70歳未満の非居住親族」の追加要件
「親族」が「非居住者」で「その年齢が30歳以上70歳未満」である場合には、
当該「非居住親族」が「扶養親族」に該当するためには、
上記の『「条件1~4の扶養親族」の要件 』に加えて、「以下のいずれかの要件」を満たしていることが必要となります。
・「留学のため国内に住所及び居所を有しなくなった者」であること
・「障害者」であること
・「申告者本人からその暦年中に生活費又は教育費に充てるための支払いを38万円以上受けている者」であること
|
◆ 「 非 居 住 者 」とは ◆
◆ 「30歳未満の非居住親族」「70歳以上の非居住親族」の場合 ◆
上記の『「扶養親族」に係る追加要件 』は、
「30歳以上70歳未満の非居住親族」を「扶養親族」とするためのものであり、 |
「30歳未満の非居住親族」や「70歳以上の非居住親族」を、
「扶養親族」とする場合には、「上記の追加要件の考慮」は不要となります。 |
但し、「親族」が「30歳未満の非居住親族」や「70歳以上の非居住親族」であった場合でも、
「非居住親族」を「扶養親族(寡婦控除の要件となる扶養親族)」とする場合には、
当該「親族」が『「本人と生計が同じであるか否か」という要件 』がよく問題となりますので、
すなわち、「申告者本人」が『 当該「非居住親族」を扶養しているか? 』につき、
「申告者本人」から当該「非居住親族」に「生活費、学資金又は療養費」などが常に送金されている事実があるのか?
がよく問題となりますので、この点につきましては十分ご注意頂きますようお願い致します。
|
「扶養親族」に関する「定義・条件以外の注意点①」(複数の所得者がいる場合の注意点)
「扶養親族の要件」は上記でご紹介させて頂きましたようなものとなりますが、
同一生計内に「申告者本人」以外に「所得者」がいらっしゃるような場合には、
その「親族」が「申告者本人の扶養親族」に該当する場合であっても、
当該「扶養親族」が『「他の人」の「控除対象扶養親族」や「控除対象配偶者」となっている 』ような場合には、
( 「他の所得者」が当該「扶養親族」に係る「人的な所得控除」を受けているような場合には、 )
当該「扶養親族」は『 本人が寡婦控除を受ける要件となる「扶養親族」』からは除外されてしまいますのでご注意下さい。
( 所得税法85条4項・5項、 所得税基本通達 2-40 :寡婦の要件としての扶養親族の有無 )
|
すなわち「本人の扶養親族」であっても、
その「扶養親族」が「他の人の控除対象扶養親族」として、
「他の人」が「その扶養親族に係る扶養親族控除」を受けているような場合や、
その「扶養親族」が婚姻しており、「扶養親族の配偶者の控除対象配偶者(同一生計配偶者)」として、
「扶養親族の配偶者」が「その扶養親族に係る配偶者控除 』を受けているような場合には、
当該「扶養親族」は『 申告者本人が寡婦控除を受ける要件となる「扶養親族」』からは除外されますのでご注意下さい。
|
◆ 例 示 1 ◆
同一生計内に「本人(夫と離婚した女性)」「本人の父親」「本人の子」がいらっしゃるような場合で、
・「本人」と「本人の子」が「所得者」であり、
・「本人」が『「寡婦」となる「本人要件」』を満たしており、
・「本人の父親」が『「本人」及び「本人の子」の控除対象扶養親族の要件」』をともに満たしている場合、
|
「本人の子の扶養控除等申告書」で本人の父親(祖父)を「控除対象扶養親族」として申告する場合には、
『「本人の子の控除対象扶養親族」とされた父親 』は、
『「本人」が「寡婦」に該当するか否か 』を判断する場合には、
『「寡婦」の要件となる「扶養親族」』からは除外されてしまうこととなります。
|
従いまして、上記のようなケースで『「父親」を「申告者本人の寡婦要件となる「扶養親族」とする 』ためには、
「申告者本人の扶養控除等申告書」において、
「その父親」を「控除対象扶養親族」として申告しておくことが必要となります。
|
◆ 例 示 2 ◆
同一生計内に「本人(夫と離婚した女性)「本人の父親」「本人の母親」がいらっしゃるような場合で、
・「本人」と「本人の父親」が「所得者」であり、
・「本人」が『「寡婦」となる「本人要件」』を満たしており、
・「本人の母親」が『「本人の控除対象扶養親族の要件」及び「父親の控除対象配偶者の要件」』を満たしている場合、
|
「本人の父親の配偶者控除等申告書」で本人の母親(妻)を「控除対象配偶者」として申告する場合には、
『「父親の控除対象配偶者」とされた母親 』は、
『「本人」が「寡婦」に該当するか否か 』を判断する場合には、
『「寡婦」の要件となる「扶養親族」』からは除外されてしまうこととなります。
|
従いまして、上記のようなケースで『「母親」を「申告者本人の寡婦要件となる「扶養親族」とする 』ためには、
「申告者本人の扶養控除等申告書」において、
「その母親」を「控除対象扶養親族」として申告しておくことが必要となります。
|
「扶養親族」に関する「定義・条件以外の注意点②」(扶養親族の年齢制限)
「寡婦の条件①」の申告要件となる「扶養親族」につきましては、
『「扶養親族の年齢」に関する要件 』は設けられておりませんので、 |
「扶養親族」が、
「16歳未満であったり」、「成人であったり」しても、
『「(寡婦控除の申告要件となる)扶養親族」の判断 』には影響を及ぼしませんので、この点ご注意下さい。
|
◆ 「扶養親族の年齢規制」につきまして ◆
「扶養親族」を「控除対象扶養親族」として申告し「扶養親族控除(扶養控除)」を受ける場合には、
『「扶養親族」は16歳以上であることが必要になる 』という「(扶養親族に係る)年齢要件」が設けられていますが、 |
「申告者本人」が「寡婦の条件①」に基づいて「寡婦控除」を受ける場合には、
「(寡婦控除の申告要件となる)扶養親族」に対しては「上記のような年齢要件」は設けられていないため、 |
「扶養親族」が「16歳未満であったり」「成人であったり」しても、
『「(寡婦控除の申告要件となる)扶養親族」の判断 』には影響を及ぼしませんので、この点ご注意下さい。
|
2-2、「寡婦の条件②」の詳細検討
『「寡婦」の条件② 』は、上記1でご紹介させて頂きましたものとなりますが、
ここでは、『「寡婦の条件②」のそれぞれの条件 』をより詳しくご紹介させて頂きます。
条件1:「申告者本人」の前提条件
「寡婦」の申告を行う場合は、
その前提として、
「申告者本人」が上記Ⅰでご紹介させて頂きました「ひとり親」には該当しないことが必要となります。
|
◆ 『「ひとり親控除」と「寡婦控除」の両方の要件を満たす女性 』の有利選択 ◆
「年末調整において所得から控除することができる金額(所得控除金額)」は、
・「ひとり親控除」の適用を受ける場合には「35万円」
・「寡婦控除」の適用を受ける場合には「27万円」となり、
『「寡婦控除」適用を受ける場合 』よりも『「ひとり親控除」適用を受ける場合 』の方が大きくなります。
|
従いまして、「申告者本人」が『「ひとり親控除」及び「寡婦控除」の両方の要件 』を満たすような場合には、
優先的に「ひとり親控除」の適用申告をすべきであり、
(なお、「ひとり親控除」と「寡婦控除」を重複して申告することはできません。)
|
「申告者本人」が「寡婦控除」の申告を行う場合は、
「申告者本人」が『「ひとり親控除」の要件 』は満たさないが、
『「寡婦控除」の要件 』は満たす場合であることが前提となりますので、この点ご注意下さい。
|
条件2:「申告者本人」の状況条件
「申告者本人」が「寡婦の条件②」により「寡婦」に該当するためには、
「申告者本人」の状況として、
・「夫と死別した後婚姻をしていない女性」
又は、
・「夫の生死の明らかでない女性」であることが必要となります。
|
なお、「上記の状況にある女性」であっても、
「申告者本人」と「事実上婚姻関係と同様にあると認められる人」がいる場合には、
所得税法における「寡婦」には該当しません。
|
◆ 『「寡婦」の対象となる性別 』につきまして ◆
「扶養控除等申告書」において「寡婦控除」の申告を行う場合には、
「申告者本人」が「女性」であることが必要となります。 |
従いまして、「申告者本人」が「男性」である場合には、
・上記Ⅰでご紹介させて頂きました「ひとり親控除の対象者」にはなり得ますが、
・「寡婦控除の対象者」にはなり得ませんので、この点ご注意ください。
|
◆ 「寡婦控除の対象者」につきまして ◆
「寡婦控除」は、
「婚姻経験のある女性」を対象とした「所得控除」であるため、 |
「一度も婚姻をしていない未婚の女性( いわゆる未婚の母 )」につきましては、
・上記Ⅰでご紹介させて頂きました「ひとり親控除の対象者」にはなり得ますが、
・「寡婦控除の対象者」にはなり得ませんので、この点ご注意ください。
|
また、当該「寡婦の条件②」に基づいて「寡婦」に該当するか否かを判断するのは、
「婚姻経験のある女性」のうち、
・「夫と死別したことにより現状婚姻をされていない女性」や
・「夫の生死が明らかでないため現状婚姻されていないと同様の状況にある女性」であり、
|
「婚姻経験のある女性」のうち、
「夫と離婚したことにより現状婚姻をされていない女性」は、
「寡婦の条件①」に基づいて「寡婦」に該当するか否かを判断することになります。
|
◆ 「夫の生死が明らかでない」という条件 ◆
「夫の生死が明らかでない女性」とは、
『「所得税施行令 11条」に規定されている夫の生死が明らかでない期間要件 』を満たすことが必要となります。 |
従いまして、当該「夫の生死が明らかでないこと」に基づいて「寡婦控除」の申告を行う場合には、
事前に、『「上記の規定」における生死不明の期間要件 』を満たしているか?をご確認頂きますようお願い致します。 |
◆ 「事実上婚姻関係と同様にあると認められる人」の有無 ◆
『「事実上婚姻関係と同様にあると認められる人( いわゆる「内縁関係にある配偶者」 )」の有無 』につきましては、
このことを客観的に確認することは困難であることから、 |
所得税法で『「事実上婚姻関係と同様にあると認められる人」がいらっしゃるか否か 』につきましては、
客観的に確認することができる「住民票」に『「未婚の配偶者」の記載があるか否か 』で判断することとしています。 |
従いまして、「夫と死別した後婚姻をしていない女性」や「夫の生死の明らかでない女性」であっても、
「住民票」に『「未婚の配偶者(未届の夫)」が記載されている女性 』は、
『「寡婦」の本人要件 』を満たしていないことになりますので、この点ご留意頂ますようお願い致します。
|
条件3:「申告者本人」の所得条件
「申告者本人」が「寡婦」に該当するためには、
「申告者本人」の「暦年度中における合計所得(見積)金額」が500万円以下であることが必要となります。 |
なお、弊会計事務所におきましては、
「各種の収入金額」を入力することで「合計所得」を自動計算する「合計所得の自動計算機」へのリンクページを、
『『 各暦年度における「合計所得の自動計算機」』へのリンク紹介 』というページに作成しておりますので、
『 ご自身で算定した「合計所得」』を確認される場合などには、当該「自動計算機」をご利用下さい。
|
◆ 「合計所得」とは ◆
「合計所得」とは、
「給与所得」「退職所得」「事業所得」「不動産所得」「利子所得」「配当所得」「雑所得(公的年金所得を含む)」
「一時所得」「譲渡所得」「山林所得」の10種類の所得を「合計した所得」をいうため、
( 国税庁HP:「合計所得金額」)
|
『「給与所得」以外に「上記に該当する所得」』がある場合には、
『「給与所得」に「それらの所得」を合計した金額 』で、
『「申告者本人の合計所得(見積)金額」が500万円以下であるか 』を判断するにことが必要となります。
|
例 示
1)「給与所得:300万円」と「退職所得:100万円」がある場合
「合計所得」は「400万円(300万円+100万円)」となります。 |
2)「給与所得:300万円」と個人事業による「事業所得:200万円」がある場合
「合計所得」は「500万円(300万円+200万円)」となります。 |
3)「給与所得:400万円」と不動産賃貸事業による「不動産所得:50万円」がある場合
「合計所得」は「450万円(400万円+50万円)」となります。 |
4)「給与所得:400万円」と申告が必要な「株式配当所得:30万円」がある場合
「合計所得」は「430万円(400万円+30万円)」となります。 |
5-1)「給与所得:400万円」と「雑所得:(公的年金所得)60万円」がある場合
「合計所得」は「460万円(400万円+60万円)」となります。 |
5-2)「給与所得:400万円」と「雑所得:(私的年金所得)20万円」がある場合
「合計所得」は「420万円(400万円+20万円)」となります。 |
5-3)「給与所得:400万円」と「雑所得:(FXに係る所得)30万円」がある場合
「合計所得」は「430万円(400万円+30万円)」となります。 |
5-4)「給与所得:400万円」と事業的規模に至らない副業(いわゆる個人業務)による「雑所得:30万円」がある場合
「合計所得」は「430万円(400万円+30万円)」となります。 |
6)「給与所得:400万円」と「一時所得:(保険満期所得)20万円」がある場合
「合計所得」は「420万円(400万円+20万円)」となります。 |
7-1)「給与所得:400万円」と「(短期の)不動産譲渡所得:100万円」がある場合
「合計所得」は「500万円(400万円+100万円)」となります。 |
7-2)「給与所得:400万円」と申告が必要な「株式譲渡所得:50万円」がある場合
「合計所得」は「450万円(400万円+50万円)」となります。 |
また、上記の「各所得」とは、
「収入金額」ではなく、
「収入金額」から
・「各種の控除金額(給与所得控除額、公的年金控除額等)」や
・「必要経費額」など を差引いた後の「所得金額」をいいますので、
|
「各種の所得」を算定する場合には、
ご自身で『「各種の収入金額」から「上記の控除金額」を差引き計算する 』ことが必要となります。 |
例 示
1)「給与所得」に係る「給与収入」と「給与所得」
①「給与収入」が550,000円である場合、「給与所得」は「0円」となります。
②「給与収入」が3,000,000円である場合、「給与所得」は「2,020,000円」となります。
③「給与収入」が6,000,000円である場合、「給与所得」は「4,360,000円」となります。
④「給与収入」が6,777,778円である場合、「給与所得」は「5,000,000円」となります。
( ⇒ 給与所得単独の場合における『「寡婦控除」の本人所得要件 』の限界ラインとなります。)
|
2-1)「公的年金所得(雑所得)」に係る「公的年金収入」と「公的年金所得」(「65歳以上」で「他の所得が1千万円以下」)
①「公的年金収入」が1,100,000円である場合、「公的年金所得」は「0円」となります。
②「公的年金収入」が2,500,000円である場合、「公的年金所得」は「1,400,000円」となります。
③「公的年金収入」が4,000,000円である場合、「公的年金所得」は「2,725,000円」となります。
④「公的年金収入」が6,688,236円である場合、「公的年金所得」は「5,000,000円」となります。
( ⇒ 公的年金所得単独の場合における『「寡婦控除」の本人所得要件 』の限界ラインとなります。)
|
2-2)「公的年金所得(雑所得)」に係る「公的年金収入」と「公的年金所得」(「65歳未満」で「他の所得が1千万円以下」)
①「公的年金収入」が600,000円である場合、「公的年金所得」は「0円」となります。
②「公的年金収入」が2,500,000円である場合、「公的年金所得」は「1,600,000円」となります。
③「公的年金収入」が4,000,000円である場合、「公的年金所得」は「2,725,000円」となります。
④「公的年金収入」が6,688,236円である場合、「公的年金所得」は「5,000,000円」となります。
( ⇒ 公的年金所得単独の場合における『「寡婦控除」の本人所得要件 』の限界ラインとなります。)
|
◆ 「見積金額」につきまして ◆
「扶養控除等申告書」は、
『 毎月の給与計算で「源泉所得税を控除する」』際に必要となる書類であるため、
・既存の給与所得者からは「前年度の年末調整時」に会社に提出され、
・途中入社・途中就任した給与所得者からは「当暦年度途中の入社・就任時」に会社に提出されることになります。
|
従いまして、「扶養控除等申告書」に記載する「(申告者本人の)合計所得」は、
「扶養控除等申告書」の提出時点における『「合計所得」の見積金額 』となります。 |
「年末調整時」に提出する場合の「合計所得見積額」の決定
基本的には、
『 提出年度の「合計所得実績額」』を「翌暦年度の合計所得見積額」として下さい。
ただし、「翌暦年度」において「合計所得に大幅な変動」が見込まれる場合には、
『 提出年度の「合計所得実績額」』に「大幅な変動」を加味して「翌暦年度の合計所得見積額」を決定して下さい。
|
「暦年度中の入社・就任時」に提出する場合における「合計所得見積額」の決定
『 前暦年度の「合計所得実績額」』と『 入社年度の「合計所得見積金額」』に大きな変動がないと考える場合には、
『 前暦年度の「合計所得実績額」』を「入社年度の合計所得見積額」として下さい。
ただし、「入社年度」において「合計所得に大幅な変動」が見込まれる場合には、
『 前暦年度の「合計所得実績額」』に「大幅な変動」を加味して「入社年度の合計所得見積額」を決定して下さい。
|
◆ 弊会計事務所の作成した「自動計算機」をご使用頂く場合 ◆
弊会計事務所の作成した「自動計算機」をご使用頂く場合、「合計所得」は以下の 箇所に表示されます。
Ⅴ:「寡婦控除」に係る「扶養控除等申告書」の書き方
1、「寡婦控除」の「扶養控除等申告書」の書き方
「申告者本人」が「寡婦」に該当する場合には、
「寡婦に該当する旨(✓)」を
「扶養控除等申告書」の「C:障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」箇所の「寡婦」欄に記載して下さい。
|
なお、現状の『「寡婦控除」の申告 』では、
上記でご紹介させて頂きましたように、
「申告者本人」が「寡婦に該当する旨」を「扶養控除等申告書」に記載するのみで申告することができ、
「申告者本人の情報や所得金額」及び「扶養親族の情報や所得金額」を
「扶養控除等申告書」の「C:障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」箇所に記載することまでは要求されておりません。
|
◆ 「申告者本人の情報や所得金額」の記載につきまして ◆
『「寡婦控除」の申告 』を行う場合には、
『「申告者本人」が「(寡婦控除に係る)本人要件」を充足している 』ことを証明するために、
「申告者本人の情報や所得金額」を
「C:障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」箇所に記載しなくてよいのか?と思われる方もいらっしゃると思いますが、
|
この点につきましては、
「申告者本人の情報」は「扶養控除等申告書」に記載されており、
「申告者本人の合計所得金額」は「基礎控除等申告書」※に記載されることになるため、
「C:障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」箇所におきましては、
「申告者本人の情報や所得金額」を改めて記載することは要求されておりません。
|
※「基礎控除申告書」は、「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」に含まれる申告書になります。
◆ 「扶養親族の情報や所得金額」の記載につきまして ◆
「寡婦の条件①」に基づいて『「寡婦控除」の申告 』を行う場合には、
「申告者本人」に「扶養親族」があることが要件となりますが、 |
この場合には、
『「申告者本人の親族」が「(寡婦控除に係る)扶養親族の要件」を充足している 』ことを明示するために、
「扶養親族の情報や所得金額」を
「C:障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」箇所に記載しなくてよいのか?と思われる方もいらっしゃると思いますが、
|
この点、
「扶養親族」が16歳以上である場合には、
その親族は「扶養控除等申告書」の「B:控除対象扶養親族」箇所に記載される、
「扶養親族」が16歳未満である場合には、
その親族は「扶養控除等申告書」の「住民税に関する事項:16歳未満の扶養親族」箇所に記載されることになるため、
「C:障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」箇所におきましては、
「扶養親族の情報や所得金額」を改めて記載することは要求されておりません。
|
2、「寡婦控除」を申告する場合の『「他箇所における記載事項」の確認 』
1)「扶養控除等申告書」の「本人情報」箇所における「配偶者無し」の記載確認
「申告者本人」が『「寡婦」である旨 』を申告する場合には、
(「配偶者の生死が明らかでない」場合を除き、)
「申告者本人」には「配偶者」がいらっしゃらないことが必要となりますので、
|
「寡婦控除」の申告 を行う場合には、
(「配偶者の生死が明らかでない」場合を除き、)
「扶養控除等申告書」の「本人情報」箇所における「配偶者の有無」欄に、
『「配偶者」がいない旨(配偶者無し)』の「〇」が記載されていることをご確認下さい。
|
2)「扶養控除等申告書」の「控除対象扶養親族」又は「16歳未満の扶養親族」の記載確認
① 「寡婦の条件①」に基づいて「寡婦控除」を申告する場合
「寡婦の条件①」に基づいて『「寡婦控除」の申告 』を行う場合には、
・「申告者本人」に「扶養親族」がいることが要件となり、
・ かつ、当該「扶養親族」は「申告者本人の扶養親族」とされていることが前提となるため、
|
「寡婦の条件①」に基づいて『「寡婦控除」の申告 』を行う場合には、
当該「扶養親族」が16歳以上である場合には、
当該「扶養親族」が「扶養控除等申告書」の「B:控除対象扶養親族」箇所に記載されること、
当該「扶養親族」が16歳未満である場合には、
当該「扶養親族」が「扶養控除等申告書」の「住民税に関する事項:16歳未満の扶養親族」箇所に記載されていることを、
事前にご確認頂くことが必要となります。
|
【「扶養親族」が16歳以上である場合 】
【「扶養親族」が16歳未満である場合 】
②「寡婦の条件②」に基づいて「寡婦控除」を申告する場合
「寡婦の条件②」につきましては、
「申告者本人の状況要件、所得要件」のみに基づいて、『「寡婦控除」の申告 』を行うことになるため、 |
『「寡婦控除」の申告 』につき、
・『「扶養親族」などに関する記載事項 』が前提となるようなことはなく、
・『 上記2)①でご紹介させて頂きましたような「確認」』は不要となります。
|
Ⅵ:「寡婦控除」に係る「申告書提出時」&「年末調整時」の添付書類
「扶養控除等申告書」で「寡婦控除」を申告する場合には、
原則、当該『「寡婦」である旨 』を証明するための添付書類等は必要ありません。 |
ただし、『「寡婦控除の定義①」の申告要件となる「扶養親族」』が「控除対象扶養親族かつ非居住者」である場合等には、
「非居住親族」を「控除対象扶養親族」として申告するための
「親族関係書類」や「送金関係書類」などの添付書類の提出が必要となりますが、
|
これにつきましては、『「控除対象扶養親族」に係る提出時・年末調整時の添付書類 』となりますので、
Ⅶ:「ひとり親である旨」や「寡婦である旨」に異動があった場合の対応
1、「ひとり親である旨」や「寡婦である旨」に異動があった場合の対応
「扶養控除等申告書」は、
『 毎月の給与計算で「源泉所得税を控除する」』際に必要になる書類であるため、
・既存の給与所得者からは「前年度の年末調整時」に会社に提出され、
・途中入社・途中就任した給与所得者からは「当暦年度途中の入社・就任時」に会社に提出されることになりますが、
|
上記の時期に提出された「当暦年度の扶養控除等申告書」は、
当暦年度の最初に行われる「給与計算」~当暦年度末に行われる「年末調整」にわたって使用されます。 |
⇒ なお、この点の詳しい内容は、『「扶養控除等申告書」の意義 ~ 給与所得者編 ~ 』にご紹介させております。
このため、暦年度の途中や年末調整時に、
『「ひとり親である旨」や「寡婦である旨」 』に異動があるような場合には、
・「(提出している)扶養控除等申告書」に記載されている『「ひとり親」や「寡婦」である旨 』の記載を撤回修正し、
・「修正後の扶養控除等申告書」を会社に提出し直すことが必要となります。
|
なお、暦年度の途中や年末調整時に、
・『「ひとり親控除」の申告要件となる「生計を一にする子」の情報・所得金額 』や
・『「寡婦控除の定義①」の申告要件となる「扶養親族」の情報・所得金額 』が「扶養控除等申告書」に記載されており、
「それらの記載内容」に異動が生じているような場合には、
上記の修正とともに、「それらの記載内容」についても修正が必要となりますので、この点につきましてもご注意下さい。
|
2、『「ひとり親である旨」や「寡婦である旨」の修正撤回 』の記載例示
1) 『「ひとり親」である旨 』に異動がある場合の修正撤回例示
例示1
当暦年度中に「申告者本人」が婚姻した結果、「ひとり親控除」の適用外となった。
【 修正例示 】
例示2
当暦年度末に「本人の合計所得金額」が500万円を超えた結果、「ひとり親控除」の適用外となった。
【 修正例示 】
例示3
当暦年度末に「申告要件となる子の総所得金額等」が48万円を超えた結果、「ひとり親控除」の適用外となった。
【 修正例示 】
例示4
当暦年度末に「申告要件となる子」を父親が「控除対象扶養親族」として申告したため、「ひとり親控除」の適用外となった。
【 修正例示 】
『「寡婦」である旨 』に異動がある場合の修正撤回例示
例示1
当暦年度中に「申告者本人」が婚姻した結果、「寡婦控除」の適用外となった。
【 修正例示 】
例示2
当暦年度末に「本人の合計所得金額」が500万円を超えた結果、「寡婦控除」の適用外となった。
【 修正例示 】
例示3
当暦年度末に「申告要件となる扶養親族の合計所得金額」が48万円を超えた結果、「寡婦控除」の適用外となった。
【 修正例示 】
例示4
当暦年度末に「申告要件となる母」を父親が「控除対象配偶者」として申告したため、「寡婦控除」の適用外となった。
【 修正例示 】
税理士事務所・会計事務所からのPOINT
ここでは、『「ひとり親控除」及び「寡婦控除」』についての申告条件・申告上の注意点、扶養控除等申告書への記載方法などをご紹介させて頂いております。
「ひとり親控除を受けるための条件 」につきまして
「扶養控除等申告書」で「ご本人」を「ひとり親」として申告するためには、
「申告者本人」や「申告者本人の子」が「満たさなければならない条件」が規定されていますので、
先ずは、当該ページのⅠでご紹介させて頂いております『「ひとり親」の定義と条件 』をご確認下さい。
『「ひとり親控除」の「扶養控除等申告書」への記載方法 』につきまして
「扶養控除等申告書」で「ひとり親控除」を申告する場合には、
『「扶養控除等申告書」に記載することが必要となる事項 』が、所得税法上で決められておりますので、
「ひとり親控除」を申告される場合には、「上記Ⅱに記載している事項」をご確認頂きますようお願い致します。
なお、「ひとり親控除」を「扶養控除等申告書」で申告する場合には、
『 ご本人に関する「配偶者有無の記載」』や『「生計を一にする子」に関する記載 』など、
『「ひとり親控除」の申告を行う場合に「前提となる(他箇所の)記載事項」』がございますので、
「ひとり親控除」の申告時には、「上記Ⅱ-2に記載する事項」も十分ご確認頂きますようお願い致します。
「ひとり親控除の申告」に係る『「扶養控除等申告書」の添付書類 』につきまして
「扶養控除等申告書」で「ひとり親控除」を申告する場合には、
原則、『 当該「ひとり親控除の申告」に係る記載事項 』を証明するための添付書類等は必要ありません。
ただし、「生計を一にする子」が「非居住の控除対象扶養親族」である場合には、
当該「非居住の控除対象扶養親族」に関する証明書類の提出が必要となりますので、
このような場合には、「上記Ⅲに記載しておりますリンク先」をご確認下さい。
「寡婦控除を受けるための条件 」につきまして
「扶養控除等申告書」で「ご本人」を「寡婦」として申告するためには、
「申告者本人」や「申告者本人の親族」が「満たさなければならない条件」が規定されていますので、
先ずは、当該ページのⅣでご紹介させて頂いております『「寡婦」の定義と条件 』をご確認下さい。
『「寡婦控除」の「扶養控除等申告書」への記載方法 』につきまして
「扶養控除等申告書」で「寡婦控除」を申告する場合には、
『「扶養控除等申告書」に記載することが必要となる事項 』が、所得税法上で決められておりますので、
「寡婦控除」を申告される場合には、「上記Ⅴに記載している事項」をご確認頂きますようお願い致します。
なお、「寡婦控除」を「扶養控除等申告書」で申告する場合には、
『 ご本人に関する「配偶者有無の記載」』や『「扶養親族」に関する記載 』など、
『「寡婦控除」の申告を行う場合に「前提となる(他箇所の)記載事項」』がございますので、
「寡婦控除」の申告時には、「上記Ⅴ-2に記載する事項」も十分ご確認頂きますようお願い致します。
「寡婦控除の申告」に係る『「扶養控除等申告書」の添付書類 』につきまして
「扶養控除等申告書」で「寡婦控除」を申告する場合には、
原則、『 当該「寡婦控除の申告」に係る記載事項 』を証明するための添付書類等は必要ありません。
ただし、「扶養親族」が「非居住の控除対象扶養親族」である場合には、
当該「非居住の控除対象扶養親族」に関する証明書類の提出が必要となりますので、
このような場合には、「上記Ⅵに記載しておりますリンク先」をご確認下さい。
『「ひとり親控除」「寡婦控除」に係る記載事項 』の異動時対応
・「扶養控除等申告書」は、「前年度の年末調整時」や「当暦年度の入社時」に提出されますが、
・「扶養控除等申告書」により行われる『「ひとり親控除」「寡婦控除」の申告 』は、
『 当暦年度の最初に行われる「給与計算」』~『 当暦年度末に行われる「年末調整」』にかけての申告となるため、
「年度途中」や「年末調整時点」において、
「扶養控除等申告書」に記載した『「ひとり親控除」「寡婦控除」に係る記載事項 』に異動が生じた場合には、
異動が生じた時点で、適時に修正申告して頂ますようお願い致します。
特に、「年度途中」や「年末調整時点」において、
・「ひとり親控除の申告」を修正撤回しなければならないような異動が生じた場合や、
・「寡婦控除の申告」を修正撤回しなければならないような異動が生じた場合には、
異動が生じた時点で、「障害者控除対象者の撤回申告」を適時に行って頂きますようお願い致します。