ここでは、以下の事項に従って、「令和3年分 扶養控除等申告書の自動計算」における『「16歳以上の扶養親族」の状況 』への入力事項のご説明をさせて頂きます。
1:「16歳以上の扶養親族の状況」の入力手順
◆ 入力手順 ◆
「16歳以上の扶養親族の状況」につきましては、
「令和3年12月31日時点」において『「16歳以上」である扶養親族 』がいらっしゃる場合に、
(1)から(3)の項目を順番に入力・選択して下さい。
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なお、上記の入力にあたって『「数字」の入力 』を行う場合には、
(1)から(3)の項目の入力が完了した段階で『 「転記」ボタン 』を押して下さい。
(「転記」ボタンを押すと、『「控除対象扶養親族」に関して記載することが必要な事項 』が「扶養控除等申告書」に転記されます。)
また「転記」ボタンの左側にある『 「クリア」ボタン』を押すと、『「16歳以上の扶養親族の状況」の入力事項 』がすべて消去されます。
(なお、「クリア」ボタンを押しただけでは、『「扶養控除等申告書」に転記された内容 』までは消去されないため、『「扶養控除等申告書」に転記された内容 』も消去したい場合には、再度「転記」ボタンを押して下さい。)
◆ 扶養親族が70歳以上である場合の入力項目 ◆
「扶養親族が70歳以上」となる場合には、
当該「控除対象扶養親族の区分」につき『 同居老親に該当するか? 』『 同居老親には該当しないか? 』の選択を行っていただくことが必要となります。 |
この点、「控除対象扶養親族の年齢が70歳以上」となる場合には、
『 2)「16歳以上の扶養親族」の生年月日・住所・続柄・区分 』において、『 70歳以上の扶養親族の区分 』という選択欄が追加表示されますので、
『 70歳以上の扶養親族の区分 』という選択欄が追加表示された場合には、当該選択欄での選択入力を行って頂ますようお願い致します。
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◆ 2人目以降の「16歳以上の扶養親族の状況」の入力 ◆
「16歳以上の扶養親族」が2人以上いらっしゃる場合には、2人目 以降の右側にある『 「表示」ボタン 』を押して下さい。
(「表示」ボタンを押すと、「2人目以降の扶養親族の状況」を入力する欄が表示されます。)
2:「16歳以上の扶養親族の状況」の各入力項目
◆ 「(所得税法上の)親族」の条件 ◆
「親族」が「扶養親族」に該当するためには、
「その親族」が
「配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)」であるか、
又は「都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)」や「市町村長から養護を委託された老人」であることが必要となります。
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「6親等内の血族」及び「3親等内の姻族」とは
「6親等内の血族」及び「3親等内の姻族」とは、下図のものとなります。
◆ 「合計所得」とは ◆
「親族」が『「扶養親族」に該当するか?』の判断におきましては、
「その親族」の「合計所得の(見積)金額」が「48万円以下」であることが要件となっています。 |
従いまして、上記「(1)扶養親族」の要件検討」における①の選択・入力にあたっては、
「給与の収入金額」や「公的年金の収入金額」自体ではなく、 |
・「給与収入金額」から「給与所得控除額」を控除した後の「給与所得金額」や
・「公的年金収入金額」から「公的年金所得控除額」を控除した後の「公的年金所得金額」等の「各種所得金額」を算定し、
『 それら「各種所得金額」を合計した「合計所得金額」』で判断し選択・入力して頂くことが必要となります。
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なお、「給与所得金額」「公的年金所得金額」などの「各種所得金額」を算定するためには、別途「各種所得金額の計算」が必要となりますが、
弊会計事務所におきましては、当該計算を自動で行う「令和3年 自動計算機」を『 令和3年度 合計所得の自動計算 』というページで別途ご紹介させて頂いておりますので、必要がある場合には当該ページをご利用頂ますようお願い致します。
◆ 「生計同一」の要件 ◆
「親族」が『「扶養親族」に該当する 』ためには、
「扶養控除等申告書を提出される本人」と「その親族」の「生計が同じ」であること
すなわち、「日常の生活の資を共にすること」が要件となっています。
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従いまして、基本的には「本人」と「親族」は同居等していることが前提となりますが、
「勤務の都合により家族と別居している」又は「親族が修学、療養などのために別居している」場合であっても
- 「本人」が「その親族に係る生活費、学資金又は療養費」などを常に送金しているときや、
- 日常の起居を共にしていないが、勤務、修学等の余暇には、本人と起居を共にしている ときは、
「生計を一にする」ものとして取り扱われます。 ( 所得税法基本通達 2-47 )
◆ 「青色専従者等」の要件 ◆
「親族」が、
「扶養控除等申告書を提出する本人」や「その本人と生計を一にする者」の「青色専従者」としてその年を通じて一度でも給与の支払を受けている場合や、
又は「扶養控除等申告書を提出する本人」や「その本人と生計を一にする者」の「白色専従者」である場合には、
「親族」を『「扶養親族」とする 』ことはできません。
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従いまして、
①「扶養控除等申告書を提出する本人」が会社に勤務する以外に、自ら事業を行っており、
- その事業で「親族」を「青色事業専従者」としており、給与を支払っている場合
- 又はその事業で「親族」を「白色事業専従者」としている場合、
②「親族」が「扶養控除等申告書を提出する本人と生計を一にする者」が営む事業において
- 「青色事業専従者」として給与の支払いを受けている場合
- 又は「白色事業専従者」となっている場合には、
当該「親族」を「控除対象扶養親族」「障害者である扶養親族」として「扶養控除等申告書」に記載することはできませんので、この点ご注意下さい。
他方、「親族」が「扶養控除等申告書を提出する本人と生計を一にしない者」が営む事業において、
- 「青色事業専従者」として給与の支払いを受けているような場合
- 又は「白色事業専従者」となっているような場合には、
当該「親族」を「扶養控除等申告書を提出する本人」の「控除対象扶養親族」「障害者である扶養親族」として申告することは可能となります。
( 所得税法基本通達 2-48 )
◆ 「扶養親族」とは ◆
「扶養親族」とは、
(1)「扶養控除等申告書を提出する本人」と「生計を一にしている(所得税法上の)親族」であり、
(2)かつ、『その親族の暦年度中の「合計所得(見積)金額」』が48万円以下であり、
(3)かつ、「青色申告者の事業専従者」としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていない
「白色申告者の事業専従者」でない
親族をいいます。
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従いまして、「親族」が「扶養親族」に該当するためには、
1)「扶養親族」の要件検討 のうち、
① 親族の「合計所得金額」が、「480,000円以下」であり、
② 「親族の生計同一の要件」において、「生計同一」にチェックが入り、
③ 「親族の青色専従者等の要件」において、「青色専従者等でない」にチェックが入っていることが必要となります。
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◆ 「控除対象扶養親族」とは ◆
「控除対象扶養親族」とは、
(1)「親族」が「扶養親族」に該当し、
(2)かつ、令和3年12月31日時点における「その親族の年齢が16歳以上」である場合の
親族をいいます。
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従いまして、「親族」が「控除対象扶養親族」に該当するためには、
1)「扶養親族」の要件検討 のうち、
① 親族の「合計所得金額」が、「480,000円以下」であり、
② 「親族の生計同一の要件」において、「生計同一」にチェックが入り、
③ 「親族の青色専従者等の要件」において、「青色専従者等でない」にチェックが入り、
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かつ
2)「16歳以上の扶養親族」の生年月日・住所・続柄・区分のうちの「扶養親族の生年月日」欄における
「R3/12/31時点年齢」が16歳以上であることが必要となります。
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◆ 「控除対象扶養親族」の区分 ◆
「控除対象扶養親族」は、
「控除対象扶養親族の年令」や「控除対象扶養親族との同居状況」等により
- 「一般の扶養親族」
- 「特定扶養親族」
- 「同居老親(同居老人扶養親族)」
- 「その他の老人扶養親族(同居老親以外)」
の「4種類の控除対象扶養親族」分類されます。
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1.「一般の控除対象扶養親族」とは
令和3年12月31日時点(暦年度末の時点)での年齢が「16歳以上19歳未満」の扶養親族 |
又は
令和3年12月31日時点(暦年度末の時点)での年齢が「23歳以上70歳未満」の扶養親族 |
のことをいいます。
2.「特定扶養親族」とは
令和3年12月31日時点(暦年度末の時点)での年齢が「19歳以上23歳未満」の扶養親族をいいます。 |
3.「同居老親等(同居老人扶養親族)」とは
・令和3年12月31日時点(暦年度末の時点)での年齢が「70歳以上」で、
- 「扶養控除等申告書を提出する本人」の直系尊属 又は「その配偶者」の直系尊属で※1、
- 「扶養控除等申告書を提出する本人」又は「その配偶者」のいずれかとの同居を常況としている扶養親族※2をいいます。
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※1: 「直系尊属」とは
『「同居老親」の対象となる「直系尊属」』は、
- 本人の ①父母、②祖父母、③曽祖父母、④高祖父母、⑤高祖父母の父母、⑥高祖父母の祖父母
- 配偶者の ①父母、②祖父母、③曽祖父母
が対象となります。
※2: 「同居を常況としている」とは
「老人ホーム」などに入所している場合は、「同居を常況にしている」とはいえません。
(生活の本拠が「老人ホーム」などに移っていると考えられるため)
他方、「病気の治療」のため入院していることにより「本人等」と別居している場合は、
その期間が結果として1年以上といった長期にわたるような場合であっても、「同居」に該当するものと判断されます。
(入院等につきましては、結果的に長期のものとなっても、あくまで一時的なものであり、生活の本拠は「自宅」であると考えるため)
⇒ 国税庁 所得税の質疑応答事例 『「同居」の範囲 』
4.「その他の老人扶養親族(同居老親以外)」とは
・令和3年12月31日時点(暦年度末の時点)での年齢が「70歳以上」で、
・上記3の「同居老親等(同居老人親族)」に該当しない扶養親族をいいます。
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◆ 「非居住者」とは ◆
「非居住者」とは、
「国内に住所を有せず」かつ「現在まで引き続いて1年以上国内に居所を有しない者」をいいます。 |
「16歳以上の扶養親族」が「非居住者」に該当する場合には、
「 2)「16歳以上の扶養親族」の生年月日・住所・続柄 」の「扶養親族の住所」欄には、「非居住者」にチェックを入れて下さい。 |
「16歳以上の扶養親族」が「非居住者」である場合の添付書類
なお、「16歳以上の扶養親族」が「非居住者」に該当する場合には、
『「控除対象扶養親族」が「扶養控除等申告書を提出する本人の親族」であること 』を証明するために、
「親族関係書類」として、以下1又は2の書類を「扶養控除等申告書」の提出時に添付し会社に提出することが必要となります。
- 「戸籍の附票の写し」等及び「パスポートの写し」
- 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類
※なお「親族関係書類」が外国語により作成されている場合には「訳文」の提出も必要となります。
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◆ 「扶養親族の障害の状態」につきまして ◆
「16歳以上の親族」が「扶養親族」に該当しかつ「障害の状態」にある場合には、
「扶養控除等申告書」に「16歳以上の扶養親族」が『「障害者」である旨 』を記載することにより、
「扶養控除等申告書を提出する本人」が「(16歳以上の扶養親族に係る)障害者控除」を受けることができます。
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従いまして、「16歳以上の扶養親族」が「障害の状態にある場合」には、
下記でご紹介させて頂きます「障害者」「特別障害者」「同居特別障害者」のいずれに該当するかをご確認頂き、
『 3)「16歳以上の扶養親族」の障害の状態 』欄のいずれかの項目にチェックを入れて下さい。
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「障害者」の条件、「特別障害者」の条件
下表のうち、「16歳以上の扶養親族」の「障害の状態・程度」が、
・「各項目の上段に記載する障害の状態・程度」に該当する場合には、当該「16歳以上の扶養親族」は「障害者」に該当し、
・「下段に記載する障害の状態・程度」にも該当する場合には、「16歳以上の扶養親族」は「特別障害者」に該当します。
1 |
「精神上の障害」により『「事理を弁識する能力」を欠く常況にある人』 |
上記に該当する場合には、すべて「特別障害者」となります。 |
2 |
児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医の判定により、『「知的障害者」と判定された人』 |
上記のうち「重度の知的障害者」と判定された人は、「特別障害者」となります。 |
3 |
「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」の規定により『「精神障害者保健福祉手帳」の交付を受けている人』 |
上記のうち「障害等級が1級」と記載されている人は、「特別障害者」となります。 |
4 |
「身体障害者福祉法」の規定により交付を受けた「身体障害者手帳」に、『「身体上の障害がある人」として記載されている人』 |
上記のうち「障害の程度が1級又は2級」と記載されている人は、「特別障害者」となります。 |
5 |
『「精神」又は「身体」に障害のある年齢が満65歳以上の人』で、その「障害の程度」が1、2又は4に掲げる人に準ずるものとして『「市町村長」等や「福祉事務所長」の認定を受けている人』 |
上記のうち「特別障害者」に準ずるものとして『「市町村長」「特別区区長」や「福祉事務所長」の認定を受けている人』は、「特別障害者」となります。 |
6 |
「戦傷病者特別援護法」の規定により『「戦傷病者手帳」の交付を受けている人』 |
上記のうち「障害の程度」が『「恩給法」に定める特別項症から第3項症までの人』は、「特別障害者」となります。 |
7 |
「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」の規定により『「厚生労働大臣」の認定を受けている人』 |
上記に該当する場合には、すべて「特別障害者」となります。 |
8 |
その年の12月31日の現況で『引き続き6ヶ月以上にわたって「身体の障害」により「寝たきりの状態」で、「複雑な介護」を必要とする人』
(介護を受けなければ自ら排便等をすることができない程度の状態にあると認められる人) |
上記に該当する場合には、すべて「特別障害者」となります。 |
Point! 「身体障害者手帳を受けている者」と「精神障害者保健福祉手帳と受けている者」の違い
『「身体障害者手帳」を受けている者』につきましては、
「 障害の程度が1級又は2級 」の場合に「特別障害者」となり、
『「精神障害者保健福祉手帳」と受けている者』につきましては、
「障害等級が1級」の場合にのみ「特別障害者」として取り扱われます。
上記につきましては、申請上誤りが多いところとなりますので、ご注意頂ますようお願い致します。
|
「 同居特別障害者」の条件
「16歳以上の扶養親族」が
『上記の「特別障害者」』に該当する場合であって、
『「扶養控除等申告書を提出する本人」「その配偶者」「本人と生計を一にする親族」』のいずれかと
「同居を常としている」※場合には、
|
当該「特別障害者」は、
所得税法上の「同居特別障害者」に該当することとなります。 |
※:「同居を常としている」とは
「老人ホーム」などへ入所している場合は、「同居を常にしている」とはいえません。
(生活の本拠が「老人ホーム」などに移転していると考えられるため)
他方、「病気の治療」のため入院していることにより「本人等」と別居している場合は、
その期間が結果として1年以上といった長期にわたるような場合であっても、「同居」に該当するものと判断されます。
(入院等につきましては、結果的に長期のものとなっても、あくまで一時的なものであり、生活の本拠は「自宅」であると考えるため)
⇒ 国税庁 所得税の質疑応答事例 『「同居」の範囲 』
3:「16歳以上の扶養親族」に係る『「扶養控除等申告書」への自動転記内容 』
◆ 「控除対象扶養親族」の自動転記の内容 ◆
「(16歳以上の)親族」が「控除対象扶養親族」に該当する場合には、 |
すなわち、1)「扶養親族」の要件検討 のうち、
① 親族の「合計所得金額」が、「480,000円以下」であり、
② 「親族の生計同一の要件」において、「生計同一」にチェックが入り、
③ 「親族の青色専従者等の要件」において、「青色専従者等でない」にチェックが入り、
|
かつ、2)「16歳以上の扶養親族」の生年月日・住所・続柄・区分のうちの
「扶養親族の生年月日」欄に表示される「扶養親族の年齢」が「16歳以上」である場合には、 |
・『 1)「扶養親族」の要件検討 』で入力して頂きました内容や
・『 2)「16歳以上の扶養親族」の生年月日・住所・続柄・区分 』で入力して頂きました内容を反映した
『「控除対象扶養親族」に関して記載が必要となる事項 』が
「扶養控除等申告書」の「B 控除対象扶養親族」欄に自動転記されます。
|
◆ 『「16歳以上の扶養親族」が「障害者」に該当する場合 』の自動転記の内容 ◆
「16歳以上の親族」が「扶養親族」に該当し、かつ「障害者(特別障害者、同居特別障害者)」に該当する場合には、 |
すなわち、1)「扶養親族」の要件検討 のうち、
① 親族の「合計所得金額」が、「480,000円以下」であり、
② 「親族の生計同一の要件」において、「生計同一」にチェックが入り、
③ 「親族の青色専従者等の要件」において、「青色専従者等でない」にチェックが入っている場合で、
|
かつ、3)「16歳以上の扶養親族」の障害の状態 のうち、
・「障害者」にチェックが入っている場合、
・又は「特別障害者」にチェックが入っている場合、
・又は「同居特別障害者」にチェックが入っている場合には、
|
「扶養控除等申告書」の「C 障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」欄の「扶養親族」欄にチェックが自動転記されるとともに、障害者人数が自動転記されます。 |
なお、この場合には、
「扶養控除等申告書」の「障害者又は勤労学生の内容」欄におきましても、
『「当該扶養親族の氏名」「扶養親族の障害の状態・程度」などの障害者控除に関して記載することが必要となる事項 』も自動表示されますので、
「16歳以上の扶養親族に係る障害者控除」を申請する場合には、当該記載も忘れずに行って頂ますようお願い致します。
|
4:「控除対象扶養親族の申請」に係る注意点
◆ 「控除対象扶養親族」が『「他の所得者」の「控除対象配偶者」』にも該当する場合の注意点 ◆
「16歳以上の親族」が、
・「扶養控除等申告書を提出する本人」の「控除対象扶養親族」に該当するとともに、
・ 「他の所得者」の「控除対象配偶者」に該当する場合には、
・『「扶養控除等申告書を提出する本人」が「(当該16歳以上の親族に係る)扶養親族控除」を受け 』
・かつ、『「他の所得者」が「配偶者控除」を受ける』ことはできませんが、
(「1人の者 」に対して「扶養親族控除」と「配偶者控除」を重複して受けることはできませんが、)
(所得税法85条4、5項)
|
・『「扶養控除等申告書を提出する本人」の「控除対象扶養親族」』とならずに、
・『「他の所得者」の「控除対象配偶者」』として、「他の所得者」が「配偶者控除」を受けること
又は
・『「他の所得者」の「控除対象配偶者」』とならずに、
・『「扶養控除等申告書を提出する本人」の「控除対象扶養親族」』として、「本人」が「扶養親族控除」を受けること
を選択することはできます。
|
例 示
例えば、
・同一生計内に「父親」「母親」「子」がおり、
・「父親」「子」が「所得者」であり、
・「母親」が「父親の控除対象配偶者」「子の控除対象扶養親族」の両方に該当する場合には、
・『「父親」の「配偶者控除等申告書」』で『「母親」を「控除対象配偶者」』として申告し、
かつ
・『「子」の「扶養控除等申告書」』で『「母親」を「控除対象扶養親族」』として申告すること
はできませんが、 (所得税法85条4、5項)
|
『「父親」の「配偶者控除等申告書」』で『「母親」を「控除対象配偶者」』として申告するか、
又は
『「子」の「扶養控除等申告書」』で『「母親」を「控除対象扶養親族」』として申告するかを、
選択することはできます。
|
◆ 「16歳以上の扶養親族」が『「複数の所得者」の「控除対象扶養親」』に該当する場合の注意点 ◆
「16歳以上の扶養親族」が
・その者と『 生計を一にする複数の所得者の「控除対象扶養親族」』に該当する場合には、
「複数の所得者」がそれぞれ「その1人の者」を「控除対象扶養親族」として申告することはできませんが、
(所得税法85条4、5項)
|
「その1人の者」をいずれの「控除対象扶養親族」とするかは、選択して申告することはできます。 |
例 示 ①
例えば、
・同一生計内に「父親」「母親」「子」がおり、
・「父親」「母親」が「所得者」であり、
・「子」が『「父親」と「母親」のいずれの「控除対象扶養親族」ともなる要件』の要件を満たしている場合には、
「その子」を「控除対象扶養親族」として申告できるのは、「父親」又は「母親」のいずれか1人のみとなりますが、
(所得税法85条4、5項)
|
『「父親」の「扶養控除等申告書」』で『「子」を「控除対象扶養親族」』として申告するか、
又は
『「母親」の「扶養控除等申告書」』で『「子」を「控除対象扶養親族」』として申告するかを、
選択することはできます。
|
例 示 ②
例えば、
・「郷里にいる母親の生活費を兄弟で送金している」ような場合で、
・「母親」が『「兄」と「弟」のいずれの「控除対象扶養親族」ともなる要件』を満たしている場合には、
「兄」と「弟」がそれぞれ重複して「その母親」を「控除対象扶養親族」として申告することはできませんが、
(所得税法85条4、5項)
|
『「兄」の「扶養控除等申告書」』で『「母親」を「控除対象扶養親族」』として申告するか、
又は
『「弟」の「扶養控除等申告書」』で『「母親」を「控除対象扶養親族」』として申告するかを、
選択することはできます。
|
◆ 「複数の所得者」及び「複数の被扶養者」がいる場合の注意点 ◆
同一生計内等に「複数の所得者」がおりかつ「複数の被扶養者」がいるような場合には、
「 複数の被扶養者 」を『 その生計内の「複数の所得者」』に分けて、それぞれの「控除対象扶養親族」とすることができます。 |
例 示
例えば、
「夫」及び「妻」が共働きである場合で、2人の「控除対象扶養親族(A・B)」がいらっしゃる場合には、
・その「控除対象扶養親族(A)」を『「夫」の「控除対象扶養親族」』とし、
・その「控除対象扶養親族(B)」を『「妻」の「控除対象扶養親族」』とすることができます。
|
◆ 「16歳以上の扶養親族」につき「障害者控除」を受ける場合の注意点 ◆
「障害者である16歳以上の扶養親族」につき「障害者控除」を受けるためには、
その前提として、当該「障害者である16歳以上の扶養親族」を『 自身の「控除対象扶養親族」』として申請していることが必要となり、 |
「他の所得者」が当該「障害者である16歳以上の扶養親族」を「控除対象扶養親族」としている場合には、
「扶養控除等申告書を提出する本人」は、『 当該「障害者である16歳以上の扶養親族」を起因とした「障害者控除」』を受けることはできませんので、この点ご注意下さい。 (所得税基本通達 79-1) |
例 示 ①
例えば、
・同一生計内に「父親」「母親」「子」がおり、
・「父親」「母親」が「所得者」であり、
・「子」が「控除対象扶養親族」の要件を満たしており、かつ「一般の障害者」に該当する場合に、
『「父親」の「扶養控除等申告書」』において『「子」を「控除対象扶養親族」』として申告している場合には、
『「母親」の「扶養控除等申告書」』におきましては、『「子(扶養親族)」を「障害者」』として記載し、
「母親」が『「子(扶養親族)」を起因とする「障害者控除」』を受けることはできません。
|
なお、このような場合におきましては、
『「子」を「控除対象扶養親族」として申請し、「子に係る扶養親族控除」を受ける「父親」』のみが、
『「子(扶養親族)」を起因とする「障害者控除」』を受けることができます。
|
例 示 ②
例えば、
・「郷里にいる母親の生活費を兄弟で送金している」ような場合で、
・「母親」が『「兄」と「弟」のいずれの「控除対象扶養親族」ともなる要件』を満たしており、かつ当該「母親」が「一般の障害者」に該当する場合に、
『「兄」の「扶養控除等申告書」』において『「母親」を「控除対象扶養親族」』として申告している場合には、
『「弟」の「扶養控除等申告書」』におきましては、『「母親(扶養親族)」を「障害者」』として記載し、
「弟」が『「母親(扶養親族)」を起因とする「障害者控除」』を受けることはできません。
|
なお、このような場合におきましては、
『「母親」を「控除対象扶養親族」として申請し、「母親に係る扶養親族控除」を受ける「兄」』のみが、
『「母親(扶養親族)」を起因とする「障害者控除」』を受けることができます。
|
例 示 ③
例えば、
・「父親」及び「母親」が共働きである場合で、2人の「控除対象扶養親族の子(子A・子B)」がいらっしゃる場合で、
・「子A」が「一般の障害者」に該当する場合に、
『「父親」の「扶養控除等申告書」』において『「子A」を「控除対象扶養親族」』として申告し、
『「母親」の「扶養控除等申告書」』において『「子B」を「控除対象扶養親族」』として申告している場合には、
『「母親」の「扶養控除等申告書」』におきましては、『「子A(扶養親族)」を「障害者」』として記載し、
「母親」が『「子A(扶養親族)」を起因とする「障害者控除」』を受けることはできません。
|
なお、このような場合におきましては、
『「子A」を「控除対象扶養親族」として申請し、「子に係る扶養親族控除」を受ける「父親」』のみが、
『「子A(扶養親族)」を起因とする「障害者控除」』を受けることができます。
|
◆ 『 年末調整における「扶養親族控除」』との関係 ◆
「16歳以上の扶養親族」を「扶養控除等申告書」において「控除対象扶養親族」として申請する場合には、
『 当該「扶養控除等申告書」による申請 』で『 令和3年の年末調整に受ける「扶養親族控除」の申請 』がなされたことになります。 |
また、「障害者である16歳以上の扶養親族」を「扶養控除等申告書」において「障害者である扶養親族」として申請する場合には、
『 当該「扶養控除等申告書」による申請 』で『 令和3年の年末調整に受ける「(当該16歳以上の扶養親族に係る)障害者控除」の申請 』がなされたことになります。 |
◆ 『「扶養控除等申告書」の異動申請 』につきまして ◆
「16歳以上の扶養親族」につき、「扶養控除等申告書」で「控除対象扶養親族」「障害者控除対象扶養親族」として申請を行った場合には、
令和3年度の毎月の給与計算において、『「控除対象扶養親族」「障害者である扶養親族」に係る「源泉所得税の減額控除」』を受けることができ、 |
また、令和3年度の年末調整において、『「扶養親族控除」「障害者控除」』を受けることができますが、 |
「令和3年分の扶養控除等申告書」を提出した時点から「令和3年の年末調整」を受けるまでの間に、
「控除対象扶養親族」や「障害者である扶養親族」として申請した『「16歳以上の扶養親族」に関する申告内容 』に異動がある場合には、
上記の「毎月の給与計算における減額控除」や「令和3年度の年末調整における扶養親族控除・障害者控除」につき変更を行うことが必要となる場合があるため、
このような場合には、必ず『 当該「16歳以上の扶養親族」に関する「異動申告」』を行って頂ますようお願い致します。
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