ここでは、「障害者控除対象者」について、「その概要」を以下の事項に従いご紹介させて頂きます。
Ⅰ：「障害者控除対象者」とは
「障害者控除対象者」とは、
|
給与等所得者が「障害者控除対象者（本人、配偶者、親族）」を「扶養控除等申告書」に記載し会社に申告することで、
『「源泉所得税の減額効果」を受けることができる障害者である本人、配偶者、親族 』であり、
『「障害者控除という人的所得控除」を受けることができる障害者である本人、配偶者、親族 』のことをいいます。 |
【 給与計算時の「源泉所得税の減額効果」 】
【 年末調整時の「障害者控除」 】
Ⅱ：「障害者控除対象者」を申告した場合の効果
１、給与計算時における「源泉所得税の減額」効果
上記Ⅰでご紹介させて頂きましたように、
|
「障害者である本人、配偶者（同一生計配偶者）、親族（扶養親族）」を「障害者控除対象者」として申告した場合には、 申告者本人の給与等から控除される「源泉所得税」が「障害者控除対象者分」だけ減額されることになります。 |
◆ 設例によるご紹介 ◆
例示１
・「源泉徴収税額表」が下記のような場合であり、
・ 給与等所得者が受ける「社会保険料等控除後の給与等の金額」が90,000円/月であるような給与等所得者が、
・「扶養控除等申告書」に「本人が障害者である旨」を記載して会社に申告する場合には、
例示２
・「源泉徴収税額表」が下記のような場合であり、
・ 給与等所得者が受ける「社会保険料等控除後の給与等の金額」が250,000円/月であるような給与等所得者が、
・「扶養控除等申告書」に「同一生計配偶者が特別障害者である旨」を記載して会社に申告する場合には、
例示３
・「源泉徴収税額表」が下記のような場合であり、
・ 給与等所得者が受ける「社会保険料等控除後の給与等の金額」が500,000円/月であるような給与等所得者が、
・「扶養控除等申告書」に「扶養親族が同居特別障害者である旨」を記載して会社に申告する場合には、
２、年末調整時における「人的所得控除」効果
上記Ⅰでご紹介させて頂きましたように、
|
「障害者である本人、配偶者（同一生計配偶者）、親族（扶養親族）」を「障害者控除対象者」として申告した場合には、 年末調整の申告者本人の課税所得計算において「障害者控除対象者の区分に応じた障害者控除」を受けることができます。 |
【 「障害者控除対象者の区分」に応じた「障害者控除額」 】
| 障害者控除対象者の区分 | 障害者控除の金額 |
| 障害者 | 270,000円 |
| 特別障害者 | 400,000円 |
| 同居特別障害者 | 750,000円 |
◆ 設例によるご紹介 ◆
例示１
・「給与収入の金額」が1,080,000円/年（給与所得控除額：550,000円）であり、
・「年間社会保険料控除額」は０円、「基礎控除額」は４８万円であるような給与等所得者が、
・「扶養控除等申告書」に「本人が障害者である旨」を記載して会社に申告する場合には、
例示２
・「給与収入の金額」が3,600,000円/年（給与所得控除額：1,160,000円）であり、
・「年間社会保険料控除額」は537,000円、「基礎控除額」は４８万円であるような給与等所得者が、
・「扶養控除等申告書」に「同一生計配偶者が特別障害者である旨」を記載して会社に申告する場合には、
例示３
・「給与収入の金額」が7,080,000円/年（給与所得控除額：1,808,000円）であり、
・「年間社会保険料控除額」は1,057,000円、「基礎控除額」は４８万円であるような給与等所得者が、
・「扶養控除等申告書」に「扶養親族が同居特別障害者である旨」を記載して会社に申告する場合には、
Ⅲ：「障害者控除対象者の記載」の利用期間
「扶養控除等申告書」は、
|
『 毎月の給与計算で「源泉所得税を控除する」』際に必要になる書類であるため、
・既存の給与等所得者からは「前年度の年末調整時」に会社に提出され、 ・途中入社・途中就任した給与等所得者からは「当暦年度途中の入社・就任時」に会社に提出されることになりますが、 |
上記の時期に提出された『「当暦年度の扶養控除等申告書」における「障害者控除対象者」の記載 』は、
|
当暦年度の最初に行われる「給与計算」～当暦年度の年末に行われる「年末調整」にわたって利用され、
入社・就任後の最初に行われる「給与計算」～当暦年度の年末に行われる「年末調整」にわたって利用されます。 |
◆ 「既存の給与等所得者」の提出時期と利用開始時期 ◆
「
◆ 「暦年度の途中に入社・就任した給与等所得者」の提出時期と利用開始時期 ◆
Ⅳ：「障害者」及び「障害者控除対象者」の条件
１、「障害者」の条件
「扶養控除等申告書を提出する本人」が「本人」「配偶者」「親族」を「障害者控除対象者」として申告するためには、
|
まず「申告者本人」又は「その配偶者」又は「その親族」が、 その年（申告書対象年度）の12月31日の現況で『「下図上段に示す「障害の状態」』に該当することが必要となりますので、 |
「扶養控除等申告書」で「障害者控除」を申告する場合には、
|
まず、『「本人」又は「その配偶者」又は「その親族」の「障害の状態」』が、 下図「１～８の上段の状態（一般障害者の状態）」にあるをご確認下さい。 |
なお、所得税法におきましては、
|
「障害者」のうち「特に障害の程度が重い方」を、 別途「特別障害者」（下図「１～８の下段の状態」に該当する者）として取り扱うこととしていますので、 |
「扶養控除等申告書」で「障害者控除」を申告する場合には、
|
『「本人」又は「その配偶者」又は「その親族」の「障害の状態」』が、 下図「１～８の下段の状態（特別障害の状態）」にあるか否かもご確認下さい。 |
【「障害者の条件」及び「特別障害者の条件」】
| １ | 一般 | 「精神上の障害」により『「事理を弁識する能力」を欠く常況にある人 』 |
| 特別 | 上記に該当する場合にはすべて「特別障害者」となります。 | |
| ２ |
一般 |
児童相談所・知的障害者更生相談所・精神保健福祉センター・精神保健指定医の判定により、 『「知的障害者」と判定された人 』（「療育手帳」「 愛の手帳」「愛護手帳」などをお持ちの方 ） |
| 特別 | 上記のうち『「重度の知的障害者」と判定された人 』は「特別障害者」となります。 | |
| ３ | 一般 | 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」の規定により『「精神障害者保健福祉手帳」の交付を受けている人 』 （ 「等級」は１級～３級まであります。） |
| 特別 | 上記のうち『「障害等級が1級」と記載されている人 』は「特別障害者」となります。 | |
| ４ |
一般 |
「身体障害者福祉法」の規定により交付を受けた「身体障害者手帳」に、 『「身体上の障害がある人」として記載されている人 』（ 「等級」は１級～６級まであります。） |
| 特別 | 上記のうち『「障害の程度が1級又は2級」と記載されている人 』は「特別障害者」となります。 | |
| ５ |
一般 |
『「精神」又は「身体」に障害のある満65歳以上の人 』で『「障害の程度」が1、2、4に準ずるもの 』として、 『「市町村長」等や「福祉事務所長」の認定を受けている人 』 |
|
特別 |
上記のうち「特別障害者」に準ずるものとして、 『「市町村長」「特別区区長」や「福祉事務所長」の認定を受けている人 』は「特別障害者」となります |
|
| ６ | 一般 | 「戦傷病者特別援護法」の規定により『「戦傷病者手帳」の交付を受けている人 』 |
| 特別 | 上記のうち「障害の程度」が『「恩給法」に定める特別項症から第3項症までの人 』は「特別障害者」となります。 | |
| ７ | 一般 | 「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」の規定により『「厚生労働大臣」の認定を受けている人 』 |
| 特別 | 上記に該当する場合にはすべて「特別障害者」となります。 | |
| ８ |
一般 |
その年の12月31日の現況で『 引き続き6ヶ月以上にわたって「身体の障害」により「寝たきりの状態」』で、
（ 介護を受けなければ自ら排便等をすることができない程度の状態にあると認められる人 ） |
| 特別 | 上記に該当する場合にはすべて「特別障害者」となります。 |
（ 国税庁HP タックスアンサー No.1160 ： 障害者控除「障害者控除の対象となる人の範囲」 ）
◆ 「身体障害者手帳の保有者」と「精神障害者保健福祉手帳の保有者」に係る「特別障害者」の違い ◆
２、「障害者控除対象者」の条件
１）「申告者本人」を「障害者控除対象者」として申告するための条件
「申告者本人」を「障害者控除対象者」として申告する場合には、
| 「申告者本人」が、上記１でご紹介させて頂きました「障害者の条件」を満たしていることのみが必要となります。 |
２）「申告者本人の配偶者」を「障害者控除対象者」として申告するための条件
「申告者本人の配偶者」を「障害者控除対象者」として申告するためには、
|
|
「同一生計配偶者」とは、その年（申告書対象年度）の12月31日の現況で以下の要件すべてを満たす人をいいます。
| 「 配偶者 」の要件 |
| ① 本人と生計を一にしている民法上の配偶者である |
| ② 配偶者の合計所得（見積）金額が48万円以下である |
|
③ ・「本人」又は「本人と生計を一にする者」の青色専従者として給与の支払を受けていない
・「本人」又は「本人と生計を一にする者」の白色専従者でない |
◆ 「同一生計配偶者の要件」についての詳細説明ページ ◆
上記『 同一生計配偶者の「各要件内容」』につきましては、
別途『「障害者控除」の申告条件&扶養控除等申告書への記載方法 』というページの
『 Ⅳ：「配偶者」を「障害者控除対象者」として申告する場合の条件・注意点等 』で詳しくご紹介させて頂いておりますので、
「配偶者を障害者控除対象者」として申告される場合には、是非当該リンクページをご確認下さい。
３）「申告者本人の親族」を「障害者控除対象者」として申告するための条件
「申告者本人の親族」を「障害者控除対象者」として申告するためには、
|
|
「扶養親族」とは、その年（申告書対象年度）の12月31日の現況で以下の要件すべてを満たす人をいいます。
| 「扶養親族」の要件 |
|
① ・本人の「配偶者以外の親族（6親等内の血族及び3親等内の姻族）」である
・（又は）都道府県知事から養育を委託された児童である
・（又は）市町村長から養護を委託された老人である |
| ② 本人と生計を一にしている |
| ③ その親族の合計所得（見積）金額が48万円以下である |
|
④ ・「本人」又は「本人と生計を一にする者」の青色専従者として給与の支払を受けていない
・「本人」又は「本人と生計を一にする者」の白色専従者でない |
（ 国税庁HP：「扶養親族」）
◆ 「親族」が「非居住者」で「その年齢が30歳以上70歳未満」である場合の追加条件 ◆
◆ 「扶養親族の要件」についての詳細説明ページ ◆
上記『 扶養親族の「各要件内容」』につきましては、
別途『「障害者控除」の申告条件&扶養控除等申告書への記載方法 』というページの
『 Ⅵ：「親族」を「障害者控除対象者」として申告する場合の条件・注意点等 』で詳しくご紹介させて頂いておりますので、
「親族を障害者控除対象者」として申告される場合には、是非当該リンクページをご確認下さい。
Ⅴ：「障害者控除対象者（配偶者、親族）」に係る申告上の注意点
「申告者本人」が「その配偶者」や「その親族」を「障害者控除対象者」として申告するためには、
| 上記 Ⅳ-１及び Ⅳ-２(2) や Ⅳ-２(3) でご紹介した要件を満たせば、原則として申告することはできますが、 |
「申告者本人の同一生計内」に「複数の所得者」がいらっしゃるような場合には、
| 『「障害者控除対象者」を申告するにあたり、上記Ⅳの要件以外に「ご注意頂きたい事項」もございますので、 |
「申告者本人の同一生計内」に「複数の所得者」がいらっしゃる状況で、「障害者控除対象者」を申告しようという場合には、
| 下記「１～２でご紹介する事項」も事前にご確認・ご注意頂きますようお願い致します。 |
１、「同一生計配偶者」を「障害者控除対象者」として申告する場合の注意点
「配偶者に係る障害者控除」につきましては、
|
原則として、「（本人の）扶養控除等申告書」において「同一生計配偶者に係る障害者控除」を申告することができますが、 |
同一生計内に「複数の所得者」がいらっしゃり、「同一生計配偶者」を「障害者控除対象者」として申告する場合には、
|
当該「同一生計配偶者」が、 ・「他の所得者」の「扶養親族」として、
「他の所得者」が「当該配偶者に係る扶養親族控除」を受けていないことが必要となりますので、この点ご注意下さい。 |
◆ 「同一生計配偶者を障害者控除対象者として申告する場合の注意点」についての詳細説明ページ ◆
上記『「同一生計配偶者」を「障害者控除対象者」として申告する場合の注意点 』につきましては、
別途『「障害者控除」の申告条件&扶養控除等申告書への記載方法 』というページの
『 Ⅳ：「配偶者」を「障害者控除対象者」として申告する場合の条件・注意点等 』で例示を含めご紹介させて頂いておりますので、
「配偶者を障害者控除対象者」として申告される場合には、是非当該リンクページをご確認下さい。
２、「扶養親族」を「障害者控除対象者」として申告する場合の注意点
「親族に係る障害者控除」につきましては、
|
原則として、「（本人の）扶養控除等申告書」において「扶養親族に係る障害者控除」を申告することができますが、 |
同一生計内に「複数の所得者」がいらっしゃり、「扶養親族」を「障害者控除対象者」として申告する場合には、
|
当該「扶養親族」が、
「他の所得者」が「当該扶養親族に係る配偶者控除」を受けていないこと
「他の所得者」が「当該扶養親族に係る扶養親族控除」を受けていないことが必要となります。 |
◆ 「扶養親族を障害者控除対象者として申告する場合の注意点」についての詳細説明ページ ◆
上記『「扶養親族」を「障害者控除対象者」として申告する場合の注意点 』につきましては、
別途『「障害者控除」の申告条件&扶養控除等申告書への記載方法 』というページの
『 Ⅵ：「親族」を「障害者控除対象者」として申告する場合の条件・注意点等 』で例示を含めご紹介させて頂いておりますので、
「親族を障害者控除対象者」として申告される場合には、是非当該リンクページをご確認下さい。
Ⅵ：所得税法上の「障害者」の区分
所得税法におきましては、
| 「障害者の方の障害の程度」や「障害者の方との同居の有無」などにより扶養者の生活費負担等が異なるため、 |
「障害者控除対象者」を、
|
の「３つの障害者控除対象者」に区分し、
|
このため、「扶養控除等申告書」で「障害者控除対象者」の申告を行う場合には、
| 『「障害者控除対象者」の区分 』についても、事前にご理解頂きますようお願い致します。 |
１、 一般障害者
「一般障害者」とは、
| 「その方の障害の状態・程度」が「一般の障害の状態・程度」にある者のことをいいます。 |
従いまして、
|
・上記Ⅳ-１の「障害者の条件」図の『「１～８の上段の状態・程度（一般の障害の状態）」には該当するが、 ・上記Ⅳ-１の「障害者の条件」図の『「１～８の下段の状態・程度（特別の障害の状態）」には該しない場合には、
当該「障害者控除対象者」を「一般障害者」として申告することが必要となります。 |
２、 特別障害者
「特別障害者」とは、
|
・「その方の障害の状態・程度」が「特別の障害の状態・程度」にある者で、 ・「同居特別障害者」には該当しない者のことをいいます。 |
従いまして、
|
・上記Ⅳ-１の「障害者の条件」図の『「１～８の下段の状態・程度（特別の障害の状態）」に該当し、 ・下記３でご紹介させて頂きます「同居特別障害者」に該当しない場合には、
当該「障害者控除対象者」を「特別障害者」として申告することが必要となります。 |
３、 同居特別障害者
「同居特別障害者」とは、
|
・「その方の障害の状態・程度」が「特別の障害の状態・程度」にある者で、 ・「本人、その配偶者、本人と生計を一にする親族」のいずれかと同居を常況としている者のことをいいます。 |
従いまして、
|
・上記Ⅳ-１の「障害者の条件」図の『「１～８の下段の状態・程度（特別の障害の状態）」に該当し、 ・「本人、その配偶者、本人と生計を一にする親族」のいずれかと同居を常況としている場合には、
当該「障害者控除対象者」を「同居特別障害者」として申告することが必要となります。 |
◆ 「障害者控除対象者の区分」についての詳細説明ページ ◆
上記『 障害者控除対象者の「区分」及び「各区分の要件」』につきましては、
別途『「障害者控除」の申告条件&扶養控除等申告書への記載方法 』というページの
『 Ⅱ：『「障害の状態」にあるという条件 』と『「障害者」の区分 』 』で詳しくご紹介させて頂いておりますので、
「障害者控除対象者」を申告される場合には、是非当該リンクページをご確認下さい。
Ⅶ：「障害者控除対象者」に係る「扶養控除等申告書」の書き方
１、「申告者本人」を「障害者控除対象者」として申告する場合
「申告者本人」を「障害者控除対象者」として申告する場合には、
|
・「障害者控除を申告する旨」及び、 ・「申告者本人の障害者区分」を記載するとともに、
・「障害の状態」又は「交付を受けている手帳等の種類・交付年月日」及び、 ・「障害の程度（障害の等級）」を「扶養控除等申告書」に記載することが必要となります。 |
１）「障害者控除を申告する旨」及び「障害者区分」の記載
|
「申告者本人に係る障害者控除」を申告する場合には、
・「一般障害者」に該当する場合には、「一般の障害者」欄に「✓」を、 ・「特別障害者」に該当する場合には、「特別障害者」欄に「✓」を記載します。 |
２）「障害の状態・程度」の記載
「申告者本人」が『 上記１）に記載した「障害の状態・程度」にある 』ことを明示するために、
|
「C：障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」箇所の「障害者又は勤労学生の内容」欄に、
①「障害の状態」又は「交付を受けている手帳等の種類・交付年月日」 ②「障害の程度（障害の等級）」などの障害者・特別障害者に該当する事実 を記載することが必要となります。 |
◆ 「扶養控除等申告書への記載方法」についての詳細説明ページ ◆
上記『「申告者本人を障害者控除対象者」として申告する場合の「扶養控除等申告書への記載方法」』につきましては、
別途『「障害者控除」の申告条件&扶養控除等申告書への記載方法 』というページの
『 Ⅲ：「本人に係る障害者控除」を受ける場合の「扶養控除等申告書」の書き方 』で記載例等ご紹介させて頂いておりますので、
「申告者本人を障害者控除対象者」として申告される場合には、是非当該リンクページをご確認下さい。
２、「同一生計配偶者」を「障害者控除対象者」として申告する場合
「申告者の同一生計配偶者」を「障害者控除対象者」として申告する場合には、
|
・「障害者控除を申告する旨」及び、 ・「同一生計配偶者の障害者区分」を記載するとともに、
・「同一生計配偶者の情報」及び、 ・「障害の状態」又は「交付を受けている手帳等の種類・交付年月日」及び、 ・「障害の程度（障害の等級）」を「扶養控除等申告書」に記載することが必要となります。 |
なお、「同一生計配偶者」が「扶養控除等申告書」に「源泉控除対象配偶者」として記載されている場合には、
|
下記（２）の「障害者又は勤労学生の内容」欄では、 ・「同一生計配偶者の情報」の「大部分の記載」を省略することができます。 |
１）「障害者控除を申告する旨」及び「障害者区分」の記載
|
「同一生計配偶者に係る障害者控除」を申告する場合には、
・「一般障害者」に該当する場合には、「一般の障害者」欄に「✓」を、 ・「特別障害者」に該当する場合には、「特別障害者」欄に「✓」を、 ・「同居特別障害者」に該当する場合には、「同居特別障害者」欄に「✓」を記載します。 |
２）「同一生計配偶者の情報」や「障害の状態・程度」の記載
①「同一生計配偶者」が「源泉控除対象配偶者」として「扶養控除等申告書」に記載されていない場合
「同一生計配偶者」が「源泉控除対象配偶者」として「扶養控除等申告書」に記載されていない場合には、
|
|
具体的には、以下の事項を記載することが必要となります。
|
① 氏名 ② マイナンバー ③ 住所 ④ 生年月日 ⑤ 本人と続柄 ⑥ その暦年度の合計所得（見積）金額 ⑦（特別障害者である場合には）同居の有無 ⑧「障害の状態」又は「交付を受けている手帳等の種類・交付年月日」 ⑨「障害の程度（障害の等級）」などの障害者・特別障害者に該当する事実 ⑩「同一生計配偶者」が「非居住者」に該当する場合には、 ・提出時に『「非居住者」に該当する旨 』
・その年度の年末調整時に『 本人が配偶者にその暦年中送金した「送金合計金額」』の記載が必要となります。 |
②「同一生計配偶者」が「源泉控除対象配偶者」として「扶養控除等申告書」に記載されている場合
「同一生計配偶者」が「源泉控除対象配偶者」として「扶養控除等申告書」に記載されている場合には、
|
|
具体的には、以下の事項を記載することで足ります。
|
① 氏名 ②（特別障害者である場合には）同居の有無 ③「障害の状態」又は「交付を受けている手帳等の種類・交付年月日」 ④「障害の程度（障害の等級）」などの障害者・特別障害者に該当する事実 |
◆ 「扶養控除等申告書への記載方法」についての詳細説明ページ ◆
上記『「同一生計配偶者を障害者控除対象者」として申告する場合の「扶養控除等申告書への記載方法」』につきましては、
別途『「障害者控除」の申告条件&扶養控除等申告書への記載方法 』というページの
『 Ⅴ：「配偶者に係る障害者控除」を受ける場合の「扶養控除等申告書」の書き方 』で記載例等ご紹介させて頂いておりますので、
「同一生計配偶者を障害者控除対象者」として申告される場合には、是非当該リンクページをご確認下さい。
３、「扶養親族」を「障害者控除対象者」として申告する場合
「申告者の扶養親族」を「障害者控除対象者」として申告する場合には、
|
・「障害者控除を申告する旨」及び、 ・「扶養親族の障害者区分、その人数」を記載するとともに、
・「障害の状態」又は「交付を受けている手帳等の種類・交付年月日」及び、 ・「障害の程度（障害の等級）」を「扶養控除等申告書」に記載することが必要となります。 |
なお、「扶養親族」が「16歳未満の扶養親族」である場合には、
| 当該『「障害者である16歳未満の扶養親族」に関する情報 』が「扶養控除等申告書」に記載されない場合もあるため、 |
「障害者である16歳未満の扶養親族」が「扶養控除等申告書」に記載されない場合には、
|
下記（２）の「障害者又は勤労学生の内容」欄では、 『「障害者である16歳未満の扶養親族」に関する情報 』も記載することが必要となります。 |
１）「障害者控除を申告する旨」及び「障害者区分、その人数」の記載
|
「扶養親族に係る障害者控除」を申告する場合には、
・「一般障害者」に該当する場合には、「一般の障害者」欄に「✓及びその人数※」を、 ・「特別障害者」に該当する場合には、「特別障害者」欄に「✓及びその人数※」を、 ・「同居特別障害者」に該当する場合には、「同居特別障害者」欄に「✓及びその人数※」を記載します。
※ 「障害者控除対象親族」は、複数人いらっしゃる場合も想定されますので、上記には「人数」の記載も必要となります。 |
２）「扶養親族の情報」や「障害の状態・程度」の記載
①「扶養親族」が「控除対象扶養親族又は16歳未満の扶養親族」として「扶養控除等申告書」に記載されている場合
「扶養親族」が「控除対象扶養親族又は16歳未満の扶養親族」として「扶養控除等申告書」に記載されている場合には、
|
|
具体的には、以下の事項を記載することになります。
|
① 氏名 ②（特別障害者である場合には）同居の有無 ③「障害の状態」又は「交付を受けている手帳等の種類・交付年月日」 ④「障害の程度（障害の等級）」などの障害者・特別障害者に該当する事実 |
◆ 「扶養親族」が「障害者控除対象者」である場合の『「扶養控除等申告書」における記載前提 』 ◆
◆ A：「障害者控除対象親族」が１６歳以上である場合 ◆
◆ B：「障害者控除対象親族」が１６歳未満である場合 ◆
②「扶養親族」が「16歳未満の扶養親族」として「扶養控除等申告書」に記載されていない場合
「扶養親族」が「16歳未満の扶養親族」として「扶養控除等申告書」に記載されていない場合には、
|
「C：障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」箇所の「障害者又は勤労学生の内容」欄に記載が必要となり、 |
具体的には、以下の事項を記載することが必要となります。
|
① 氏名 ② マイナンバー ③ 住所 ④ 生年月日 ⑤ 本人と続柄 ⑥ その暦年度の合計所得（見積）金額 ⑦（特別障害者である場合には）同居の有無 ⑧「障害の状態」又は「交付を受けている手帳等の種類・交付年月日」 ⑨「障害の程度（障害の等級）」などの障害者・特別障害者に該当する事実 ⑩「16歳未満の扶養親族」が「非居住者」に該当する場合には、 ・提出時に『「非居住者」に該当する旨 』
・その年度の年末調整時に『 本人が配偶者にその暦年中送金した「送金合計金額」』の記載が必要となります。 |
◆ 「扶養控除等申告書への記載方法」についての詳細説明ページ ◆
上記『「扶養親族を障害者控除対象者」として申告する場合の「扶養控除等申告書への記載方法」』につきましては、
別途『「障害者控除」の申告条件&扶養控除等申告書への記載方法 』というページの
『 Ⅶ：「親族に係る障害者控除」を受ける場合の「扶養控除等申告書」の書き方 』で記載例等ご紹介させて頂いておりますので、
「扶養親族を障害者控除対象者」として申告される場合には、是非当該リンクページをご確認下さい。
Ⅷ：「障害者控除対象者」に係る「提出時」＆「年末調整時」の添付書類
「扶養控除等申告書」に「障害者控除対象者」を記載する場合には、
| 原則、当該『「障害者控除対象者」に係る記載事項 』を証明するための添付書類等は必要ありません。 |
ただし、「障害者控除対象者（同一生計配偶者又は扶養親族）」が「非居住者」である場合には、
「扶養控除等申告書」の提出時に、
|
・「障害者控除対象者（同一生計配偶者又は扶養親族）」が「本人の配偶者又は親族であること」を証明するため、 （ なお、「30歳以上70歳未満の留学非居住親族」については、「留学していること」も証明するため、）
「親族関係書類」や「留学ビザ等書類」を「扶養控除等申告書」に添付し会社に提出することが必要となり、 |
かつ、その年度の「最後の給与」が支払われるまでに（≒その年度の年末調整時まで）に、
|
・「障害者控除対象者（同一生計配偶者又は扶養親族）」が「本人と生計を一にすること」を証明するため、 ・「30歳以上70歳未満の38万円以上受領非居住親族」については、「38万円以上の送金を受けたこと」を証明するため、
「送金関係書類」や「38万円送金書類」を会社に提出することが必要となります。 |
（ 国税庁HP リーフレット：「非居住者である親族について扶養控除等の適用を受ける方へ」 ）
◆ 「障害者控除対象者に係る申告時・年末調整時の添付書類」についての詳細説明ページ ◆
上記『「障害者控除対象者」に係る「申告時の添付書類」＆「年末調整時の添付書類」』につきましては、
別途『「障害者控除」の申告条件&扶養控除等申告書への記載方法 』というページの
『 Ⅷ：「障害者控除対象者」に係る「提出時」＆「年末調整時」の添付書類 』で詳しくご紹介させて頂いておりますので、
必要がある場合には、当該リンクページをご一読下さい。
Ⅸ：「障害者控除対象者の記載内容」に異動があった場合の対応
「扶養控除等申告書」は、
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『 毎月の給与計算で「源泉所得税を控除する」』際に必要になる書類であるため、
・既存の給与等所得者からは「前年度の年末調整時」に会社に提出され、 ・途中入社・途中就任した給与等所得者からは「当暦年度途中の入社・就任時」に会社に提出されることになりますが、 |
暦年度の途中に、
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『「障害者控除対象者」について記載した事項 』に異動があるような場合には、 ・「（提出している）扶養控除等申告書」に「記載されている事項」を修正し、 ・「修正後の扶養控除等申告書」を会社に提出し直すことが必要となります。 |
なお、暦年度の途中や年末調整時に、
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・「扶養控除等申告書」の「A：源泉控除対象配偶者」箇所に記載されおり、 「それらの記載内容」に異動が生じているような場合や、
・「扶養控除等申告書」の「B：控除対象扶養親族」箇所又は、 ・「扶養控除等申告書」の「住民税に関する事項：16歳未満の扶養親族」箇所に記載されており、 「それらの記載内容」に異動が生じているような場合には、
上記の修正とともに、「それらの記載内容」についても修正が必要となりますので、この点につきましてもご注意下さい。 |
◆ 『「障害者控除対象者の記載内容」に異動があった場合の対応 』についての詳細説明ページ ◆
上記『「障害者控除対象者に係る扶養控除等申告書」の具体的な修正方法 』につきましては、
別途『「障害者控除」の申告条件&扶養控除等申告書への記載方法 』というページの
『 Ⅸ：「障害者控除対象者の記載内容」に異動がある場合の対応 』で修正例示を含め詳しくご紹介させて頂いておりますので、
「（障害者控除対象者に係る）扶養控除等申告書の修正」を行う場合には、是非当該リンクページをご一読下さい。
税理士事務所・会計事務所からのPOINT
ここでは、『「障害者控除対象者」の概要 』として、
・「障害者控除対象者」とは
・「障害者控除対象者」を申告した場合の効果
・「障害者控除対象者の記載」の利用期間
・「障害者」及び「障害者控除対象者」の条件
・「障害者控除対象者（配偶者、親族）」に係る申告上の注意点
・ 所得税法上の「障害者」の区分
・「障害者控除対象者」に係る「扶養控除等申告書」の書き方
・「障害者控除対象者」に係る「提出時」＆「年末調整時」の添付書類
・「障害者控除対象者」に異動があった場合の対応
の「概要」をご紹介させて頂いております。
◆ 「障害者控除対象者」の定義 ◆
『「障害者控除対象者」の定義 』につきましては、
・『「障害者控除対象者」の要件 』を『「障害者控除対象者」の定義 』とする
・『「障害者控除対象者」の申告効果 』を『「障害者控除対象者」の定義 』とすることなどが考えられますが、
ここでは、「後者の考え方」から「障害者控除対象者」を定義させて頂いております。
◆ 『「障害者控除対象者」を申告した場合の効果 』につきまして ◆
「扶養控除等申告書」における『「障害者控除対象者」の申告 』は、
・給与計算時において『「障害者控除対象者」に係る「源泉所得税の減額」』を受けるとともに、
・年末調整時において『「障害者控除」という所得控除 』を受けるための申告となりますが、
「それぞれの具体的な効果」につきましては、本文Ⅱに記載した設例をご参照下さい。
◆ 「障害者控除対象者の記載」の利用期間 ◆
≫「扶養控除等申告書」は年末調整時に提出される書類となりますが、
≫「扶養控除等申告書」に記載される「障害者控除対象者」は、
・提出した年度の年末調整時から使用されるのではなく、
・あくまで、提出した年度の翌年度にかけて使用されるものとなりますので、この点につきましてはご注意下さい。
◆ 「障害者控除対象者」を申告するための条件 ◆
≫ 当該ページにおきましては、
「障害者控除対象者の要件」としての「障害者＆障害者控除対象者の要件」を簡潔にご紹介しているのみとなりますので、
≫ 実際に「障害者控除対象者」の申告を行われる場合には、
是非本文リンクページでご紹介している「各要件の内容」も併せてご確認頂きますようお願い致します。
◆ 「障害者控除対象者」に係る申告上の注意点 ◆
≫ 当該ページにおきましては、
「障害者控除対象者に係る申告上の注意点」を簡潔にご紹介しているのみとなりますので、
≫ 同一生計内に「複数の所得者」がいらっしるような状況で、「障害者控除対象配偶者・親族」の申告を行われる場合には、
是非本文リンクページでご紹介している「申告上の注意点」や「例示」も併せてご確認頂きますようお願い致します。
◆ 「障害者控除対象者」に係る「扶養控除等申告書」の書き方 ◆
≫ 当該ページにおきましては、
「障害者控除対象者の申告に必要となる記載事項」を簡潔にご紹介しているのみとなりますので、
≫ 実際に「障害者控除対象者」の申告を行われる場合には、
是非本文リンクページでご紹介している「記載内容」や「記載例」も併せてご確認頂きますようお願い致します。
◆ 「障害者控除対象者」に係る「申告書提出時」＆「年末調整時」の添付書類 ◆
≫「扶養控除等申告書」により「障害者控除対象者」の申告を行う場合には、
原則、「それに添付することが必要となる書類」はございませんが、
≫「障害者控除対象者（配偶者・親族）」が「非居住者」である場合には、
「扶養控除等申告書」の提出時や年末調整時において、
例外的に、「親族関係書類」や「送金関係書類」などの添付が必要となりますので、
「親族」が「非居住者」であるような場合には、この点につきご注意頂きますようお願い致します。
≫ なお、本文リンクページには、「各書類の内容」についても詳しくご紹介させて頂いておりますので、
実際に「非居住者である障害者控除対象者」を申告する場合には、是非当該ページもご確認頂きますようお願い致します。
◆ 「障害者控除対象者の記載内容」に異動があった場合の対応 ◆
≫『「障害者控除対象者」の申告 』につきましては、
基本的に『 申告対象年度の「前年の年末調整時」』に行われることになるため、
申告対象年度中におきましては、
「扶養控除等申告書」に記載した『「障害者控除対象者」の記載内容 』に異動が生じることが想定されます。
≫ 従いまして、実際に『「障害者控除対象者」の記載内容 』に異動が生じたような場合には、
本文Ⅸでご紹介させて頂きましたようなご対応を取って頂きますようお願い致します。
≫ なお、本文Ⅸで記載させて頂きましたリンクページには、「具体的な修正例」もご紹介させて頂いておりますので、
実際に「障害者控除対象者の記載内容」を修正する場合には、是非当該ページもご確認頂きますようお願い致します。
